中学受験2025

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インタビュー企画

「面接中止」「Web出願」2021年入試に与えた影響とは?

1月校、埼玉と千葉で出願者数の傾向が異なった理由

2月1日の肩慣らしのために1月校の受験を考えていたご家庭は、埼玉の学校は例年通りに出願、千葉は出願を控える傾向にありました。
千葉の学校、市川・渋谷学園渋谷幕張・昭和学院秀英、東邦大学付属東邦は難度が高いため、万が一の不合格で、自信を失いたくないと考えたことも理由の一つです。
一方、埼玉の学校では栄東をはじめ、一般入試にて合格者をたくさん出します。千葉よりも埼玉の方が気楽に出願できる要素があったことも影響したと見ています。

1月校、埼玉と千葉で出願者数の傾向が異なった理由

Web出願の普及で“ダブル出願”の増加

東京都内の学校では、出願数はむしろ増えたという感覚があります。
ほとんどの学校でWeb出願が可能となり、ダブル出願(同日、同時間帯で行われる試験に出願すること)が増えています。合否を入試当日にWeb発表する学校が増えたため、結果を見た上で、翌日に受ける学校を決めることができるからです。
今年は欠席者数が目立ちました。ダブル出願が多かったことが予想されます。

午後入試の受験者数増加は面接がなくなった影響も?

今年は感染防止策として、ほとんどの女子校で面接がなくなりました。面接は、例年午前の入試が終わった後、昼休憩を挟んだ午後に行われます。面接が中止となったことから、午後に移動がしやすくなり、一部の学校の受験者数も増えました。

【面接がなくなった学校】
学習院女子・頌栄女子学院・女子学院・白百合学園・清泉女学院・東洋英和女学院・雙葉
フェリス女学院・横浜共立学園・横浜雙葉・立教女学院

2月3日以降の入試、倍率が上がる学校と下がる学校の両極に

出願直前のご家庭が、かなり倍率を気にされていました。今年は模試の合否判定結果と異なった動きのなるのではという不安を持たれていたようです。2月3日以降で、予想以上に倍率が上がる学校もあり、出願を迷われていたご家庭もありました。

例年、3日以降は倍率が上がるものなのですが、4日、5日と後ろに行けば行くほど偏差値が上がっていく学校と、反対に後ろに行けば行くほど下がっていく学校に完全に分かれた印象です。

2月3日以降の入試、倍率が上がる学校と下がる学校の両極に

「新しい時代に合う教育を行う学校」で倍率上昇

広尾学園小石川に代表されるように、期待を集めた学校は、午後入試や2次、3次、4次の倍率が高くなりました。
期待を集めた学校とは、新しい時代に合う教育をしていると盛んに発表している学校です。
たとえば、「オンラインでの指導体制」・「ICT活用」・「グローバル」などを全面に押し出している学校は、今後の実績アップを期待して、かなり受験者を集めました。

西村 則康

中学受験専門プロ家庭教師「名門指導会」代表、中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員、塾ソムリエ
西村 則康(にしむら のりやす)

40年以上、中学受験指導を一筋に活動し、開成、麻布、桜蔭中学などの最難関中学に2,500人以上を導く。
受験学習を、暗記や単なる作業だけのものにせず、「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で切り込んでいく授業は親からの信頼も厚い。『御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方』(アスコム)、『中学受験は親が9割 最新版』(青春出版社)、『難関校合格のすごい勉強習慣』(日本能率協会マネジメントセンター)など著書多数。