inter-edu’s eye
日本人の良いところを持ち、かつグローバルマインドを持った女性―。神田女学園中学校・高等学校は、このような女性を育むため、語学教育をはじめ、留学や海外研修、国際交流を積極的に行っています。昨年からは、オールイングリッシュ授業がスタート。さらに来年度からは「グローバル特別進学クラス」を新設します。そこで、同校に赴き、日本とオーストラリアの文化交流会を取材。「語学の神田」が目指す女性像に迫りました。
英語での会話も弾んだ「日豪文化交流」
4月15日(火)に行われた「日豪文化交流」は、オーストラリアの名門SCEGGS(スケーグス)女子校から8人の生徒と2人の教員が来校。通常の授業を生徒と一緒に受けたほか、茶道体験やみたらし団子作りなどを通して交流を深めました。
日本文化を体験!
午後に行われた茶道体験では、神田女学園の茶道部員
がお点前を披露し、作法について英語で説明しました。参加したSCEGGS生たちは真剣な表情で耳を傾けます。中には、慣れない正座が続けられずに姿勢を崩してしまう生徒も。
みたらし団子作りでは、グループに分かれ豆腐を使ったみたらし団子に挑戦しました。神田生とオーストラリア生は、まるで昔からの親友のように英語で仲良くトーク。実は彼女たち、半年ぶりの再会だったのです。
修学旅行から始まっていた交流
昨年の秋、修学旅行でオーストラリアを訪れた高校1年生の神田生は、この日を心待ちにしていたといいます。SCEGGS生も「日本の学校を体験できる機会は貴重なので、来れてよかった」と感想を話しました。完成したみたらし団子の味は「甘くて、しょっぱくて想像した通りの味でおいしい」と笑顔を見せたものの、茶道での正座には「日本文化の一つなので、興味深い体験でした」と苦笑い。最後に「また来たいか」を尋ねると、笑顔で「YES!」と答えてくれました。
「語学の神田」が目指すグローバル教育と「恕」の心
こうした国際交流をはじめ、神田女学園が目指すグローバル教育とは何でしょうか。高橋順子校長先生にお話をうかがいました。
インターエデュ(以下、エデュ):神田女学園では、英語をはじめ、中国語や韓国語など語学教育に力を入れていますが、そのねらいについて教えてください。
高橋順子校長先生(以下、高橋校長):単に英語だけを学ぶのではなく、外国語をツールとして積極的にコミュニケーションを図ってほしいというのがねらいです。グローバルな時代、海外に行くだけでなく、海外から日本に来て生活している人もたくさんいます。どこに行っても、周りにどの国の人がいても、臆することなく積極的にコミュニケーションを図ってほしい。そのためにも語学力は必要です。
エデュ:語学教育のほかに、グローバル教育の視点において力を入れていることは何でしょうか。
高橋校長:留学や海外研修プログラムだけでなく、そのほかでも国際交流の場を作り、異文化に触れる機会を多く設けています。その甲斐あって生徒たちは、海外の人々と違和感なく過ごすことができています。また、異文化だけでなく、日本文化を学ぶことも大切です。“日本の良いところを知ったうえで、グローバルマインドを持つ女性”が目指す女性像です。
エデュ:グローバル教育と神田女学園が目指す「恕(じょ)」の心とはどのように結びつくのでしょうか。
高橋校長:「恕」の心とは、相手の立場に立って考える思いやりの心です。さまざまな国の人と交流するときに、この「恕」の心があれば、より多くの人たちと、より深く交流をできる。だから、グローバル教育と「恕」の心は切り離せないものであると考えています。本校の生徒たちは、その点をきちんと意識して、学校生活を送っています。
2015年度新設! グローバル特別進学クラス
さらなる高みをめざし、来年度からは「グローバル特別進学クラス」を新設。オールイングリッシュでの英語授業はもちろん、ニュージーランド(予定)への短期留学や女子校ならではの箏曲、茶道、礼法などの日本文化の授業もカリキュラムに組み込みます。
また、「読む・書く・聴く・話す」の4スキルに重点を置き、これからの大学受験にも対応できるような授業を展開。英検やGTEC、TOEFL Juniorなどの講座も設け、語学力の強化をサポートします。
高橋校長は、「学習だけでなく、学校行事やクラブ活動、ボランティア活動などいろいろな体験ができる学校です。与えられたものを受け入れるだけでなく、積極的にチャレンジして自分の可能性を広げてほしいと思っています。そして、さまざまな体験を通じて、社会に役立つような女性を育てていきたい」と、今後への想いを語ってくださいました。