inter-edu’s eye

郁文館中学校に、グローバルリーダー特進クラスが新設されて1年。郁文館グローバル高等学校のノウハウを中学生向けに進化させたというこのクラスでは、どのような教育が行われているのでしょうか。連載第1回では、出口として確約している「英検2級の取得」や、「朝の0時間目の学習」など、注目の取り組みについてうかがいました。

1年間でグンと成長! グローバルリーダー特進クラスが目指すもの

グローバルリーダー特進クラス(以下、GL特進クラス)の生徒たちは、入学してからこの1年で、大きく成長したといいます。生徒の様子について、教頭の土屋先生にうかがいました。

アプローチの仕方次第で伸びる

インターエデュ(以下、エデュ):GL特進クラスができて1年が経ちましたが、生徒はどのような成長を遂げていますか?

0時間目

今年度からスタートした「0時間目」。ホームルーム前の20分間に、新聞を読みディスカッションする「NIE」や、英語のリスニング学習などを行います。

土屋先生:GL特進クラスでは、0時間目に新聞を読みディスカッションをするなど、自分の考えていることを表現するアウトプット力を強化してきました。その甲斐もあり、中学2年生が本校理事長による「理事長講座」を受けたとき、今までは多くても4つ~5つほどの質問しか出ないのに、GL特進クラスの生徒たちがその3倍、4倍の質問をしていたのです。しかも、話者の「本気」を引き出すことを意識した練られた質問ばかりだったので、これまでの郁文生にはない成長がみられています。

エデュ:それは、GL特進クラスの生徒たちが、入学したときから素質があったということでしょうか?

土屋先生:GL特進クラスだけでなく、特進クラスと進学クラスの生徒たちも、元々持っているものは同じだと思います。もし、同じようなアプローチで教育をしていたら、同様の結果が得られたのではないかと思います。アプローチの仕方次第で、生徒たちは変わるという事実は、確信に近いものを得ています。

英検2級取得を目標とするわけ

エデュ:GL特進クラスでは、中学卒業時に英検2級の取得を掲げていますが、この目標を設定した理由を教えてください。

土屋先生

お話をうかがった教頭の土屋先生

土屋先生:英語力を向上させるためには、具体的な級を掲げた方が、子どもたちも目標に向かってがんばりやすいというのがありますね。また、本校は、来たるべき時代の厳しさを予想し、そこから逆算して今準備しておくべきことを教えているのも特徴です。日本だけにとらわれず、臨機応変に「世界で仕事をしよう」と軽く国境を超えられる語学力とマインドが絶対に必要だと思っているので、このような目標を設定しています。

エデュ:一般的には、かなりハードルが高いようにも思えますが?

土屋先生:この目標は、本校の昨今の進路指導経験から導いた、英語力を身につけるためのステップのひとつなのです。必修となっている1年間の留学を経たグローバル高校の生徒たちの中には、海外大学への進学や大学在学中の留学を考えている生徒も多数いるのですが、その際の最低基準を敢えて英検で表現すれば、準1級の取得になります。しかし、実際には1年間留学をしても、現状英検準1級レベルに届く生徒は50%程度です。それを確実に100%にするには、逆算すると、中学3年の段階で英検2級を取得している必要があるのです。

エデュ:では、目標達成に向けての具体的な対策はどのようなものになりますか?

土屋先生:試験の半分をなすリスニングで点を取るためには、毎日リスニングの勉強をしなければならないと考えました。そこで設けたのが始業前に学習する0時間目での英語学習です。ノートパソコンとリスニング学習のアプリを使用して、各々のレベルに合わせた勉強をしています。
これで十分かはまだ分かりませんが、中学3年で英検2級に達すれば、とても大きな自信になると思いますし、そこからの準1級取得は3年間かければ大丈夫だと考えています。

ひとつの国にとどまらない英語研修

ニュージーランド研修

グローバル高校2年のニュージーランド研修では、締めくくりとしてシンガポール研修を実施。現地企業でインターンシップに近い実践的な学びを経験します。

エデュ:最後にGL特進クラスで予定している、今後の展開を教えてください。

土屋先生:本校では、いろいろなタイプの人間がぶつかり合うことで、国際的に通用する社会性が身につくと考えています。
ですから、中学3年で行うニュージーランドでの英語研修では、単にニュージーランドに生徒を送るだけでなく、グローバル高校で行っているように、シンガポールにも滞在し、国によって異なる英語の発音や文化を体感させたいと考えています。

エデュ:グローバル高校のノウハウが、しっかりと活かされているのですね。

土屋先生:GL特進クラスの生徒たちは、文字通り、地球規模で活躍するリーダーになる子どもたちです。どんどん発言したり、クラスを巻き込んだりと、主体性を身につけている生徒が多くいます。グローバル高校に進学し、1年間の留学をするときには、相当な力がつき、学内外のあらゆる場面でリーダーシップを発揮できるようになっていると期待しています。

編集者が見たポイント

中学2年に進級したGL特進クラスの生徒たちについて、土屋先生は「通過点としては、よい状態になっている」と話してくださいました。0時間目の学習を始めるにあたり、既存の授業を5分短くしたそうですが、逆に授業中の集中力が上がったそうです。2年目に突入し、ますます磨きがかかるGL特進クラス。まだまだ紹介しきれない注目の取り組みがありますので、ぜひその目でご覧ください。

イベント日程

プログラム 日程 時間
ヤングアメリカンズin郁文館 7月22日(金) 16:15~
中学 学校説明会&アクティブラーニング体験会 7月30日(土) 14:00~
理事長による学校説明会&アクティブラーニング体験会 8月27日(土) 14:00~
中学 公開授業見学会&学食試食体験会 9月17日(土) 11:30~
在校生保護者主催 中学校学校説明会 9月17日(土) 13:30~