【インターエデュからのお知らせ】旬な話題カテゴリーにおいて悪質な荒らし行為が見受けられたため、
一部のホストからの接続による書き込みを一時的に停止しております。
「規制ホスト:t-com.ne.jp」
該当の環境をお使いのユーザーのみなさまにはご迷惑をおかけいたしますが、
ご理解の程よろしくお願い申し上げます。

最終更新:

949
Comment

【2147325】(続)子供の年間放射線許容量は、いまだ20ミリシーベルト!

投稿者: アトム   (ID:LCMTjPwTTls) 投稿日時:2011年 05月 30日 13:39

「子供の年間放射線許容量が20ミリシーベルト???」というスレッドで、情報・意見交換をするなかで、
“子どもを守りたい親として、今何をすべきか”多くの方々と共に考え、見えてきたものが多くありました。
(スレッドに集まった有益な情報・意見などをまとめたブログも、参加して下さった方のご厚意により始まりました!:http://takopunch.blog27.f c 2.com/:間をつめて下さい)
是非、さらに多くの皆様の御意見・御協力をいただきたく、新スレッドに移行しております。
どうか宜しくお願いいたします。

4月19日の文部科学省からの通知により始まった、「子供の年間放射線許容量が20ミリシーベルト」問題に関連して、4月29日、原子力災害対策における全ての関係機関の活動を把握し、提言する立場にあった内閣官房参与・小佐古東大大学院教授が、抗議の辞任をされました。
その際、小佐古教授は、その辞意表明文書を通して、私達に重大なメッセージ(参照:http://takopunch.blog27.f c 2.com/b l o g-entry-56.html :間をつめて下さい。)を伝えられていました。
それは、今現在、“関東・東北全域の子ども達”が、“過去の重大な被ばくの事実”を知らされることもなく、さらなる被ばくに晒され続けているという現実でした。

5月27日、文部科学省は、“学校で子ども達が受ける放射線量”について「当面、年間1ミリシーベルト以下を目指す。」と目標を示しました。福島のみならず、国内外から批判の声が上がったことが背景にあったと思われます。
(参照:http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1306590.htm)
しかし、これはあくまでも目標値であって、高木大臣が「これまで申し上げたことの、より安心感を持っていただくための措置」と述べたように、今年度という曖昧な表現のもと、当初の予定どおり、夏期休業終了まで最大20ミリシーベルトまでという基準値は撤回しないという、“これまで申し上げたこと”に変更はない立場を固持したものです。

小佐古教授が、”未公開の被ばくの事実”を踏まえて、「基準値を年間1ミリシーベルトにすべき」と提言されたのは4月からの基準としてであり、文科省の予定している夏期休業終了の基準見直し時期など遅すぎることを前提にした提言であったことは明らかです。

今や、福島では、政府・専門家が”直ちに健康に影響ありません。安心して下さい。”と言い続けてきた“低線量放射線被ばく”を対象とした長期的疫学調査を行う方針が固まっています。
その疫学調査メンバーでもある、長崎大学大学院・山下教授は、“政府は責任をとれない。命の選択は個人の選択。今は放射能との静かな戦争だ。”と発言されました。
この“放射能との静かな戦争”において、政府を初めとする行政機関は、日本の未来を支える子ども達を全力で守ってくれるどころか、責任すら取ろうとしない現実が、日々報道され続けています。

今や、子どもを守れるのは、私達「親」しかいないと感じるほどの現実が目の前にあります。

どうか、皆様、一緒に声を上げ、「子どもを守る」「日本の未来を守る」ために、立ち上がってはいただけないでしょうか。
関東・東北の子ども達は、収束の見えない原発により、長期にわたる被ばくリスクに晒されています。特に、福島の子ども達にとって、夏期休業終了まで、基準値見直しを待っていられるような被ばく状況ではないことは、小佐古教授の涙、そして辞意表明文書に書かれた“未公開の過去の被ばくの事実”からも明らかです。

皆様と一緒に上げる声こそが、この“放射能との静かな戦争”において、「子供を守る」最大の力となるはずです。
以下に、議論の対象となり得る問題点も挙げてみました。
皆様、御意見・御協力の程、どうか、宜しくお願いいたします。

* 年間20ミリシーベルトまでという基準値設定の意味と問題
* 集団疎開の必要性・可能性
* 避難を躊躇させている原発震災の被害者の方々の補償問題
* 食品の暫定的基準値および給食問題
* 政府・行政機関・専門家による放射能における啓蒙活動の問題点
* 国民を被ばくに晒してきた政府・行政機関の責任の所在問題

返信する

管理者通知をする

マイブックマーク

「旬な話題に戻る」

現在のページ: 84 / 119

  1. 【2206096】 投稿者: 参考までに  (ID:.tP9lNbZkPQ) 投稿日時:2011年 07月 16日 22:57

    以下、スクリーニングレベル関連の情報をまとめました。●は削除して下さい。

    ------------------------------------------------------------------------------------
    【2011年3月12日】
    http://ameblo.jp/tokuda-takeshi/entry-10863321501.html

    >南相馬市立総合病院の及川友好副院長を訪ねた。
    >そして及川副院長の話から驚愕の事実を知る。

    3月12日の一度目の水素爆発の際、2㎞離れた双葉町まで破片や小石が飛んできたという。そしてその爆発直後、原発の周辺から病院へ逃れてきた人々の放射線量を調べたところ、十数人の人が10万cpmを超えガイガーカウンターが振り切れていたという。

    それは衣服や乗用車に付着した放射性物質により二次被曝するほどの高い数値だ。しかし、そこまで深刻な状況だったとは政府から発表されていない。病院に立ち寄ることなく、被ばくしたことも知らずに、家に帰って子供を抱きしめた人もいたかもしれない。

    そこで爆発から2時間後の枝野官房長官の会見を読み直してみた。水素爆発は起こったが、格納容器が破損していないことを確認した。従って原子炉格納容器内の爆発ではないことから、放射線物質が大量に漏れ出すものではない、と述べている。

    13日での会見では、バスにより避難した双葉町の住民の皆さんのうち、9名が測定の結果、被ばくの可能性があることを発表した。この9名のうち4名の方が少ない方で1800cpm、多い方で40000cpmの数値。その上で専門家の判断によると、こうしたものが表面に付いているという状況に留まるならば、健康に大きな被害はない、とも述べている。

    南相馬市立総合病院で確認されているだけでも十数人が高い数値を示していた深刻な状況が、政府には情報として上がっていなかったのだろうか。もし情報が上がっていなかったとしたら、官邸の情報収集能力と危機管理の観点から問題であり、情報が上がっていたのに意図的に正確な情報を伝えなかったのであれば、
    それは政府による情報操作であり、犯罪に近い行為と言える。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    【2011年3月13日】原子力安全委員会
    http://www.kantei.go.jp/saigai/pdf/201105131700genpatsu.p●d●f
    54/286P:福島県知事、大熊町長、双葉町長、富岡町長、浪江町長に対し、原災法に基づき、放射能除染スクリーニング基準(★40Bq/cm2 または6,000cpm以上の者を除染)について指示
    ------------------------------------------------------------------------------------
    【2011年3月14日】原子力安全委員会
    バスの汚染検査について
    http://www.nsc.go.jp/ad/pdf/20110314_1.p●d●f
    >スクリーニングレベルは人間の汚染検査同様、6,000cpmが妥当だと考えます。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    【2011年3月14日】福島県保健福祉部
    緊急被ばく医療におけるスクリーニング(検査)について
    http://p.tl/stb6
    1 スクリーニング(検査)の基準
    (1)内容
    全身除染を行う場合のスクリーニングレベルを100,000cpmとする。
    なお、13,000cpm以上、100,000cpm未満の数値が検出された場合には、部分的な拭き取り除染を行うものとする。適用日は、平成23年3月14日からとする。
    (2)理由
    平成23年3月13日、文部科学省から本県に派遣された被ばく医療の専門家(広島大学谷川教授、福井大学寺沢教授等)及び放射線医学総合研究所研究員の意見、さらに、福島県立医科大学の取り扱いを踏まえ、設定するもの。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    【2011年3月14日】朝日新聞 朝刊23面(3/15報道)
    避難誘導の2警官被曝
     警視庁は14日、福島第一原発での12日午後3時半の最初の爆発で、10㌔圏内にいた人を避難誘導していた警官2人が被曝したことを明らかにした。2人は、2万8千~3万4千カウント(CPM)の放射線を浴びた。簡易防護服と有害物質を除去するマスクをしていたが、服などを除染した。今のところ、健康被害は出ていないという。福島県は1万3千CPM以上を全身を洗い流す除染が必要な被曝としていたが、14日から、10万CPM以上との基準を定めた。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    【2011年3月14日】原子力安全委員会
    ERC医療班状況報告16」について
    http://www.nsc.go.jp/ad/pdf/20110314_4.p●d●f
    >「13000cpmを超えた者が、30数名。中略、以後100000cpmの基準に上げて対応(県立医科大の判断)」との記述があります。GMサーベイメータによる13,000cpmはおよそ表面汚染密度40Bq/cm2にあたるものと思われますが、この数値がすべて内部被ばくのヨウ素によるものとすると、★★安定ヨウ素剤投与の基準値となる等価線量約100mSvに相当します。よって、スクリーニングにおける基準値は、100,000まで上げず、現行のまま13,000cpmに据え置いた方が良いと考えられます。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    【2011年3月16日】原子力安全委員会
    ERCからの検討依頼「愛媛県のヘリの汚染による人体への影響および対応について」に対する回答
    http://www.nsc.go.jp/ad/pdf/20110316_5.p●d●f
    >測定結果が、6,000cpm以上であれば、洗浄を行ってください。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    【2011年3月16日】原子力安全委員会
    自衛隊ヘリの除染について
    http://www.nsc.go.jp/ad/pdf/20110316_7.p●d●f
    >スクリーニングレベルは、6000cpmが妥当と考えます。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    【2011年3月17日】原子力安全委員会
    「被ばくに関する健康相談について(依頼)」についての助言
    http://www.nsc.go.jp/ad/pdf/20110317_1.p●d●f
    6/10P:放射線の影響に関する健康相談の流れ
    >サーベイランス(GMサーベイメーター等)
    13kcpm以上→一番外の着衣を脱衣(ビニール袋に保存)及び露出部分の水洗い→・・・

    ※(案)に上記内容記載あり。これについて否定の助言がないので暗黙のうちに了承してるのでしょう。

    <参考>
    >〇問1の2は福島原発における避難・屋内退避圏から来た又は通過した場合以外に該当する。この場合、汚染を気にする必要はないと考えられるため、点線枠内にある汚染の可能性を示唆するような文章である「あらかじめ着替えを指示し、来ていた服をビニール袋に入れて持参してもらう」という対応は必要ないものと考えます。

    ※別紙1には、「問1の2を選択した場合→保健師が心のケア等を実施(原則、サーベイランスは不要)」と書いてあります。

    >〇福島第一原発における避難・屋内退避圏から来た又は通過した場合は、あらかじめ着替えを指示し、来ていた服をビニール袋に入れて持参してもらい、サーベイランスを実施することが適当と考えます。

    ※体表面汚染の検査にも関わらず、「あらかじめ着替えを指示」?????。着替えた後であれば、測定数値は当然低くなりがそれは正しい値と言えるのでしょうか?
    ------------------------------------------------------------------------------------
    【2011年3月18日】厚生労働省
    放射線の影響に関する健康相談について(依頼)
    http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014tr1-img/2r98520000015fth.p●d●f
    3/8P:放射線の影響に関する健康相談の流れ
    >13,000cpm以上 → 一番外の着衣を脱衣及びウエットティッシュによる拭き取り
    ------------------------------------------------------------------------------------
    【2011年3月19日】原子力安全委員会
    緊急被ばく医療のスクリーニング基準について
    http://www.nsc.go.jp/ad/pdf/20110319_4.p●d●f
    >安全委員会としては、体表面汚染密度のスクリーニング基準について、★★1歳児の甲状腺に0.1Svの線量を与えることになる値(36-360Bq/cm2)の小さい方に近い値(★40Bq/cm2)をとっており、(*1)、この値はおよそ10,000-13,000cpmに相当します。
    一方、緊急時には、100,000cpmまで体表面汚染密度のスクリーニング基準を上げることができるという、IAEAの規定文書(*2)があります。
    よって、今回の福島原子力発電所事故におきましては、緊急被曝医療のスクリーニング基準を100,000cpmと致します。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    【2011年3月20日】国立がん研究センター報告書
    http://www.ncc.go.jp/jp/information/pdf/20110320_fukushima_report.p●d●f
    3 月20 日午前中川俣高校体育館において、福島県衛生保健協会と合同で230 名の住民・3 匹の犬のサーベイを行った。
    その間、13000cmp 以上100000cpm 未満の値を示した住民24 名、100000cpm 以上の値を示した住民4 名であったが、その4 名はすべて外套を脱ぐ、汚染部位を水でひたしたタオルでぬぐうなどの処置で汚染が除去された。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    【2011年3月20日】原子力安全委員会
    除染のためのスクリーニングレベルの変更について
    http://www.nsc.go.jp/ad/pdf/20110320_1.p●d●f
    >原子力安全委員会としては十分な余裕をもって暫定的に除染のためのスクリーニングレベルを10,000cpm*としていましたが、実効性に鑑み、国際原子力機関(IAEA) が「放射線緊急事態の初期対応者へのマニュアル」において規定した一般住民の体表面汚染に対する除染の基準である1μSv/h(10cm離れた場所での線量率)というスクリーニングレベルに変更します。この変更によりスクリーニングレベルは、100,000cpm*となります。

    当該レベルは、健康に影響を及ぼす量ではなく、スクリーニングの目的を十分に果たすことができます。
    *これらの計測値はTGS-136型GMサーベイメータ(5cm口径)を用いて計測した時の値である。


    ※「暫定的に除染のためのスクリーニングレベルを10,000cpm*としていました」この、「 10,000cpm 」でのスクリーニング指示・実施の資料は見つかりませんでした。ちなみに「 13,000cpm 」を指示(助言ではなく)した資料も不明です。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    【2011年3月20日】原子力災害対策本部(23:30)
    地震被害情報(第43報):http://www.meti.go.jp/press/20110325012/20110325012-1.p●d●f
    地震被害情報(第67報):http://www.meti.go.jp/press/2011/04/20110401014/20110401014-1.p●d●f(16/24P発令時間)
    15/18P:<放射能除染スクリーニングレベルに関する指示>
    >(1)3月20日、原子力災害対策現地本部から、放射能除染スクリーニングレベルの基準を以下のとおり変更する旨、県知事及び関係市町村長(富岡町、双葉町、大熊町、浪江町、川内村、楢葉町、南相馬市、田村市、葛尾村、広野町、いわき市、飯舘村)宛に指示。

    旧:γ線サーベイメーターにより★40ベクレル/c㎡または6,000cpm
    新:★★★1マイクロシーベルト/時(10cm離れた場所での線量率)またはこれに相当する100,000cpm
    ------------------------------------------------------------------------------------
    【2011年3月21日】厚生労働省
    放射線の影響に関する健康相談について(依頼)(一部修正及び追加)
    http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000015ox9-img/2r98520000015pqe.p●d●f
    >当該事務連絡別紙1において示した、住民の方々への対応の流れの例では、サーベイメータによるサーベイを行った場合に、除染が必要となるレベルは13,000cpmとしていました。今般、原子力安全委員会より、除染のためのスクリーニングレベルを100,000cpmへ変更することが示されたこと(別添参照)を受け、当該事務連絡別紙1における除染が必要となるレベルについても、13,000cpmから100,000cpmへ変更することとします。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    【2011年6月】
    原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告書
    -東京電力福島原子力発電所の事故について-
    http://www.kantei.go.jp/jp/topics/2011/iaea_houkokusho.html
    Ⅶ.放射線被ばくの状況
    http://www.kantei.go.jp/jp/topics/2011/pdf/07-dose.p●d●f 7/12P

    >(2)スクリーニング及び除染の基準及びその方法
    福島県は、3月13日、文部科学省から派遣された被ばく医療の専門家及び放射線医学総合研究所の医師等の意見、及び福島県立医科大学の取扱いを踏まえ、全身除染を行う場合のスクリーニングレベルを100,000cpmとし、13,000cpm以上、100,000cpm未満の数値が検出された場合には、部分的な拭き取り除染を行うこととした。

    一方、原子力安全委員会は、3月19日、それまで10,000cpmとしていた除染のためのスクリーニングレベルを100,000cpmとした。これは、その実効性に鑑み、国際原子力機関(IAEA)が「放射線緊急事態の初期対応者へのマニュアル」[Ⅶ2-1]において規定した一般住民の体表面汚染に対する除染の基準である1時間当たり1μSvマイクロシーベルト(10cm離れた場所での線量率)というスクリーニングレベルに変更するものである。

    注)計測値は、TGS-136型GMサーベイメータ(5cm口径)を用いて計測した時の値。

  2. 【2207092】 投稿者: 参考までに  (ID:.tP9lNbZkPQ) 投稿日時:2011年 07月 17日 22:16

    産経で「原発と子供たち」(1)~(6)という特集記事がありました。意図的抜粋ですので、全文はリンク先でご確認ください。

    (6)の3ページ目の下の方に(1)~(5)のリンクが書かれていますので、全文を確認する際は(6)から読まれると(1)~(5)のリンクを張り付けることなく読むことができます。
    --------------------------------------------------------------------------------

    第2部 原発と子供たち(1)公開なかったSPEEDI 2011.7.10 13:09
    http://sankei.jp.msn.com/life/news/110710/trd11071013130009-n1.htm

    > なぜ、文科省は北西方向だけを測定したのか。担当者は「放射性物質は風に乗って流れる。気象条件から、北西方向に流れていることは最初から分かっていた」と説明するが、住民は知らされていなかった。

     ◆早く健康調査を

     放射性物質が流れ込んだ飯舘村では3月11日から、学校や村の施設で浜通りの津波被災者や原発事故の避難者1200人を受け入れていた。対応にあたった学校職員、愛澤卓見さん(39)は「電話やインターネットが通じるようになるにつれ、相馬や南相馬より飯舘の方が線量が高いことが分かった。SPEEDIの拡散の予測情報があれば避難所は開設していない。避難者が来ることもなかったし、私たちも避難していた」と話す。
    --------------------------------------------------------------------------------

    第2部 原発と子供たち(2)不安の中、七夕の願い 2011.7.12 14:17
    http://sankei.jp.msn.com/life/news/110712/trd11071214170011-n1.htm

    >◆毎日が“決断”

     文部科学省は4月、年間20ミリシーベルトを超えないことを基準に、校庭などの放射線量が毎時3.8マイクロシーベルト以上となる学校は1日1時間程度に屋外活動を制限するように指針を出した。5月18日以降、3.8マイクロシーベルトを超える学校はなくなったが、福島市内の多くの幼稚園、保育所が屋外活動を“自粛”したままだ。

     福島県飯舘(いいたて)村に住んでいた会社員、大内亮さん(34)、彩香さん(36)夫妻は、小学2年生の長女(7)と幼稚園に通う長男(4)を連れて、彩香さんの実家がある福島市内に避難した。6月18日には、同市笹木野にある県の借り上げ住宅に入居。計画的避難区域となったため、家賃の補助を受けている。

     避難したから「安心」とはいえないという。

     長女が通う福島市内の小学校からは毎日、校内の放射線量の数値がメールで送られ、事あるごとに「承諾」を求められる。体育は体育館で行われるが、「休み時間に外で遊ばせていいか」「プールに入れていいか」…。結果、毎晩放射線の影響について夫婦で話し合い、“決断”を迫られる。

     亮さんは「校庭の放射線量は毎時0.6マイクロシーベルトまで下がったが、測る場所によって違う。限りなくゼロにしてほしいと思うが」と唇をかむ。

     「放射線の心配のない、ここよりもっと遠いところに行くのは“夢”。でも、簡単に土地を離れるわけにはいかない」。彩香さんは疲れたように話した。
    --------------------------------------------------------------------------------

    第2部 原発と子供たち(3)もっと遠くへ 自主避難、首都圏から沖縄まで 2011.7.13 14:59
    http://sankei.jp.msn.com/life/news/110713/trd11071315010011-n1.htm

    > 石垣市では、民宿やゲストハウスのほか、「テントで生活をしている母子もいる」という話が広がった。このため、7月3日に市役所と住民が協力して被災者・避難者を支援するネットワーク「ちむぐくる」が誕生した。同市によると、把握できただけで6月末現在、東京、神奈川、千葉など首都圏から10世帯19人が自主避難。また、180人が参加した「ちむぐくる」の交流パーティーには首都圏から避難した親子30人が参加した。

     千葉県出身で3年半前に移住してきた事務局次長の山崎雅毅(まさき)さん(65)は「政府の言う通り『原発は安全』と思っていた結果が今の惨状。どんな行動が正しいか、10年、20年たってみないと分からない」と避難者の行動に理解を示す。

     事務局によると、「子供の夏休み期間だけでも石垣市内に避難したい」という問い合わせが多い。安価な宿泊施設の紹介などを行うほか、今後は先に避難してきた人が、これから避難してくる人をサポートする助け合い活動を本格的に始めるという。
    --------------------------------------------------------------------------------

    第2部 原発と子供たち(4)2011.7.14 11:50
    http://sankei.jp.msn.com/life/news/110714/trd11071412020007-n1.htm

    >□低放射線量の影響 分かれる意見

    >影響は小さいとする専門家は“原発推進派”、影響は大きいとする専門家は“反原発派”というレッテル張りもあり、受け止める側も混乱する。さまざまな情報が飛び交う中、子供だけを避難させるという選択をした親子もいる。

    > 高橋さんは「原発のことを調べるにつれて、低線量の被曝影響はよく分かっていないことが分かった。本当は帰ってきてほしくないが、離れていては子供も私のことを気遣い、互いに心配してしまう」。

     高橋さんは12年前、夫の一二三(ひふみ)さんが末期がんのため「余命は3~6カ月」との宣告を受けた。夫婦で話し合い、抗がん剤や放射線治療などの延命治療はせず、平成13年に亡くなるまで自宅で一緒に過ごした。

     「娘には被曝すると将来、がんの可能性が高まるかもしれないことも話した。もし最悪の場合どうなるのか知っていれば家族で考え、後悔のない選択ができる。『安全』と信じて、実はそうではなかったときの方が怖いから」
    --------------------------------------------------------------------------------

    第2部 原発と子供たち(5)食べ物は大丈夫か? 放射能、ぬぐえぬ母親たちの不信 2011.7.15 11:00
    http://sankei.jp.msn.com/life/news/110715/trd11071511010010-n1.htm

    >◆減らす努力を

     給食についても親の関心は高い。福島市内のある認可保育所の食材は、千葉県産のニンジン、福島県産のキヌサヤ、茨城県産のメロン、福島県産のモヤシ、静岡県産のチンゲンサイ…。

     「農家には申し訳ないが、福島原発の近くで取れた農産物は子供に食べさせない」と話す家庭もあり、福島市教育委員会には「学校給食は大丈夫か」という問い合わせもある。同市教委は2学期以降はより安全性を高めるため、市内4カ所にある給食センターで独自に食材モニタリングを行うか検討中だ。

     放射性物質を取り込んでも排出し、傷ついたDNAを修復する能力を人間は持っている。環境中の半減期が30年と長い放射性セシウム137も体の中に入ると尿や汗で排出されるため、微量の被曝に神経をとがらせる必要はない。しかし、「できるだけ安全な食べ物を子供に与えたい」というのが親の本音だ。

     親の不安は子供に伝わる。政府や東京電力などは、どれだけ時間がかかっても放射性物質を減らす努力をし、国民の疑問に丁寧に答え、不安を一つ一つ払拭していく姿勢が求められる。
    --------------------------------------------------------------------------------

    第2部 原発と子供たち(6)復興のヒマワリ 元官僚夫婦 福島離れず子育て 2011.7.17 14:00
    http://sankei.jp.msn.com/life/news/110717/trd11071714010006-n1.htm

    >「文明にもリスクが伴います。便利な生活を享受しながら、リスクを引き受けないのは虫が良すぎる。ご縁があって好きでここに住んでいるのだから、農業を続け、子供を育てるのが自分たちの生き方です」

    >知識を増やしたい

     「海外ではいろいろな説はあるが、基本的に日本政府を信用している。(福島第1原発の)原子炉建屋で水素爆発はしたが、原子炉そのものが爆発したわけではない。この辺はホットスポット(放射線量が周囲と比べて局地的に高い地点)にもなっていないので、まあ大丈夫でしょう」と元弘さん。

     福島県では個別の農家の土壌の放射線量の測定は行っていないため、知人を頼って独自に調べた。放射性セシウムは耕す前の表面土壌では1キログラム当たり約3600ベクレル。15センチ耕すと1キログラム当たり約1200キロベクレルになり、国の稲の作付け制限の考え方(土壌1キログラム当たり5千ベクレル以上)の4分の1程度に下がった。

     一方、子育てを主に担う奈央子さんには迷いがある。「娘の粉ミルクは(日常使う)井戸水ではなく、軟水のミネラルウオーターで溶いています。本格的に離乳食を始めるまでに知識を増やし、自信を持って子供に食べさせるものを決めたい」と話す。

  3. 【2208258】 投稿者: アトム  (ID:gJABbpY1M1g) 投稿日時:2011年 07月 19日 03:48

    「参考までに」様
    もの凄い量と質の投稿、本当にいつも有り難うございます。
    心より感謝しております。
    (削除があったようですが、山下氏関連の部分は、是非拝見したかったです。。。)
    旧スレッドにも投稿があったようで、そちらの対応まで有り難うございます。1mSvの公衆被ばくについても、大変参考になりました。

    >「子ども全国ネット」キックオフミーティング参加レポート
    福島では、天気予報のように、放射線量が報道されていたのですね。
    しかも、相変わらずレントゲンと比べる方法で。。。
    4歳の子どもが『これは触っても良い?大丈夫?』と聞いてくる話、障害者の移住が大変難しい・私は”福祉避難所”を提案したいという、まさに実情を踏まえた提案の話など、行政側に知って欲しい生の現場の声が、報道通してもっと広く知られることを切に願っております。

    ご紹介いただいたセシウムの問題に関連して、以前投稿した内容ではありますが、子どもにとって造血系への影響が土壌汚染度に関係していたという報告がありました。
    (【2176159】 投稿者: アトム(セシウム137と造血系))
    その他、「ベラルーシの部屋ブログ」にて、
    元ゴメリ医大の学長だったバンダジェフスキー氏が発表した「人体に入った放射性セシウムの医学的影響」という著書より、
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    子どもはとびぬけて甲状腺に高い値のセシウムが蓄積しています。1キロあたり1200ベクレルです。
    大人では約400ベクレルです。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67fe1ec5c06aed002949e053da5deb87
    という気になる内容がありました。
    しかしながら、健康影響評価を行っている食品安全委員会のレポートでは、セシウムに関する報告そのものが少ないことから、
    チェルノブイリ関連でもチェルノブイリ膀胱炎(上皮内癌伴う慢性増殖性膀胱炎)程度になっています。

    ご紹介いただいた第13節 チェルノブイリの放射性核種を除去する にあるように、
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    ホールボディカウンターによる測定で得られたセシウム137の体内蓄積量と、医学的な評価を組み合わせることによってのみ、
    住人のあいだの罹病率の増加と放射性核種の体内蓄積量との因果関係(線量との依存関係)を知ることができる。
    中略
    放射線核種の体内蓄積レベルとの関連において、様々な病気の発生頻度と深刻さを、
    特に子どもたちに関して解明するための共同研究。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    こうした取り組みが、セシウムの健康影響の是非を示す結果につながるのでしょうが、そんな結果を待つまでもなく、
    被ばくは被ばくですから、とにかく少なくすべきというスタンスで、子供達の被ばくを減らす努力をしていただきたいものです。

    また、子供達の「放射能で広がる異変」、先の投稿で触れた沢田先生の”放射性微粒子による内部被ばく”が原因だとすると、
    上記セシウムのみならず、とにかく、これから本格化していく内部被ばく問題について、真剣に取り組むべきだと思われます。
    朝日新聞で、二本松市が内部被ばく調査を独自に行った結果、1年間に自然界から受ける10分の1以下との試算値になったようですが、
    「子ども18人の家庭では、外出させず、放射性物質が検出された野菜などを食べさせないようにした」被験者での値であること、
    また、3月の初期の放射性雲に覆われたときに生じたヨウ素・セシウムなどによる内部被ばくについては、
    生物学的半減期から、事故後3ヶ月では検出しようもないことを忘れてはならないと思います。
    http://www.asahi.com/national/update/0714/TKY201107140647.html

    さて、スクリーニング基準についての、大変詳細な、かつ貴重なご意見を投稿していただき、本当に有り難うございます!

    >「医療の対応が必要かどうかというのをチェックするため」に行われていた「スクリーニングレベル」でのスクリーニング。
    「100,000cpm」とされた後は「有意の被ばく」があるかどうかチェックするため」の「除染レベル」でのスクリーニング
    となっていたということです。
    >13,000cpm迄は「医療の対応が必要かどうかというのをチェックするため」
    100,000cpmは「避難住民の放射線被ばくに関する不安を軽減する。」

    このことに関連して、例の3月末に行われた子供達の甲状腺被ばく(内部被ばく)調査の評価基準というものが、
    このスレッドで投稿のあった原子力安全委員会のQ&Aにあるように、
    何故、「安定ヨウ素剤」のブロック基準をもとに評価していたのか、非常に疑問に感じておりました。

    「参考までに」様ご紹介の国立保健医療科学院生活環境部によるスクリーニング基準についての説明によれば、
    「安定ヨウ素剤による甲状腺への線量低減策を講じるかどうかの判断基準が用いられています」との答え。
    そして、以下のような説明がありました。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    小児甲状腺線量100mSvのリスク

    甲状腺への線量が1Gyで致死性甲状腺がんの過剰発症は3人/1万人
    →甲状腺がんそのものの発症はその10倍
    1×10-5のオーダーのリスク
    →小児(0~14歳)での甲状腺がんによる死亡率は人口100万人に対して3人程度
    →安定ヨウ素剤の予防投与は正当化しうるが著しく高いリスクとも言えない(比較の基準にもよりますが)
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    つまり、甲状腺がん罹患率ではなく、甲状腺癌がんの死亡率(致死性甲状腺がん過剰発症)によって、
    安定ヨウ素剤の予防投与の正当化が検討されていたということです。

    実は、この件に関連して、この「安定ヨウ素剤投与基準」を決めるプロセスについて、
    原子力安全委員会の議事録があります。
    次の投稿で、その内容等、ご紹介したいと思います。

  4. 【2208804】 投稿者: 参考までに  (ID:.tP9lNbZkPQ) 投稿日時:2011年 07月 19日 16:05

    アトム様

    レスありがとうございます。

    今、日本では牛肉の汚染問題がたくさん取り上げられています。
    でも、「稲わら」から連想して「野菜は大丈夫なのか?」、または、牛の内部被ばくがあるなら「人の検査」はしなくて良いのだろうか?というようなテレビ報道はほとんどないように思います。
    海外では、日本の牛の汚染について何か報道されていますでしょうか?
    ----------------------------------------------------------

    「ベラルーシの部屋」
    http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/ee1fdc4fdb9847938091cde67ddfbaa3?fm=rss
    に書かれていましたが、仙台の子供たちがこの夏ミンスク市へ静養しにいくそうです。ミンスク市からホールボディカウンタでの測定を提案されたにも関わらず仙台市はそれを辞退したそうです。その理由が書かれている部分を引用しますね。この意見の数はどのぐらいだったのでしょうね?複雑な思いがします。


    >しかし仙台市役所側は辞退したそうです。その理由は・・・

    「原発事故による放射能について、仙台市内の学校は健康に影響はないと仙台市が発表しているにも関わらず、なぜ市が募集する事業で検査を行うのか、という反発の声」
    「海外での検査に対する不安の声」
    「日本から来たことを理由に放射能汚染を疑われているように子供が感じるのではないかという保護者からの批判的な意見」
     があったからだそうです。
    ----------------------------------------------------------

    hideinu 和田 秀子
    先日、肥田先生の講演会に言ったとき、楽屋で先生が話してくれた言葉が心に残っている。「避難させたいと思って一生懸命働きかけても、本人が納得して動かなければ、いずれ『あの人に言われて避難したけどうまくいかなかった…』と人のせいにすることになる。だから、非常に難しい問題だ」と。
    https://twitter.com/#!/hideinu
    ----------------------------------------------------------

    福島民報の特集です。

    「連載・今を生きる」アーカイブ
    http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/cat100/

    「連載・原発大難 放射線との戦い」アーカイブ
    http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/cat/

    ----------------------------------------------------------
    いくつかに分けて書いて下さってます。

    7月18日 クリス・バズビー博士講演内容
    http://umi238.blog79[削除しました].com/[削除しました]-70.html

  5. 【2209486】 投稿者: アトム(チェルノブイリの2倍)  (ID:gJABbpY1M1g) 投稿日時:2011年 07月 20日 06:55

    「参考までに」様
    引き続き、有り難うございます。
    NYTIMESで牛肉汚染のことが18日付けで取り上げられています。
    Radiation-Tainted Beef Spreads Through Japan’s Markets
    http://www.nytimes.com/2011/07/19/world/asia/19beef.html?_r=2&pagewanted=1&sq=Japan&st=cse&scp=3
    基準値越えでも毎日食べなければ「直ちに健康には影響ない」という政府の声明に、
    専門家達は疑問を抱いているとも書かれています。
    「稲わら」・「野菜」の汚染結果から、広範囲に汚染地域が存在していることがわかっているにも関わらず、
    検査そのものの限界から、数パーセント程度のサンプル検査しか出来ていないこと、
    牛の検査も皮膚だけでのスクリーニングでは内部被ばくはわからないこと、
    そして、こうした逆境のなかで、懸命に取り組む畜産業の方々の姿とともに、
    価格の下落に伴い、パニックに陥った畜産業の方々は全頭売却に動き、
    今や、畜産を諦め、都市部での職探しをしている方の姿を伝えていました。

    こうした不条理な境遇にあわれている方々に対して、早急な誠意ある「補償」を政府・東電は行うべきであり、
    審議会で検討中とはいえ、いつまで議論するつもりなのかと言いたくなるような現実があります。

    牛の検査が皮膚表面の汚染だけで済まされていたために、内部被ばくが見過ごされ、
    汚染肉が出回ったことからもわかるように、「被ばく者」に対して行われたスクリーニングの問題でも同じ事が言えます。
    「参考までに」様の貴重な総括的まとめにあるように、医療対応というより、
    「避難住民の放射線被ばくに関する不安を軽減する。」 目的での体表100,000cpmを適用したことは、
    牛と同様、「内部被ばく」評価という観点からも、明らかに問題がありました。
    また、子供達の「甲状腺被ばく評価」において「緊急時」だから「100mSv」というスクリーニング基準を適用して「評価」したこと、
    これは「甲状腺癌リスク評価」ではなく、パニックを防ぐための「評価」だったのではと思いたくなる対応です。

    原子力安全委員会は、いわき市の4歳の子どもの35mSvという値の評価に関連し、
    安定ヨウ素剤投与基準としての100mSvをもとに「問題なし」と回答しています。

    では、この安定ヨウ素剤投与基準とは、原子力安全委員会ではどのようなプロセスで決定され、
    どういう意味があるものだったのか、これについて以下にご紹介したいと思います。

    原子力安全委員会 被ばく医療分科会 ヨウ素剤検討会第7回会合 によると、
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    「原子力災害時における安定ヨウ素剤予防服用の考え方について」は、
    平成14年2月25日の原子力施設等防災専門部会第3回会合の終了後、
    平成14年3月4日に原子力委員会へ報告がなされております。
    報告書に対しまして、平成14年3月5日より同年4月4日の1カ月間の意見募集が実施されておりました。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    とあるように、パブリックコメントが寄せられ、
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    服用の指標100mSvということにつきまして、
    WHOが推奨する10mSvを採用しない理由がわからないでございますとか、
    あるいは年齢、妊娠、あるいは性別、そういったものを区別して対策をとるべきであって、
    一律100mSvというのはおかしいのではないだろうかというようなご意見でございます。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    という指摘がされていたようです。
    実は、WHOの推奨する10mSvについては、
    「原子力災害時における安定ヨウ素剤予防服用の考え方について」に記載されています。
    http://www.nsc.go.jp/bousai/page3/houkoku02.p df (間つめてください。)
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    WHO によるガイドラインは、チェルノブイリ原子力発電所事故による若年者の健康影響調査の結果を踏まえて、
    若年者に対する服用決定に関して IAEA の介入レベル100 mGy の10分の1である10 mGy を、
    19歳以上 40歳未満の者については、100 mGy を推奨している(参考資料II)。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    このチェルノブイリ事故による調査結果を踏まえてという事に関連して、
    以前、このスレッドでもご紹介したように、現在、健康影響評価を行っている食品安全委員会の「ヨウ素まとめ」でも、
    ウクライナにおいて小児甲状腺がん患者の20%が10−50mGyの被ばくであったことが記載されています。
    こうした被ばく状況を踏まえてのWHOの推奨を知ってはいたものの、原子力安全委員会側は、以下のように回答していました。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    安定ヨウ素剤予防服用に係る防護対策の指標の小児甲状腺等価線量の予測線量100mSvというものについては、
    予測線量というのは、放射性物質などが放出される期間中屋外に居続けて、
    何らの防護活動もなされなかったと仮定した場合に受けると予測される線量で、
    実際に受ける線量はこれをかなり下回るでしょう。
    また、小児の甲状腺等価線量を用いていることから、大人と子供、性別にかかわらず、
    最も安全側で、この状況で動けば最も安全側になるでしょうということを回答しています。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    つまり、「予測線量」であって、WHOの「介入レベル=すでに被ばくした数値をもとに介入するレベル」とは異なるため、
    通常は、この「予測線量」を下回る状況での介入になるはずだと言っているわけです。
    そして、WHOの根拠とするチェルノブイリ周辺での被ばく者データの不確実性が高いことも理由に挙げていました。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    最後に、原子炉施設等において、原子力災害が発生した場合においての放射性ヨウ素の放出につきましては、
    比較的時間がかかる。この間に、SPEEDIなどによって予測計算を迅速に行えるので、
    万が一の場合、計算された予測線量により安定ヨウ素剤を予防的に服用することが可能であるというような回答としております。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    というつもりだったようですが、実際には、SPEEDIの予測計算は有効利用されることもなく、
    安定ヨウ素剤のオンタイムでの服用には至っていませんでした。
    それどころか、今回は放射性雲の発生から2日後(安定ヨウ素剤服用リミット過ぎている)にあたる23日に、
    SPEEDIの結果が公表され、甲状腺被ばくにおける高い数値が広範囲に示されたことを受けて初めて、
    原子力安全委員会によって、「甲状腺被ばく評価」が3月末に行われたのです。

    さて、このWHOのガイドラインを採用しない根拠として、委員より以下のような説明が続きました。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    WHOが10mGyで介入しようという議論をしたときに、もちろんリスクベネフィットバランスを計算しているわけです。
    中略ーもし、私たちが、例えばこの報告書の28ページに書いていますヤコブラの報告のリスク係数を使ったといたします。
    例えば10万人、10mGy、子供が被ばくしたというふうに仮定した場合に、
    そのときに約1名前後、甲状腺がんが過剰に増えるという値になってくるわけです。
    チェルノブイリ事故のように、非常に広範囲に汚染が進むというようなことを前提にしてあそこでは書いてあったかとも思うんですが、
    そういうような場合に、対象集団が増えていった場合に、そのくらいの過剰甲状腺リスクをどうするか、
    これをヨウ素剤を事前投与して予防しても大丈夫じゃないかという議論を
    やはりWHOでもリスクベネフィットバランスとして考えてやっていたように思います。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    今回の福島原発事故における対象集団は、小佐古氏も指摘するように、そして気象庁のIAEAへの報告からも明らかなように、
    関東・東北全域に及んでいます。この場合のリスクベネフィットバランス、どう考えるべきなのでしょうか。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    私たちがここでそれを取り上げなかった理由の2つ、
    ここに今書いてあって、実際に測定方法、評価方法に本当に妥当性があるのかどうかということ。
    それから、もう一つは、2番目のヨウ素欠乏状態の小児で見られている甲状腺がんなわけですが、
    現在、このICRPのモデルで使っている甲状腺への放射性ヨウ素の摂取率というものは、
    日本人の実態から比べますとヨウ素欠乏状態の地域でのアップテイク率を使っていますので、
    より過剰に甲状腺に蓄積する。だから、それだけ甲状腺の被ばく線量は高くなっているということを前提にして計算してあるわけです。
    そういうことを鑑みますと、必ずしも10mGyという値を日本で考える必要はないんではないか。
    現実には、もうちょっと上のレベルでも十分ではないかという議論をしてきたと思うんです。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    WHOのチェルノブイリ事故における評価方法に疑問があることが、まず一つ。
    そして、かつ日本人がヨウ素摂取率が食文化上、ICRPでのモデルほど、放射性ヨウ素を吸収しないので、
    (もともとの体内ヨウ素量によって、放射性ヨウ素の取り込み率が変わるため)
    10mGyより、もうちょっと上のレベルでも十分という議論をしてきたということなのですが、
    今回、食品安全委員会における健康影響評価では(ブログにもご紹介しているものです)
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    国民栄養調査の結果では、19歳以下、20-39歳の比較的若い人々の海草摂取量が全年齢平均よりかなり少ない。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    ことが指摘されています。
    つまり、若年者の場合、体内ヨウ素量をICRPモデル以上に多めに見積もる根拠に乏しく、
    これを理由に「もうちょっと上のレベルでも十分」と言えることにはならないのです。
    さらに、「もうちょっと上」って、どれくらいか?となると・・・・
    「数値を決めるのは、現実的に難しかった」と説明されていました。ただ・・・
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    質問の趣旨は、やはり10万人にたとえ1人であろうとも介入すべきであるという考え方を強く取っている考え方であり、
    今回私たちの委員会では、そういうような考え方を取らないで、
    リスクベネフィットバランスである適正水準を取ろうという考え方に立ったというところが大きく違ったんではないか。
    もし、議論を進めるとすると、そのリスクベネフィットバランスの取り方が正しかったのかどうかという議論は残るような気はするんですが、
    現在私たちが持っていた副作用とリスクのバランスを取るという意味では、
    私たち取ったやり方は、現在のところ世界的にも認められている方法だったんではないかと思っております。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    結局、甲状腺がんというものの、致死率の低さが背景にあるようで、このことに関連して、例の山下氏が、
    以下のように発言されていました。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    山下主査 これは、最初のご質問の甲状腺がんが致死的でないと書かれているが、
    これは本人にとって非常に深刻な問題だということはごもっともな点で、
    もし、修正すべきところがあったら修正するのでしょうか。
    この点について、事務局は、このご質問については。これは回答がないように思いますが。

    ○事務局(渡辺) それでは、事務局からお答えさせていただきます。
     この件につきましては、確かに時機を逸しますと、重大なことを引き起こしますけれども、
    報告書の中には、4ページのように、適切な治療が行われればということで、
    時期、それから治療法が適切に行われれば救命できるということで、このままにさせていただきたいと思います。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    「時期・治療法」が適切に行われれば救命できるはずなので「甲状腺がんが致死的でない」と書いたままにしておくという方針だったようです。
    しかし、小児の甲状腺被ばくによる甲状腺がんには、以前の投稿でもご紹介したように、長瀧氏および食品安全委員会により、
    チェルノブイリ事故後に観察された小児甲状腺がん(主に乳頭がん)は、
    大人で起きたときより「肺転移」が多く見られること、致命的であることなどが指摘されています。

    いずれにせよ、3月末に行われた甲状腺被ばくにおけるリスク評価における目的は、
    本来、子供達の健康リスク評価であったはずです。
    それを、安定ヨウ素剤投与基準(予測線量)100mSvでもって評価するとは、上記のようなWHOの推奨の存在からみても、
    明らかに不適切だと思われます。
    また、日本核医学会は、今回の福島原発事故を受けて、
    ICRP勧告に基づいて、会員向けには、安定ヨウ素剤投与基準を発がん抑える基準=20mGyと伝えていました。
    チーム中川のまとめによれば、WHOの「緊急時」の安全基準でも25mSvです。
    これらを遙かに上回る100mSvという甲状腺等価線量でもって、15歳以下の子供達のリスク評価をしていたということ、
    内部被ばくだけでも、「過小評価」されていたということです。
    一方、今まで何度も、新旧スレッドで取り上げてきたように、希ガスによる外部被ばくは評価されないままです。

    この希ガスに関して、今回の福島原発事故における放射性物質の放出量に関して、すでにスレッドでご紹介いただいたように、
    原子力安全・保安院の公表したデータがありました。それによると、5月中旬の時点で、
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    福島=キセノン133:1100京ベクレル、ヨウ素131:16京ベクレル
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    先日、UNSCEAR2008の報告書に、チェルノブイリ事故における推定放出量が記載されているのに気付いたのですが、
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    チェルノブイリ=キセノン133:650京ベクレル、ヨウ素131:176京ベクレル
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    つまり、ヨウ素131については、レベル7の発表当時、説明があったように、”ヨウ素換算”では「チェルノブイリの10分の1」であることがわかります。
    一方、希ガス・キセノン133は、何とチェルノブイリの2倍近く放出されていたことになるのです。

    チェルノブイリの2倍のキセノン133による被ばく、これをどうやって無視しろというのでしょうか。
    小佐古氏が、泣きながら訴えた「子どもの20ミリ」問題。
    「初期のプルームのサブマージョンに基づく甲状腺の被ばく」・・これがどれだけ重大な数値だったのか、無視するわけにはいかないことは明らかです。

    次の投稿では、「参考までに」様よりご紹介いただいた福島民報・避難問題含め、
    「たこぱんち」様がご紹介くださった広瀬氏・明石氏による山下氏告発の件について、触れたいと思っております。

  6. 【2210325】 投稿者: なずな  (ID:BoAlaPYLDcg) 投稿日時:2011年 07月 20日 19:03

    アトム様 参考までに様
    いろいろと読ませていただきありがとうございました。
    危惧していたことが現実になっていく毎日、落胆の思いで呆然と過ごしてしまっています。
    特に汚染された藁をえさにしていた牛がすでに給食として消費されているケースが聞こえてくるようになってしまいました。

    さて、告発の問題について広瀬隆氏の主張をまとめたサイトがありましたので、
    内容的には皆様ご存知の内容かとは思いますがご紹介しておきます。

    http://news.livedoor.com/article/detail/5719806/

  7. 【2210597】 投稿者: なずな  (ID:BoAlaPYLDcg) 投稿日時:2011年 07月 20日 23:51

    連続すみません。記事だけ・・・
    小佐古教授が5mSvを提案されたそうです。

    子どもは年5ミリシーベルトに 小佐古東大教授が提案

     福島第1原発事故による子どもの被ばくに関する政府対応を批判し、内閣官房参与を辞任した小佐古敏荘東大教授が20日、小中学校などの被ばく線量の基準は年間5ミリシーベルトを目安にするべきだとする案を発表した。

     衆院文部科学委員長の田中真紀子氏が小佐古氏を招いて開いた勉強会後に記者会見して明らかにした。田中氏は、小佐古氏を委員会に参考人招致して意見を聴く方針。

     文部科学省は、福島県の小中学校などで年間被ばく線量換算で20ミリシーベルトを超えないように、毎時3・8マイクロシーベルトと屋外活動制限の基準を設定。ほかに年1ミリシーベルト以下の目標値も示している。

    2011/07/20 18:12 【共同通信】

  8. 【2210688】 投稿者: 内容証明郵便で、被害予想を発送  (ID:QMH.gzETb1s) 投稿日時:2011年 07月 21日 03:27

    叫び

    http://twitter.com/#!/kazuaki1121/status/93241629988757504


    風評被害でなく、じきに実害の被害者が発生するぞ。市長には内容証明郵便で、被害予想を発送しよう。

    実害が出たとき、未必の故意を立証する手立てとなる。あらかじめ予見させるべき手紙を送っておこう。

    その際は、刑罰を受けてもらおう。

学校を探す

条件を絞り込んで探す

種別

学校名で探す