「こころ」ではなく「行動」に注目!反抗期に親だからできること【反抗期を科学する・9】(2ページ目)

お悩みの保護者の皆さんに提案!

そこで、提案です。
『こころ』は一旦、扱わないことにしませんか。

もちろん、子どもの『こころ』について考える必要がないと言っているわけではありません。子どもの『こころ』を思い、子どもの『こころ』に訴えかけることは重要です。しかし、ここまで説明したとおり、『こころ』について議論しても深まりません。何しろ、『こころ』は移ろいやすく、捉えにくく、見えないものなのですから。

『こころ』の代わりに扱うものとは?

『こころ』の代わりに扱うものとは?

では、何を扱うかということですが、ここでは『行動』のみを扱うことにしましょう。
『行動』は、客観的に観察可能です。そして、その『行動』の起こる原因や、その『行動』によって引き起こされる結果も具体的に明らかにすることができます。つまり科学的に子どもの状況を把握し、対応策を考えることができるんです。

親の悩みは『行動』にある!

それに、反抗期に翻弄される親たちは、子どもの『行動』に悩まされているのであって、その背後にある『こころ』の問題に困っているわけではありません。例えば、思春期の子どもの中には「不安でいっぱい」「甘えている」「寂しい」という『こころ』の状態の子どもが少なくないですが、そうした心の状態は、思春期であればある意味、当たり前のことです。問題は、そうした『こころ』の状態ではなく、それを表現する『行動』にあるのです。

では、反抗期の問題を『行動』として捉えるとどうなるのか。実際に例を挙げて考えてみましょう。