inter-edu’s eye
女子美術大学付属高等学校・中学校(以下、女子美)で、年間を通して最大の学校行事である「女子美祭」が10月最終の週末に開催されました。今回の取材では、付属中高の校舎での美術展示や、各クラス・参加団体による教室展示をご紹介します。
普通の文化祭とは違う女子美祭の魅力
数ある学校行事の中でも特別な位置付けの女子美祭。生徒自身の自己表現をする場として、また、来校者の方々と女子美生をつなぐ意味を持った重要な行事となっています。
まずは、鏡友会や同窓会の皆さんに、女子美祭の背景や魅力についてコメントをもらいました。
アートに妥協しない姿勢
鏡友会役員Aさん:私たちは、オリジナリティあふれる展示で来校する皆さんを驚かせるために、クラスやクラブ展示の企画書を審査する役割を担っています。全校生徒がさまざまな形で役割分担をするのが女子美祭です。女子美の魅力を一番よくわかってもらえる機会になるよう、時間をかけてじっくりと準備を進めてきました。
伝統を紡ぐ卒業生の存在
同窓会メンバーBさん:昭和31年の卒業生も集まる同窓会では、ワークショップを通して、少しでもお役に立てればという気持ちで女子美祭に参加しています。娘さんやお孫さんが女子美生という方も多数いらっしゃいます。
学外に向けた美術活動の一環として
学外・社会一般に対して女子美生がアプローチできる機会と捉えている先生に、女子美祭の意義や工夫へのコメントをもらいました。
学校行事はキャリア教育の場
体験コーナー顧問のC先生:今年の体験コーナーでは、ブローチや手作りのスタンプを使ったエコバッグ作りを行いました。作品や展示を見るだけでなく、実際にものづくりを体験できる良い機会だと思います。
女子美祭における鏡友会での企画書審査は、半分以上のクラスが一度はやり直ししなければいけないほど厳しいものです。魅力を伝えられるプレゼンテーション能力を身につけるキャリア教育の一環と言えるかもしれません。楽しむだけでなく、挑戦して結果を勝ち取った時の喜びを得られるところにも、女子美祭の奥深さがあります。また、来校する方々におもてなしをすることで、社会とつながる体験をしてもらうのも目的のひとつです。
編集部から見たポイント
美術に特化した世界でも稀有な中高一貫校である女子美では、高3生にもなると、見る人を感動させるほどの作品創作の技術が身につきます。
一方で、インターエデュ編集部が注目するのは、女子美が普通科の学校であり、本人の志望次第で美術以外の進路に切りかえることも可能である点です。
ぜひとも過去の連載も併せてお読みください。