反抗期は怖くない!反抗期を楽しむ3つの新・視点【反抗期を科学する・12】(3ページ目)

反抗期は子が親を求め・頼る最後のとき

反抗期は子が親を求め・頼る最後のとき

『反抗期』がどのくらいの長さなのか、個人差がありますが、長くても数年のことです。
その数年の間、子どもは親に体当たりでかかわりを持とうとします。つまり、『反抗期』は、子どもが親を求め、親を頼りにし、子どもであることを主張する、最後の数年間だとも言えます。
子どもが子どもでいてくれる期間は、実はそんなに長いことではありません。
『反抗期』は、その最後の輝きであり、一生を通じて、彼らと親の関係を深める時期でもあります。ですから、親はその『反抗期』につきあえばいい、ということになります。そして、それを彼らは望んでいるのです。

いかがでしょうか。
こんな風に『反抗期=思春期』について科学的に考えていくと、『反抗期』の子どもたちが愛おしく思えてきませんか。なにしろ『反抗期』の行動は、親への期待の裏返しであって、単なる『反抗』でも、親を嫌ってのことでもないことは明らかなのですから。

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和久田 学(わくた まなぶ)先生

和久田 学(わくた まなぶ)先生

小児発達学博士、子どもの発達科学研究所主席研究員、大阪大学大学院特任講師、日本児童青年精神医学会会員及び教育に関する委員会委員、日本LD学会会員。教員経験ののち、連合大学院で博士号を取得した稀有な経歴を持つ研究者。日本の教育、子育ての世界に科学的根拠に基づく先進的な研究やプログラムを導入。「愛と科学は両立する」を信条に、子どもたちが本来持っている能力を存分に発揮できるよう、研究・開発・社会実装に力を注いでいる。
著書に『科学的に考える子育て~エビデンスに基づく10の真実~』(緑書房)、『学校を変える いじめの科学』(日本評論社)。その他論文多数。

子どもの発達科学研究所

子どもの発達科学研究所は、子育て、いじめ予防、就労支援等に関し、科学的根拠に基づくプログラムの研究開発と提供を行う日本では数少ない社会実装団体。なかでも脳科学、行動科学、疫学統計学による『3Ds(スリーディーズ)アプローチ』は、実効性の高いオリジナルプログラムとして注目を集めている。
また、子どもの「こころ」の発達や、子どもの「学び」に関する正しい支援・対応について学習する講座をシリーズで提供。教育関係者や保護者の方々から高い評価を得ている。幼児期から思春期における成長を科学で支え、健やかな未来へと導くため、当研究所は研究、開発、コンサルティングなど、幅広い活動を行っている。