いよいよ今回は、反抗期の子どもの行動を分析していきます。難しく構えずに、和久田先生の具体例を見ていきましょう。今までと違うものが見えてくるはずです。
反抗期の行動を科学的に分析する方法
前回、子どもの反抗期とは、子どもの行動の問題であることを指摘しました。反抗期について、子どもの『こころ』ではなく『行動』に注目し、冷静に観察、記録することにより、対応方法が明らかになることが分かっていただけたと思います。
今回は、その続きで、子どもの『行動』を記録したところから始めさせていただきますね。(『行動』の記録については、前回の記事をご覧ください)
ABC分析とは?
さて、子どもの『行動』に注目し、それを記録しました。大切なのは、『行動』を客観的に観察すること。
応用行動分析では、その記録を、A:その『行動』が起こる前のこと(これを先行条件と言います)、そしてB:『行動』そのもの(それが起こった時刻、場所、どのくらいの時間が続いたのか)、さらにC:『行動』が起こった後のこと(これを結果と言います)の3つの流れで記録して分析します。
これをABC分析と言って、応用行動分析の基本的な考え方になります。
もっとも行動科学の世界は非常に奥深く、精緻にできています。興味のある方は、専門の講座でしっかり学んでいただくとして、ここではABC分析の考え方に触れる、という程度であることを前提に話を進めさせていただきます。