習い事が多く、絞りたいのですが、どれもやめにくい状態です。

塾・学校の実態に精通する教育ジャーナリスト・おおたとしまささんが、「中学受験を家族にとってのいい経験にする」というコンセプトで、中学受験のさまざまな相談にアドバイスしてくれます!
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育児・教育ジャーナリストおおたとしまさの中学受験 心すっきり相談室 vol.60

Q.習い事が多く、絞りたいのですが、どれもやめにくい状態です。

はじめまして。こんにちは。
現在、子どもは(火)~(日)まで習い事をしています。
そろばん、ピアノ、英語、習字、ダンスです。

決して無理することなく、本人と調整しながら続けています。
そろそろしぼっていきたいのですが、どれもやめにくい状態です。

ピアノは5歳から続けており、先生との信頼関係があついです。

英語は4年から友達と通っていて楽しいといいます。進歩はありませんが、自分で単語練習位はします。

習字は字がうまく、賞を取り続けているので嬉しいらしく、一番やめる考えがないです。

ダンスは発表会がない教室なので、体幹を鍛えるために息抜きで通っています。踊りはすぐに覚えるので、苦労知らずで楽しそうです。

そろばんを塾に変えたいのですが、なかなか級が進まないので、やめたくないそうです。

器用貧乏でどれもそこそこ成績を残し、また本人は意欲満々です。

本人がしたいことをさせてきましたが、そろそろしぼってほしいと話しましたが、こなせているので大丈夫だ!といいます。

学校の成績も一生懸命やるので問題ないのですが、平日は自分で勉強の計画をたてて、帰ってからずっと勉強しています。

昨日休んだそろばんには、今朝習字教室の後に、自分から1時間半いきました。地頭が特別いいというわけでなく、努力と根性で目的を達成するタイプです。

勉強はするのが好きというより、するのが習慣という感じでコツコツやっています。

英語か時間をとられるそろばんをやめて塾にいってほしく、来年の3月までに昇級を条件にしましたが、受かってしまう気がします。

努力家でおっとりタイプですが、意志が固く理論でなかなか説得できません。

中学受験は考えていませんが、地頭はよくないので塾に行かせたい親…。本人は今行く必要性を感じてない、といいます。

来年度もこのまま、両立が難しくなるまで、本人の意思に任せるしかないのでしょうか?

どうか、専門家のご助言お願いします。(ema)

回答はこちら

A.習い事はいつかはやめなければならないもの。何をやるかよりもいつどんな形でやめるかが重要です。

多才でやる気に満ちた娘さんですね。習い事だけでなくお勉強も自分からするのですね。
4年生なのに、たいしたものです。

このページを見た多くの親御さんが「うらやまし~」と思うのではないかと思います。

さて、お母さんとしては塾に行かせたいのですね。理由は地頭が良くないから。

地頭が良くなる塾があるのなら通わせてもいいのかもしれませんが、そんな塾あるのでしょうかね。

今、勉強において特別に問題がないのであれば、無理に塾に行かせる必要もないのではないかと感じてしまいます。

多くの親御さんがのどから手が出るほどにほしいと願う「わが子のやる気」それが今、娘さんには満ちあふれているのですから、もう少し見守って上げていてもいいのではないでしょうか。

中学受験のご予定もないということですし。

そんな意欲的な娘さんのことですから、塾にも行ったら行ったで「楽しい!」と言ってがんばってくれそうな気もしますけれど。

一方で、習い事はいつかはやめなければならないもの。何をやるかよりもいつどんな形でやめるかが重要です。

どんなにいい習い事を選んで、どんなにいい教室を見つけても、やめ方を間違えるとその習い事経験全体が悪い思い出になってしまうからです。

「どうなったらやめるのか」 について事前に親子で話し合っておくことが大切です。少なくともあと半年は続けようと期間を決めておくのもいいでしょう。

あらかじめ目標を定め、それをクリアしたらその時点でやめるのか、さらに高い目標を掲げて継続するのかを判断しようと決めておくのもいいでしょう。

区切りが来たらその都度、やめるのか、いつまでやるのかを更新するのがおすすめです。

ときどき区切りを設けて、やめるか否かの前向きな判断をしないと、結局惰性で続けることになります。

惰性で続けていると、最終的には、飽きた、やる気がなくなった、行き詰まったというネガティブな要因でしかやめどきがやってきません。

どのみち悪い形で習い事から退場することになってしまうのです。

よろしければ拙著『習い事狂騒曲 正解のない時代の「習活」の心得』もご覧ください。

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