子どもの自律神経に着目!
来年、中学受験するお子さまをお持ちのママ・パパはもちろん、わが子の成績が気になってしかたがないすべての親御さんに、ぜひ読んでいただきたい新刊が登場しました。題して『本番に強い子になる自律神経の整え方』。“本番に強い子”って、本当に惹かれますよね。
そこで、まずは質問です。学校のテストや塾の模試の成績が良くなかったり、お子さまが怠けていたりするように感じたとき、みなさんはどんな言葉を発していますか?
「どうしてこんな点なの?」「勉強ちゃんとやったの?」「もっと頑張らないと志望校に受からないわよ!」など、つい、わが子を責めるような物言いになっていることがあるのではないでしょうか。
でもこの本を読んで、こういう言葉は絶対にやめるべきと確信しました。なぜなら、わが子のストレスをさらに増やして自律神経の乱れを招きかねないと思ったからです。「はじめに」には、こんなことが書いてありました。
自律神経の乱れは、むしろ大人より子どものほうが深刻なのです。(P.6)
子どもの心は、「親の“合わせ鏡”」(P.7)
親の自律神経がしっかり整っているのに子どもだけが乱れているということはほとんどなく、親の自律神経が乱れているのに子どもはしっかり整っているということもありません。(P.8より)
親は、子どもが良くない状態に陥ったとき、「○○な性格だから」と、原因をその子の持って生まれた性格に求めることが多いものですが、実は、性格ではなく自律神経の乱れのせいかも…とは、ハッとさせられました。自律神経の乱れが原因ならば、親子で改善していくことが可能なはずです。自律神経を整えることで、わが子のパフォーマンスをあげていくことができたら、こんなうれしいことはありません。
自律神経を整えて本番に強い子に
本書の著者、順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生は、自律神経研究の第一人者として、アスリートやアーティスト、文化人のパフォーマンスの向上指導なども行っている方です。その小林先生が、親子関係に限定し、子どもの心と体の健康を保って本番に強い子にするために親にできることを、わかりやすく解説してくれているのが本書です。
現代社会には自律神経が乱れる要素がたっぷりあり、今はコロナの影響で大人も子どももストレスをさらに抱えてしまっていると小林先生。そのうえで、こう書いておられます。
大人たちがそういう子どもたちの状況に敏感になることは大切です。しかし、その前提として、「私たち大人もメンタルをやられているかもしれない」「正しい判断ができなくなっているかもしれない」という認識をまず持つことが肝心です。
さもないと、精神的に弱っている子どもに対して、「なんでもっとしっかりできないの!」と自分のイライラをぶつける結果となってしまいます。(P.41より)
ズシッとくる言葉です。受験勉強で余裕がない子、それをどう支えていったらいいか毎日迷っているママ・パパは、親子そろってストレスフル。小林先生は、「子どもの自律神経の安定にとって、一番大事なのは親自身が安定していること」と断言しておられます。そして、そのうえで親子が一緒になって自律神経を整える方法を、本書で教えてくださっているのです。