育児・教育ジャーナリストおおたとしまさの中学受験 心すっきり相談室 vol.45
Q.娘は共学を希望。でも親の私は女子校に 行ってほしいと思い対立してしまいます
4年から日能研に通い、もうすぐ6年ですが、志望校が決まりません。娘は最初からずっと男女共学でなければいやと言っていますが、私は、自分が中高一貫の女子校から大学へいったこともあり、母校でなくても、女子がのびのびできるのは女子校だと言ってきました。塾は娘の希望を入れて男女共学の新興校で、自宅から通いやすい学校をすすめています。
見てみようと言うことで、私の母校と塾のすすめる学校の両方に娘と行ってみたのですが、やはり娘は男女共学のほうがいいと言います。でも、私はどうしてもその学校がいいとは思えないのですが、このことで何度も親子げんかをしてきたこともあり、やはり子どもの希望を優先したほうがいいのでしょうか? おとなしめの娘のことを考えると女子校のほうがいいとは思うのですが・・・。
おおた先生、どうしたらいいでしょうか? ちなみに偏差値的にはだいたい同じレベルで無理しないでも合格圏内の学校です。(acha)
A.自分で選べばこそ、つらいことがあっても乗り越えていけるのです。あくまでも 娘さんの判断で決めた形にしてください
お子さんが自分の意思をもてないならば、親が方向付けをしてあげることも必要な場合がありますが、娘さんは明確に自分の理想の将来像をお持ちのようですね。立派です。
お母様は娘様の性格を考えて、女子校進学を希望しているようですが、「親子げんか」になるほどに娘さんの意思が堅いのであれば、価値観の押しつけは火に油。ますます娘さんを意固地にしてしまうでしょう。
自分が明確に目標を掲げているのに、それを親から否定されることほど子どもの力を奪うものはありません。そのせいで、せっかくの娘さんの成績が下がってしまうのではないかということがいちばん心配です。
それに、お母様の望む学校に進学したとして、そこで娘さんの望まないことが起きたとして、それをお母様のせいにされたらお母様はどうなされるおつもりですか? 娘さんは納得してその状況に立ち向かうことができると思いますか?
娘さんが自分で選べばこそ、少々のつらいことがあっても、「自分で選んだのだから」と思って、乗り越えていくことができるのではないでしょうか。そういう状況で中高の6年間を過ごせることが、中学受験をすることの大きな意味です。
お母様の価値観を押しつけてしまっては、その意味が台無しになります。最終的に女子校に進学することになってもいいのですが、あくまでも娘さんの判断で決めた形になるようにしてください。
そのために娘さんにお母様の気持ちを理解して欲しいなら、まず大人であるお母様が娘さんの気持ちを理解してあげるのが先ではないでしょうか。