城北学園 城北中学校・高等学校

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国立・私立ともに理系の難易度は高いまま、一方、文系の人気も復活し、文理を問わず大学受験が安易になることは当分なさそうです。そんな中、確実に難関大学の合格者数を出し続けている城北中学校・高等学校。
連載第1回は、2017年度進学状況を進学指導部長の加門康徳先生に振り返っていただきました。

今年は理系が逆転

まず、例年との違いについてうかがうと「そもそも本校は理系に進む生徒が多かったものの、ここ何年か文系へシフトしていて、それが今年、久しぶりに理系が逆転したんです。これが一番の変化と言えますね」。
その要因として考えられることについては「理科が間に合うようになったんです。というのも理系希望者は高2で英語と数学をほぼ終わらせてしまい、数Ⅲも手を付けます。そうすると高3で余裕をもって理科に集中して取り組めるわけです。高3に英語、数学を持ち越してしまうと、夏休みあたりまでそれらの科目に時間を取られて、理科が1科目しか終わらない、もしくは理科の2科目とも中途半端で受験を迎えてしまうこともありますからね」とおっしゃいます。
前倒しのカリキュラムが功を奏しているようですね。

効果絶大の「自習室」

お話をうかがった加門先生

前述の高2までの英語、数学の前倒しならば他校でも実施されています。それだけでこれだけの合格実績は出せないのでは？とその秘訣をうかがうと「う～ん、特効薬はないですね。泥臭いかもしれませんけど、学校がしていることは教員がとことん付き合うってことですかね。生徒たちの志望校も今の学力じゃ遠いかなと思っても、試験日までにそこまで上がっていけばいいじゃないかと、生徒たちの志望を尊重し、押し上げるよう努めています」。

とことん付き合う教育指導で一番に挙げられるのが、生徒達にも好評の「自習室」。平日は放課後夜8時、土曜も6時まで、夏休みをはじめとした長期休みにも図書館、教室を開放してくれています。一人で部屋にこもっての勉強はつい眠ってしまったり、スマホを見てしまったり誘惑も多いものですが、校内の自習室に行けば、友達が頑張っている。自分も頑張ろうという気持ちになるのは必然です。わからないことがあれば残って待機してくれている先生方に質問もできますし、生徒同士で教え合うのも学習効果が期待できます。

切磋琢磨よりも「仲間意識による相乗効果」

先生の中には、予備校での講師を兼任されている方もいらっしゃいますが、「授業でやっていることは大手進学塾と同等か、それ以上」と評価するほどの指導内容で、受験に役立つエッセンスが盛り込まれているようです。
その他、特別授業や、勉強合宿などもあり、高3でも通塾率は2～3割と低めです。塾に行かなくて済むというのは、時間のロスも防げますし、保護者としてもうれしいですね。そんなありがたい受験サポートの中にあって、生徒達はどんな学校生活を送っているのでしょうか。雰囲気をうかがいました。

「生徒達はライバルに負けるなとか、切磋琢磨という感じではないですね。みんなで肩組んで頑張ろうって。誰かがうまくいかない時はみんなで助け合う。例えば『受験は団体戦』をまさに実践したと思ったのが、ある子たちは志望校に入れて、受験が終わり晴れて遊べるわけですよ。でも、ほかにまだ終わっていない友達がいたら、みんなでその子に付き合って勉強してあげて、それで最後の子が合格する。そうして結果を出すんですよ」。
先生が生徒ととことん付き合うという体制が、生徒間にも好影響している様子がうかがえます。

編集者から見たポイント

取材でお会いする先生方も生徒の皆さんも、おだやかで温かみがあるのは校風でしょうか。先生は「行事も何も、特別に団結力を育むためのものなんてないですよ」とおっしゃいますが、特別なことはなくても、成長過程の生徒たちのさまざまな個性を圧することなく、寄り添っていく先生方の姿勢が、生徒たちの「肩組んで大学受験」の雰囲気を生んでいるのかも知れません。

今回のお話にも出てきた「自習室」など、次回は、保護者の方にも評価の高い学校の施設の魅力をお伝えします。

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