次の100年も生徒のために 「体験」が人生の転換点に
inter-edu’s eye
適性検査型入試を導入、立地的にも都立の併願校としても、さらに人気となりそうな城西大学附属城西中学・高等学校(以下、城西)。今年100周年の節目を迎えますが、次の100年はどのように進んでいくのでしょうか。この春より校長となった斉藤栄先生にお話をうかがいました。
学校公式サイト≫すべては生徒のために
―先日始業式だったようですが、学校の印象はどうですか?
生徒はまじめ、もう少しやんちゃな感じがあってもいいかなと思うぐらいですよ。先生も一生懸命で、自分が以前教えていたころと変わりませんね。
―以前は城西川越中学校・城西大学付属川越高等学校(以下、城西川越)の校長だったそうですね。
ええ。ここ、城西の野球部長も4年間やっていましたよ。
今回の校長就任も系列の2校にいたので、城西のことがよく分かっているだろうというのが大きいでしょう。城西の校風や歴史を知っていればこそ、100周年を迎えた現在、何を引き継ぎ、何を変えるべきなのか判断できるというものですから。
―校長を歴任されて、そのモットーなどありますか。
「すべては生徒ために」の一言に尽きます。
城西川越でも迷ったら、生徒にとっての最良を考えればおのずと答えは出ましたね。
生徒会などにもよく顔を出していました。例えば制服なんて、正直なところ着やすさの面で生徒たちには評判がよくなかった。それを着心地のいいものに変更したり、スクールバスを増便したり、細かいことですけど生徒の視線で校内を見るのも校長の役割の1つだと思っています。
―城西に校長として戻られて、生徒のためにしたいことは何でしょうか。
そうですね…さまざまな分野の方を招いて、その方々が体験された話を直接生徒に聞かせたいと思っています。
僕は長年野球に携わっていたので例えも野球になりがちだけど、イチローや松井がすごい選手だということを本で読むのと、かつてのチームメイトや対戦相手が目の前で身振り手振りを入れて話してくれるのとでは、聞く側の食いつきが違いますよね。
体験を伴った話には説得力があるんです。ですから、生徒たちにも机上の学習に終始せずに、なるべく多くの体験をさせたいと考えています。
―次の100年に向けて、何か新しい取り組みはありますか。
長年培ってきた城西の方向性は変わらなくていいでしょう。
その中で、先ほども話した「体験」に重きを置いた取り組みをスタートさせます。
それは、中3のオーストラリアで行うホームステイ&語学研修のプログラムで、義務教育と高校進学の間にあるこの体験は、自分を見つめなおすよい機会であるとともに、生徒にとって大きな自信となるでしょう。
人生へのターニングポイントに 「JFGLP」
今年度から始まったJOSAI Future Global Leader Program(以下、JFGLP)。その中心となるのが、オーストラリアでのホームステイ&語学研修プログラム。中3の3学期、全員参加で実施されます。(14日間、希望者は最長32日間滞在可能)
行き先はオーストラリアのアデレードで、現地の家庭にホームステイし、1週目は語学研修センターに通い、2週目からはアデレードの現地校7つに分かれて現地の生徒と同じクラスで学習、学校生活を体験します。
「ホームステイ先や現地校でも生徒同士が集まることのないように配慮したクラス編成。まさに海外に行って一人で生活するようなものです。大げさかも知れませんが、その厳しい環境の中、自力で頑張って生活し、帰ってくるだけでも自信がつく。それだけでも価値はあると思うのです。」といいます。
全員参加なので、生徒たちは入学時から『中3でオーストラリアに行く』という共通の目標を持つことができます。そのためホームステイを念頭に置いた生活面での自立、そして英語スキルや現地校で受ける科目の学習においても中1からモチベーションを高めていきます。
そして研修から帰ってきた生徒たちは、滞在中できたこと、できなかったことを振り返るはずです。その振り返りをその後の高校生活に活かしていってほしいというのが、この取り組みの趣旨であり、中高一貫校だからこその有意義な取り組みであり、そして人生のターニングポイントにもなっていくでしょう。
受験生にメッセージ
生徒には「今できることを今頑張れ」といった話をよくします。僕の後輩に志半ばで病に倒れ、夢をあきらめざるを得なかった男がいて、その無念さをこの目で見ているからです。
誰の夢をも叶えてあげたい、生徒たちの夢をバックアップするのが城西の教師陣です。
6年、ないしは3年を託してもらいたい。後悔はさせない自信がありますね。
編集者から見たポイント
野球を通じての校長の現在までの体験が、財産となって学校や生徒指導に活きているようです。インタビュー中も感動的なお話をたくさんしてくださいましたが、校長の臨場感あふれるお話を生徒たちは固唾をのんで聞き入っているそうです。
「体験」を重んじる教育が、生徒たちの可能性を伸ばし、次の100年も城西を導いていくことでしょう。
これからのイベント日程
イベント名 | 日時 |
---|---|
第1回中学校説明会 | 5月26日(土) 14:30~ |
体育祭 | 6月5日(火) |
第2回オープンキャンパス | 7月28日(土) 10:00~13:00 |
第1回中学一日体験入学 | 7月15日(土) 10:00~ |
その他の連載コンテンツ
第3回あこがれの生徒になる!会える! 城西のしいの木祭
受験生にとって志望校の学園祭は学校の雰囲気を肌で感じられる一大イベント。志望理由に学園祭をあげる生徒も少なくありません。9月22日(土)、23日(日)に行われた城西の学園祭「しいの木祭」も大盛況。創立100周年という記念の年に行われたしいの木祭についてお伝えします。記事を読む≫
第2回中3全員参加の海外研修 目標があるから身につく英語力
今年100周年を迎える城西が打ち出したのは中3の全員参加で行われるオーストラリアへの短期留学。これまでも進んだグローバル教育があった城西の新たな取り組みです。6年間のグローバル教育をどのように考えているのかうかがいました。記事を読む≫