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投稿者: アトム (ID:LCMTjPwTTls) 投稿日時:2011年 05月 30日 13:39
「子供の年間放射線許容量が20ミリシーベルト???」というスレッドで、情報・意見交換をするなかで、
“子どもを守りたい親として、今何をすべきか”多くの方々と共に考え、見えてきたものが多くありました。
(スレッドに集まった有益な情報・意見などをまとめたブログも、参加して下さった方のご厚意により始まりました!:http://takopunch.blog27.f c 2.com/:間をつめて下さい)
是非、さらに多くの皆様の御意見・御協力をいただきたく、新スレッドに移行しております。
どうか宜しくお願いいたします。
4月19日の文部科学省からの通知により始まった、「子供の年間放射線許容量が20ミリシーベルト」問題に関連して、4月29日、原子力災害対策における全ての関係機関の活動を把握し、提言する立場にあった内閣官房参与・小佐古東大大学院教授が、抗議の辞任をされました。
その際、小佐古教授は、その辞意表明文書を通して、私達に重大なメッセージ(参照:http://takopunch.blog27.f c 2.com/b l o g-entry-56.html :間をつめて下さい。)を伝えられていました。
それは、今現在、“関東・東北全域の子ども達”が、“過去の重大な被ばくの事実”を知らされることもなく、さらなる被ばくに晒され続けているという現実でした。
5月27日、文部科学省は、“学校で子ども達が受ける放射線量”について「当面、年間1ミリシーベルト以下を目指す。」と目標を示しました。福島のみならず、国内外から批判の声が上がったことが背景にあったと思われます。
(参照:http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1306590.htm)
しかし、これはあくまでも目標値であって、高木大臣が「これまで申し上げたことの、より安心感を持っていただくための措置」と述べたように、今年度という曖昧な表現のもと、当初の予定どおり、夏期休業終了まで最大20ミリシーベルトまでという基準値は撤回しないという、“これまで申し上げたこと”に変更はない立場を固持したものです。
小佐古教授が、”未公開の被ばくの事実”を踏まえて、「基準値を年間1ミリシーベルトにすべき」と提言されたのは4月からの基準としてであり、文科省の予定している夏期休業終了の基準見直し時期など遅すぎることを前提にした提言であったことは明らかです。
今や、福島では、政府・専門家が”直ちに健康に影響ありません。安心して下さい。”と言い続けてきた“低線量放射線被ばく”を対象とした長期的疫学調査を行う方針が固まっています。
その疫学調査メンバーでもある、長崎大学大学院・山下教授は、“政府は責任をとれない。命の選択は個人の選択。今は放射能との静かな戦争だ。”と発言されました。
この“放射能との静かな戦争”において、政府を初めとする行政機関は、日本の未来を支える子ども達を全力で守ってくれるどころか、責任すら取ろうとしない現実が、日々報道され続けています。
今や、子どもを守れるのは、私達「親」しかいないと感じるほどの現実が目の前にあります。
どうか、皆様、一緒に声を上げ、「子どもを守る」「日本の未来を守る」ために、立ち上がってはいただけないでしょうか。
関東・東北の子ども達は、収束の見えない原発により、長期にわたる被ばくリスクに晒されています。特に、福島の子ども達にとって、夏期休業終了まで、基準値見直しを待っていられるような被ばく状況ではないことは、小佐古教授の涙、そして辞意表明文書に書かれた“未公開の過去の被ばくの事実”からも明らかです。
皆様と一緒に上げる声こそが、この“放射能との静かな戦争”において、「子供を守る」最大の力となるはずです。
以下に、議論の対象となり得る問題点も挙げてみました。
皆様、御意見・御協力の程、どうか、宜しくお願いいたします。
* 年間20ミリシーベルトまでという基準値設定の意味と問題
* 集団疎開の必要性・可能性
* 避難を躊躇させている原発震災の被害者の方々の補償問題
* 食品の暫定的基準値および給食問題
* 政府・行政機関・専門家による放射能における啓蒙活動の問題点
* 国民を被ばくに晒してきた政府・行政機関の責任の所在問題
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【2274801】 投稿者: ROMer (ID:iZFaKpxu3MY) 投稿日時:2011年 09月 24日 14:53
秋雨様 上記投稿では今回の原発事故収束に携わっている方々に言及したつもりはありませんでした。
これまで何十年にわたり、全国の原発で従事されてきた方々のぶらぶら病について、「それもPTSD
なのでしょうか」と疑問を感じたのでした。
アトム様 「やるしかない」除染の意義への不安、この状況で「政府との信頼関係」や
「情報の公開」を語り続ける専門家への疑問、おっしゃる通りと思います。
「子供たちを守る」という一言・・・誰もに共通でありながら、一人一人にとって
少しずつ違うこの言葉について考え続けて、半年たってしまいました。
大勝負の舞台など上れず身の回りへの自分なりの働きかけしかできずにいますが、
アトム様の行動力に感謝し、希望を持ちつつ続報をお待ちしています。 -
【2275414】 投稿者: 一歩 (ID:u8Vm1BRKmGQ) 投稿日時:2011年 09月 25日 10:15
半年が過ぎましたが、事故も収束の見込みもなく(と私は感じています)やはり不安が募る毎日を過ごしています。
明日26日のNHKクローズアップ現代は
「子どもを放射能から守りたい
~母親たちのネットワーク革命~(仮題)」
です。
どういう報道がされるか、興味を持っています。
(今日のETV特集も原発問題です。まだみていないのですが、前編はおもしろかったという評価を聞いています。) -
【2280246】 投稿者: いちたお (ID:FRXwAcZIj96) 投稿日時:2011年 09月 30日 06:32
ROMer様
全国の原発で従事されてきた方々のぶらぶら病の原因が、放射線の影響ではない方もいるでしょう。
しかし、「長期間、放射線に被曝してしまった。」と思い込むと、PTSDを発症するでしょうね。 -
【2280416】 投稿者: 転嫁ごめん (ID:R4g.jDL0M/M) 投稿日時:2011年 09月 30日 10:17
いたちお さん の おいたち
まるで 原子力の申し子みたいですね。
だから 出生の秘密を守るごとく 放射能の影響をことごとく 他に転嫁しているみたい。
天下御免のお振る舞いだこと。 -
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【2282249】 投稿者: 良いまとめ! (ID:20Z6yI.o6xs) 投稿日時:2011年 10月 02日 09:13
福島県の子育てママが、科学者に質問し自分でデータを調べたら何かが変わったぞ
http://togetter.com/li/194861 -
【2284365】 投稿者: アトム (ID:doqYqSgogxc) 投稿日時:2011年 10月 04日 12:04
週明けと書いたにもかかわらず、その次の週明けになってしまいました。。。すみません。
「ROMer」様、ご意見有り難うございます。
大勝負などと書いてしまいましたが(私の気持ち的にはそうだったもので)、
私の身近におられる方々のご好意や支えあっての機会に恵まれた結果として、一種のチャンスをいただきました。
チャンスを活かせたか、ご報告できることを私自身、祈っている次第です。
「一歩」様、残念ながら、こちらではご紹介いただいた番組、拝見できていないのですが、
是非お時間あるときにでもご感想、お知らせください。
いずれにしましても、”母は強し”ですね。
「良いまとめ!」様
togetterのご紹介、ありがとうございます。
ざっとしか読んでいませんが、「意味なく怖がりすぎる必要はない」とは、私も感じていることです。
何でもかんでも、根拠無く放射能のせいだと考え込んでしまうような状況であってはならないと思います。
「正しく怖がる」ことが、殊更、放射能問題については、如何に難しいものか、私自身も日々考えております。
以前の投稿でも何度も触れましたが、結局は、的確な情報公開さえ行われていれば(受け取る側が理解しやすく、かつ把握しきれるやり方で)、
今のような混乱は、ある程度は避けられたかもしれません。
ただ、やはり「甲状腺被ばく」については、十分な議論がされているとは到底思えず、
このスレッドで、一貫して問題にして参りました「小児甲状腺被ばく問題」について、前々回の投稿を踏まえて、続けて触れたいと思います。
原子力施設等防災専門部会 防災指針検討ワーキンググループにて、
現在、IAEAとの整合性を取るべく、安定ヨウ素剤投与基準を甲状腺等価線量100mSvから50mSvにする方向で議論が進められていることは、
すでに前々回の投稿でご紹介したとおりです。
このなかで、今回の福島原発事故にあたっての”安定ヨウ素剤投与実施の是非”について、議論がありました。
【甲状腺内部被ばく予防目的の安定ヨウ素剤投与が実施されなかったのは何故か】
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鈴木元氏:
これは、福島の判断だったわけですけれども、
避難が終わったからヨウ素剤は飲まないという判断はどういう根拠でされたかご存知ですか。
というのは、プルームはまだ出続けていたわけなので。
実際に避難してきた方達、かなり体表面汚染していたわけですね。
十分その直前まで吸い込んでいたことが疑われるのに、なぜそこでやめたのか
中略
実際は放射性ヨウ素に関しては最初の事故後の1週間が一番Criticalな時期になります
中略
原子力安全委員会の方からは、13日に除染レベルとの関係である一 定レベル、cpm以上の体表面汚染があった場合は、
ヨウ素剤を服用した方が良いというコメントを都合2回か3回送っていると思うんです。
ERCの方に送っていると思うんですが、それがどういうふうになったのか
中略
小児甲状腺の等価線量をどのレベルで介入するかというものが変わってくるだろうと思います。
それによって、随分変化するのではないかと思います。
今のIAEAの新しい勧告案ですと、50mSv、1週間という形になる
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つまり、
*福島県の判断における問題
プルーム(放射性雲)が出続けていたなかで、住民は避難した。
要は、避難直前まで、放射性物質を吸い込んでいたはずなのに、
避難したからヨウ素剤飲まないでいいと判断した根拠は何か。
(結局、福島県が何故、避難したからヨウ素剤服用必要なしと判断したかは、この検討会でも解答保留のままです。)
*原子力安全委員会のERC(医療班)への助言の問題
体表汚染レベルを指標に(甲状腺等価線量100mSvを基準に、
すべての放射性物質がヨウ素と仮定し算出)ヨウ素剤服用を助言したが、
これはどうなったのか。
(これも、体表汚染のスクリーニング基準が福島県の判断により変更された経緯がありました。)
*IAEAの新しい勧告案
ヨウ素剤投与基準が甲状腺等価線量100mSvから50mSvに変更されると、介入レベルは変わってくる。
という問題点を指摘されているわけです。
【プルーム(放射性雲)が出続けた中での避難/屋内退避の是非】
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放出前に避難するというのは分かるんですが、
放出直後に避難するというのはプルームが出ていても避難する方が良いという意味なんでしょうか。
ー本間氏:IAEAの文書は昔から、Before and shortly afterでしたか、そういう表現をします。
放出している最中に逃げるというのは、余りよくない
ー鈴木氏:完全なシェルター、要するに換気装置を、もともと核戦争用のシェルターみたいなやつはそこにとどまるべきで、
そうではない一般の建物の屋内退避というのはすぐにプルームが入り出すので有効ではないという評価
長期に亘って放出が続くようなことが予想される場合、近傍においてはむしろリスクを冒してでも逃げなさいという考え方
今まで、多分ヨーロッパ、ドイツの方の報告で一般の家屋でどのくらいでプルームが中に入ってくるか
という研究が昔あったと思うんですけれども、6時間でだめになる
ー野村氏:屋内退避というのは、我々分かりやすく、あくまでもやり過ごす対策だという言い方をよくする
事故の状況によって一時的に出てくるのであれば屋内退避で十分
それこそ炉心の傷み方が激しい、 長期に亘って被ばくしそうだという話になったら大きな線量になる可能性があるから、
その場合にはとにかく避難をさせてしまう
あくまでも、屋内退避というのはやり過ごすという対策かと思います。ですから、いろいろなところでは2日以上では無理
ー本間氏:福島の今回のあれでは20~30kmの屋内退避というのは、確かに通常の意味のプルームの通過を待つための屋内退避というよりも、
ある種プラントのリスクを考えた措置だったので、それが長期化したということに非常に大きな問題があった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今回の事故において、大量の放射性物質が放出されプルーム(放射性雲)となって東日本が覆われたのは、
3月15日、16日、21日でした。
以上の議論でも分かるように、3月12日の避難指示により避難していた20km圏内の方々以上に、
大きな爆発による大量のプルームが発生していた15日に通常のコンクリートではない”屋内退避”を指示されていた
20−30km圏内におられた方々は、15−16日、21日のプルームに覆われた環境で、
一ヶ月以上の長期にわたる(3月15日から4月22日まで)屋内退避生活のなかで被ばくすることとなりました。
これは、本間氏の指摘するような「ある種のプラントのリスクを考えた措置」というよりは、
6月10日の毎日新聞で報道されたような
「東日本大震災から3日後の3月14日午前、東京電力福島第1原発3号機原子炉建屋で水素爆発が起きた。
菅直人首相ら政府首脳の協議は大激論となった。
「避難指示を(半径20キロから)30キロ圏内まで広げるべきです」。
内閣府原子力安全委員会側からの提案に、枝野幸男官房長官らは「30キロに拡大するのはいいが、屋内退避にとどめた方がいい」と反論した。
「30キロ避難」は大規模な避難計画の立案が必要になり、混乱する懸念があった。
大勢の住民が避難中に再び爆発するリスクも考慮した。首相は枝野長官の主張を受け入れ、15日午前、「20~30キロ屋内退避」を発表した。
「屋内退避はせいぜい数日で終わる」。だが、政府高官の希望的観測は後に覆される。」
というような「大規模な避難計画立案を避けるため」「混乱を避けるため」に「せいぜい数日という希望的観測」に基づいた措置だったのです。
こうした失策により数度にわたるプルーム(放射性雲)に覆われるなか、
6時間で効果を失い、2日が限度とされる屋内退避のまま、安定ヨウ素剤服用もないまま被ばくさせられ、
1ヶ月以上も続いた非常識な屋内退避解除と同時に「計画的避難区域に指定」された浪江町/飯館村などの方々こそが、
健康管理調査を行う山下氏が最も懸念する被ばく者集団となってしまったのです。
さらに、この検討会では、改めてSPEEDIの問題も議論されました。
【SPEEDIあるいは簡易拡散モデルが有効利用されなかったのは何故か】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
鈴木氏:SPEEDIが動かなかったのは良いのですが、
例えばイベントリーの何%が漏れると例えば簡易拡散モデルでどのぐらいまで到達するというのは当然どなたか計算していたと思うのですが、
そういうものは参考にしていないということなのでしょうか。
ー解答は事務局保留
本間氏:SPEEDIで確かに計算されたのは、ごめんなさい、3月12日にあったと、
ある種の仮定を置いたものというのはデータとしては確かにあったということでございますが、
これを使っているか使っていないかにつきましては正直良く分からない
池内氏:訓練なんかではSPEEDIの計算結果で避 難区域とか屋内退避を決めるんですが、なぜSPEEDI計算を使わなかったか
ー事務局の解答
<データ不足で有効性が低かったーーが、飛散のシュミレーションはできていたはずだった>
ERSS、Emergency Response Support Systemという原子炉のデータ、プラントデータを入力し、
そのERSSによるデータが収集されて、そのデータをもってSPEEDIを使ってシミュレーションをしていくというのがプロセス
このERSSのデータというのが入手されなかったということで、もともとのデータがないという状況ですので、
SPEEDIによる何らかの予測というのを実施したとしても、有効性がまず低かったと当時のメンバーの方々は考えたというのがひとつ
この理由によって、実際使われなかったということなのかもしれませんが、
そうでなくてもSPEEDIだけのデータで、気象の情報だとか地形の情報だとかSPEEDIがあるわけですので、
たとえプラントデータがある程度なくても方向だとか、どのような飛散の仕方をするのかとか、
そういったことは見えたので はないかというところも確かにございます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
というわけで、簡易拡散モデルも、SPEEDIも、結局、利用出来たのに、有効利用されなかったということでした。
今年6月、IAEAの安定ヨウ素剤投与基準が100mSvから50mSvに変更されたことを踏まえて始まった、
上記検討会のメンバーである鈴木氏が、甲状腺被ばくにおける甲状腺がんリスクについて、参議院で述べられた内容、
そして、福島国際会議「放射線と健康リスク」において発表された内容について続いて投稿したいと思います。 -
【2284460】 投稿者: アトム(続き) (ID:doqYqSgogxc) 投稿日時:2011年 10月 04日 13:43
【小児甲状腺被ばく:50ミリシーベルト以上より有意にがんが増える】
参議院会議録
第177回国会 国際・地球環境・食糧問題に関する調査会 第4号
平成二十三年五月十八日(水曜日)
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/177/0145/17705180145004a.html
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
鈴木元氏:
原爆被爆とかのように一回にぼんと浴びるような急性被曝の場合、約百ミリシーベルト、
小児甲状腺でいうと五十ミリシーベルト、これ以上浴びますと、
統計的に有意に発がんリスクが上がることが分かっています。
中略
もし一万人の子供が甲状腺五十ミリシーベルト被曝を受けた場合、
数年の潜伏期を経てから毎年〇・一名、甲状腺がんが増えるくらいのリスクの大きさです。
決してそんなにべらぼうに大きいものではありません。
今回福島で何万人の子供がいたかちょっと分かりませんが、
まあ五十ミリシーベルト行ったとしてもこういうような大きさで増加していくというふうに考えられます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
IAEAが今年6月に、安定ヨウ素剤投与基準を甲状腺等価線量100mSvから50mSvに変更しましたが、
鈴木氏は、「小児甲状腺等価線量50mSv以上で、統計的に有意に発ガンリスクが上がることが分かっている」と上記のように述べています。
福島県で行う健康管理調査の対象となっている子供は36万人です。
鈴木氏の仮定に基づき、仮に、36万人の子供が甲状腺等価線量50mSv被ばくすると、
”数年の潜伏期を経て、毎年3.6人、甲状腺がんが増える”ーという推定が成り立つ試算になります。
一方、健康管理調査を担う山下氏によれば、
************************************
ー「どの病気にターゲットを絞り、検証するか」という課題もあるとお聞きしました。甲状腺がんが中心になるのでしょうか。
そうだと思います。甲状腺がんは頻度が高い疾患。
小児の白血病は10万人に1人程度の発症率ですから、それだけの母集団がないと分かりませんが、
甲状腺疾患は100人に一人。
被曝線量が層別化できれば、甲状腺がんとの関係を把握しやすいでしょう。
************************************
ということで、「甲状腺疾患」(おそらく腺腫が主体)「100人に1人」の頻度の集団のなかで、
どれだけ甲状腺がんへ進行するか経過観察することになっていきます。
【甲状腺被ばく線量の評価は終わっていないー甲状腺外部被ばく問題】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それから、今回どのくらいの放射線影響が将来出るかというのは、
まだ全体像、被曝線量の評価というのは必ずしも十分終わっていませんので、
今のところ大したことないとかというふうな、軽々には言えません。
ただ、今のところ、報告されている甲状腺の被曝線量でいうと、
五十ミリシーベルトを超した人は内部被曝ではいない。
外部被曝を多分プラスアルファしていくとちょっと微妙なところがあるかもしれませんが、そういうレベルだと。
それから、チェルノブイリ事故でも、甲状腺がんを除くとほかのがんでは余り有意に増えていません。
日本の場合も、やはり一番もし健康影響が今後出るとしたら小児甲状腺の問題かなと思っていますので、
今後もうちょっときっちりした体制を取る必要があると思っています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
結局、最も重要なことは、鈴木氏も上記で指摘されているように、
「まだ全体像、被ばく線量の評価というのは終わっていない」わけで、
「外部被ばくをプラスアルファしていくと」どうなるかが、このスレッドで訴え続けている最大の懸念です。
小佐古氏以外で、今回の福島原発事故における甲状腺被ばくにおいて、鈴木氏のように「外部被ばくをプラス」すべきことを公に指摘してくれた専門家は殆どいません。
政府が唯一調査/公表した甲状腺内部被ばくの主な原因となる放射性ヨウ素131の放出量は、
原子力安全/保安院の6月段階での報告によれば、UNSCEAR2008におけるチェルノブイリの試算結果と比較すると、
チェルノブイリの9%程度でした。
一方、甲状腺外部被ばくの原因となる希ガス(キセノン133)の場合、
チェルノブイリの170%にもおよぶ量が放出され、3月15−16日、21日と東日本を覆ったというのに、
何故、殆どの専門家は、この大量の希ガスによる被ばくについて触れないのでしょうか。
前回の投稿で取り上げた原子力施設等防災専門部会 防災指針検討ワーキンググループにて、
希ガスについて意見がありました。
http://www.nsc.go.jp/senmon/soki/bousin/bousin2011/bousin_so03.p●df
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
セシウムの話というのは少し時間遅 れで、
最初は希ガスとかヨウ素とか短時間で大量の被ばくをする、
まずそれを防がなくてはいけないという優先順位があると思うんです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
防災対策において「希ガスとヨウ素」は、事故直後に最も懸念されるべき核種です。
その希ガスがチェルノブイリの170%も出たというのに、
半減期が短いだとか、体内に残って内部被ばく起こさないからだとか、挙げ句、放出/拡散の詳細が不明だからだとか、
そういう理由で「無視」して「過小評価につながってもいい」などと判断できるとしたら、
一体、どれだけ放出されたら「無視」すべきでないと言えるのか。
いずれにせよ、初期の大量被ばくを避けるために、最も優先順位の高い「希ガスとヨウ素」による被ばく防護において、
あり得ない”非常識”な「屋内退避」によって被ばくした「計画的避難区域」の方々のみならず、
菅前総理が今頃になって曝露した「最悪、首都圏含む3000万人が避難対象だった」にもかかわらず、
”普段通り”の生活を送りながらプルームに覆われていることも知らずに被ばくした東日本の方々も含め、
「防護されることなく被ばくさせられた方々」となってしまったわけです。
以前の投稿でご紹介したように、東電は、因果関係が証明されなければ、補償しないと明言しています。
その因果関係の証明義務は、文科省も認めていましたが、不条理なことに、被ばくした側にあります。
福島県は、健康管理調査とともに、被ばく線量についての試算も数年計画で行う予定のようですが、
小児にとって最も懸念されるべき甲状腺被ばく評価がどのように行われるべきなのか、
「子供を守る」ためにも、十分な議論が成されたか、私達は知る必要があるのです。
では、チェルノブイリ事故における「甲状腺被ばく評価」はどのように行われたか、
相変わらず長くなってしまったので、次回の投稿にて、
福島国際会議「放射線と健康リスク」の講演内容含めて、触れてみたいと思います。 -
【2284577】 投稿者: ガラスバッチ (ID:20Z6yI.o6xs) 投稿日時:2011年 10月 04日 15:47
>一方、甲状腺外部被ばくの原因となる希ガス(キセノン133)の場合、
>チェルノブイリの170%にもおよぶ量が放出され、3月15−16日、21日と東日本を覆ったというのに、
>何故、殆どの専門家は、この大量の希ガスによる被ばくについて触れないのでしょうか。
そりゃ、半減期が短くてエネルギーも低いからなんじゃ?
今回に関して言えば、他の核種とは比べ物にならないくらいに。
170%って多く聞こえるのかもしませんが、1.7倍ですから、
今回の事故の他のデータと比較すると、びっくりする量ではないと思います。
私は放射線プルームが襲来した首都圏で311以前からガラスバッチを付けて仕事をしており、
3/15-16は屋内退避もせず普通に仕事をしていましたが、
ガラスバッチに記録されるほどの被曝はありませんでした
(ついでに言えば21日は祝日でガラスバッチはロッカーの中で「屋内退避」した状態ですが、
3月一か月分で被曝量はNDです)。
福島でも同じようにガラスバッチを付けていた人はたくさんいらっしゃるはずで、
この方たちのガラスバッチから外部被曝量は推定されるはずです。
もし想定される被曝量より高かったなら報告があるなり、ネットで話題になるなりするはずで、
それがないと言うことは、ヨウ素やセシウムなど、キセノンよりずっとエネルギーの高い核種による
被曝線量の誤差範囲ということなのだろうな、と思っています。
それにしてもこの時期の医療従事者のガラスバッチによる被曝線量って、
殆ど話題に上がってないのですが、データとして出しているところはないのでしょうか。
それほど感度が高くないので、311直後でも殆ど異常値が出なかったのかな。
感度が低いと言っても0.1mSvはあるので、出てもいいような気がするのですが。
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