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【2147325】(続)子供の年間放射線許容量は、いまだ20ミリシーベルト!

投稿者: アトム   (ID:LCMTjPwTTls) 投稿日時:2011年 05月 30日 13:39

「子供の年間放射線許容量が20ミリシーベルト???」というスレッドで、情報・意見交換をするなかで、
“子どもを守りたい親として、今何をすべきか”多くの方々と共に考え、見えてきたものが多くありました。
(スレッドに集まった有益な情報・意見などをまとめたブログも、参加して下さった方のご厚意により始まりました!:http://takopunch.blog27.f c 2.com/:間をつめて下さい)
是非、さらに多くの皆様の御意見・御協力をいただきたく、新スレッドに移行しております。
どうか宜しくお願いいたします。

4月19日の文部科学省からの通知により始まった、「子供の年間放射線許容量が20ミリシーベルト」問題に関連して、4月29日、原子力災害対策における全ての関係機関の活動を把握し、提言する立場にあった内閣官房参与・小佐古東大大学院教授が、抗議の辞任をされました。
その際、小佐古教授は、その辞意表明文書を通して、私達に重大なメッセージ(参照:http://takopunch.blog27.f c 2.com/b l o g-entry-56.html :間をつめて下さい。)を伝えられていました。
それは、今現在、“関東・東北全域の子ども達”が、“過去の重大な被ばくの事実”を知らされることもなく、さらなる被ばくに晒され続けているという現実でした。

5月27日、文部科学省は、“学校で子ども達が受ける放射線量”について「当面、年間1ミリシーベルト以下を目指す。」と目標を示しました。福島のみならず、国内外から批判の声が上がったことが背景にあったと思われます。
(参照:http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1306590.htm)
しかし、これはあくまでも目標値であって、高木大臣が「これまで申し上げたことの、より安心感を持っていただくための措置」と述べたように、今年度という曖昧な表現のもと、当初の予定どおり、夏期休業終了まで最大20ミリシーベルトまでという基準値は撤回しないという、“これまで申し上げたこと”に変更はない立場を固持したものです。

小佐古教授が、”未公開の被ばくの事実”を踏まえて、「基準値を年間1ミリシーベルトにすべき」と提言されたのは4月からの基準としてであり、文科省の予定している夏期休業終了の基準見直し時期など遅すぎることを前提にした提言であったことは明らかです。

今や、福島では、政府・専門家が”直ちに健康に影響ありません。安心して下さい。”と言い続けてきた“低線量放射線被ばく”を対象とした長期的疫学調査を行う方針が固まっています。
その疫学調査メンバーでもある、長崎大学大学院・山下教授は、“政府は責任をとれない。命の選択は個人の選択。今は放射能との静かな戦争だ。”と発言されました。
この“放射能との静かな戦争”において、政府を初めとする行政機関は、日本の未来を支える子ども達を全力で守ってくれるどころか、責任すら取ろうとしない現実が、日々報道され続けています。

今や、子どもを守れるのは、私達「親」しかいないと感じるほどの現実が目の前にあります。

どうか、皆様、一緒に声を上げ、「子どもを守る」「日本の未来を守る」ために、立ち上がってはいただけないでしょうか。
関東・東北の子ども達は、収束の見えない原発により、長期にわたる被ばくリスクに晒されています。特に、福島の子ども達にとって、夏期休業終了まで、基準値見直しを待っていられるような被ばく状況ではないことは、小佐古教授の涙、そして辞意表明文書に書かれた“未公開の過去の被ばくの事実”からも明らかです。

皆様と一緒に上げる声こそが、この“放射能との静かな戦争”において、「子供を守る」最大の力となるはずです。
以下に、議論の対象となり得る問題点も挙げてみました。
皆様、御意見・御協力の程、どうか、宜しくお願いいたします。

* 年間20ミリシーベルトまでという基準値設定の意味と問題
* 集団疎開の必要性・可能性
* 避難を躊躇させている原発震災の被害者の方々の補償問題
* 食品の暫定的基準値および給食問題
* 政府・行政機関・専門家による放射能における啓蒙活動の問題点
* 国民を被ばくに晒してきた政府・行政機関の責任の所在問題

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  1. 【2187783】 投稿者: 犬井  (ID:fel2XGsM87k) 投稿日時:2011年 07月 01日 15:58

    文春によると、20ミリシーベルト撤回を求めているのは、反核運動団体が中心になり、100以上が集まったらしいですね。
    「子どもを守ろう!」などをスローガンにしているけど、「子ども」という文言を使用すると、日本の世論が動きやすいこと
    を利用しているのですね。

    ドイツでは、ソ連崩壊で行き場のなくなった共産主義者が緑の党って看板に架け替えて、反原発運動をやっている。
    日本でも、サヨクの存在意義を「 反原発」に求めているのですね。

    20ミリシーベルトの放射線で子どもに健康被害あったという科学的証拠はないのに
    あたかも危険であるかのように吹聴しているのが、20ミリシーベルト撤回運動。

    IPPWNのドイツ支部の声明も、IPPWN全体の意見ではなくて、あくまでドイツ支部の声明でしかない。
    IPPWNの朝長万左男氏の著書「45分でわかる! 放射能汚染の基礎知識」にも「100ミリシーベルト以下なら心配不要」とある。

  2. 【2187792】 投稿者: どっちもどっち  (ID:n.Pn1JWwlOk) 投稿日時:2011年 07月 01日 16:06

    危険の根拠もなければ、安全の根拠もない。そういうときは、とりあえず危険と推定して、安全を確認できる範囲を少しずつ拡げていくというのが常識なんですけどね。電車に乗ってて、緊急停止信号を受信すると、付近を走っている電車が全て止まるでしょう。安全確認がとれたものから、少しずつ動かしていく。こんな基本的なこともできていないんです。行政もマスコミも。
    一方、訳も分からず不安を叫ぶ親も、環境テロリストのような怪しげな団体につけいる隙を与えてしまっていますよね。
    危機管理能力のなさ加減は、どっちもどっちという感じですね。

  3. 【2187897】 投稿者: ROMer  (ID:voTMAuFLGlw) 投稿日時:2011年 07月 01日 17:25

    【「0.5%の意味」様】
    平成16年と21年の、年齢別癌の死亡人数・死亡率
    http://www.sendai-l.jp/chousa/pdf_file/8/8-1/8_1_2.p●df (←●を削除)
    カラーのグラフで、子どもはほとんど死んでいないことが一目でわかります。

    が、年齢が小さければ小さいほど放射能の影響を受けやすいことは「統一見解」でしたね。
    3・11以降の被曝により増加する分(0.5%)の癌は、余命5年~70年の人たちのうち、確率的に
    どの人たちの間により多く発症するでしょうか?

    目に見える症状や病気があらわれない場合でも、放射線によって細胞が傷つく事実は同じです。
    被曝した子どもが、小中学生のうちに癌を発症せず、傷ついた細胞をかかえて成人し、
    その後に癌を発症する可能性も充分あるということだと思いますが、違いますか。

    成長期の細胞分裂が活発なため、DNAの誤転写を繰り返すと、自己修復機能を超えるような
    なんらかの影響が出てくる可能性が高いのではありませんか。

    もちろん癌以外の心配もあります。一生分の卵子を持ってうまれてくる女の子の、その卵子の
    一つにもしも小さな傷ができて、修復がうまくいかなくて、その卵子が受精したら・・・

    以下、現在の「統一見解」ではないのでしょうが、傾向としてはまったくの誤りではないのだろうと考えています。
    「----------------------------------------------------------------------
    東北大学の医師 瀬木三雄がおこなった、5-9歳の日本の子どもの1000人あたり がん死亡率の
    統計によると、広島・長崎の原爆投下から5年後に小児がんによる死亡率が3倍にはね上がり、
    その後も核実験のたびにその5年後に死亡率が急上昇した。1965年には戦前の7倍に達し、
    その後、大気圏内で核実験がおこなわれなくなると、死亡率は低下傾向を示した(矢ヶ崎克馬 
    『隠された被曝』p.46-47)

    チェルノブイリ原発事故によって日本にも放射性降下物が降ったが、その降下物の量に相関して
    10年後に乳がんの死亡率が跳ね上がっているという知見が得られた (肥田舜太郎、鎌仲ひとみ 
    『内部被曝の脅威-原爆から劣化ウラン弾まで-』 p.38-40)
    ----------------------------------------------------------------------」

    >  瓦礫処理などで吸引されたであろう
    >  アスベストの方が、よっぽど将来の発癌性を引き起こすのではないかと危惧しています。
    発癌性のみに注目するのであれば、そうかもしれません。


    【どっちもどっち様】
    危険とも安全とも根拠がないときは、とりあえず危険と推定すべきであろうとのご意見に
    賛同いたします。とりあえず肥料に混ぜたり、とりあえず燃やしたり、という行政の方針には
    驚くばかりです。

    ただ「訳も分からず不安を叫ぶ親」と書かれていましたが、わからないことはわからない、
    心配しているのだ、と声を上げ、説明を求める姿勢が必要かと思います。
    今声をあげている人たちは、こうしたスレ上ではともかく実生活ではそんなに多くないですし、
    おしなべてよく勉強しているように見えます。

    やみくもに声をあげているつもりもありません。冷静に問い合わせをし、申し入れをしています。
    その数が多ければ、耳を傾けてもらえることがあるだろうと願っています。
    3・11以前には「よくないなぁ」と思っても、日常生活を優先して、声を上げず見逃してきたことが
    多くあったこと、今になって認識しています。

  4. 【2187956】 投稿者: よもぎ  (ID:O5.uQtqAEuo) 投稿日時:2011年 07月 01日 18:23

    みなさま
    お疲れ様です。
    たこぱんち様 ROMer様 
    ありがとうございました。(私もROMer様を正しく書いてないのでお許しあれ)

    一歩様
    続です。遅くなりました。
    ******************************************
    福島から子どもが消える・熊日記者リポート、被災地から(下)=影落とす放射線 外で遊べず、募るストレス 教室の窓開閉でも言い争い [連載] 福島第1原発事故 東日本大震災 東北・関東大地震 
    2011/06/27 熊本日日新聞朝刊

     福島にとどまっている子どもたちは、放射線の直接の影響以外にも心身のストレスにさらされている。
     「5月から6月にかけ、妙に子どもたちのけがが多いんです。担任している4年生のクラスでも周囲でも、骨折したり、脱臼したり、何針も縫ったりと、相次いでいます」。そう語るのは福島市の小学教諭、澤井和宏さん。「原発事故後の3カ月以上、放射線の影響を心配して外でなかなか遊べなくなった結果、運動不足となり転んで大けがしやすくなっているんじゃないでしょうか」と首をかしげる。
     もう一つの異変は「ささいなことで、けんかが増えていること」という。放射線が気になる子どもは教室の窓を閉めるが、暑いと感じる子どもは窓を開ける。「その開け閉めで言い争いになったりするんです」。外で遊べなくなった児童が心身のバランスを崩しつつあるのではないかと、気をもむ。
     6月17日午前、相馬市の保健センター。福島県立医大の大川貴子准教授(精神看護学)のチームは、愛知県など県外から応援に駆け付けた精神科医らと、慌ただしく打ち合わせをしていた。相馬市の避難所にきた原発周辺住民らの心のケアを、仮設住宅に移った後もどう継続していくかを話し合った。
     子どもも見守っている大川准教授は「ストレスでけんかっ早くなることは、おおいにあり得る」と澤井さんの見方にうなずく。その上で、「子どもにとって一番大事な外での遊びができないと、いろんなところに問題が出てくる。放射線を心配するあまり、全く遊ばせないでいいのか、大人はバランスを考えて判断してほしい」と助言する。
     その大人社会もまた、大きなストレスを抱える。
     4月下旬、いわき市の小学校でPTAの会合があった。放射線について国の基準に沿って対応すると説明した学校側に、保護者の中から心配の声が上がった。すると、学年主任の教諭がくぎを刺した。「国が決めたことを大人が信じないなら、子どもが動揺してしまう。国の言うことを信じられないなら、日本国民をやめてもらうしかない」
     福島のPTAの会合で今、放射線への対応をめぐり紛糾するケースが少なくないという。保護者だけでなく、現場教師のストレスも募る。
     そうした中、福島県教委が異例の決定をした。今春131人を数えた小中学校教員採用数を来春、ゼロにする。「約7800人の児童・生徒が県外に移ってしまったため、教員定数を減らさざるを得ない」と県教委。
     これに対し、福島県教職員組合の角田政志書記長は「県外に避難した子どもたちの多くが県内の学校に籍を残している。教師は避難先の子どもたちとも連絡を取っている。採用しないということは、子どもたちが福島に戻ることへの期待を切って捨てようということか」と反発する。
     福島の教育現場全体を鬱屈[うっくつ]した空気が覆う。(山口和也)

  5. 【2187960】 投稿者: よもぎ  (ID:O5.uQtqAEuo) 投稿日時:2011年 07月 01日 18:24

    連投失礼します。ついでに熊本日日新聞で気になった記事です。
    ******************************************
    放射線防護に詳しいリバジ欧州議員に聞く 年20ミリシーベルト、健康影響の恐れ 自主避難は国・東電の責任で [略歴] 東京電力福島第1原発事故
    2011/06/29 熊本日日新聞朝刊

     福島第1原発事故で政府は、20キロ圏外で被ばくが年間20ミリシーベルトに達する恐れがある地域を「計画的避難区域」に設定している。20ミリシーベルトは避難の目安として妥当なのか。放射線防護に詳しく、チェルノブイリ原発事故後、母国フランスで放射性物質の影響調査などを行う専門家グループの設立に携わったミシェル・リバジ欧州連合(EU)欧州議会議員に聞いた。
             ▽       ▽
     -日本政府は、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に沿って、基準を年間20ミリシーベルトにしたと説明している。
     「放射線は、これ以下だったら影響が出ないという値はなく、浴びた量に応じてリスクが高まる。20ミリシーベルトは高すぎる。10ミリシーベルトでも高すぎるので、例えば小さな子どもを持つ若い夫婦、これから子どもをつくろうと思っている人は、避難した方がいい」
     -年間20ミリシーベルトなら健康影響はないとの見解も耳にするが。
     ▽ICRPの基準
     「通常時の一般公衆に対するICRPの基準は以前、年間5ミリシーベルトだった。その後、5ミリシーベルトだとがんのリスクが高まると分かったので、1ミリシーベルトに下げた。だから20ミリシーベルトで問題がないというのはうそだ。年間20ミリシーベルトは、原子力施設で働く労働者が5年間の平均で浴びてもよい値だから、それを子どもが浴びていいはずがない。体が弱い人に当てはめるのもおかしい」
     ▽最大3~6カ月
     -緊急時だから仕方ないとの意見もある。
     「緊急時はそうだが、それは非常に限られた期間のことだ。最大で3~6カ月ぐらい。その後は被ばく線量が年間1ミリシーベルトになるような対策をとらないといけない」
     -対象区域以外で自主避難を考える人もいる。
     「子どもは放射線の影響を受けやすいので、汚染されていない地域に避難させるか、汚染を取り除くか、どちらかしかない。年配の人で例えば畑を管理しなければいけないということで、自分で残ることを選択するのはいい。だが子どもたちが(自主的に)避難できない今の状態はよくない」
     「自主的に避難したい人に、なぜ国や東京電力は金銭的な補償をしないのか。避難先も見つけるべきだ。責任は避難する人にあるのではなく、原発推進の政策を取ってきた国や、実際に操業してきた東電にある」
     ▽ヨウ素剤配布を
     -これまでの事故対応に問題点は。
     「一番憤りを持ったのが、(甲状腺がんの原因となる放射性ヨウ素の取り込みを防ぐ)ヨウ素剤が、住民に配布されなかったことだ。将来、子どもの甲状腺がんが増えるのではないか」
     -初期対応を誤ったということか。
     「ヨウ素剤は本来なら事故の直後、(放射性物質が煙のように流れる)放射性雲が来る前に飲まないといけないが、配布がほとんど行われなかったと聞く。今も地方自治体までで、各家庭には配っていない。何か起きたときに計画を立てて配布するのでは絶対間に合わない。また同じ事が起こる。非常に無責任だ」
     ◇ミシェル・リバジ氏 53年、フランス生まれ。放射性物質の測定や放射線の影響分析をする民間組織「CRIIRAD」の設立に携わる。環境保護団体グリーンピースフランスの幹部などを経て欧州議会議員。


    ****************************************
    中川氏の最近の考え方がまとまっているように感じますので貼っときます。
    ****************************************談論誘発 どうみる?放射線 中川恵一氏 東京大学医学系研究科准教授 被ばく問題に「純白」は存在せず
    2011/06/29 東京新聞朝刊

     大震災からおよそ三カ月半。いまも“放射線パニック”は収まらない。涙ながらに危険を訴える学者や安全を強調する医師、専門家の意見や立場などさまざまである。原発には利権がからむという“常識”もあってか、専門家の意見に国民は疑心暗鬼に陥っている。
     しかし、今回の問題は、「白」か「黒」かの「二元論」では解決できない。絶対的な正義などがないと同様に、放射線被ばくの問題でも「純白」は存在しない。そもそも「灰色」しかない放射線の問題で、「純白」を求めようとしているのが今の日本人の姿といえる。
     一般公衆の被ばく限度は、法律で年間一ミリシーベルトまでと決められているが、法律が規定しているのは、自然被ばくと医療被ばく以外の被ばくについてである。日本の自然被ばくは年間に約一・五ミリシーベルトで、世界平均の二・四ミリシーベルトを大きく下回る。
     一方で、日本人の医療被ばくは、年平均約二・三ミリシーベルトで、世界のトップ。もちろん、医療被ばくは、原発事故と違って、メリットがあるものである。
     自由に検査が受けられる日本の医療体制が、長寿世界一を実現した要因の一つかもしれない。とはいっても二十代の若い会社員が毎年胸部エックス線撮影をする必要があるのか疑問である。この機会に、医療被ばくのあり方を見直すべきである。
     国民は放射線を漠然と恐れているが、発がんリスクの上昇だけが問題である。広島・長崎などのデータから年間一〇〇ミリシーベルト以上の被ばくは、線量の増加とともに「直線的に」発がんが増えることが分かっている。
     これに対し、一〇〇ミリシーベルト以下の被ばくでは、がんが増えるかどうか分かっていない。これは喫煙、飲酒、食べ物などの生活習慣の方が、はるかにがんの発生に関係するため、わずかな被ばくは他の要因の中に「埋没」してしまうからである。
     しかし、科学的根拠はないものの、念のため一〇〇ミリシーベルト以下でも線量とともに直線的に発がんが増えると考えようという「思想」が国際的な放射線防護の立場である。この考えは「直線しきい値なしモデル」と呼ばれている。「しきい値」とは「これ以下なら安全」という線量である。
     このモデルでは「しきい値」を想定しないから、被ばくゼロ以外はすべて「灰色」で「純白」はない。「白」か「黒」かの「二元論」に立てば、自然被ばくや医療被ばくがある以上、すべて「黒」になってしまう。常に「灰色」だとすれば、安全の目安は、住民を中心に、社会が決めるしかない。
     いま福島で平時の一ミリシーベルトを実現しようとするのは、現実的ではない。目安となる被ばくの上限を、安全の範囲で一時的に上げておき、できるだけ放射線量を減らす工夫もしながら、段階的に元の一ミリシーベルトに戻すしか手がないのである。
     線量を下げる知恵とともに、一時的には「灰色」も認める柔軟な判断も求められているといえるだろう。
        ◇
     1960年生まれ。「がんのひみつ」「放射線のひみつ」など著書多数
     (メモ)
     しきい値 ある刺激が生体の反応を誘発するには、ある値以上の強さを持つ必要があり、その境界の値を「しきい値」と呼ぶ。
     実際、放射線による脱毛、白内障、白血球の減少などの症状は「しきい値」以下の線量では起きない。一方、発がんについて「しきい値」があるかどうかは分かっていないが、安全を考慮して「しきい値」がない、つまり、ごくわずかな被ばくでも発がんが増えるという前提に立って、国の放射線対策は考えられている。

  6. 【2187972】 投稿者: 津村政和  (ID:fel2XGsM87k) 投稿日時:2011年 07月 01日 18:40

    >被曝した子どもが、小中学生のうちに癌を発症せず、傷ついた細胞をかかえて成人し、
    その後に癌を発症する可能性も充分あるということだと思いますが、違いますか。
    >成長期の細胞分裂が活発なため、DNAの誤転写を繰り返すと、自己修復機能を超えるような
    なんらかの影響が出てくる可能性が高いのではありませんか。

    いずれも違います。傷付いた細胞は死滅します。アポトーシスです。
    癌化した細胞(そのほか内部に異常を起こした細胞)のほとんどは、アポトーシスによって取り除かれ続けており、これにより、ほとんどの腫瘍の成長は未然に防がれます。

    >>矢ヶ崎克馬  『隠された被曝』p.46-47
    間違えております。自説合う様なデータを見つけて、因果関係があるように見せているだけです。
    矢ケ崎氏が学会や論文で、その主張をなさらないのは何故ですかね?

    >>肥田舜太郎、鎌仲ひとみ  『内部被曝の脅威-原爆から劣化ウラン弾まで-』 p.38-40
    これは著者の思い込みであり、科学的検証がなされていません。フィクションです。
    「月にはうさぎがいる。なぜなら、私は見たのですから」という類いのものです。

    20mSv/yでは安全を示す論文はたくさん(5000本以上)あります。例えば・・・
    1)Pierce, D. A. & Preston, D. L. (2000) Radiat. Res. 154, 176-186.

    2)Chen, H. T., Bhandoola, A., Difilippantonio, M. J., Zhu, J., Brown, M. J., Tia, X., Rogakou, E. P., Brotz, T., Bonner, W. M., Ried, T. & Nussenzweig, A. (2000) Science 290, 1962-1964.

    3)Sawant, S. G., Randers-Pehrson, G., Metting, N. F. & Hall, E. J. (2001) Radiat. Res. 156, 177-180.

    4)Sawant, S. G., Randers-Pehrson, G., Geard, C. R., Brenner, D. J.&Hall, E. J. (2001) Radiat. Res. 155, 397-401.

    5)Celeste, A., Petersen, S., Romanienko, P. J., Fernandez-Capetillo, O., Chen, H. T., Reina- San-Martin, B., Meffre, E., Difilippantonio, M. J., Sedelnikova, O. A., Redon, C., et al. (2002) Science 296, 922-927.

  7. 【2187979】 投稿者: 津村政和  (ID:fel2XGsM87k) 投稿日時:2011年 07月 01日 18:46

    「放射線は、これ以下だったら影響が出ないという値はなく、浴びた量に応じてリスクが高まる。20ミリシーベルトは高すぎる。10ミリシーベルトでも高すぎるので、例えば小さな子どもを持つ若い夫婦、これから子どもをつくろうと思っている人は、避難した方がいい」
            ↑
    政府は、このような声明を出していませんけど、どういうつもりで書いたのでしょうか?怪し過ぎですね。

  8. 【2187989】 投稿者: よもぎ  (ID:O5.uQtqAEuo) 投稿日時:2011年 07月 01日 18:50

    連連投失礼いたします。
    矢ケ崎先生の記事なので週刊誌ですが、載せときます。「週刊朝日7/1号」
    長いので時間に余裕のある方用です。
    「住民が声を上げ、政府を動かそう」が、今の私たちに投げかけられている言葉かと思います。
    こんなに掲示板使ってごめんなさい。
    *****************************************
    ヒロシマ・ナガサキ、隠された「内部被曝」 フクシマで悲劇を繰り返すな!

     年間20ミリシーベルトという校庭の放射線基準上限の根拠になった国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告は、意図的に「内部被曝」を除外している--。原爆症認定集団訴訟で内部被曝の危険性を訴えてきた物理学者・矢ケ崎克馬琉球大名誉教授が、その“ナゾ”を解き明かす。
     
     内部被曝とは、放射性の微粒子を吸い込んだりのみ込んだりして、体の中で放射線が照射されて被曝することです。5月発行の朝日ジャーナル「原発と人間」にも書きましたが、内部被曝は外部被曝に比べて人体に大きな影響を及ぼします。例えば1千万分の1グラムの放射性ヨウ素131が体内に8日間とどまった試算をすると、1シーベルトほどの被曝線量となります。
     私はもともと物性物理を研究してきました。内部被曝とのかかわりは1997年、沖縄・鳥島の劣化ウラン弾問題発覚からです。米軍が演習で1500発以上発射したことが1年以上たってわかったとき、米軍報道官は「劣化ウラン弾は放射能ではない」と言いました。とんでもない。劣化ウラン弾のウラン238はまぎれもなく放射性物質です。私は国際会議などで劣化ウラン弾による内部被曝の危険性を警告してきました。
     2003年からは原爆症認定集団訴訟の熊本弁護団の要請を受けて、広島と長崎の被爆者が内部被曝を受けていたことを証言しました。がんなどにかかって原爆症認定を国に申請した多くの被爆者が、「あなたは被曝していません」と却下されていたからです。内部被曝を考慮しない認定基準が大きな問題でした。
     申請却下の根拠とされたのが「DS86」という放射線量評価体系です。爆心地からの距離、遮蔽物などのデータを基に、臓器全体が受けるエネルギーから放射線量を推計します。

     ●原爆の非人間性、隠蔽する核戦略
     これを一目見たとき、激しい怒りがこみ上げて、一晩中眠れないほどでした。科学の名のもとに内部被曝が隠されていたのです。
     もとをたどれば内部被曝隠しは米国の核戦略から派生しています。原爆の放射性物質がもたらす残虐さを隠し、「破壊力はものすごいが、放射線で人を後々まで苦しめることはない」という核兵器の虚像を仕立て上げようとしました。
     未成熟な技術で破局を防ぐことができない商業原子炉を「原子力平和利用」の名目で押し付けるためにも、内部被曝を見えないものにする必要がありました。
     そのため米国は、占領下の日本で原爆情報を徹底して秘密管理して、原爆傷害調査委員会(ABCC、後の放射線影響研究所)が治療を一切しない人道に反した調査を進め、放射性降下物を無視した偽りの報告をしました。この放射線影響研究所などがDS86を作り上げたのです。
     内部被曝隠しは日本政府も協力しました。1957年に「原子爆弾被爆者の医療等に関する法律」が施行され、被爆者認定基準ができます。その特徴は、被曝を初期放射線だけに限定して、被曝範囲を爆心地から2キロ以内として、放射性降下物による内部被曝が一切無視されたことです。これは米国の核戦略を、原爆医療法という日本の法律上に具現化したものです。
     86年に定められたDS86の放射性降下物の線量評価も、この枠組みを擁護するために作られました。
     原爆の核分裂で作られた放射性降下物は、物質としての埃(ほこり)であり雨風で散逸します。広島では原爆投下の42日後、枕崎台風によって地表の放射性降下物はほぼ洗い流されました。よくぞ残ったというほどのわずかな放射性降下物を測定して、「もともと、これしかなかった」という作り話のうえに評価基準を決めたのが、DS86なのです。
     内部被曝隠しは、米国主導で進められた国際放射線防護委員会(ICRP)の放射線管理基準にも反映されました。ICRPの基準から内部被曝が除外されたことは、米核戦略の世界支配が科学の分野にまで及んだことを意味します。
     放射線は、原子から電子を吹き飛ばす「電離作用」が特徴です。この作用が遺伝子や細胞内の組織の分子を切断します。内部被曝では、体に入った放射性の埃の周囲で集中的に分子が切断されますが、ICRPでは被曝の具体性を捨てて単純化し、臓器全体に分子切断を平均化するモデルに置き換えます。これで内部被曝が見えなくさせられているのです。ところが科学とは具体的に物事を見ることです。「具体性の捨象」が科学することを阻む結果になってしまうのです。
     ICRPの基準が与えられて、それに疑問を持たない科学者たちは、内部被曝の科学的な研究ができなくなってしまう。ICRPが世界中に振りまいている一番の害悪だと思います。
     ICRPの評価基準を見直す立場から、欧州放射線リスク委員会(ECRR)は別の基準を打ち出しました。ECRRは、第2次世界大戦後、世界で6500万人を超す人が放射線被曝によって命を奪われたと試算します。ICRPの基準による試算では117万人です。6500万人と117万人という大きな違いは、内部被曝を考慮するかしないかの違いなのです。
     物理学の分野でこの問題を提起すると、「どちらが本当か?」「基準をどう作る?」といった具体的な議論に入るのですが、ICRPを信奉する放射線の専門家たちは無視するのです。
     ECRRのデータを持ち出しても、よその世界のことだというような態度を取ります。科学の議論ができないばかりか、政治的支配にいつでも応じてしまう姿勢につながっていきます。

     ●住民が声を上げ、政府を動かそう
     福島第一原発の事故の対応を見ていると、まさにそう思います。テレビなどで発言する放射線の専門家は、東京電力や政府の都合がいいように、「ただちに影響はありません」と安全を強調する人ばかりで固められていました。
     この実害は、ひとりの人間、ひとつの命という目で見ないで、政府が被曝線量の限度を年間20ミリシーベルトと決めたり、小学校の原発事故対応マニュアルに帽子やカッパを着用するという初歩的な放射能を防ぐ手だても入っていなかったり、といった点に表れています。
     人権無視、住民の生命無視というのが「原発の安全神話」の根本にある考え方なのです。住民の命を大切にする考え方があれば、原発の事故を想定した対策が実施されていたはずです。今回はその観点がゼロなんです。大きな不幸です。
     私たちの社会は、広島と長崎の被爆者の訴えを、ないがしろにしてきたように思います。その延長線上に今回の事故があります。
     広島で自ら被爆しながら治療にあたり、内部被曝の脅威をいち早く訴えた肥田舜太郎(ひだしゅんたろう)医師のような方もいます。しかしながら、多くの医師や科学者は、たとえ良心的であろうと願ってきた人でも、ICRPに従えば、結果として内部被曝を無視してしまうことになったのです。
     国策民営で進められた原子力発電に関する分野では、言うことをきく人だけに研究費を集中的に与え、内部被曝を問題にするような人には研究費を与えず、昇進させない方法で排除してきたといわれています。放射線科学が科学として独立していれば、決して内部被曝隠しや安全神話はなされなかったのです。
     住民が「本当のことを言え、正しい見方はこうじゃないか」と声を上げないかぎり、具体的で誠実な科学は実践されません。
     端的にいって、日本のどこにいても汚染は避けられません。汚染から精神的に逃げていれば、被災地の復興・救護や日常生活の場面で、恐怖が足かせになります。子どもには汚染のない食べ物を与えて、汚染レベルが低ければプールで遊ばせてください。ただし、水はしょっちゅう入れ替えてください。はつらつと生きていく経験は重要です。開き直って楽天的になり、それでも最大限の防御をしましょう。政府や自治体に対して、内部被曝を避けるために最大限できることを求めましょう。知恵を出し、やるべきことはすべてやる。そして、核のない新しい日本をつくっていきましょう。
     (聞き手 本誌・堀井正明)
         *
     やがさき・かつま 1943年、東京都生まれ。琉球大学名誉教授。原爆症認定集団訴訟で内部被曝を証言。福島第一原発事故を受けた衆院の参考人招致でも内部被曝の危険性を訴えた。著書に『隠された被曝』(新日本出版社)など

     ◆「今はまず逃げてほしい」 高橋博子
     政府や東京電力の「ただちに人体に影響はない」「安全だ」という加害性を小さく見せるための言説は、広島・長崎への原爆投下後の日米両政府の説明にまでさかのぼることができます。
     米国政府は今も、広島・長崎の原爆は空中高く爆発したため、放射線の影響はたいしたものではないという公式見解を持ち続けています。日本政府もそれを踏襲する原爆症認定しか行ってきませんでした。私は機密解除された米国の公文書を調査して、『封印されたヒロシマ・ナガサキ 米核実験と民間防衛計画』(凱風社)にまとめましたが、2003年に原爆症認定集団訴訟が始まり、矢ケ崎克馬先生たちが問題を指摘することによって、なんと日本政府も内部被曝による被害をずっと無視してきたことが浮き彫りになったのです。
     1954年、ビキニの水爆実験で死の灰を浴びて亡くなったマグロ漁船「第五福竜丸」の久保山愛吉無線長の死因についても、米国は「輸血による肝炎」であって放射能によるものではないという認識なのです。
     核実験は大丈夫だと啓発し、原爆投下を正当化する人たちの基準が、放射線障害防止法の基礎となっているICRPの勧告です。これが今回の事故の「安全PR」の基にあります。
     調査すれば深刻な汚染がわかってきます。調査せずに、「安全だ」と言えば、それ以上調べなくていい。訴えられても国はきちんと補償する必要がない、というもくろみがあります。これは広島、長崎、ビキニ、全部に共通した対応です。
     被曝に関して自分たちで資料を集め、記録を残すのが重要です。放射性ストロンチウムは骨に蓄積されやすいので、抜けた乳歯は保管しておく。体調を書いた日記も大切になります。
     それよりも放射能汚染が広がっている今は、まず逃げてほしい。簡単ではないと思いますが、政府は長期休暇を取りやすくするなど、避難しやすい制度をつくるべきです。
     食べ物は徹底した調査が求められます。生産者に対して補償するというメッセージを送った上で、汚染された食べ物は出荷制限をして、内部被曝の拡大を防ぐ必要があります。(談)

      <原爆症認定集団訴訟>
     2003年に始まり、全国17の地方裁判所、306人の原告へと広がった。集団訴訟の中で政府は原爆被害をできる限り小さく見せようとして、放射線の被害を初期放射線に限定し、残留放射線による外部あるいは内部被曝の影響を認めなかった。この過ちは違法として断罪され、これまで20地裁、7高裁で原告の勝利判決が下されている。

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