先進の研究職への可能性を切り拓く理数キャリアコース
inter-edu’s eye
スーパーサイエンスハイスクール(SSH)やスーパーグローバルハイスクール(SGH)アソシエイトとして活動した経験を活かし、進化させてきた探究活動を、女子教育に取り込んだコース別指導を実践する文京学院大学女子中学校高等学校(以下、文京学院)。当校の教育を顕著に象徴している「理数キャリアコース」に焦点を当てて、その魅力と強みをご紹介します。
夢の実現に必要な環境や学びとは?
入学以前から研究活動への憧れを持ち続けてきた、理数キャリアコースの高2生から、探究活動の魅力や将来の夢をお話しいただきました。
理数キャリアコースを選択した理由を教えてください。
Y.Mさん中学受験で学校選びをしていた時点から、薬剤師になりたいという夢を持っていました。そして、塾で模試を受けた際に知った、理数に特化したコースがある文京学院に入学するに至りました。受験候補校の中でも大きな決め手になったのは、学校説明会で訪れた際に実感した在校生の明るい雰囲気や清潔感あふれる校舎でした。ICT環境を存分に活用できる環境や実験器具が揃った化学室があることも入学動機につながりました。
高校に進学して理数キャリアコースで学んでいる今は、薬剤師だけでなく、植物成分を解析して活用することにも関心があります。興味・関心の幅、進路目標が広がったことからも、充実した研究環境の大切さが改めて身に染みるようになりました。大学で初めて使用するような高度な機器を使いこなせる機会はとても貴重だと感じています。
在校生の目線から見た探究活動の魅力を教えてください。
Y.Mさん未知の領域を学び、新しい発見をすることが探究活動だと考えています。自分一人では解決できない課題に対して、チーム単位でさまざまな意見や見方を取り入れながら、体系的に解決策を考えていく過程がとても楽しいです。ときには大学と連携して課題解決をしていく中で、化学者としての考え方やコミュニケーションの重要性に気づけるようになってきました。
授業中の課題として、統計学の基礎からエッグドロップコンテスト(高所から生卵を割らないように落とすための装置作り)など、与えられたテーマについてチーム毎に挑戦しています。さまざまな取り組み方があり、実験を繰り返すだけでなく、意見や情報を交換するなどの新しい学び方が探究活動を面白くしてくれています。みんなが自主的に活動を始めるため、先生方から細かな指示を受けることはそれほど多くありません。クラブ活動と学習を両立させたい生徒もいますから、自ら定めた目標や基準に沿って取り組める点が大きな魅力だと感じています。
理数系の科目以外で力を入れているものを教えてください。
Y.Mさん海外の研究文献を読んだり、逆に論文を作成するためにも「英語ができないと始まらない」ことに気づかされました。どれだけ深い研究をしても、誰かの二番煎じだったり成果を世界に伝えられなかったりするのは本当にもったいないことです。だからこそ、英語学習には高いモチベーションを持って取り組んでいます。
校内外を問わず、多くの発表会やポスターセッションに参加しており、最近も他校との合同研究発表会に参加したばかりです。こうした発表会は、誰もが主役としてプレゼンテーションできる機会であり、今後の自信にもつながるようになりますよ。
コース独自の学びや探究活動を通して達成したい目標を教えてください。
Y.Mさん未知の要素を社会に役立てる職業を目指しているので、身近な物事から生活習慣病などの特効薬を開発し、みんなが健康的な生活を過ごせるような研究を実現させたいと考えています。チャレンジしたい事柄がたくさんあって悩んでいますが、研究用の器具を開発し、次世代の研究者にバトンを渡せるような職業にも憧れを持っています。
今は、校外で学んだ知識を活かして「紅(紅化粧)」の成分を分析し、現代の製法で再現できないかと研究を進めています。江戸時代から伝わる製法の奥深さだけでなく、文化的な背景を理解したうえで新しい紅を製造する面白さに魅了されているところです。
探究活動を主導する探究部の役割とは?
学校によって、探究活動への取り組み方や内容は異なります。探究活動を充実したものにするための「探究部」を立ち上げた、高校副校長の佐藤泰正先生からお話をうかがいました。
探究部の教育目標と教科の枠を超えた学習内容を教えてください。
佐藤先生全国で学習指導要領に組み込まれた「総合的な探究の時間」がスタートしましたが、本校では従来から実践してきた学び方をさらに発展させるべく、早期から探究部を立ち上げていました。探究活動では、生徒一人ひとりが希望する職掌や興味・関心に対して、自ら課題を設定し、納得できる結果を導くまで何度でも試行錯誤を繰り返します。理数キャリアコースであれば、大学での講義に納まらないような自由な研究に取り組むこともできます。
本校の学びは大学進学ではなく、人生を切り拓くための知識や経験を積み重ねることが目的であり、3つの能力開発を目標に定めました。それらは、言語運用能力、数理分析能力、課題解決能力です。中学の段階から探究の基礎となる学習に取り組む一貫生は、整備された環境や自主性を奨励する学風の中で大きく育っていくとともに、高校から入学する新しいクラスメイトの手本となる立場が求められます。
より深い探究活動とするために欠かせない要素はありますか。
佐藤先生学年ごとにチャレンジする目標や校外コンテンストを設定し、徐々にハードルを上げながら生徒自身が可能性を広げる姿を見てきた中でも、とりわけ実感しているのは英語を使いこなす重要性です。海外姉妹校や校外コンテストで活躍した生徒たちに共通するのは、英語による情報発信や情報収集が優れていたというものです。これからの世界は、探究活動を通した学びと英語学習の両立が欠かせないものと信じています。
さらに、理数教育に強みを持つ他校との合同研究発表会で見られる多様なアイデアや研究への姿勢は、本校の生徒たちにとって驚きや発見につながっています。それは、テストの点数や偏差値の違いよりもインパクトが大きく、従来の既成概念を一新するようなグローバルな視点をもたらしてくれています。これからも高校・大学との交流を通して本校らしさを追求できるような探究活動を発展させていきます。
受験生の皆さんへのメッセージをお願いいたします。
佐藤先生受験勉強として取り組んでいること全部が、中学・高校の基礎につながっており、あなた自身の強みにもなります。つまりは、勉強して得られる知識自体があなたの血となり、肉となるのです。受験という体験をしたからこそ、中学・高校で新しいことにチャレンジするための力になると信じて、楽しい学校生活を夢見ながら頑張ってくださいね。
編集後記
都内に数ある女子一貫校の中でも、理数教育に特化したコースが導入されている学校はそれほど多くありません。その稀有な学校である文京学院の魅力は、10年以上続けられている学習にとどまらず、先進の研究機器を備えた施設・設備にも表れています。学校説明会やオープンキャンパスの機会を見逃さず、親子で実際の学習環境を確かめることをおすすめいたします。受験勉強へのモチベーションが上がることは間違いありません!
イベント日程
イベント名 | 実施日時 |
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授業が見られる説明会 | 2022年9月20日(火)・21日(水)・22日(木) 14:30~16:00 |
国際塾・部活動見学 | 2022年9月20日(火)・21日(水)・22日(木) 16:00~17:00 |
授業が見られる説明会 | 2022年10月15日(土) 9:00~10:40/11:00~12:40 |
体験入学 | 2022年10月23日(日) 10:00~13:00 |
文女祭(学園祭) | 2022年10月29日(土)・30日(日) 10:00~15:00 |
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