佼成学園女子中学高等学校

全校を挙げて取り組む「英検まつり」は、クラスや生徒個人ごとに目標を立てて行われます。例えば、中学卒業時に準2級、高校は留学コース生の帰国時に2級を取得するなど、具体的な目標の達成を目指すところが特長です。
毎回、英検受検日の2週間前から「英検まつり」がスタート。毎朝25分間、英単語と英熟語の暗記に挑戦する「英単チャレンジ」を実施し、放課後には級別に応じた「英検対策講座」を行います。「英検まつり」の期間中は、「英単語・英熟語シートの達成数」のようなクラス別進捗度グラフを掲示。一人ではなく、クラス全員でチャレンジするという意識を持つことが、モチベーションを高め、合格者数を飛躍的に伸ばす効果をもたらしています。

毎年、試行錯誤を重ねて「英検まつり」に取り組んだ結果、スタートしてから最初の3年間で、1年目は2級合格者が7人だったところから、翌2年目には16人、3年目には41人と急増！ 近年では、安定した合格者（2015年度は140人）を出しており、1級合格者もコンスタントに出るようになりました。
また、中3の英検3級以上取得率は、全国平均の36.6％と比較して、約2.3倍の84.4％にのぼります。高3の英検準2級以上取得率も、全国平均34.3％の約2倍である68.4％です。生徒たち一人ひとりの意識の高さと、クラス一丸となり積極的に学習する姿勢が、「英語の佼成」と呼ばれるのに相応しい結果を生み出したと言えるでしょう。

英検や英語力修得に向けた取り組みは、校外でも高く評価されています。昨年は、日本の英語教育の向上に多大な貢献をした団体に贈られる「日本英語検定協会賞（団体の部）」を受賞しました。英検を受検する約2万団体の中から、40団体が受賞しましたが、全国の高校からは3校が選ばれ、その中の1校となりました。

さらに、英検の受検率が高かった団体に贈られる「米国大使賞（団体の部）中高一貫校私立部門」で、全国7つの受賞校のうち、東京都唯一の受賞となり、初めてダブル受賞の快挙を成し遂げました。

「英検まつり」がもたらす効果は、英語力の向上だけではありません。早い段階から英語を得意科目にすることで、「やればできる」という成功体験が自信を生み、さらにほかの学習への意欲向上に結びつきます。
それは、1つの科目が得意になると、他の科目にも積極的に取り組む結果、総合的な成績アップにつながるという「学習の転移（transfer of learning）」効果と呼ばれます。佼成女子が「英検まつり」を教育の柱として大切にすることには、こうした意図もあったのです。