実践女子学園中学校高等学校
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実践女子学園中学校高等学校(以下、実践女子)では、体験するからこそ得られる学びを重視したプログラムで、生徒の英語力・探究力を育んでいます。そのうちの2つが今回紹介する「The Science English Camp」(中学生対象)と「UCL-Japan Youth Challenge」(高校生対象)です。参加した生徒全員が大きな刺激を受けるというプログラム。いったいどんな成長を遂げたのでしょうか。
「UCL-Japan Youth Challenge」は日英の高校生を対象に、毎年夏に開催されるロンドン大学とケンブリッジ大学のサマースクールプログラム(以下、UCL)です。10日間の期間中は一流の講師陣による最先端の講義のほか、互いの文化交流や学校紹介も行う盛りだくさんの内容です。今年は7月26日から8月4日に行われ、同校からは3名の生徒が参加。そのうち高校1年生のT.K.さんに、どのような体験があったかうかがいました。
中学受験生向けオープンスクールに参加した際に、伝統ある学校の雰囲気に惹かれ入学を決意。英検取得級は2級。模擬国連にも参加している。
参加のきっかけを教えてください。
T.K.さん
グローバル教育部の先生にUCLのことを教えていただきました。実践女子には3か月留学(オーストラリア・アデレード)があるので参加したいと思っていたのですが、ホームスティに不安があり諦めてしまったんです。でもUCLのプログラムは大学の寮、先生の引率がある、しかも世界的な一流大学の講義が受けられると聞き、すぐに「行きます!」と返事しました。
10日間のプログラムはいかがでしたか。
T.K.さん
あっという間でした。スケジュールもびっしりで、朝が早く夜10時まで講義という日もあり、時差に慣れないうちは大変でした。
英語については、最初の頃はイギリス側からの参加者や、日本人参加者に助けてもらっていましたが、こんな機会はめったにないから「なんとか聞き取ってやる」という気持ちで、実践から参加した子と3人で翻訳ツールを使いつつ、分からない単語はとにかくメモをして後で調べ、吸収しようという気持ちで頑張りました。
印象的だったプログラムを教えてください。
T.K.さん
今年のテーマは「宇宙と私たち」でした。宇宙に関する最先端な講義もあり、そのプレゼンが素晴らしく、引き込まれました。また宇宙のこと以外にも医療に関する講義もありました。私にとっても関心の高い講義だったので集中して聞いていました。
今回参加したことで気持ちの変化はありましたか。
T.K.さん
他の参加者と比べると英語はまだまだという気持ちが強く、最初は怖くて話せなかったのですが、文法が違っていてもしゃべって伝えようということを意識したら、相手もちゃんと聞いてくれました。ビビりな性格ですが、チャレンジしようと思う気持ちが強くなったと思います。また全然知らない人ばかりだったので英語でも日本語でも、コミュニケーション能力は上がったかなと思います。
将来の希望に変化はありましたか。
T.K.さん
もともと海外に住みたいと思っていたので、大学では長期留学に行きたいという気持ちが強くなりました。将来は細胞の研究から医療分野に貢献したいと思っているので、海外の大学でも勉強したいです。
「The Science English Camp」(以下、サイエンスキャンプ)の開催は今年で3年目。毎年異なるテーマが設定され、それに基づいたアクティビティを英語で行う実践女子オリジナルプログラムです。今年は8月19日から21日に実施されました。
2024年のテーマは「宇宙」。初日は宇宙に関する講義が英語で行われ、午後はバルーンカー作り。2日目はつくばにあるJAXA筑波宇宙センターや地質標本館、サイエンス・スクエアつくばなどの研究施設を見学し、最終日は、筑波大学にて同大学の院生を招き、活動発表会が行われました。
学校見学に参加するため実践女子へ向かう途中、同校の生徒と目が合い挨拶をしてくれたことに感動。「こんな先輩に私もなりたい」と思い、実践女子を志望した。 中学1年次に英検準1級取得。
サイエンスキャンプに参加しようと思った理由を教えてください。
H.M.さん
ネイティブの先生が引率されるので、もっと先生と話せると思ったからです。また去年参加して(テーマは火山)とても楽しかったので今年も行きたいと思いました。
参加されたご感想をお聞かせください。
H.M.さん
JAXAでは実物大のロケット模型の大きさにびっくりし、太陽系のスケールモデルでは宇宙の大きさに驚きました。またサイエンススクエアでは、日頃触れることのない最新技術を見ることができました。中でも、説明してくださった職員の方が今の職業に就く理由を話された際「何事にも興味を持つこと大事」とおっしゃっていたことが印象に残っています。
最終日は3日間のまとめを発表されました。
H.M.さん
2年生は私を含め2名だけだったので、その子と二人で発表しました。3日間、さまざまな科学技術に触れ体験した中で印象に残ったことを、日本語も交えながら8割ほど英語でまとめました。専門用語が多いので、ただ直訳するだけでなく、相手に分かりやすく伝わるように気をつけました。
今回の3日間で英語に対して意識が変わったことはありますか。
H.M.さん
先日オーストラリアの留学生と交流するプログラムがありました。伝えようと思う気持ちがあれば結構伝わるし、相手もちゃんと受け止めてくれる。伝えようと思う気持ちが大切だということに気づいたのは、発表会を経験したからかもしれません。
将来について考えていることはありますか。
H.M.さん
発表会の講評では大学院生の方も「何事にも興味を持つこと」とおっしゃっていたんです。私も今回参加して、何事にも興味を持って、自分の目で見て体験したいと思いました。留学にも興味があります。もっと英語力を磨いて、英語を活かして人を支えられるような職業に就きたいです。
サイエンスキャンプではテーマ設定を始め中心的な活動を担い、UCLでは引率もされたグローバル教育部(GED)のジョーンズ・グリフ先生にも、お話をうかがいました。
サイエンスキャンプの開催目的を教えてください。
ジョーンズ先生
GEDには主に3つの目的があります。1つ目は英語をツールとして使えるようになること。2つ目はサイエンス。サイエンスは一種のコミュニケーションツールでもあるので興味を持たせる。3つ目は文化交流を行うこと。サイエンスキャンプはこの3つの目的がすべて入っています。
英語で学び、最新の科学を知り、さまざまな職業の方や参加した他の生徒とも交流もある。確かに全部ですね。
ジョーンズ先生
キャンプ初日は宇宙のことやその後のバルーンカー制作もすべて英語で学びます。特にバルーンカー制作はいわば実践的なSTEAMの学びであり、これはぜひ生徒に体験させたかったことです。
2日目はフィールドワークで自らの興味関心をもとに体験する、3日目は仲間と共に考え発表する。これらのプログラムには今では当たり前となった4Cスキル(※)の要素もすべて揃っているんですよ。
※4C教育とも言われる。これからの子どもたちに必要な教育として全米教育協会提唱した4つのスキルのこと。Critical thinking(批判的思考)、Creativity(創造性)、Collaboration(協働)、Communication(コミュニケーション)
UCLでは生徒にどんなサポートをされたのでしょう。
ジョーンズ先生
日英合わせて80名くらいの生徒が参加し、一緒に学び交流することは本当に貴重な体験だったと思います。
生徒たちは英語漬けの毎日になるのでしっかり事前準備しました。私は今回のテーマに合わせたバックグラウンドガイドを作り、生徒と毎週勉強会を開催。それだけではなく、寮とはいえ自分の身の回りのことはすべて行うので生活面についてもレクチャーしました。
これらのプログラムで生徒にはどんな経験を得てほしいと思われましたか。
ジョーンズ先生
UCLに参加した生徒は10日間本当に頑張りました。どんなことにも対応する力がつき、自信につながったことでしょう。
サイエンスキャンプに参加した生徒たちは、科学は楽しいという気づきを得て、何事にも興味を持つ大切さに気づきました。それは本当に嬉しいことです。きっと普段の勉強にも今回の経験が活きてくると思います。
イベント情報一覧
第2回オープンスクール
全学年対象
2024年11月16日(土)14:00~16:00
第2回入試説明会(スターライト)
小学校5・6年生対象
2024年11月22日(金)18:00~20:00
入試体験会(2科)
小学校6年生対象
2024年12月7日(土)8:40~11:10 / 14:00~16:30
第3回入試説明会(来校型)
小学校6年生対象
2025年1月11日(土)10:00~12:30