八王子学園 八王子中学校・高等学校

「『キミが主役プロジェクト』には、主体的にものを考え、行動できる大人になって欲しいという想いを込めています。また、“大学はゴールではなく、スタートだ”と考えられる人間になって欲しいという想いもあります。社会人になる前に自分を磨く場所である大学で何を学ぶのか、その先の人生はどうするのか。自分で考えるための材料を、まだ時間に余裕がある中学時代に体験重視でたくさん提供したいと思っています」（吉村先生）

プロジェクトは、それぞれ学年ごとにテーマを設定して行われます。中学1年では『たたみ文化体験』や八王子の伝統芸能『車人形体験』を行い、あえて勉強とは関係ないところから、『学ぶとは何か』を考えます。中学2年では『校内仕事体験プロジェクト』を行い、校内の事務や用務などの仕事を体験することで、『働くとは何か』を考えます。中学3年では、企業や大学と連携して活動します。HISやオムロンといった有名企業からミッションを受け、新しい企画や商品を考える『企業戦略プロジェクト』を行い、『働くとは何か』をさらに深く考えます。東京農工大の研究室を見学したり、教育実習生に大学について語ってもらったりすることで、大学へのモチベーションも高めていきます。

吉村先生は『キミが主役プロジェクト』を通して、目に見える生徒の変化を感じることがあると語り、次のようなエピソードを披露してくれました。
「八王子中学校にはお弁当を持ってこなかった生徒は朝に食堂でランチプレートを頼んでおくと、昼に広場まで届けてもらえるというシステムがあります。食べた後に食器を広場に片づけるのですが、片づけ方が乱雑で汚かったのです。それが『校内仕事体験プロジェクト』で食堂の仕事を体験した中学3年生の生徒たちが、パパッと整理整頓をしてくれてとても助かったという話を食堂の方から聞きました。自分たちの学校生活が、たくさんの人に支えられていることがわかったからこその行動であると感じます。このように体験学習を通して、生徒たちが学び、気づき、変わってくれればと期待しています」

『校内仕事体験プロジェクト』では事務の仕事を体験しました。普段は入れないチャイムを鳴らす場所に入れてもらったのですが、驚いたのは自動ではなく手動で鳴らしていたこと。私が勉強している間も裏方として頑張っている方々がいることで、仕事の幅広さを知ることができました。
小さいころから機械を分解したりすることが好きなので理系の道に進みたいと思っていますが、もっとさまざまな裏方の仕事も知りたい、見てみたいと思うようになりました。（中釜さん）

大学訪問で9月に東京農工大に行ったことが印象深いです。在校生の方から「英語で四苦八苦している」というお話を聞き、英語はしっかり学ばなければならないと気が引き締まりした。
『校内仕事体験プロジェクト』では用務の仕事を経験したことで、働くことの意味を考えるようになりました。同時にディズニーランドのキャストになりたいという幼いころからの想いが強くなり、人とのコミュニケーションについて詳しく学びたいと思っています。
（山本さん）

「企業戦略プロジェクト」では、宇宙からどのように電波を送っているのかに興味があったので、スカパーJSATを選びました。機械系の仕事をしている父の話をよく聞いているし、私自身も機械が好きなので、理系の中でも特に機械系の仕事に惹かれます。
会社について詳しく調べる第1のミッションが終わったので、「新しいビジネスについて考える」という第2のミッションにこれから楽しく取り組んでいきたいです。
（田中さん）

生徒さんたちが希望する進路や将来の夢が、とても地に足がついた内容で驚きました。「社会で自立して生きていくために、今の時期から真剣に自分を磨いて欲しい」という先生の想いを受け止め、自分の人生についてしっかりと考えているのだと思いました。ぜひ学校説明会に参加し、生徒さんたちの様子や先生方の熱意を感じていただきたいと思います。