卒業生が語る!「つくる喜び」を学んだ刺激的な日々
inter-edu’s eye
美術やものづくりが好きな生徒たちが集まる、女子美術大学付属高等学校・中学校(以下、女子美)。今回は、年代の異なる卒業生5名にインタビューを行い、在学中のエピソードや卒業後の活躍ぶりを紹介します。
みんなの個性を認め合い、高め合う女子美の仲間たち
中澤萌声さん ―株式会社BANDAI SPIRITS プライズ事業部 企画・開発担当
現在の仕事内容について教えてください。
中澤さんゲームセンターにあるクレーンゲーム機の景品を手がけています。私自身は商品のディレクターとして、アニメや漫画のキャラクターグッズの企画・開発を行っています。
仕事をする中で、女子美での学びはどのように活かされていますか。
中澤さんフィギュアやぬいぐるみの企画には、在学中に人物デッサンで基礎から学んだ“ものの見え方”がとても役立っています。提案の段階から360度の仕上がりをイメージできるので、デザイナーさんや原型師さんとイメージをスムーズに共有できています。
女子美では、どのような学校生活を送っていましたか。
中澤さん友達がみんな個性豊かなので、面白いことが毎日起きていました。授業内容も好きなことばかりで、勉強にも遊びにも、24時間では足りないくらい熱中していました。
女子美生の魅力を教えてください。
中澤さん人の考えを誰も否定しないのは、女子美ならではかもしれません。考えや好きなことが一人ひとり違うのを理解していて、むしろ「それも格好いいね!」と面白がっちゃうんです。今でこそ世間でも多様性が注目されていますが、女子美では私が在学していた頃から当たり前のように多様性を大切にしていました。
美術教育課程について詳しく見る ≫女子美で出会った美術史こそ人生の原点
杉全美帆子さん ―イラストレーター・作家
現在の仕事内容を教えてください。
杉全さん画家たちの面白いエピソードや美術の知識をイラストで紹介する『イラストで読む 美術』シリーズを制作しています。テーマ決めや資料集め、イラスト制作、文章、レイアウトなど、ほとんどすべてを一人で行っています。
女子美に入学する前はどんな子どもでしたか。
杉全さん小学生の頃の私は、周りの友達とうまく馴染めない子どもでした。一方で、自分の絵には変な自信があったので、高校から女子美への進学を決意。同級生は自分と似たような感性を持つ友達ばかりだったので、すごくホッとしたのを覚えています。
今の仕事を始めた経緯を教えてください。
杉全さん女子美では美術史に興味を持ち、社会人になってからイタリアに留学しました。そこで触れた画家たちの知られざるエピソードに感銘を受けた私は、それらをもっと多くの人に知ってもらうために、全編イラストの本を制作したいと考えました。私の美術人生にはどの経験も欠かせませんが、すべての原点は女子美で技術を学んだこと、そして美術史に出合ったことだと感じています。
女子美時代を振り返ってみて、いかがですか。
杉全さん友達も私自身も含めて、この学校の文句を言っている人に会ったことがありません。こんなに満足度が高い学校はほかにないと思うほど、素晴らしい学校生活を過ごしました。
授業にも行事にも、全員が情熱を注いだ学校生活
大小島真木さん ―アーティスト・画家
現在の活動内容を教えてください。
大小島さんアーティストとして作品を制作しています。これまで数か国で滞在制作をし、2009年にはトーキョーワンダーウォール賞、2014年にはVOCA奨励賞をいただきました。個展やグループ展も積極的に開催しています。
アーティストを目指した経緯を教えてください。
大小島さん幼い頃からものづくりが好きだったので、女子美に入り、職業としてアーティストになろうと思ったのはある意味必然でした。女子美で技術を身につけたことで創作がより面白くなり、その延長線上に今がある感じです。
どのような女子美時代を過ごしましたか。
大小島さん授業はもちろん、運動会や女子美祭(文化祭)でも常に何かを作っていました。たとえば、運動会では衣装部に所属し、応援団のためにコスチュームを作りました。これがかなり本格的で、みんなで日暮里の問屋街に行って買いつけをして、数ヶ月かけて型紙から制作するんです。女子美祭も含めて、学校の催しの域を超え、本気で高クオリティを目指す熱いエネルギーがありましたね。先生方も生徒たちが作り出す行事を楽しみにしてくれていました。
女子美での6年間で見つけた、私の進むべき道
大中美那実さん ―株式会社パイロットコーポレーション 玩具事業部 企画グループ
現在の仕事内容を教えてください。
大中さん女の子向けの玩具の企画デザインをしています。もともとデザインは好きでしたが、女子美時代に「自分の作品には子ども向けの内容が多い」と気づいたことが、子ども向けのデザインを志すきっかけになりました。
女子美時代の印象的な思い出を聞かせてください。
大中さん友達との何気ない日常が一番心に残っています。誰かの誕生日会を学校でやったり、その子のために曲を1曲作り、ちゃんと音楽スタジオで音声を録音してプレゼントしたり、ちょっとしたイベントを自分たちで作って楽しんでいました。日頃から生徒がやりたいと思ったことに自由に挑戦させてくれる学校なので、個性を伸ばせる素晴らしい環境だと思います。
女子美ではどのようなことを学びましたか。
大中さん技術はもちろんですが、作品との向き合い方も多く学びました。たとえば、課題の締め切りに追われることも多かったのですが、それを乗り越えたおかげで「自分が思い描いたところまで仕上げる」という信念が芽生えました。精神的にもとても強くなったと思います。周りにはレベルの高い友達がたくさんいるので、自分の成長意欲も高まりました。
将来がイメージできる中高大連携授業 ≫付属校だからこそ“好き”をたっぷりと追求できた
柴谷麻以さん ―株式会社電通 アートディレクター
現在の仕事内容を教えてください。
柴谷さん広告代理店でアートディレクターを務めています。改札で使用されている全国共通のICマークなど、常に人々の目に入るものを手がける仕事なので日々やり甲斐を感じています。
女子美に入学する前はどんな子どもでしたか。
柴谷さん小学生の頃から、新しいゲームを考えたり、社会科見学のレポートを漫画風にしたりして、クラスメイトを喜ばせるのが大好きでした。私は中学から女子美に入学したのですが、自分と同じように面白いもの好きの友達ばかりが集まっていたので、とても刺激を受けました。友達の好きなものにも影響されましたね。
同僚には美大出身者も多いそうですが、柴谷さんが考える女子美ならではの魅力を教えてください。
柴谷さん一般の高校から美大に進学する場合、受験のための美術を勉強しなければなりません。その点、女子美は美大付属校なので、自分が作りたい作品を授業で作り続けながら美大に進学することができます。自分の“好き”を突き詰めれば就職活動や仕事で必ず役に立つので、自由な作品作りに長く打ち込める貴重な環境だと思います。
卒業生の活躍をもっと知る ≫編集後記
もともと絵を描くことや何かを生み出すことが好きだった皆さんですが、「女子美で技術を学んだことで、創作活動がより面白くなった」と口をそろえていたのが印象的でした。また、女子美祭や運動会を通して“チームで作る”ことの喜びを感じられるのも、女子美ならではの大きな魅力。今後は女子美祭も特集予定です。お楽しみに!
学校公式サイト ≫イベント日程
イベント名 | 日時 |
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体験学習(小学生対象) 「お花や好きなモチーフを描こう!」 ※要予約 |
2022年9月11日(日) 午前の部10:00~/午後の部13:00~ |
公開授業(中高共通) ※要予約 | 2022年9月17日(土) ①8:35~10:30 ②10:40~12:40 入替制 |
中学校説明会 ※要予約 | 2022年9月24日(土) 10:00~ |
女子美祭(文化祭) ※要予約 | 2022年10月22日(土)、23日(日) 10:00~17:00 |
連載コンテンツ
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スペシャル動画
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3:20
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2023年1月10日
授業紹介
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3:04
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授業紹介
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3:17
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2022年2月15日
授業紹介
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3:28
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2022年1月25日
運動会