理系の頭脳を伸ばす、ドラえもんの『おもしろ工学入門』

ドラえもん漫画が入っている人気の学習本シリーズの1冊として『みんなのためのおもしろ工学入門』が発売されました。「工学」って何?と思ったら、ぜひ親子で一緒に読んでみてください。身近な機械や未来の乗り物が多数登場し、将来の夢を育むのにもぴったりです!

工学ってどんな学問?

ドラえもんの『みんなのためのおもしろ工学入門』

みなさんは、「工学って何?」と聞かれて正しく答えることができますか? 工学部がある大学もあるし理系には違いないけれど、化学や物理学などの分野と、どう違うのかわからないという方も多いのではないでしょうか。かくゆう筆者も、今回ご紹介する学習本を読むまでは、よくわかっていませんでした。でも、今は大丈夫、子どもに聞かれてもきちんと答えることができます。

工学について教えてくれたのは、小学生に人気の「ドラえもんワールドシリーズ」の新刊、『科学ワールドspecial みんなのためのおもしろ工学入門』です。「ドラえもんワールドシリーズ」は、テーマに即したドラえもん漫画と図解たっぷりの解説で、大人顔負けの知識が学べるソフトカバーの学習本。なかでもこの本は、親子一緒に学べる工学入門書でもあります。

数学、物理、化学より親しみやすい

「工学」がどんな学問なのか、この本のもくじにある各章タイトルを見れば、だいたいのアウトラインはわかります。

第1章 工学とは
第2章 機械工学
第3章 自動車工学
第4章 鉄道工学
第5章 船舶工学
第6章 航空宇宙工学
第7章 ロボット工学
第8章 電気工学・電子工学
第9章 化学工学
第10章 医用生体工学
第11章 生物工学
第12章 土木工学・建築学
第13章 人間工学
第14章 材料工学

そう「工学」とは、科学の原理や発見・発明をベースに、具体的な道具や機械、乗り物、建物などを作る学問で、「人や社会に役立つための学問」と言われています。中学高校で学ぶ物理、化学などよりずっと身近な印象です。小学生にとっても、家の中や街で見る機械や乗り物がどんどん登場するので、理科の勉強以上にワクワクするのではないかと思います。

ドラえもん漫画1_(c)藤子プロ
©藤子プロ
ドラえもん漫画2_(c)藤子プロ
©藤子プロ

本書は、その「工学」の幅広いジャンルを章ごとに紹介していきます。各章は、10ページ前後のドラえもん漫画のあとに、各工学の具体的な内容、歴史的経緯、発明家や偉人などが解説されたページ(図解多数、ふりがな付き)が続きます。この解説部分を、ぜひ親御さんにも読んでもらいたいと思うのです。きっと「知ってよかった!」と思うことがひとつ以上あるし、読まずにこの本をお子さまにプレゼントしたら、お子さまに「なんだ、こんなことも知らないの?」とあきれられてしまうかもしれません(笑)

小学4年生の鉄道ファンの男の子に、この本をチェックしてもらいました。まず、鉄道工学のページを教えると、漫画と解説をあっという間に読んでしまいました。これで終わりかな?と思ったら、さらにもくじにもどって、土木工学・建築学のページを選んで読み進み、続いて巻頭カラーの未来の乗り物を見たり、いつまでたっても返してくれず、結局プレゼントすることになりました。

解説ページ_1 (C)藤子プロ
©藤子プロ
解説ページ_2 (C)藤子プロ
©藤子プロ

ところで、親御さんには、監修の小宮一仁教授による「あとがき」も、ぜひ読んでもらいたいと思います。日本の工学部を卒業した人が過去に8人もノーベル賞を受賞していることとともに、豊かな世界を未来へつなぐ工学についての貴重なメッセージが記されています。工学って、未来をどう生きるかの道標にもなるように思いました。

好きなジャンルを楽しみながら学べるシリーズ

小学生がハマってしまう「ドラえもんワールドシリーズ」は、子どもの目を引くキラキラとした表紙が人気で、2024年9月現在 4つのワールドあわせて71冊が発売されています。その内訳は本書がその1冊である「科学ワールド」28冊、「社会ワールド」15冊、「探求ワールド」22冊、「学びワールド」6冊。全部あわせてこれまでに570万部以上が売れているベストセラーです。

読者からは、「子供が楽しんで読んでいた。親も知らないことをたくさん知る機会になり、楽しめた。シリーズでたくさんいろんな分野があるので、全部集めたい。」「ドラえもんのこのシリーズは楽しくインプットできて、アウトプットも自然とできる本です。いろんな事に興味がある子供なので次、何を買おうか考えています。」など、好意的な意見が多数寄せられています。

扱っているテーマは、工学などの科学分野のほか、地理・歴史・社会・国語はもちろん、政治、スポーツ、料理、音楽、美術、災害や環境など。課目別というより、世の中の関心事から拾い上げたテーマが多いのが特徴です。お子さまが関心のあるジャンルを選んでプレゼントしてあげたら、好きをきっかけに楽しみながら、どんどん知識を吸収していくことでしょう。『みんなのためのおもしろ工学入門』とともに、他のシリーズもぜひ一度目を通してみてください。

ドラえもん科学ワールドspecial みんなのためのおもしろ工学入門

まんが/藤子・F・不二雄、監修/小宮一仁(千葉工業大学教授・元学長)、小学館刊、定価990円(税込)
ドラえもんの『みんなのためのおもしろ工学入門』

工学を学んで未来の地球をよくしよう! この本はみなさんに工学の面白さを伝え、その歴史や、基本的な考え方を学問別に章立てして、判りやすく解説しています。まさに小学生のための「工学」の入門書の決定版です。エジプトのピラミッドやローマの水道橋、万里の長城などの遺跡や、レオナルド・ダ・ヴィンチのヘリコプターに代表されるルネサンスの工学など、工学の歴史を学べます。そして蒸気機関の発明で栄え、ものづくりを支える機械工学、さらに自動車工学、鉄道工学、船舶工学、航空宇宙工学、ロボット工学、電気工学、電子工学、化学工学、医用生体工学、生物工学、土木工学、建築工学、人間工学、材料工学など、分野別に工学がどんなものか楽しく学べる1冊です。理系に興味をいだくのに最適の本です。

<編集者からのおすすめ情報>
最新の空とぶ車や月面ローバー、リニアモーターカー、超音速旅客機、ハイテクサポートサイボーグなど、最先端の工学技術も紹介しています。この本を読んでみなさんが工学に興味を持ってくれれば幸いです。