生徒と先生の厚い信頼関係が自由な校風をつくる

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八王子学園八王子中学・高等学校(以下、八王子学園)の教育理念は「人格を尊重しよう、平和を心につちかおう」です。この「人格を尊重しよう」という言葉のとおり、生徒一人ひとりの意見を大切にする校風が自主性を育んでいます。今回は、八王子学園の校風が垣間見える、高校生のリュックサック解禁や修学旅行の代替行事について紹介します。

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生徒の願いを叶えた“高校生のリュックサック解禁”

これまで手持ち鞄に限られていた高校生の通学鞄ですが、来年の2月から新しくリュックサックが加わります。生徒たちがどのように自分たちの意見を実現させたのか、生徒会総会の代表を務める高校2年生の新井香蓮さんにインタビューを行いました。

生徒たちが作り上げたリュックサックを持つ生徒会総会の代表・新井香蓮さん。「ポケットがたくさん付いていて、使いやすいのがポイントです」(新井さん)
生徒たちが作り上げたリュックサックを持つ生徒会総会の代表・新井香蓮さん。「ポケットがたくさん付いていて、使いやすいのがポイントです」(新井さん)

インターエデュ(以下、エデュ):リュックサック解禁が必要と感じた理由を教えてください。

新井さん:現在の手持ち鞄は小さいものと大きいものの2種類あるのですが、「ちょうどよいサイズ感の鞄がない」、「教科書の入った重い鞄を片方の肩に掛けると体のバランスが悪くなる」、「自転車通学のときに背負えないと不便」といった意見が多かったです。これらの意見から、通学に適した実用的な鞄としてリュックサック解禁を生徒会から学校に訴えました。

エデュ:リュックサックの使用を認めてもらうためにどのような活動を行いましたか。

新井さん:もともと「高校の制服に不釣り合い」という理由や「電車通学の際に邪魔になる」といった反対意見があったのですが、2年前からこの議題に本格的に取り組むようになり、一番懸念されていた「電車で一般利用者に迷惑が掛からないか」の検証を行うことになったのです。検証方法は生徒が2週間私物のリュックサックで通学して、電車の利用者からのクレームが来ないかを試験的に行うというものでした。検証後にクレームがなかったため、昨年からリュックサックの製作をスタートできました。

エデュ:新しいリュックサックはどのように作られましたか。

新井さん:全校生徒からリュックサックづくりをしたいメンバーを募り、高校1年生の10名が自主的に参加をしてくれました。製作は「形は丸型とスクエア型のどちらにするか」など、細かく全校生徒にアンケートを取りながらみんなの意見が反映されるように心掛けました。生徒の自由な発想で生まれたリュックサックは好評ですよ。

エデュ:学校を変えるために大切なことはなんだと思いますか。

新井さん:生徒が一丸となってみんなで主張をすることだと思います。そのためには、私たち生徒会が全校生徒の意見をしっかりとまとめて、学校に伝えることが必要です。
生徒会では一年に一度、授業2時間分の時間を使って“生徒総会”を開きます。普段感じている学校の変えてほしいところなどを主張する場になっていて、そこで出された意見をもとに、学校生活の改善に努めています。これからも、生徒会が生徒と学校の架け橋となり、学校を変えていきたいです。

「今は“制服のスカート丈について”や“短いソックスの導入について”の議題が上がっています。先生方は生徒の意見を無理だと一蹴せずに、前向きに話し合いをしてくださるので、ルールを変えるのは簡単ではありませんが、とてもやりがいを感じます」と話す新井さん。
「今は“制服のスカート丈について”や“短いソックスの導入について”の議題が上がっています。先生方は生徒の意見を無理だと一蹴せずに、前向きに話し合いをしてくださるので、ルールを変えるのは簡単ではありませんが、とてもやりがいを感じます」と話す新井さん。
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自主性を促す“日帰り旅行”の実施

新型コロナウイルスの流行により、今年は高校2年生の修学旅行が残念ながら中止となってしまいました。先生方が試行錯誤の末に代替行事として考えたのは、「日帰り旅行」です。生徒会指導副主任の坂本健一郎先生にその経緯や代替行事に込めた想いについてお話をうかがいました。

「生徒全員が心から楽しめる行事ができるように何度も教員会議を行いました」と話す生徒会指導副主任の坂本健一郎先生。
「生徒全員が心から楽しめる行事ができるように何度も教員会議を行いました」と話す生徒会指導副主任の坂本健一郎先生。

エデュ:修学旅行の代替行事を行うことになった経緯を教えてください。

坂本先生:高校2年生の一大イベントである修学旅行の中止を受けて、何とかして代わりのイベントを企画できないかと教員同士で考えたのがきっかけです。生徒の思い出に残る楽しいことをしてあげたいという強い想いがありましたね。

エデュ:代替行事はどのようにして「日帰り旅行」に決定したのでしょうか。

坂本先生:初めは2日間の5~6時間目を使った、球技大会や選択制の特別授業などの案が上がったのですが、球技大会では運動が苦手な生徒はがっかりしますし、選択制の特別授業ですとクラスの輪がなくなってしまう。生徒たちにもそれとなく、こんな方向で話し合っているよと伝えていたのですが、やはり反応はあまりよくありませんでした。それではと新たに発案されたのが、「日帰り旅行」だったのです。せっかく行うなら思いきって丸一日を使い、校外学習としてクラスの輪や友達との仲を深めてもらおうと意見がまとまりました。

エデュ:「日帰り旅行」の行き先はどのように決めましたか。

坂本先生:旅行先は新型コロナウイルスの影響も考慮して、近場でかつ生徒が少人数で分散しながらも観光が楽しめる場所として、鎌倉・横浜・江の島の3エリアに決定しました。3エリアのどこに行くかはクラスごとに相談して決め、さらにクラス内でグループ別に観光ルートを作成してもらいます。教員がすべて決めてしまうのではなく、生徒が自分たちでプランニングをすることで、自主性を発揮できるように工夫をしました。

エデュ:「日帰り旅行」で何か生徒の意見が反映されたことはありますか。

坂本先生:生徒の私服着用の許可が学校としては大きな決断だったと思います。学校としてはいつも通り制服を着用してほしいという気持ちもあったのですが、生徒たちの「私服を着たい」という希望が非常に強く、今回は許可が下りました。これは日ごろから生徒たちがまじめに学校生活を送っているからこそ叶ったことだと思います。先生と生徒の信頼関係ができている学校だからできることですね。

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自分を表現しても受け入れてもらえる安心感

校風やこれからの学校の理想像について、新井さんと坂本先生に語っていただきました。

エデュ:自主性を大切にしてくれる校風だと感じたエピソードはありますか。

新井さん:生徒総会を開く前に先生方と生徒会で会議を行うのですが、先生方は意見を聞き流すのではなく、真剣に向き合って話を聞いてくれます。そして、生徒の要望も前向きに検討してくれるので、私たちの自主性を大切にしてくれるすてきな学校だなと思いました。

エデュ:八王子学園のこれからの理想像を教えてください。

坂本先生:学校は生徒が主役の場だと考えているので、生徒会を筆頭に尽力していることですが、より生徒の意見が反映されていく、自由度の高い学校になっていけばよいなと思っています。その土台として、教員と生徒がお互いを信じて歩み寄れる関係性をより熟成させていきたいですね。

エデュ:受験生にメッセージをお願いします。

新井さん:私は中学校から八王子学園に通っていますが、中学の頃から本当に一人ひとりの意見を大切にしてくれる安心感のある校風だと思います。八学生の仲間になって、私たちと一緒に楽しい学校を作っていきましょう!

坂本先生:中学から入学している内進生は、自分を持っていながらのびのびと過ごしている生徒が多いなという印象です。自分を表現しても認めてもらえる安心感があるからこそ、生徒が自分らしく過ごせる環境があると思っています。自分を表現したい、個性を大切にしたいと思う方は、ぜひ八王子学園を目指してほしいです。

編集者から見たポイント

自主性を重んじる校風は、先生と生徒の信頼関係から成り立っているのだと感じます。学校のルールを変えたり、生徒の主張を通すことは難しいことですが、真剣に耳を傾け、生徒と向き合う先生方がいて初めて実現できると思います。生徒想いで、面倒見のよい先生方の多い八王子学園らしさが光っていると感じました。

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イベント日程

イベント名 日時
ナイト説明会 2020年12月2日(水)
18:00~19:00
保護者対象説明会 2020年12月3日(木)
10:00~11:45
入試問題模擬問題体験&説明会(適性検査型) 2020年12月13日(日)
10:00~11:45
入試問題模擬問題体験&説明会(2科・4科型) 2020年12月20日(日)
10:00~11:45
詳細とお申し込みはこちら ≫

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