“生徒主体が当たり前” 武南らしさにあふれる自律的な学び
inter-edu’s eye
中高一貫体制が再び動き出して7年目を迎えた武南中学校(以下、武南中)。生徒募集決定時から重要視してきたのが生徒主体による活動です。アクティブラーニングを中心に据え、校外学習やアジアをはじめとする海外での研修など体験の場を増やし、今の時代に必要な課題解決能力や表現力、発信力をはぐくんでいます。中高6年間で武南生が得られる学びについてご紹介します。
目的を理解させる学習がカギ
2013年に中学校が再開された時から、生徒主体の活動を中心に据えてきた武南中。「アクティブラーニングを意識しているというより、そういった学習姿勢が当たり前であるという前提でやってきた」と理科担当の柄(つか)晃裕先生は振り返ります。
各教科で必要とされるタイミングで生徒主体の活動を導入。理科では実験の際、目的を生徒に考えさせるだけでなく、どの手法が適切かまで考えるように促しているといいます。フィールドワーク学習もグループに分かれて事前学習を実施。現地で調べることができる内容をまとめ、課題を決定するまでが生徒に任されます。その一方でタイミングによって教員が指導することも大事だといいます。
「内容によっては高校や大学レベルの学習テーマに相当するものがあるので、理解が難しい場合や知識の取り入れを促進したい場合には教員が指導します」と柄先生は補足します。
また武南中では、生徒主体の学びを深めるためにフィールドワークなど本物に触れる体験も大切にしています。
「そこで感じたことや学んだことを生徒自身のこととして消化し、発信できる人材を育てていきたい」と柄先生。歌舞伎鑑賞や社会科の校外学習(鎌倉)などの行事やフィールドワークを展開しています。武南生にとっては、海外研修も大事なアクティブラーニングの場です。
「中2では、途上国に目を向けるためにベトナムとカンボジアを訪問。高1では、アメリカ・ボストンでの研修を行います。生徒たちは事前に各国の歴史や現状、課題などを学んだうえで現地に向かいます。帰国後は、現地で学んだ内容をまとめ、校内外へ積極的に発表します」。
今後は、課題解決能力や表現力、発信力をさらに伸ばすために、探究の時間を新たに設置。2021年からの高校必修化に向け、中1は作文に力を入れることで表現力を強化していくとのことでした。特に、中3では自分で課題を設定する論文作成が出来るような取り組みを進めていく予定だそうです。
知っておきたい武南中の「教育方針」 ≫アジア研修旅行で深まる世界的な視野
中2で行われるアジア研修旅行。現地に向かう前に武南生たちは「SDGs(持続可能な世界を実現するための普遍的な国際目標)」を中心に据えた事前学習に臨みます。ベトナム・カンボジアだけでなくアジア諸国についてグループで調べ発表。JICAやユニセフのスタッフから現地での活動について話を聞く機会も設けています。
「知ってから行くのと、知らないで行くのでは、理解度が全く違うと思います。事前に学んだことを現地で見聞きすることでさらに理解が深まりました」と、参加した福島くんは振り返ります。アジア研修は、“日々の学習が社会とつながった瞬間”でもあったといいます。また、ベトナム・ホーチミン市内の学校を訪問し、複数の言語を自在に使いこなす生徒たちのハイレベルな教育を目の当たりにしたことで、英語に対する学習意欲も高まったといいます。将来は、プログラミングなどの技術を大学で学んで、国際企業で実務を体験したうえで、世界により良い教育を発信したいと考えている福島くん。
「武南中には、生徒や先生と自由に話すことができるオープンスペースがあります。このスペースでコミュケーションを取りながら、互いに高め合うことが出来るのは武南中の魅力です。普段の学習でモチベーションが上がるのはもちろん、アジア研修旅行でもチームワークや意見交換など、日頃鍛えられた表現力がきちんと活かされたと思います」。
アジアで受けた刺激は、将来の目標設定にもしっかりとつながっています。
ジェレミー先生による武南流の英語教育
アジア研修旅行では、生徒たちが必要性を感じ、英語を積極的に話す場面が多く見られるそうです。福島くんも英語への学習意欲が高まったと同時に「中学で学んだ英語が通じた」と振り返っています。現地で積極的に英語を話すカギは、普段の武南流の英語教育にあります。武南中では週1回、英会話の授業を展開。ネイティブの先生を中心に進められます。
ビーソム・ジェレミー先生は「英会話の授業では、文法ばかりではなく使える英語を意識して指導しています」と指導する際の工夫を話しました。英語を学び始めたばかりの中1生に対しては、英語を自然に使えているかをチェック。生徒一人ひとりに何度も「確認」することで理解度を計っています。また、教科書だけに限らず、必要に応じて学習資料を作成して配布することも。
「なぜ英語を勉強するのかを生徒に意識させ、英語を話す必要性を感じてもらいたい」と、生徒のモチベーション向上をサポートしています。
ジェレミー先生からのメッセージ
Participation in the study trip is especially helpful. Some students who were not particularly attentive before the trip show greatly increased interest and motivation after the trip. They discover exactly how important it is to acquire language skills and to be able to adjust to a different culture. They also learn where their skills or knowledge were insufficient to communicate or to perform a task using English, Which gives them motivation to improve.
編集者から見たポイント
開校時点から生徒中心の授業を行ってきた武南中。今回は、理科からはじまり、英語や国際理解はもちろん社会科にも通じる教科横断型の活動例を紹介しました。この他にも、学級単位の活動や全体での行事などによって、自律的学習としてのアクティブラーニングが実践されていることが分かります。また、生徒が主体となる授業といっても生徒に任せきりではないのが武南中の特長。学年を追って発展的な学びを徐々に積み重ねていくので、中高6年間で“今の時代”に必要な力がはぐくまれます。これからは中学から探究の時間を導入することで、武南生がさらにどのような成長を見せるのか楽しみです。
日時 | イベント |
---|---|
2019年9月22日(日) 10:00~12:00 |
第2回 学校説明会&体験会 要予約 ※英語と理科の授業が体験できます。 |
2019年10月5日(土) 10:00~12:00 |
第2回 授業公開&説明会 予約不要 ※授業見学ができます。 |
2019年10月27日(日) 10:00~12:00 |
第2回 学校説明会 要予約 |
2019年11月1日(金) 18:30~20:00 |
第1回 イブニング説明会 予約不要 |
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