ドルトン1期生が中学3年間で得た“自ら学ぶ楽しさ”
inter-edu’s eye
2022年度から新たに高等部がスタートしたドルトン東京学園中等部・高等部(以下、ドルトン)。ドルトンが提唱する学習者中心の教育メソッド「ドルトンプラン」を中学3年間実践してきた生徒は、どのような成長を遂げたのでしょうか。高等部1年に進学した1期生の生徒とその様子を見守ってきた先生にお話をうかがいました。
“ドルトンの生徒になれて良かった!”と振り返る中学3年間
2019年度に1期生としてドルトン東京学園に入学し、今年高1生となった2名の生徒に、中学3年間の学校生活について語っていただきました。
ドルトンの学校生活の中で自分が“変わった”と思うことを教えてください。
S.Oさん個性の豊かな友達に囲まれて過ごしていくうちに、お互いの個性を認め合うことができるようになったと思います。自分の知らない分野に長けている友達に刺激を受けて、好きなものがたくさん増えました!
V.Cくん1期生はすべて自分たちで学校の仕組みを作っていくという使命があったので、受け身でいることがなくなったと思います。学習面では中間や期末テストがない分、勉強方法を自分から先生に聞きに行ったり、自分で学習計画を立てたりと、自主的に行動する力が身に付きました。
中学で自分の成長につながったと思う行事やイベントはありますか。
S.Oさん中学3年のときのアートフェスで会場班のリーダーを担当したのですが、当日の動線や収容人数、前日の会場準備や後片付けの仕方を一から考えたり、リーダーとして班をまとめる経験をしたことで、自分の主体性と行動力を磨けたと思います。また、学校の代表として参加した「FOCUS第4回全国高校生SRサミット」では、他校の高校生に混ざりながらSDGsについて考えるプロジェクトに参加しました。それがきっかけで、校内の他学年にSDGsの授業を行うなど、自分から発信する力を養えたと感じます。
V.Cくん僕は中学3年のときに理化学研究会に所属し、国際共同研究プロジェクト「Tsunagu Research Project(つなぐ・リサーチ・プロジェクト)」に参加しました。国境を越えて中高生が集まり、ウェブミーティングやウェブサイト上で情報を共有しながら研究を進めるのですが、すべて英語で行われるプレゼンテーションやディスカッションにとても刺激を受けましたね。
興味のあることにとことん打ち込み学習意欲を高める
中学3年間の修了研究・修了制作を発表するDalton Expo
優秀賞を獲得したDalton Expoでの研究内容について教えてください。
V.Cくん「土食文化」についての研究成果を発表しました。土を食べる文化を現代に復活させ、SDGsにつなげられないかと考えたのが研究を始めたきっかけです。研究では加工実験や成分解析、滅菌実験を行い、安全性を証明したうえで、「土クッキー」を考案しました。土クッキーは自分で摂取したり、学内で先生や友人に試食をしてもらい、試行錯誤しておいしいクッキーを作り上げることができました。ここまでの研究をDalton Expoで発表したのですが、今はさらに、貧血改善のサプリメントに作り替えられないか研究中です。
研究に役立った学校の設備はありますか。
V.Cくんドルトンには最新のおもしろい設備がたくさん備わっています。今回の研究では滅菌器具やクリーンベンチなどを利用しました。設備が充実しているので研究に没頭できましたね。
中学3年生で経験した約3か月のアメリカ・サンディエゴ留学
アメリカ留学前にどのような準備をしましたか。
S.Oさんラボの時間を利用して現地の気候や食文化などについて詳しく学びました。また、学習面では、帰国後に英検2級合格を目標にしていたので、単語をしっかり頭に入れていくようにしました。
現地ではどのように過ごしていましたか。
S.Oさん留学中はホームステイをしながら現地の学校に通っていました。基本的に一緒に留学に行った生徒は別々の学校に配属されるので日本語で話す機会が少なく、英語漬けの日々を過ごせましたよ。授業内容で印象に残っているのは、第二次世界大戦の原爆についてのディスカッションです。他国の生徒たちと英語で戦争というテーマを真剣にディスカッションをできたのは、良い経験になりました。
この留学経験を今後どのように活かしたいですか。
S.Oさん次回の留学に活かしたいです。高等部では、1年間の留学が可能で、現地で取得した単位が帰国後に反映されます。私もこの留学制度を使ってまた留学に行くつもりです。
生徒が“自ら学ぶこと”を重視するのがドルトンの教育
高等部1年の学年主任を務める石井信博先生とカリキュラム編成に携わる教務部長の風間健志先生に、ドルトンで過ごす生徒たちの様子や高等部のカリキュラムについてお話をうかがいました。
この3年間で生徒はどのように成長をしたと感じますか。
石井先生ドルトンでは自己管理をきっちりしながら、主体的に学習を自ら進めることが求められます。自分から考え、行動することが重要ですが、なかなかそこに行きつけずに苦しんだ生徒も多かったと思います。しかし、生徒は「このままではいけない」と立ち上がり、自然と学ぶことを始めたのです。学習にのめり込んでいく生徒が現れると、周りも巻き込まれます。今では「英語の文法をもっと重点的にやりたい」「理科の講義の時間を増やしてほしい」など、教員に自ら進言してくれるようになりました。
高等部のカリキュラムはどのように編成されているのでしょうか。
風間先生ドルトンでは卒業に必要な取得単位数を74単位としていますが、必履修科目以外は、選択科目として自由に選ぶことができます。これは全取得単位数の半分以上に相当しており、大きな特徴といえます。文系・理系を区別せず、自分の進路に合わせた科目を生徒が選択できるのです。中学での自由さを高等部でも引き続き活かしていきます。生徒の望む進路に寄り添い、自由度の高い学習を展開したいと考えています。
受験生の保護者へメッセージをお願いします。
石井先生ドルトンで過ごせば、どんな子もチャレンジをすることが好きな子に育ちます。子どもが自身で成長するのをじっくりと待つ忍耐力は必要不可欠ですが、子どもの主体性をしっかりと養える学校ですよ!
風間先生勉強を好きになる仕掛けがドルトンにはたくさんあります。深く広い学びが得られるドルトンでは、お子さまの個性や才能をじっくりと伸ばせますよ。
編集後記
生徒の自主性を重んじるドルトン東京学園では、生徒が学習者であることを自覚し、学ぶことの楽しさを心から感じられる環境を大切にしているのだと改めて感じました。中学3年間で得た自由な学びを高等部でより広げられるカリキュラムなので、ますます生徒たちの探究心が磨かれていくのだろうと思います。これから展開される高等部の自由で深い学びにも注目していきたいです。
イベント日程
イベント名 | 日時 |
---|---|
体験授業 | 2022年7月9日(土) 9:30~/13:30~ |
帰国生説明会 | 2022年7月23日(土) 9:30~ |
体験授業 | 2022年7月23日(土) 13:30~ |
学校説明会 | 2022年9月10日(土) |
学校説明会 | 2022年9月24日(土) |
連載コンテンツ
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2021年8月24日
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