inter-edu’s eye
中高一貫校でありながら、2つの高校を選べる郁文館夢学園(以下、郁文館)。今回は、郁文館高等学校(以下、郁文館高校)と郁文館グローバル高等学校(以下、グローバル高校)の特徴と、中学から郁文館で学ぶメリットを、教頭の土屋先生にうかがいました。
留学したいならグローバル高校、万能型は郁文館高校
インターエデュ(以下、エデュ):2つの高校の特徴を教えてください。
土屋先生:グローバル高校は、生徒全員が1年間留学するという大きな特徴があります。海外で学び、3年間で高校を卒業できるところが魅力で、夢を実現させるステージを日本に限定しない子に向いています。
郁文館高校では、高1で東大・特進・“e”特進・進学の4クラスに分かれ、東大クラス以外は高2から文系特進・理系特進のようにクラスが文理に分かれます。さまざまなクラスがあり、本人の希望や成績によっては、1年ごとにクラスを変更できるところも特徴です。進路変更に柔軟に対応できるため、将来についてじっくり考えたい子に向いている万能型の学校と言えるでしょう。
エデュ:生徒の性格や雰囲気に違いはありますか。
土屋先生:グローバル高校の生徒は積極性があります。これは、受け身では留学時に何も得られないと周りから散々言われていることと、長く親元を離れるため、高1から主体性を否が応でも引き出される教育が徹底されているからです。
郁文館高校の生徒には、熟考してから確かな一歩を踏み出すよさがあります。部活動や大きな行事は2校合同で行っており、生徒は仲良くやっています。お互いが、よい刺激になっているようです。
世界で活躍する創造的な人になる
エデュ:2校の新しいクラスについて教えてください。まずはグローバル高校から。
土屋先生:グローバル高校では、2018年度より既存のクラスを「Liberal Arts Track(以下、LA)」と改称し、新たに理数系クラス「Global Science Track(以下、GS)」を設立します。海外大の学士課程では、文系理系を区別せず、幅広く知識を持つことが常識であり、その基準に合わせてLAの入試科目にも数学を加え、強化を図ります。GSでは、理数系の膨大な学びの量を含みながらも1年間留学し、3年で高校を卒業するため、e-learning(インターネットを使った学習)の教材を活用して、留学中にも生徒が理数系の学習をできるようサポートしていきます。
留学先は、LAがカナダかニュージーランド、GSはカナダのオンタリオ州かオーストラリアのクイーンズランド州です。GSの留学先は、州内にサイエンス・テクノロジー系の教育に強い地域があり、教育レベルの高さが証明された学校に生徒を送り出します。両クラスとも、自立を促す「1人1校」を原則としています。
エデュ:郁文館高校の新しいクラスには、どのような特徴がありますか。
土屋先生:グローバル高校のように国際教育に力を入れている「“e”特進クラス」では、マンツーマン・オンライン英会話システム「席上留学」を導入し、生徒は毎朝25分間、セブ島の先生と会話をします。この席上留学と、1・2年次に行われる各6週間のセブ島留学が“e”特進の必須プログラムです。クラス名の“e”には、Entrepreneurship(起業家精神)の意味も込められていることから、ゼロから1を創造する力の育成に力を入れ、ディスカッションやプレゼンテーションなど、アクティブラーニングの要素を多く取り入れた授業構成になっています。
エデュ:2校に共通するプログラムはありますか。
土屋先生:毎朝、新聞を広げて社会的な出来事に興味や関心を持ち、ピックアップした内容についてクラスでディスカッションする「Newspaper In Education(NIE)」や、夢と目標を語る「郁文夢の日」などがあります。また、新たなプログラムとして2018年度より開始する、起業家の輩出を目的とした高校生版MBA「高校生社長講座~起業塾~」では、組織を導くリーダーシップや、会社をどう発展させていくかを体系的に教えます。大学院のMBAレベルの内容を分かりやすく講義することになりますが、別途授業料を取る予定もありません。私も塾生として入ろうかと思うくらい魅力的ですよ。
早くから夢に向けてアクションできる
エデュ:中学から郁文館で学ぶメリットは何でしょうか。
土屋先生:郁文館のいいところは学内で自由に、思い切り夢を語れるところで、それが学園の文化として定着しています。どんな夢でも、それを無理だと笑う人間は郁文館にはいません。堂々と夢を語れる環境で学生時代を過ごすことは、子どもの健全な成長にとってもよいことではないでしょうか。
学びに関しては、席上留学をはじめ、高校で実施された良質なプログラムを中学へ組み込むようにしています。郁文館高校では、さまざまな専門領域を研究する「社会探究」というプロジェクト型のゼミ形式の授業が2017年から始まり、NIEを行っている中学生にとってはこれまでの経験を活かし、高校でさらに深く学ぶ機会ができ、学びのつながりはより強固なものになっていると思います。
エデュ:受験生や保護者へのメッセージをお願いします。
土屋先生:郁文館には、時代の変化に迅速に反応し、生徒が社会に出るとき必要となるであろうものを選別し、学ばせる実行力があります。先の見えない時代をチャンスだと捉えられるように、教員と生徒と保護者が一体となり、社会の変化を共に考えていきたいと思っています。
イベント日程
イベント名 | 日程 | 時間 |
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中学校 公開授業見学会(学食試食体験) |
11月4日(土) | 11:30~13:30 |
中学校 学校説明会(入試問題説明)&生徒留学報告会 |
11月4日(土) | 14:00~16:00 |
編集者から見たポイント
郁文館の説明会では、学校の話に頷くお父さまの姿が多く見られるそうです。それは、社会の第一線で働く大人から共感を得られるエッセンスが郁文館の教育に詰まっているからではないでしょうか。時代の変化を恐れず、常に学び続ける人間を育てる教育が、郁文館の強みだと感じました。