【インターエデュからのお知らせ】旬な話題カテゴリーにおいて悪質な荒らし行為が見受けられたため、
一部のホストからの接続による書き込みを一時的に停止しております。
「規制ホスト:t-com.ne.jp」
該当の環境をお使いのユーザーのみなさまにはご迷惑をおかけいたしますが、
ご理解の程よろしくお願い申し上げます。

最終更新:

949
Comment

【2147325】(続)子供の年間放射線許容量は、いまだ20ミリシーベルト!

投稿者: アトム   (ID:LCMTjPwTTls) 投稿日時:2011年 05月 30日 13:39

「子供の年間放射線許容量が20ミリシーベルト???」というスレッドで、情報・意見交換をするなかで、
“子どもを守りたい親として、今何をすべきか”多くの方々と共に考え、見えてきたものが多くありました。
(スレッドに集まった有益な情報・意見などをまとめたブログも、参加して下さった方のご厚意により始まりました!:http://takopunch.blog27.f c 2.com/:間をつめて下さい)
是非、さらに多くの皆様の御意見・御協力をいただきたく、新スレッドに移行しております。
どうか宜しくお願いいたします。

4月19日の文部科学省からの通知により始まった、「子供の年間放射線許容量が20ミリシーベルト」問題に関連して、4月29日、原子力災害対策における全ての関係機関の活動を把握し、提言する立場にあった内閣官房参与・小佐古東大大学院教授が、抗議の辞任をされました。
その際、小佐古教授は、その辞意表明文書を通して、私達に重大なメッセージ(参照:http://takopunch.blog27.f c 2.com/b l o g-entry-56.html :間をつめて下さい。)を伝えられていました。
それは、今現在、“関東・東北全域の子ども達”が、“過去の重大な被ばくの事実”を知らされることもなく、さらなる被ばくに晒され続けているという現実でした。

5月27日、文部科学省は、“学校で子ども達が受ける放射線量”について「当面、年間1ミリシーベルト以下を目指す。」と目標を示しました。福島のみならず、国内外から批判の声が上がったことが背景にあったと思われます。
(参照:http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1306590.htm)
しかし、これはあくまでも目標値であって、高木大臣が「これまで申し上げたことの、より安心感を持っていただくための措置」と述べたように、今年度という曖昧な表現のもと、当初の予定どおり、夏期休業終了まで最大20ミリシーベルトまでという基準値は撤回しないという、“これまで申し上げたこと”に変更はない立場を固持したものです。

小佐古教授が、”未公開の被ばくの事実”を踏まえて、「基準値を年間1ミリシーベルトにすべき」と提言されたのは4月からの基準としてであり、文科省の予定している夏期休業終了の基準見直し時期など遅すぎることを前提にした提言であったことは明らかです。

今や、福島では、政府・専門家が”直ちに健康に影響ありません。安心して下さい。”と言い続けてきた“低線量放射線被ばく”を対象とした長期的疫学調査を行う方針が固まっています。
その疫学調査メンバーでもある、長崎大学大学院・山下教授は、“政府は責任をとれない。命の選択は個人の選択。今は放射能との静かな戦争だ。”と発言されました。
この“放射能との静かな戦争”において、政府を初めとする行政機関は、日本の未来を支える子ども達を全力で守ってくれるどころか、責任すら取ろうとしない現実が、日々報道され続けています。

今や、子どもを守れるのは、私達「親」しかいないと感じるほどの現実が目の前にあります。

どうか、皆様、一緒に声を上げ、「子どもを守る」「日本の未来を守る」ために、立ち上がってはいただけないでしょうか。
関東・東北の子ども達は、収束の見えない原発により、長期にわたる被ばくリスクに晒されています。特に、福島の子ども達にとって、夏期休業終了まで、基準値見直しを待っていられるような被ばく状況ではないことは、小佐古教授の涙、そして辞意表明文書に書かれた“未公開の過去の被ばくの事実”からも明らかです。

皆様と一緒に上げる声こそが、この“放射能との静かな戦争”において、「子供を守る」最大の力となるはずです。
以下に、議論の対象となり得る問題点も挙げてみました。
皆様、御意見・御協力の程、どうか、宜しくお願いいたします。

* 年間20ミリシーベルトまでという基準値設定の意味と問題
* 集団疎開の必要性・可能性
* 避難を躊躇させている原発震災の被害者の方々の補償問題
* 食品の暫定的基準値および給食問題
* 政府・行政機関・専門家による放射能における啓蒙活動の問題点
* 国民を被ばくに晒してきた政府・行政機関の責任の所在問題

返信する

管理者通知をする

マイブックマーク

「旬な話題に戻る」

現在のページ: 109 / 119

  1. 【2250960】 投稿者: togetterから  (ID:NAY6EUy8La6) 投稿日時:2011年 08月 29日 15:23

    「朝日新聞の報道【原発周辺住民は「ヨウ素剤飲むべきだった」 識者が指摘】に対し事項の確認と私見」
    http://togetter.com/li/180824

  2. 【2251016】 投稿者: togetterから  (ID:NAY6EUy8La6) 投稿日時:2011年 08月 29日 16:07

    「*「甲状腺等価線量と実効線量について」福島県民は小児甲状腺癌のリスクが実質上ない程度に被曝を抑えた」
    http://togetter.com/li/180281

  3. 【2251292】 投稿者: 東電 値上げ  (ID:uzZcSOsDkEs) 投稿日時:2011年 08月 29日 20:26

    こればかりは、許せない。

    結局、全部国民に転嫁。

    そうであれば、いったん上場廃止にするべき。

  4. 【2251526】 投稿者: 閾値  (ID:qjEg7rNWiuk) 投稿日時:2011年 08月 30日 00:07

    閾値が無いならば、社会的には統計上、どこまでのリスクを引き受け、甘受するのかである。
    ただしな、それで発病した人の命は、ひとつ。

  5. 【2251620】 投稿者: アトム  (ID:gJABbpY1M1g) 投稿日時:2011年 08月 30日 07:11

    「togetterから 」様
    貴重な情報、有り難うございます。
    私自身も、朝日新聞の記事だけでなく、是非、実際の発表の全容を知りたいと思っているところです。
    ご紹介いただいたtogetterの方のまとめですが、

    >I-132が吸入or経口摂取されても甲状腺に分布するまでに概ね消失(新規供給なければ)
    >線量換算係数自体がI-131に比べ2桁低い

    というご指摘についてですが、先の投稿でご紹介した原子力安全委員会/ヨウ素検討会の議事録にもあるように、
    物理学的半減期が短いことから、同じ1Bqを吸入しても甲状腺に与える影響としては低いとはいえ、

    *I-131に比べ、 I-132の場合、β線エネルギーの方が大体2~3倍高いこと、
    *日本分析センターより公開されているデータ解析では、
     3月15日から4月中旬まで、 I-132/Te-132による空間線量への寄与が示されていること
     =新規供給が、この間、ずっと続いていた証拠
    *吸入摂取による甲状腺の等価線量に係る線量係数が存在しているということ
     =吸収されうるからこそ、係数が存在する

    以上の点より、基本的には、やはり放出された「期間/絶対量の問題」抜きには、
    広島大原爆放射線医科学研究所の細井義夫教授の指摘されている
    「半減期が2時間と短いヨウ素132も考慮が必要」であった事故である可能性は否定できないと考えております。

    >スクリーニングレベル13000cpmが小児甲状腺等価線量100mSv、というのは、
     汚染が100%I-131に由来するとの仮定であり、それはあり得ない。

    原子力安全委員会/緊急被ばく医療において、100%がヨウ素に由来する「あり得ない仮定」を踏まえ、
    スクリーニングレベル/体表汚染を甲状腺等価線量計算で、13000cpm-100mSvとしていたスタンスは、
    私自身は、理にかなっていると思っています。
    原子力安全委員会/ヨウ素検討会で議論されたように、
    ヨウ素投与基準の100mSvは「予測線量」であって、「介入基準」ではないことから、
    基本的にヨウ素剤投与される段階では、当然100mSvを下回っていることを前提としていたことは議事録にもある通りです。
    その”予測”をするにあたって、100%がヨウ素に由来する「あり得ない仮定」を前提とすることは、
    最悪でも100mSvという甲状腺等価線量を超えないというスタンスにおいて、理にかなっていると思われます。

    いずれにせよ、こうした体表汚染のスクリーニングがヨウ素剤投与に結びつかなかったこと、
    かつ、SPEEDIの公開が、すでに放射性雲による被ばくの終了した23日であったこと、
    結局、如何なるスクリーニングもシュミレーション予測も防護に活かせなかったことは、周知の失態でした。

    もう一つの、ご紹介いただいたtogetterー
    >『今回の事故におけるヨウ素 131 の内部被ばくで小児の甲状腺ガンが増加する心配はまったくないと結論される。』
    >『今回ヨウ素131で高度に汚染された地域の子供さんの保護者が、
      実質的に正しい行動をとったおで、今後20年にわたる甲状腺癌の危険から子供達を守りきった』

    という内容ですが、放射性雲による被ばくとしての吸入摂取は、SPEEDIの失態で防げなかったものの、
    食品等による経口摂取においては、チェルノブイリの教訓もあり、規制も当時のソ連よりは早く、
    また、保護者の方々の関心も高かったこともあって、経口摂取による被ばくより子供を守ることができていたことは、
    二本松市が独自で行った内部被爆調査からも支持される事実でした。
    ただ、ヨウ素だけを甲状腺がんにおいて気にすればいいのではないことを、小佐古氏は訴えられているのであり、
    ヨウ素による内部被爆のみならず、希ガス等による外部被ばくによる甲状腺等価線量の試算なしには、
    「心配はまったくない」とは言い切れないどころか、小佐古氏は報告書において、「小児甲状腺がん発症が予測される」
    とまで記載されていました。

    ずっと気になっていたことなのですが、
    1996年4月8-12日ウィ-ンで開催されたIAEA/WHO/ECの国際共同会議での健康影響問題についてのまとめの要約
    http://www-sdc.med.nagasaki-u.ac.jp/dhrc/chernobyl10.html
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    甲状腺がんの増加は事故前に生まれた子供に集中して認められた。
    事故から6ヶ月後以降に生まれた子供の甲状腺がん発生率は劇的に低下し、大部分の患者が高汚染地域に集中している。
    その時間的および地域的分布は小児甲状腺がんの多発が明らかにチェルノブイリ事故による放射線被曝と関係があることを示している。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    つまり、事故後半年以降に生まれた子供の甲状腺がん発症率が劇的に低下したということは、
    事故当時、妊娠中であっても、出産が事故後半年以降であれば、甲状腺がん発症リスクが劇的に低下したことになります。
    妊婦が摂取したヨウ素は胎児へも移行することは知られている訳ですが、
    食品安全委員会ー評価書案より抜粋ー
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    胎児甲状腺への放射性ヨウ素の蓄積は妊娠 70~80 日に始まり、
    胎児におけるヨウ素取込み活性は甲状腺が発達するにつれて上昇し、およそ妊娠 6 か月でピークに達する
    およそ妊娠 6 か月で最も高い胎児/母体濃度比 2~8 を示す
    放射性ヨウ素の経口投与及び放射性降下物による曝露においても、
    長期曝露期間後の甲状腺における放射性ヨウ素濃度の胎児/母体濃度比は約 2~3 と推定されている
    妊娠中は、母体の血液中の甲状腺ホルモンの増加と甲状腺によるヨウ素取込みが増加することが示されている
    新生児における甲状腺取込みは、出生後 10 日間では成人の 3~4 倍であり、およそ日齢 10~14 日で成人レベルまで低下する
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    ということは、事故後6ヶ月直後に出産した胎児の場合、十分、甲状腺への放射性ヨウ素の蓄積があったわけですが、
    事故当時、ヨウ素取り込みのピークである妊娠6ヶ月でなければ、セーフだったということなのでしょうか。
    あるいは、事故直後の被ばくとして、
    希ガス等による外部被ばく(サブマージョンに基づく甲状腺被ばく)がベースにあった子供達が、
    その後のヨウ素摂取による内部被爆も加わって、発症したのでしょうか。
    チェルノブイリ事故以前は、以前の投稿でもご紹介したように、
    医療用のヨウ素131投与による甲状腺がん発症は認められておらず、
    基本的に外部被ばくのみが甲状腺がんの発症原因となると考えられていた歴史を踏まえれば、
    チェルノブイリ事故における希ガス含めた外部被ばくの小児甲状腺がんへの影響というものについて、
    さらなる検証が本来必要なのではないかとも感じております。

    このチェルノブイリ事故における小児甲状腺がん発症を国際的合意とするにあたって、
    如何に、日本の研究者(長瀧氏/山下氏)が尽力されてきたかは、児玉氏も触れておられた通りですが、
    そのことも含め、被ばく医療というものについて、私自身、考えてみたいと思っております。

    最後に、皆様ご存知と思いますが、文科省より土壌汚染調査結果が公表されています。
    「土壌汚染、34地点がチェルノブイリ移住基準超」
    http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110829-OYT1T01205.htm?from=main5
    除染と二次汚染の問題、児玉氏も指摘されていたように、
    「当該地」における住民の方々の間での譲り合いに基づいた放射性廃棄物の管理問題解決無しには、
    除染は、緊急避難的にしろ、恒久的にしろ、困難極める状況になるようで、
    福島の復興に向けて、住民主体の話し合いに基づいた各自治体毎の対応が必要なようです。
    参照:首相「福島に中間貯蔵施設を」 汚染土壌・がれき処理 佐藤知事は反発 2011/8/27 20:15(日本経済新聞)

  6. 【2251931】 投稿者: 一歩  (ID:QEsms9mXCgs) 投稿日時:2011年 08月 30日 12:20

    スレ主様、皆様
    もうすぐ夏休みも終わりますね(もう終わっているところもありますね)。
    311前には当たり前だったことが、ねこそぎ崩れてしまって、子どもたちの学校生活が、何事もなく営めるように、祈る日々です。


    アトム様、昨日紹介の記事読んで下さってありがとうございます。記事だけでは書いてある以上のことはわからず、アトム様はじめ専門知識のある方が読んで調べてくれた、と思うとそれだけで心強い気がします。


    このスレッドでは「子どもを守る」ことが目的、というのは私も同じように思います。話題があまりに広がると、問題が見えにくくなってしまいますから。
    でも何が「子どもを守る」話題で、何が違うのかは、実は単純ではないと思います。
    今の日本で子どもを守ろうと考えると、たとえば、現実の原発の稼働状況は、避けては通れない事柄です。子どもを守ろうという立場の親がみていると思われるこのスレッドで、大切な局面では、そうした話題が出るのは、むしろ当たり前のことかな、とも感じています。
    泊の回りにも大飯の回りにも、子どもは生活しており、それだけでなくどこかで何かあれば、本当に辛いことですが、日本中の子どもが、まず犠牲になることを私たちは知ってしまいましたから。


    このスレッドを私も大切に感じていますが、だからこそ、もし、今わが家に近い原発が稼働しそうだとしたら、どうしたってこのスレッドにも助けを求めたい。そう言う気持ちの親もまたあるのでは、と思います。この場が、なるべく多くの親にとって有用な場所になるようにと、私は思っていつも読んでいます。

  7. 【2252098】 投稿者: よもぎ  (ID:6z5QPP.dBM.) 投稿日時:2011年 08月 30日 14:55

    アトム様
    みなさま

    ご無沙汰しております。

    一歩様 アトム様は「議論の議論」に類する論争になるようなことは遠慮してというお考えなのではないかと存じます。
    子どもを守る視点からのメッセージはこの板に相応しいのではと思います。勿論一歩様のおもいも。

    勝手ながら気にいった記事がありましたのでご紹介させていただきますね。
    ****************************************************
    <3・11からの再生>16*生命科学者 柳澤桂子さん*命と原子力 共存できぬ
    2011/08/29 北海道新聞朝刊
     これまで命や環境に関する本を50冊余り出しました。そろそろ執筆がつらくなり、人生最後の本のつもりで、地球温暖化と原子力発電の恐ろしさについて書きました。その原稿を仕上げて整理をしていた3月11日、福島第1原発事故が起きてしまいました。
     最初に強調したいのは、わたしたち生物と原子力は、共存できないということです。
     生物は40億年前に誕生し、DNAを子どもに受け渡しながら進化してきました。DNAは細胞の中にある細い糸のような分子で、生物の体を作る情報が書かれています。わたしたちヒトの細胞は、DNAを通じて40億年分の情報を受け継いでいます。DNAは通常、規則正しくぐるぐる巻きになって短くなり、染色体という状態になっています。
     生物の生存は誕生以来、宇宙から降り注ぐ放射線と紫外線との闘いでした。放射線も紫外線もDNAを切ったり傷をつけたりして、体を作る情報を乱してしまうからです。
     一方、細胞にはDNAについた傷を治す「修復酵素」が備わっています。ヒトの修復酵素は機械のように複雑な働きをします。しかし、大量の放射線にさらされると、酵素でも傷を修復できず、死に至ることがあります。
     ヒトが短時間に全身に放射能を浴びたときの致死量は6シーベルトとされ、短時間に1シーベルト以上浴びると、吐き気、だるさ、血液の異常などの症状が表れます。こうした放射線障害を急性障害といいます。しかし0・25シーベルト以下だと、目に見える変化は表れず、血液の急性の変化も見られません。
     ところがそうした場合でも細胞を顕微鏡で調べてみると、染色体が切れたり、異常にくっついたりしていることがあります。また、顕微鏡で見ても分からないような傷がつき、その結果、細胞が分裂停止命令を無視して、分裂が止まらなくなることがあります。それが細胞のがん化です。
     がんは、急性障害がなくても、ずっと低い線量で発症する可能性があるのです。しかも、がんは、進行して見えるようにならないと検出できませんから、発見まで5年、10年と長い時間がかかります。
     いま日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで亡くなります。なぜこんなに多いのか。わたしは、アメリカの核実験やチェルノブイリ原発事故などで飛散した放射性物質が一因ではないかと疑っていますが、本当にそうなのかそうでないかは、分かりません。この分からないということが怖いのです。
     さらに、放射線の影響は、細胞が分裂している時ほど受けやすいことも指摘しておかなければなりません。
     ぐるぐる巻きになっているDNAは、細胞分裂の時にほどけて、正確なコピーを作ります。糸を切る場合、ぐるぐる巻きの糸より、ほどけた細い糸の方が切れやすいでしょう? 胎児や子どもにとって放射能が怖いのは、大人よりも細胞分裂がずっと活発で、DNAが糸の状態になっている時間が長いためです。
     わたしは研究者時代、先天性異常を研究し、放射線をマウスにあてて異常個体をつくっていたので、放射能の危険性はよく知っていました。
     1986年、チェルノブイリ原発事故が起きた時、わたしはいったい誰が悪いのだろうと考えました。原子力を発見した科学者か。原子力発電を考案した人か。それを使おうとした電力会社か。それを許可した国なのか。いろいろ考えて、実はわたしが一番悪いのだと気付きました。放射能の怖さを知っていたのに、何もしていなかった。そこで88年、生物にとって放射能がいかに恐ろしいかを訴えるため、「いのちと放射能」(ちくま文庫)を書きました。
     原発がなぜダメなのか。第一に、事故の起こらない原発はないからです。安全性をもっと高めればよいという人がいますが、日本の原発も絶対に事故は起こらないといわれていました。福島の事故で身にしみたはずです。
     第二に、高レベル放射性廃棄物を子孫に押しつけているからです。処理方法も分からない放射能のごみを残して、この世を去る。とても恥ずかしいことです。
     10年もしたら、みんな福島のことを忘れてしまうのではないかと心配です。原発がないと困る人はたくさんいます。政治家は電力会社から献金を受け、テレビ局や新聞社は電力会社の広告を流しています。原発は地元の町や村に雇用を生み、交付金などで自治体財政を潤します。
     それらは生産すること、お金をもうけることです。いくらもうけても、原発事故で日本に住めなくなったら何にもならない。どうして政治家が気付かないのか不思議です。
     わたし一人の力は小さく、原発はなくなりません。
     「福島のために何かしたい」とおっしゃる方はたくさんいます。ただ、福島産の物を買ってあげるとか、そういうことでしょうか。「自分」というものを考えてみる。生命とは何かをしっかり考えてみる。そういう、根本的なことが大事な気がしています。それが福島のためであり、子孫のためになると思います。
     繰り返します。生物と原子力は共存できません。原発は絶対にやめるべきです。
    (聞き手 細川智子)
    <略歴>
     やなぎさわ・けいこ 1938年、東京生まれ。お茶の水女子大卒。民間の研究所で発生学の研究に取り組んだが、病気のため83年に退職。以後、病床で生命科学に関する執筆を続ける。最新刊は今月発行の「いのちと環境 人類は生き残れるか」。

  8. 【2253023】 投稿者: アトム(原発問題)  (ID:doqYqSgogxc) 投稿日時:2011年 08月 31日 10:58

    「一歩」様
    「よもぎ」様
    ご意見有り難うございます。

    旧スレッド時代より、ご尽力いただいてきたお二方ともご存知のように、
    「子供の20ミリ問題」に端を発して、放射能問題から「子供を守る」ために立ち上げたこのスレッドのスタンスは、
    脱原発、打倒民主党、打倒東電というゴールを目指すものでも、旗を振るものでもなく、
    純粋に「子供を守る」ことだけを目的とするものであることは、新旧スレッド通してお伝えして参りました。

    この「子供を守りたい」というスレッドの思いを、行政側に、また世間に訴えるにあたっては、
    *あらゆる政治思想とも無縁であること、
    *当事者とはいえ民間一企業をターゲットとしたものであるわけもないこと、
    *脱原発というエネルギー思想を踏まえたものではないこと、
    (これは単なるエネルギー問題のみならず政治的/社会的/経済的問題も絡んでくる問題です)
    を踏まえ、一母親としての純粋な「子供を守りたい」という思い、
    つまり、「親として誰もが共有しうる本能的な心からの訴え」としての立ち位置を維持し続けることが、
    最も大事なスタンスだと考えています。

    「一歩」様、ご指摘のように、
    >何が「子どもを守る」話題で、何が違うのかは、実は単純ではないと思います。
    >今の日本で子どもを守ろうと考えると、たとえば、現実の原発の稼働状況は、避けては通れない事柄です。
    >子どもを守ろうという立場の親がみていると思われるこのスレッドで、
    >大切な局面では、そうした話題が出るのは、むしろ当たり前のことかな、とも感じています。
    というご意見の趣旨は、理解しております。

    原発というものが「ゼロリスク」ではないことを再認識させられた現状において、
    母親として「子供を守る」ために、原発反対/脱原発を訴えたい気持ちも、良く分かります。
    そうしたお気持ちを否定するつもりなど、私自身、全くありません。
    実際、このスレッドでもご紹介のあった核実験禁止に至る過程においては、
    そうした日本の母親達の思いが大きな原動力となったことも歴史的事実としてありました。
    しかし、この核実験をしていたのは、日本ではなく、米国/ソ連。
    かつ、核実験によって日本国民誰一人として恩恵被ることも無いばかりか、
    原爆被ばく国である日本の国民全員が、また被ばくさせられていたのですから、”誰もが共有しうる敵”になり得たのだと思います。

    一方、「子供を守る」ためとはいえ、
    国内のエネルギー問題に関わる脱原発という主張を、
    この「子供の20ミリ問題」のスレッドにおいて、混同/混在させてしまうと、
    本来、”親として誰もが共有しうる本能的な心からの訴え”としての「子供を守る」ための行動/言動というものが、
    原発の抱える政治的/社会的/経済的なエネルギー思想/防衛思想としての歴史的背景ゆえに、
    ”親として誰もが共有しうる”とは言えない”政治的/社会的/経済的”思想を背景とした訴えとして捉えられかねないこと、
    新旧スレッドを通して、何度か、このスレッドあるいは私個人に対して、敢えてそういう議論を避けていても、
    ”左翼”だとか、”脱原発派”だとか、レッテルを貼りにきていた方々からの攻撃があったことからも、ご理解いただけたらと思います。
    「子供の20ミリ問題」と「脱原発問題」は、
    問題の本質からも、本来、異なる土俵において、議論すべき問題であると感じている次第です。

    私の個人的意見としては、スレッドでも触れたことがあったように、
    地震国である狭い日本に54基もの原発が存在し、かつ首都直下型地震含め日本が地震活動期を迎えている現在、
    何とも言えない思いでおります。
    ただ、原発の問題は、単に「子供を守る」という視点からだけでは解決しない問題であるのも現実です。
    私は、こうした原発含めたエネルギー政策/防衛政策というものは、
    政治的/社会的/経済的な問題を踏まえ、科学/人知の限界を見極めながら、
    今までの無関心を反省し、国民全体で、これから真剣に考えていかなくてはならない問題だと認識しております。

    「よもぎ」様、”命と原子力 共存できぬ”という柳澤氏の記事、ご紹介有り難うございました。
    柳澤氏の主張されるように、この原子力含めた原発における科学/人知の限界を思い知らされ、
    「子供を守る」ために必要な除染/被ばく医療問題を抱えている現状では、
    児玉氏も訴えられたように、また山下氏も同じことを言っておられましたが、
    やはり、人間が作り出したものは、人間自身が責任を持って、結局は”科学の力/人間の力”を信じ、
    除染技術開発に技術立国としての総力を挙げて取り組み、かつ、被ばく医療の進歩に努めていくしかないようにも感じております。
    また、今回の原発事故は人災として多くの問題も露呈しましたが、原発を続けるにしろ、縮小/廃止にしていくにしろ、
    原発施設の処理問題ですら、壮大な時間的スケールを必要としている現在、
    その安全性の確保には、原子力に関わる科学技術の維持/進歩も必要だということも、現実的課題だと受け止めております。

    こうした原発に関わる問題を真剣に議論するべき時期にあることは、私自身、日本国民として認識しております。
    ただ、上記の理由により、子供の20ミリ問題と混同/混在させることには、賛同しかねておりますこと、
    つまり、「子供の20ミリ問題」と「脱原発問題」は、その本質的問題からみても、異なる土俵で議論すべきと考えておりますこと、
    皆様に、ご理解いただけましたら幸いです。

学校を探す

条件を絞り込んで探す

種別

学校名で探す