【ご相談】反抗期?8月マンスリーでBクラスに転落
小学校6年生男子のお母さまのお悩み
小学2年生夏よりサピックスに通塾している現在小6男子です。
個別などは利用せず、親と一緒に勉強してIクラスからGクラスまでを行き来していましたが、この夏休みから声変わりと共に急に反抗期となり、親が隣についても反抗的な高圧的な態度で、家庭では一切勉強しなくなってしまいました。そのため8月マンスリーでBクラスまで落ちてしまいました。
ただの反抗期だけだったら個別をつければ良いのですが、夏期講習中にクラスがどんどん落ちていくことへの不安と焦りも入り、今は家庭内でのみイップス状態です。
塾の先生の話では授業中は変わりなく集中して取り組んでいるようです。
息子は基本的に真面目な性格で器用ではありませんし、要領もよくありませんが、努力家です。
今までにスポーツチームや、プール、ピアノと習い事に取り組みましたが、プールはタイムになり、ピアノはコンクール、チームスポーツは大きい試合前に、練習を頑張れず辞めてきた経緯があり、現在のこの状態に夫は威嚇してでもやらせるべき、壁を乗り越えれば先が見えると言うのですが、怒鳴りながらやらせた勉強は身にはならないと思います。
息子は、家庭内ではヘラヘラふざけた態度をずーっと取っており、ぶつぶつ笑いながら独り言を言っています。
また、生活(お風呂、トイレ)に長時間かけるなど、勉強が非常にストレスとなっている感じがします。
本人ともよく、よく、話し合いをしていますが、受験だけは逃げない、一貫して塾は辞めない、受験はする!と言います。
本人の希望に添うため、家庭では甘えが出てできないので、塾以外の時間をなるべく個別で埋めるスケジュールを9月から組みました。
自学自習ができない状況なのに、このまま続けて良いのでしょうか?
本人は希望していませんが、現在私学の小学校へ通っているので内部進学の道があります。
受験に真剣だからこそ投げやりになる【小川先生のアドバイス】
小川先生:ご相談者は、お子さんがストレスを感じていることは分かっているけれど、それがどんなストレスなのか分かっていないのではないでしょうか。お父さんの言葉から、親が子どもに言い聞かせる癖があることも感じます。親御さんの言動とお子さまの気持ちがかみ合っていないのかもしれません。
6年生は、秋になると感情の波が大きくなり、勉強の意欲がなくなることがあります。それは秋になると入試がリアルになり、本番が見えてくるからです。そうしたときに本人が真面目な性格で、親からひとたび始めたことは続けるべきと教えられてきた子は、本番にうまくいかないのではないかと怖くなります。失敗するくらいならやらないほうがいいと思い、投げやりになってしまうのです。
お子さんが漠然と抱えている不安の中身を、共有してあげましょう。受験本番が怖い、心配と思うのは真剣に考えているからこそ生まれる感情です。何とかしよう頑張っていることをほめてあげてほしいと思います。そして、できることからやっていこうと声掛けをして、怖いなりに一緒に乗り越える体制を作ってあげることが大切です。
親が100%を求めていないことを伝えて、信頼してもらえるよう努力をしましょう。過去の子どもとの接し方や親の考え方、言葉の使い方を見直すことも大切です。我が子を理解して、親子でどう頑張るか、話し合い、認め合うことで乗り越えてほしいと思います。
今回の回答者:小川 大介(おがわ だいすけ)先生
教育家。中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員。
京大法を卒業後、社会人プロ講師によるコーチング主体の中学受験専門個別指導塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。塾運営を後進に譲った後は、教育家として講演、人材育成、文筆業と多方面で活動している。6000回の面談で培った洞察力と的確な助言が評判。メディア取材も多く、「親も子も幸せになれる はじめての中学受験」(CCCメディアハウス)など著書も多数。
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