つまずいているときが声をかけるタイミング
ノートを取ることも、学ぶため、目標を達成するための力の一つです。お子さまが自分にとって役に立つノートを作ろうと思えるようになるためには、今の自分の行動が未来につながっているという感覚を育ててあげる必要があります。
テスト直後や宿題に苦労しているときなど、お子さまがつまずいている瞬間は、声をかけるチャンスです。
たとえば先週やった問題を間違えていたときに「どうしたらよかったと思う?」と聞いてみましょう。「間違えた問題を見直せばよかった」とお子さまが言っていたら「ノートに間違えたときの反省点を1つ書いておけば、時間がなくてもすぐに見直しができたかもしれないね」とノートに残す意味を教えることができます。
「だから言ったじゃない」はNG
また、「ノートは人に見せるものではない」ということを理解してほしいです。黒板に書いてあることを全部きれいに書き写さなくても、本人が学習したことを思い出すきっかけになるフレーズを書いているのであれば、ノートをうまく使えていることになります。
子どもに教えるときは、「やればできるよ」「次につなげようね」という前向きなアプローチに徹してください。「だから言ったじゃない」というような責めるアプローチは絶対にしてはいけません。大人に気に入られるためにノートを作るという空気にしてしまうと、自分のためのノート作りから遠ざかってしまいます。努力を認め、もっとできるよと伝える中で、ノートづくりや文字の整理、情報の整理の大切さを気長に教えてください。
小川 大介(おがわ だいすけ)先生
教育家。中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員。
京大法を卒業後、社会人プロ講師によるコーチング主体の中学受験専門個別指導塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。塾運営を後進に譲った後は、教育家として講演、人材育成、文筆業と多方面で活動している。6000回の面談で培った洞察力と的確な助言が評判。メディア取材も多く、YouTubeチャンネル『小川大介の「見守る子育て研究所」』も公開中。