私立高校選びのポイント 受験前にチェックしよう!
自分に合った学校が見つかる私立高校選びのポイント
東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3県には、私立高校が約440校あり、各校が特色ある教育を実践しています。数多くの学校の中から、どのようにして自分に合った私立高校を見つけたら良いの?と迷ってしまう受験生も多いはず。そこで、私立高校の魅力や各校の特色を詳しく見ていく前に、私立高校選びのポイントについて考えてみましょう。
「コロナ禍で高まる私立高校人気 オンライン対応の差も影響
新型コロナウイルスの感染拡大は、高校選びにも影響を与えました。これまで以上に重視されるようになったのは、ICT環境。設備の整った私立高校の中には、2022年度入試で志願者を大幅に増やしたところもありました。このような学校では、休校期間中の早い段階から双方向でオンライン授業を行い、教材の配布、課題の提出、個別面談にタブレットやPCを活用。コロナ前と同じような教育環境が提供できるように工夫していました。
多くの私立高校で志願者が増えた背景には、2020年に国の就学支援金制度が改正され、私立高校に通う生徒への支援が手厚くなったことも関係しています。授業料が実質無償となる世帯が増え、経済的な負担が軽減されました。また、私立大学の定員厳格化や大学入試改革によって、大学付属・系属の私立高校が人気を集めているのも最近の傾向といえるでしょう。
多種多様な私立高校
● 男女別学&共学が選べる
● 大学付属・系属がある
● 建学の精神や宗教にもとづいた人間教育が受けられる
● 居住区に限らず、広いエリアから学校を選べる
● 寮のある学校も
選択肢が豊富な私立高校は学校選びがより重要に
オンライン活用の状況からも分かるように、時代の変化に応じ柔軟な対応を行っている私立高校。このような柔軟性と「個性」が私立高校の特徴と言えるでしょう。それは私立高校が独自の建学の精神のもとに設立され、この精神が教育理念やカリキュラムに反映されているからです。
一方で、私立高校にさまざまな個性があるからこそ、学校の選択がより重要になります。自分に合う学校はどこか、将来どのような道に進みたいのかを先生や保護者と相談しながら、納得できる高校選びをしてください。
独自のアンケートで「私立高校選びのポイント」を調査
大学合格実績、教育理念を重視をする人が多数
では、実際に高校を選ぶときに多くの人が重視しているポイントは、どのような点でしょうか? 受験と教育の情報サイト「インターエデュ・ドットコム」でアンケート調査を実施したところ、1位は「大学合格実績」、2位は「教育理念&校風」、そして3位は「カリキュラム・学習面倒見の良さ」となりました。
やはり大学合格実績は誰もが気になるところ。そして、目には見えにくいですが、共感できる教育理念や校風が大切と考えている人が多いことも分かりました。ここで上位に挙がったポイントは私立高校の魅力そのもの。今後、私立高校人気がさらに高まることが予想される結果となりました。
独自のカリキュラムで人間力を育てる私立高校ならではの魅力とは?
「私立高校の魅力」と聞いて、最初に思い浮かべるのは何でしょうか?
校舎や施設・設備が充実している!制服がおしゃれな学校が多い!すぐに思いつくのはこのような特徴かもしれませんね。でも私立高校には、目には見えない部分にもたくさんの魅力があるのです。
「私立校の魅力」について独自調査
教育理念&校風やカリキュラムが一番の魅力!?
「私立校のどこに魅力を感じるか」を知るために、インターエデュが独自にアンケート調査を実施したところ、275人から回答が寄せられました。その中で最も多かったのが「教育理念&校風、カリキュラム」、2位は「合格実績、学習面倒見の良さ」、3位は「施設・設備(校舎・ICT環境等)」という結果でした。
これは別のアンケート調査で「高校選びのポイント」として選ばれていた項目と上位がほぼ同じです。つまり私立高校には、“選んで良かった”と感じる魅力がたくさん詰まっているということになります。
1位
建学の精神にもとづいた
教育理念や独自カリキュラム
1位となったのが「教育理念&校風、カリキュラム」。私立校には、それぞれの学校に創立者の建学の精神があり、これに沿った教育理念やカリキュラムを実践しています。この精神は学習面だけでなく、人間教育にも反映され、仏教・キリスト教の教えを取り入れたり、女性の社会的自立への支援、美術教育を通した創造力の育成などを実践したりする学校もあります。明確な教育方針によって、学力が向上するだけでなく、その先の人生につながるような学びが得られます。
2位
手厚い学習支援で
高まる合格実績
大学合格実績の向上に力を入れている学校では、手厚い学習支援が受けられます。放課後や長期休暇中に補講 を実施するだけでなく、自宅学習のサポートや、中には民間のオンライン教材を活用し、苦手な教科を指導している学校もあります。画一的な教育ではなく、一人ひとりの生徒に合わせて柔軟な学習支援を行うのは私立ならではと言えるでしょう。
3位
施設・設備、ICTなど
充実した教育環境
私立校の多くは、日々の学校生活を過ごす施設・設備が充実しています。最新の電子黒板を備えた教室、広々とした体育館やグラウンド、落ち着いて勉強に取り組める自習スペース、蔵書が豊富な図書館、おいしいメニューのそろったカフェテリア、和室、屋内プールなどを備えた学校も。
またICT整備も進んでおり、コロナ禍でオンライン授業が増えたときにも、以前から授業でタブレット端末を活用していたり、全館にWi-Fiが完備されていたりしてスムーズに対応できた学校が多かったようです。
4位
生きる力を育てる
国際教育・キャリア教育
海外研修制度が整っていたり、ネイティブ教員が多く在籍していたりと私立校の多くが英語教育・国際教育を実践。英語を単に言葉として勉強するだけでなく、英語を使って世界情勢を学び、プレゼ ンテーション力を磨くなど、一歩進んだ英語力を身につけることに力を入れています。
また、最先端のICTを活用して学んだり職場体験に出かけたりと、国内外で活躍できる人材となれるよう、キャリア教育に積極的に取り組む学校が増えています。
5位
大学での学びが身近になる
付属校・系属校
一般の高校に進学した場合、今度はすぐに大学受験がやってきます。また、大学の入試制度改革で、試験内容が変化することに不安を感じる人もいるでしょう。そんな中、普段の学習をしっかりこなすことができれば進学先の大学を確保できるとあって、大学の付属校や系属校の人気が上昇しています。
6位
共学以外の環境も選べる
男子校・女子校
公立校の多くは共学ですが、私立校では男女別学の学校も多くあります。男子と女子では身体的・精神的成長のスピードが異なり、物の感じ方や取り組み方、得意とする科目にも差があります。それぞれの特性に適した、学習や生活指導を受けられるのが別学の良さでしょう。
また、思春期は異性の目を気にしてしまいがちです。同性しかいない別学なら異性を過度に意識することなく、本来の自分の姿で伸び伸びと過ごせるかもしれません。
7位
やりたいことが見つかる
多彩な部活動
部活動には仲間との関わりや大会を通し、地道な練習の大切さを知るなど、普段の学校生活とは違った学びがあります。私立高校ではこのような学びを重要な教育の機会と捉え、部活動に力を入れている学校が多いです。ナイター設備や、プロで活躍したコーチの指導が受けられる学校もあります。
勉強以外にも一生懸命になれるものを見つけ、深く付き合える友人ができる機会にもなるでしょう。