東京都立 富士高等学校附属中学校
基本情報
学校紹介
前身の東京府立第五高等女学校は大正9年に創立。戦後昭和25年に共学化。平成22年に都立富士高校を設置母体として都立中高一貫6年制学校として開校(設置形態は併設型)。
住所
東京都中野区弥生町5-21-1
電話番号
03-3382-0601
過去の入試データ
募集人員
年度 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 |
---|---|---|---|---|
男 | 60 | 60 | 60 | 80 |
女 | 60 | 60 | 60 | 80 |
計 | 120 | 120 | 120 | 160 |
応募者数
年度 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 |
---|---|---|---|---|
男 | 270 | 261 | 310 | 239 |
女 | 333 | 311 | 318 | 280 |
計 | 603 | 572 | 628 | 519 |
受検者数
年度 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 |
---|---|---|---|---|
男 | 267 | 251 | 302 | 228 |
女 | 324 | 301 | 310 | 270 |
計 | 591 | 552 | 612 | 498 |
合格者数
年度 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 |
---|---|---|---|---|
男 | 60 | 60 | 60 | 80 |
女 | 60 | 60 | 60 | 80 |
計 | 120 | 120 | 120 | 160 |
実質倍率
年度 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 |
---|---|---|---|---|
男 | 4.45 | 4.18 | 5.03 | 2.85 |
女 | 5.4 | 5.02 | 5.17 | 3.38 |
計 | 4.93 | 4.6 | 5.1 | 3.11 |
適性検査分析
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2021年度 適性検査分析
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適性検査Ⅰ
【出典】
文章1:河合隼雄「『出会い』の不思議」による
文章2:村田沙耶香「となりの脳世界」による【出題形式】
例年の出題から大きな変更はありません。文章1と文章2を読み、それについての読解問題が2題、作文問題が1題という構成です。作文の文字数も400字以上440字以内という例年通りの指定でした。
問題1は、いわゆる「文章横断型」の問題です。傍線が引かれている文章2において「個性」がどのような意味合いで用いられているかをまずは整理し、そのうえで文章1から適切な箇所を探すという基本動作ができていれば、決して難しい問題ではなかったはずです。正答としては「自分らしい音」「生徒によって違う音」など複数考えられます。読解問題で正答が複数考えられるという出題の方針も例年通りと言えるでしょう。
問題2も文章横断型の問いです。ただし「文章1の表現も用いること」という指示に注意しましょう。「も」ですから、文章1と文章2どちらの表現も使いつつ、解答を作成する必要があるということです。思考方法は問題1と同じで、まずは傍線が引かれている文章2から情報を整理し、解答の大枠を作成します。すると「もっと鳴らそうと欲張ったから」「もっと鳴らそうと力が入ったから」というような内容になるとわかります。それと同じ内容を文章1から読み取ります。最終段落に「『好む』は積極的だが、下手をすると気負いすぎになる。」とあります。もっと鳴らそうと力を入れすぎたことは、文章1における「気負いすぎ」に当てはまるとわかるでしょう。
読解問題は2題とも基本的なレベルの出題でしたので、どちらも正解したいところです。
問題3は文章内容をふまえて作文を書く問題です。
ここ2年の作文問題では、「ひかるさん」という人物と友だちのやりとりを読んだ上で作文を書くという出題でしたが、2021年度はそうしたやりとりはなく、2018年度までと同様の形式での出題となりました。各段落に書くべき内容が細かく指示されていますので、それに従って作文を構成します。
まず、第一段落です。文章2の「お稽古」の場面では、文章1における「知る」「好む」「楽しむ」のどの段階まで表されているかを示す必要があります。問題2がヒントとなります。問題2から、「お稽古」の場面では、もっと鳴らそうと気負いすぎたために「変な音」が出たと考えられます。文章1からは「好む」段階では「気負いすぎ」になるということが読み取れますから、この段階まで表されていると考えるのが自然でしょう。自分の意見は第一段落に書き、上述の「根拠」は第二段落に書きます。
難しかったのは、第三段落ではないでしょうか。第一段落で示したものとは違う段階だと考える人にも、わかってもらえるように説明する必要があります。なおかつ、自分とは意見が違う人たちがどのように考えたのかも想像しなければなりません。難易度も高いうえ、文字数もこの段落に最も多く割く必要があるでしょう。たとえば「知る」の段階でとどまっていると考える人は、どのように考えてそう判断するのでしょうか。「知る」の段階は「主体的」「積極的」ではない受け身の段階のことです。文章2の「お稽古」の場面では、「とにかく素直に、素直に」「身体の全部を先生の言葉に任せるような感覚で」などとあるので、そうしたところから受け身な姿勢であると読み取ることもできます。「たしかに〇〇という部分から、『知る』の段階だと読み取ることもできるかもしれない。しかし△△」というような形で書くと書きやすかったのではないでしょうか。あるいは、「楽しむ」の段階だと考えている人は、どのように考えたのでしょうか。「楽しむ」段階とは、「客体の中に入ってあるいはそれを一体化して安住する」「安らぎ」がある段階だと書かれています。文章2では、たしかに気負いすぎてしまったところはありますが、その手前で一度「とても素直な音」を出すことに成功しています。そのときの音の感覚が、お稽古の後にも「今も身体に残っている」と述べられていますから、「客体」と「一体化」したと読み取ることもできるでしょう。そうした部分を根拠にとれば、「楽しむ」という段階まで表れていると考える人もいるかもしれません。
さて、ここまで読み解いてみると、どの段階を選ぶにしても、ある程度根拠を持って書くことができるかと思います。したがって、第一段落では三つのうちどの段階を選んでもよく、それについて予想される反論を第三段落で述べ、さらにそれについての反論を展開できていれば点数がもらえる作文問題だったのではないでしょうか。
適性検査Ⅱも含め「客観的に採点が可能で、かつ答えが一通りにはしぼられない」という出題の傾向が2021年度も色濃く残ったと言えるのではないでしょうか。適性検査Ⅱ
【大問1】
大問1は、倍数・約数の決まりを使い、整数の成り立ちについて考えさせる問題でした。
問題1は、規則的に並んでいる整数の和を工夫して求める問題でした。九九の表の中から、ある決まった和になる範囲を見つける問題です。6つの数をそれぞれA~Fの記号に変え、その記号を使って解法を説明しなければなりません。ただ答えを求めるだけでなく、その求める過程を分かりやすく説明することが大切です。適性検査の問題を解きなれている生徒にとっては、それほど難しい作業ではないと言えるでしょう。
問題2は、かけ算の式に必要な数を、サイコロの面に当てはめる問題でした。九九の表の中にある数を、かけ算の式で表し、さらにそれらをサイコロの面に書く問題です。1~7までの数を式に必要なだけ取り出せるように、6つのサイコロに分けて書かなければなりません。また、その数を書くときの向きも正しくする必要があります。立方体についてたくさん練習してきたかが問われたと言えるでしょう。【大問2】
大問2は、木材(林業)をテーマにした問題でした。林業に関するさまざまな資料から、林業が抱えている問題点と解決策について、自分なりの考察を加えていく問題でした。会話や資料から読み取ったことに基づき、自らの考えをわかりやすく伝える能力が試されました。2021年度は、例年と異なり小問が3題から2題になっていました。そのため、大問2にかける時間も例年より短くなったと思われます。
問題1は、資料を読み取り、記述する力をみる問題です。与えられた資料(図2)から、今後持続的に木材を利用する上での課題を読み取り記述する問題でした。ただし、「会話文や図1の人工林の林齢と成長に着目し」との条件がついていましたので、読み取る方向性は1つにしぼられます。
問題2は、複数の資料の関連性を考え記述する力をみる問題でした。与えられた3つの資料から2つを選び、それぞれの資料がどのような立場の(人々)の取り組みで、その2つの取り組みが「間ばつ材利用の促進」にどのように関連しているかを説明する問題でした。2つの資料の選び方によって、解答の作成のしやすさが分かれる問題でした。【大問3】
大問3は、磁石の性質を題材にした問題です。実験を通じて、さまざまな条件下での結果を考察する問題でした。問題1は、磁石の性質を利用し、磁石のついた鉛筆を鉄板の上に置いてある磁石の上で浮くかを例の図から考察する問題でした。
問題2は、すでに行った実験とおもりをつり下げることができる最大の重さと、1辺3㎝以下の正方形ではシートの面積に比例することから、つり下げられる重さとおもりの個数を考察する問題でした。2021年度は問題3がなくなり小問が1題減りました。適性検査Ⅲ
富士高附属中の独自作成問題です。2021年度から45分型に変更となりましたが、2020年度と同様に適性検査Ⅲは大問2題、小問6題の構成でした。出題も算数のみで変更はありませんでした。しかし、2020年度は小問6題中5題が数量に関する問題、1題が図形に関する問題という構成であったのに対し、2021年度は2019年度と同様に数量3題、図形3題の構成となりました。また、解き方の説明を記述させる問題が2020度は1題出題されましたが、2021年度は出題されませんでした。
【大問1】
大問1は数式に関する問題でした。問題1は、和と差の条件にしたがって25個の玉を3つの組に振り分ける問題です。条件もわかりやすく、いくつも解答が考えられるため必ず正解したい問題です。
問題2と問題3は、暗号のルールを把握し、逆算していく問題です。問題2では、最初に12を3つの整数の積で分解してから、文字を考えることで作業がスムーズになります。問題3は暗号のルールと周期算を組み合わせて考える必要がある問題でした。【大問2】
大問2は図形の回転をテーマとする問題でした。問題1は時計回りに60°、反時計回りに90°を何回かずつ、合計8回以内に回転させたときの差を120°または480°となるように、それぞれの回数を決める問題です。過去に富士高附属中で類題の出題もあり、これは得点したい問題でした。
問題2と問題3は立体を回転させる問題です。どちらも回転のルールを把握し、試行錯誤をしていけば正解にたどり着く問題です。
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2020年度 適性検査分析
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適性検査Ⅰ
【出典】
文章1:三浦しをん「愛なき世界」による
文章2:日高敏隆「世界を、こんなふうに見てごらん」による【出題形式】
例年通り、二つの文章が与えられたうえで問題1、問題2の読解問題と問題3の作文問題を解く形式です。都立中の出題としては珍しく、文章1が物語文の引用です。これに驚いた受検生も多かったかと思われますが、論説文、随筆文と同様に文章を通じて伝えたいことが明快に書かれているものでした。
問題1は物語の中で「藤丸」「藤丸さん」と同一人物に対して呼び方が書き分けられている理由を問うものでした。文章を通じて登場人物を客観的に「本村」「藤丸」と書いていますが、傍線㋑は「それにしても、藤丸さんはすごい。と本村は思った」という表現から「本村」の内面の声が書かれていることがわかっていれば難しくない問いでした。落ち着いて、確実に得点したい問題です。
問題2は昨年度の出題と同様、文章横断型の読解問題でした。つまり、文章2中の傍線㋒「いろんないきものの生き方をたくさん勉強するといいと思う」について、筆者がそう思う理由が問われていますが、その際に文章1の表現を用いるように指示があります。気を付けたいのは、「筆者がそう思うのは」といった場合の「筆者」とはあくまでも文章2の筆者であるということです。ですから、一度文章2において答えを考えたうえで、同じ内容を文章1から探すというステップをふまなくてはなりません。その発想があると、文章2の傍線㋒の直後「そうすることで、不思議に広く深く、静かなものの見方ができる」を言い換えた内容を文章1から探せばよいのだとわかります。
問題3は作文問題です。昨年度は「ひかるさん」と「友だち」のやりとりを読んだあとに「ひかるさん」になりきって作文を書くというスタイルでした。今回も同様に「ひかるさん」と「かおるさん」のやりとりがあります。ただ、そのやりとりを読んだうえで「あなたの考え」が求められているところは昨年度と異なるところであり、いわば「オーソドックスな作文問題」だったと言えるでしょう。例年の共同作成問題と同様に、段落ごとにどういった内容を書くべきかの指定があります。その指示に確実に従い、かつ文章内容をふまえつつ第二段落、第三段落で自分の意見を展開するという問題です。適性検査Ⅱ
【大問1】
大問1は割り算の余りに注意しながら、約束・ルールに従って作業する問題です。
問題1は縦50cm横40cmの画用紙6枚を、縦2m横1.4mのパネルに規則的に貼るときの、はしと画用紙、画用紙と画用紙の間の長さを答える問題です。
問題2は横向きの画用紙38枚と縦向きの画用紙21枚をパネルの両面に約束通りに貼ったときに必要なパネルの枚数を答える問題です。
問題3は正八面体の辺上をさいころの目と〔ルール〕に従って進み、ゲームが終わったときの点数を答えさせたり、ある得点になったときの目の出方を答えさせたりする問題です。
特別な解法や知識は必要ありませんが、問題をよく読み、決まりに従えるかがポイントになります。【大問2】
大問2は、乗合バスに関する資料から、自分の考えを書く問題でした。解答はひとつに限られず、自分の考えが論理的に説明できているかが問われました。
問題1は、乗合バスの合計台数の移り変わりや乗合バスが1年間に実際に走行したきょりの移り変わりを、乗合バスに関する主な出来事と関連付けて自分の考えを書く問題でした。
問題2は、ノンステップバスの設計の工夫にはどのような役割が期待されているのか、自分の考えを書く問題でした。
問題3は、「バス優先」の車線や「公共車両優先システム」の課題について、資料をもとに自分の考えを書く問題でした。【大問3】
大問3は、車の模型を動かす実験を通じて、さまざまな条件下での結果を考察する問題でした。会話文をよく読み論理的に考察する力が問われました。
問題1は、プロペラとモーターとかん電池を組み合わせた車の模型の重さについて、プロペラを回す前後の重さをそれぞれ計算する問題でした。
問題2は、モーターの重さやプロペラの長さの組み合わせによって、車の模型の速さがどのように変化するかを実験結果から考察する問題でした。
問題3は、ほを立てた車に角度を変えて風を当て、車の動きに関して考察する問題でした。適性検査Ⅲ
独自作成問題です。昨年度と同様に、適性検査Ⅲは大問2題、小問6題の構成でした。
出題された内容がいずれも算数の内容であることは例年どおりですが、図形に関する問題が最後の1題のみであり、残り5題は数量に関する問題でした。また、解き方の説明を記述させる問題が昨年度はありませんでしたが、今年度は1題出題されたことも変更点です。検査時間は30分で変わりませんでした。
大問1は数式に関する問題でした。問題1は答えが循環小数になるような割り算の式を見つける問題で、試行すれば容易に見つかるので必ず正解したい問題です。問題2と問題3は指定された式が書かれているカードを数種類用いて、条件にしたがって式を成立させる問題です。問題2では割り算のみの式、問題3では和や最大公約数を組み合わせて解く問題でした。いずれの問題も丁寧に例示がされているので、数字を当てはめていけば見つかりますが、問題3は2通りの組み合わせを考えなければならないため、時間との勝負になりました。
大問2は歯車や動力を題材にした問題でした。問題1で歯数と回転数が反比例の関係であることを用いて解く問題でした。受検生なら一度は必ず見たことがある問題ですし、使われている数値も平易なため、こちらも必ず正解したい問題です。なお、この問題では計算した理由の説明を記述することが求められていますが、受検生にとっては書きやすいものであったと言えます。問題2は一見条件が複雑ですが、会話文を正確に読み取ることができれば解きやすいものでした。問題3はロボットを題材にした、富士中で頻出のサイコロを使った問題です。回転して向きを変えるだけではなく、正面から見たときの数字の和を15にすることも指定されているため、試行錯誤しながら根気強く作業していく力が必要です。
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2019年度 適性検査分析
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適性検査Ⅰ
出典:
文章1 かこさとし[談] 林公代[聞き手]「科学の本のつくりかた」 による
文章2 かこさとし「地球」解説 による出題形式:例年通り2つの文章を読む問題形式です。問題1・2が読解問題、問題3が文章をふまえて400字以上~440字以内の作文問題です。
問題1は本を読んで「面白さ」に触れると子どもはどうなるかを問う問題です。文章1に傍線が引かれますが、該当箇所を文章2から探しぬき出すという「文章を横断する問題」であることに注意する必要がありますが、解答の箇所は比較的容易に見つけられる問題です。
問題2は「かこさんはどのような態度で本を書いているのか」を答える問題です。こちらも文章を横断して該当箇所を探し、ぬき出す問題でした。どのような内容を探すべきか、文章2の内容からある程度考えた上で文章1を読み返すという手順を踏めば難しくない問題です。
昨年度同様、読解問題は比較的平易なものでした。
作文は、文章1と文章2を読んだあとの「ひかるさん」と「友だち」のやりとりを読み、ひかるさんがその後示したと思われる考えを書くという形式でした。この形式に驚いた受検生も多かったかと思われます。ただ、結局のところ文章1と文章2の内容をふまえると書くべき内容がほとんど一通りに決まるタイプの作文でした。したがって形式は変わったものの、内容的には昨年度同様だと言えるでしょう。とにかく文章の流れに合わせて作文を書く練習をしてきた受検生にとっては取り組みやすいものだったはずです。適性検査Ⅱ
大問1は、会話文中のさまざまな条件を読み取り、作業する問題でした。
問題1は、1枚の紙を折ってしおりを作成する際、紙を折る前後で各ページの位置と各ページに書かれる文字の種類と向きを問う問題でした。
問題2は8×8のマス目に模様を書いた際、模様の表現の仕方についての約束を読み取り、条件に当てはめる問題でした。
問題3は、立方体にかかれたマス目の上を、すごろくのようにおもちゃを動かす手順を考える問題でした。各小問の難易度は高くありませんが、それぞれの小問の問題文が長く、条件を速く正確に読み取った上で、丁寧に作業する処理能力を問われた問題でした。
大問2の問題1は日本人の出国者数と、日本への外国人の入国者数の移り変わりを表すグラフからわかることを考察する問題でした。
問題2は外国人旅行者が増えている地域の具体的な取り組みを資料から考察する問題です。
問題3は案内図記号の役割を考察する問題で、昨年度と比べて解きやすい問題が多く易化しました。
大問3は「紙の性質」についての問題でした。
問題1が「和紙とその他の紙の吸った水の重さを比較」をする問題で、昨年度と同様に単量当たりの数字を求めて比較します。
問題2は「紙のせんいの向き」を実験結果から推察する問題です。実験結果をどのように判断すれば良いか会話文で説明されていました。
問題3は「のりを作成する最適な水の重さ」について考察する問題です。すでに行った実験の結果から、次に行う実験の結果の仮定を考えて、目的とする水の重さを考察します。いずれも実験結果を読み取る力を必要とする問題でした。適性検査Ⅲ
昨年度と同様に、適性検査Ⅲは大問が2つでそれぞれ3つの小問をもつ構成でした。出題された内容が、数量と図形に関する算数的な内容であったこと、検査時間が30分であったことも例年通りです。
大問1はジャガイモの重さを題材にした、数量に関する問題でした。
問題1は、指定された条件に従って計算をして平均を求める問題でした。計算自体も平易なもので必ず得点したい問題です。問題2と問題3は、それぞれの小問の条件に従って数字を並びかえる問題でした。問題2では2つの数を比較することで数字を小さい順に並べ、問題3では複数の数を比べて数字を小さい順に並べるものでした。2問とも例が丁寧に示されているので、それらの例を参考にすればそれほど難しい問題ではありませんが、作業量も多く素早く正確に処理する力が求められました。
大問2は正六角形、正多角柱を題材とした図形の問題でした。
問題1は与えられた図形の個数を正確に求める問題でした。こちらも必ず得点したい問題です。問題2は、二つの立体の側面の数字を求める問題でした。題意に合わせて数字を決定し、展開図に反映させるもので、正解しやすい問題といえます。問題3は条件や指定に沿って正六角形の側面の数字を当てはめていき、さらに組み立てたときに見える数字も求める問題です。こちらも試行錯誤しながら根気強く作業していく力が必要です。
総合的にみると今年の適性検査Ⅲは、考え方を説明する問題が一題も出題されなかったかわりに、一問一問の作業量が昨年度よりぐっと増えた印象です。
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2018年度 適性検査分析
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適性検査Ⅰ
出典:
文章1 串田孫一「考えることについて」による
文章2 出口治明「人生を面白くする 本物の教養」による出題形式:例年通り、2つの文章を読む問題形式です。問題3までありますが、問題1が(1)・(2)とあるので、文章読解の問題が計3問、最後の1問が作文問題です。
内容:文章1・文章2ともに、「ものの考え方」について書かれています。
問題1の(1)は「知ること」の出発点にある気持ち、(2)は、「知ることができた」ときの気持ちを答えるものでした。どちらも解答となる箇所(かしょ)は見つけやすいものでした。問題2は、理由説明問題ですので、因果関係を読み取るだけです。必ず正解したいところです。問題3は、例年と同様の400字以上440字以内の作文で、テーマも「これから学校生活や日常生活の中で、何を大事にし、どのように行動していくか」という頻出のものでしたので、取り組みやすかったことでしょう。適性検査Ⅱ
大問1はさいころを扱った問題でした。受検生にとってはなじみ深い題材です。
問題1は展開図を書く問題で、実際にさいころの面のスケッチを描くものです。問題2はさいころの目を使って式を立てる問題でしたが、ルールに従うことができれば答えることは簡単です。問題3は鏡に映したさいころについて考える問題です。6の目以外が4個ずつ映ることに気が付けば正解にたどり着ける問題です。
大問2は「日本のくらしと変化」をテーマにした問題で、昨年同様、小問は3問でした。
問題1は距離の違いによる高さの見え方の変化について考察する問題、問題2は東海道新幹線の路線の沿線の都市と人口、または工業地帯の関係性について考察する問題、問題3は割合の計算を行い、その計算結果をグラフに表し、その結果の数値を資料と関連させて考察する問題でした。昨年と同様に基本的な問題ですので、資料を読み取って考察する力と割合計算のスピードと正確性が重要なカギとなりました。
大問3は「花粉や黄砂の測定結果」について考察する問題です。
問題1が「花粉を顕微鏡で観察し、花粉の数を求める」問題で、単位量当たりの計算を必要とします。問題2は黄砂を観測する装置の仕組みの説明から、計測結果を考察する問題です。初めて知る観測装置なので、会話文や図を読み仕組みを理解する力が必要です。問題3は「日本で黄砂が観測される原因と気象状況の関連」について考察し記述する問題です。身近な話題ですが、問題文や資料から観測の方法や分析の仕方を読み取る力が必要な問題でした。適性検査Ⅲ
適性検査Ⅲの配点が300点に変更されたので注目を集めましたが、今年度も過年度同様に、大問2つがそれぞれ3つの小問をもつ構成でした。出題された内容がすべて算数的なものであったことも例年通りです。
大問1は「針」で時間を表すアナログ時計を題材にした問題でした。
問題1は12:20をさす時計の長針と短針が作る角度を求めるもので、必ず得点したい問題です。問題2と3ではオリジナルの時計について規則を見つけて解く問題でした。問題2で設問の指示に従って丁寧に数字を書いていけば、文字盤に書かれている2つの数字の公倍数が関連しているという規則に気付くはずです。それを活かして問題3に取りかかりましょう。最小公倍数が60になるような3つの整数を見つければよいので、難度はそこまで高くありません。
大問2は富士中で頻出の立方体を題材にした問題でした。
問題1は4個の立方体を組み合わせた8種類の立体の中から、指示に従って適切なものを選ぶ問題でした。条件を満たすすべての立体を選ばなければなりませんので、一つひとつ丁寧な検証が必要とされたことで時間を使いすぎてしまった生徒もいたかもしれません。問題2はこの立体を使って大きい立方体を作ることが可能かどうかを確かめる問題で、2種類と限定されている分、正解しやすいといえます。問題3では組み合わせた立体の表面積が最大になるときと最小になる時を求める問題でした。どの立方体を外すと、表面積がどれだけ増える(あるいは変わらない)のかを確認しながら進めていけば、正解までたどり着きます。
総合的にみると昨年に比べて計算量は増えましたが、手を動かすことで解ける問題が多い印象です。
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2017年度 適性検査分析
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適性検査Ⅰ
出典:
文章1 木皿泉「木皿食堂2 6粒と半分のお米」による
文章2 武田双雲「伝わる技術」による出題形式:例年と同じく2つの文章を読む問題形式です。問題3まであり、文章読解の問題が2問、最後の1問が作文問題です。
内容:問題3の問題文にも書かれているように、文章1・文章2ともに、「自由」についての考え方について書かれています。問題1、2は、どちらも「具体例を一つ、本文中から探して書きなさい」というものでした。2題とも具体例を探すという問題になったのは、これが初めてです。どちらも解答となる箇所(かしょ)は見つけやすく、とくに問題2は、「何のためにそうするのかがはっきり分かるように」という指示まで出されていますので、必ず正解したいところです。問題3は例年と同様の400字以上440字以内の作文で、テーマも特別なものではないので、取り組みやすかったことでしょう。
適性検査Ⅱ
大問3つの構成でした。大問1は「図形」がテーマで、立体の見方・対称性・規則性を見つける問題です。簡単な例を具体的に書き出して、作業をする中で解答を導き出していけるとよいでしょう。特に問題1は必ず得点したいところですが、同じ大きさの正三角形を答えるというようなミスは禁物です。問題2は、Aグループの枚数が(3の倍数+1)、Bグループが(3の倍数)になっていることに注目し、その差の1は3本の対角線の交点がある「き」の三角形であることに気が付ければスピーディーに解答にたどりつけます。問題3は問題文の誘導に従って規則性を検証する問題です。
大問2は「野菜の栽培と流通」をテーマにした問題でした。昨年同様、小問は3題でしたが、「資料を分析・考察し、記述する問題」と「割合を計算する問題」が出題され、一昨年と似た傾向でした。資料を読み取って考察する力と割合計算のスピードと正確性が勝負の鍵でした。
大問3は「時間を計ることを題材にした理科実験」を考察する問題です。問題1が「太陽、ふり子、ろうそく」のいずれかの法則から時間が計れる理由を記述する問題で、教科書範囲の知識が必要とされました。問題2は実験結果を考察し、比例の関係を導く問題でした。問題3は対照実験について考察する問題でした。いずれも、決して目新しいものではなく、あわてずに考えれば正解にたどり着ける問題です。適性検査Ⅲ
大問2つがそれぞれ3つの小問を持つスタイルは今年も維持されています。それらの内容がすべて算数的なものであることも例年通りです。
大問1のテーマはあみだくじです。横の線をたすことで行き先が変化していく仕組みを探っていきます。問題のテーマは問題1から問題3まで一貫しており、だんだん発展していくオーソドックスなスタイルですが、適性検査の場合は小問単位でテーマが変わっていくことが多いので、むしろ珍しいといえます。大問2のテーマはサイコロ(立方体)の性質と展開図です。問題1では通常のサイコロと同様に対面の和が一定になるように、3・11・6・8・13ともうひとつの整数を配置します。解答がひとつではないことは示されていますが、2つだとは明示されていないので、そのあたりで時間をロスした人もいたかもしれません。続く問題2、問題3も立方体のサイコロの性質についての問題として特に珍しくも難しくもないものです。しかし、題意を明確にするための詳しい説明を読むのに時間を取られすぎて慌てることになった人もいるかもしれません。
総合的にみると昨年より計算量が大幅に減ったので易しくなった印象です。
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2016年度 適性検査分析
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適性検査Ⅰ
出典:
文章1 菊田まりこ「本は心の友だち」による
文章2 茂木健一郎「ある時脳ははばたく」による
出題形式:例年と同じく2つの文章を読む問題形式です。問題3まであり、文章読解の問題が2問、最後の1問が作文問題です。
内容:文章A・文章Bともに、読書をすることのメリットが書かれています。どちらも読書をするべきだという立場で書かれているので、問題3の作文テーマ「読書が与えてくれるもの」につながる文章でした。内容としては、どちらも平易な文章でした。問題1、2は読解問題です。問題1は、解答の仕方に指定が多くあるので、書きやすいはずです。問題2も筆者の考えを読み取る問題なので、正解したいところです。問題3は例年と同様の400字以上440字以内の作文で、テーマも頻出のものなので、取り組みやすかったことでしょう。適性検査Ⅱ
大問3つの構成でした。大問1は「渋滞」を題材にした作業中心の問題で、ルールと条件に従い作業を行えば平易に解答を導き出すことができました。必ず得点しなければならない問題です。
大問2は「資料の読み取り」の問題でした。小問は3つあり、そのうちの1つが「歴史」をテーマとした問題だったため、驚いた受検生も多かったのではないでしょうか。今回の大問2では、3つの小問を通して「資料内容を正確に読み取る」「関連のある事柄を探す」「条件に沿って考える」という力が試されています。取り組む問題を選び、解きやすい問題を確実に得点することが高得点のカギとなりました。
大問3は「アゲハチョウの幼虫のからだのしくみと蛹化する環境についての実験」を考察するものです。資料から幼虫の体のしくみを考える問題が1問、実験結果から結論を導き説明する問題が2問の、小問3題で構成されています。適性検査Ⅲ
30分で大問2問 小問6という形式は変わっていませんが、昨年度よりも高い数値計算能力が求められています。また、今まであまり出題されなかった「立体図形」要素が盛り込まれています。
大問1は「数値計算を要求しない算数」であり、昨年の路線を踏襲していると言えます。
問題1は正方形を5つつないだ図形(テトリスのコマのようなもの)を3種組み合わせて3×5=15の長方形をつくるというもの。問題2はさらに正方形を一つ増やした図形のコマの外周を考える問題。問題3は立方体の展開図に関する問題で展開図上のどの面とどの面が向かいあうかを考える問題です。
大問2は「不定方程式」がテーマになっています。
問題1は集合論的要素を含んだ内容です。問題2・3が「不定方程式」の問題です。適性検査として過去に出題例も多いのですが、富士高附属中では初の出題です。すばやい数値計算能力が要求されています。
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2015年度 適性検査分析
適性検査Ⅰ
出典:
文章1 木下是雄「理科系の作文技術」より
文章2 養老孟司「メッセージのメッセージ」より
出題形式:小石川中・武蔵中・富士中・大泉中の共通問題は、公開されたサンプル問題(小石川中・武蔵中の過去問題)とほぼ同様の形式で、「メッセージ」について書くものでした。大きな形式上の変更はありませんが、総計の文字数は最大500字以下と、心もち少なくなっています。
内容:文章1・文章2に共通するのは「コミュニケーション」、「人間同士の伝達」です。問題1・問題2は部分要約の問題で、問いのキーワードから内容をしぼっていけますが、どの言葉を利用し、どこを削るか、つめて考える必要があります。問題3の課題「人が何かを伝えあうときには、どのようなことが重要か」というテーマはこれまでの都立中でもよく出題されてきたものです。適性検査Ⅱ
大問3つの構成でした。大問1は「うるう年」を題材にした計算中心の問題でした。うるう年の計算法がきちんと説明されていたので、受検生は得点しやすかったはずです。
大問2は会話文形式で、図が5つに表が1つ小問3つで5ページというボリュームのある問題構成でした。話題自体は東京オリンピックをテーマに展開しますが、各小問はそれぞれ人口推移と世代別割合、物価の変化、地図の読み方に関する問題でした。どの問題も資料を読み取れば得点できる問題でしたが、計算・解答では条件があり、それぞれの設問で細かい条件が多く提示されているので、条件を丁寧に確認して答える必要があります。
大問3は「発泡スチロールでできた立体を水中に沈め浮力により水面上へ打ち出す実験」について考察するものです。小問3題で構成されています。適性検査Ⅲ
大問は2つで、それぞれに小問が3題という構成でした。大問1はリーグ戦の星取表に関する問題でした。修練を積んだ受検生にとっては手慣れた問題ですが、複数解答がでる「ゆるい」条件をうまくさばけたかどうかがポイントです。大問1の小問3は、進行表の後半を作成するもので、審判にまわるチームと試合をするチームが重複しないように配慮する必要があります。試合の全組み合わせを書き出してしまうのが良いでしょう。
大問2は追加される条件がたいへん複雑なので問題2・3は正答率がかなり低いはずです。問題1のみ確実に解答できれば充分です。
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2014年度 適性検査分析
作文 適性検査Ⅰ
主な変更点は2点です。
【1】作文の前の小問が2題に増えました。
問1は10字以上20字以内。問2は30字以上40字以内。
(一昨年まで100字~120字、昨年は50字~80字の1問)作文の字数は450字以上500字以内で変わりません。
【2】読む文章が2つに増えました。出典はどちらも志村忠夫『文系?理系?―人生を豊かにするヒント―』
文章1では、見る場所によって見える本数が違う煙突(通称:お化け煙突)を話題にして、人間の思い込みや誤解について言及しています。自分の視座のみにとらわれず、物事を素直な気持ちで、他人の視座からも眺めてみることの大切さを説いた文章です。 文章2では、日本の単位とアメリカの単位(度量衡)の違いを例に挙げて、自分のものさしを物事や人物などの対象にあてて、判断、評価していることが多いと述べています。文章1と同様に、相手のものさしを知ることの重要さを説いた文章となっています。ここで言う「ものさし」とは「判断や評価の価値基準」とでも言うべきものです。
問題文の長さ・字数は、文章が2つになったこともあり約2倍(約3000字程度)に増えました。ただし上記の通り、2つの文章の言わんとする内容は同じです。内容も「視野を広げることの大切さ」についての典型的なテーマです。受検生が困るような類ではありません。適性検査Ⅱ
大問数は4で昨年と変わりませんが、特に数値計算を要求する問題が大幅に増加し、理数系が強調された内容になりました。小問数は8であり、この点も昨年と同じですが、各問の内容が重いため、45分の中でこれらを全部解答するのはかなり難しいでしょう。優秀な受検生がぎりぎり終えられるかどうかというところです。大問
1・2が算数系、大問3が理科系、大問4が社会科系です。大問3、4を優先して解いてしまうのがよいアプローチ方法といえます。 大問1の問題1は連比を利用した上で、条件に適合する自然数解をさがす問題です。それほど難しくはないのですが、1問目からそれなりに時間をとられるので、かなり焦りが出た受検生もいるかもしれません。正答率はかなり低くなっているでしょう。問題2は「場合の数」の出題です。これは平易なもので、ほとんどの生徒ができているのではないでしょうか。
大問2は今回最も厄介な問題です。一合升を組み立てる「木取り」の方法を考えさせます。
問題本文を丁寧に読んでいくと一意的に決まるのですが、ひとつでも条件を読み落とすと迷路から抜け出せなくなります。
大問3以降は全部クリアしたいところです。特に大問4の問題1は3問に分かれており、すぐに解答が導けますので最初に片付けてしまいたいところです。
難問以外を得点すると7割が得点可能ですが、実際にはミスが出ますからで60%で十分に合格ライン、50%でも作文次第で可能性十分と言えるでしょう。
富士中は作文の評価基準が甘め(昨年まで)という前提で考えると最低でも70%、できれば80%を確保したいところです。
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2013年度 適性検査分析
適性検査Ⅰ
今回の文章は茂木健一郎「それでも脳はたくらむ」から、「過去の経験をもとに未来を予想する能力」、現在とは違う時間にいるように想像する「タイム・トラベル」能力について語られています。設問は2問。
問題1は過去を知ることと未来を志向することの関連をまとめる、きわめてオーソドックスな「国語」の問題ですが、問題2は筆者の考えをふまえて「あなたは今後どのような生活を送りたいと考えますか。」という漠然としたものです。表記上のミスさえしなければかなりの高得点が狙えるでしょう。
問題2より問題1の方で点差が開くと思われます。適性検査Ⅱ
開校以来出題されていた歴史に関する問題が今回は出題されていません。
大問4問構成で順に、数学的分野、社会科学的分野+数学的分野、地学的分野、数学的分野となっており、全体に数学重視の印象が強くなっています。
問題2は立体図形の力だけが要求されている問題ではありません。ボーダー予測
全体的に、基礎学力重視、計算力重視の出題といえるでしょう。 一見易しく見えますが、今回のような出題では確実に解ける問題を選択する力が要求される上に、高得点勝負となる傾向があります。 確実に得点できるところを得点して、適性検査Ⅰでは70%、Ⅱでは60%を確保したいところです。
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2012年度 適性検査分析
適性検査Ⅰ
出題された文章は昨年同様1つでした。問題1が本文の要約問題で、100字以上120字以内で書く記述。問題2が本文の筆者の考えをふまえて、450字以上500字以内で書く作文でした。問題1は、問題文に「①②のグループに分けられる」とあり、これらについて比較していけばよいものでした。解答の形式も指定されているので取り組みやすかったと思われます。
問題2は「言葉」についての作文で、都立中の頻出テーマです。「あなた自身の経験を必ず入れて」という点も、多くの学校で出題される形式になっています。
富士高附属中の適性検査Ⅰでしっかりと得点するためには、問題1の「2つの事柄について比較する形式」について十分な対策をする必要があります。問題2の作文に関しても公立中高一貫校の適性検査問題の過去問を数多く練習し、そのパターンに慣れておくことが重要です。適性検査Ⅱ
昨年度より大問数が1題減り、2題構成となり一昨年の問題数に戻りましたが、小問数は8題と同じでした。また、大問ごとの出題分野も、大問1がスケジュールを作る問題、算数と理科の融合問題とある時代の文化についての問題、大問2は算数の場合の数と組み合わせの問題と、理系中心の問題となりました。難易度設定について非常に練りこんだ感があり、優秀な生徒が45分という時間でぎりぎり解き終わるように計算されています。
大問1は小問数が昨年より3問増えました。これは全体として大問が1題減少したためです。内容はやや易化し取りこぼすと大きな失点につながるようなものです。問題文に解き方のヒントがかくされているので、そこをあせらずしっかりと読み取ることが大切です。また、例年通り歴史の問題が一題出題されました。今年は、鎌倉時代の出来事について10字以下で見出しを考え、40字以上55字以下で内容を説明するという問題でした。特定の時代についての出題は定着してきましたので、今後も歴史の学習は不可欠です。大問2はカードの組み合わせに関する問題で、純粋に数学系の問題です。場合の数についての一定以上のスキルが必須となります。
全体的に見て、分量・難易度、さらには問題冊子のつくりにまで配慮の行き届いた問題でした。計算力・論理的思考力は相当高いレベルで要求されています。本格的な理数系の鍛錬が必要でしょう。