ナンバーワンの教育よりもオンリーワンの教育を追求する
inter-edu’s eye
129年の歴史と伝統を活かしつつ、革新的女子教育に挑み続ける神田女学園中学校高等学校(以下、神田女学園)。より進化した教育カリキュラムの全容や特色、学校の今後の展望まで、今春から校長に就任した宗像諭先生にじっくりうかがいました。
次世代を担う女性を育てる教育プログラムとは?
考える力、発言する力も含めた基礎学力を徹底サポート
本校ではグローバル化の進化で英語が一般化し、「自分を語れる品格ある個人」が求められる10年後の社会では、どのような人材が求められるかを予測し、本校の教育プログラムをブラッシュアップしました。
実は革新的女子教育を行う上で力を入れているのが、基礎学力の習得です。基礎学力は全教科に通じる土台で、これが身についていなければ探究型学習や語学教育、グローバル教育は成り立ちません。大学入試につながる学力はもちろん、相手の話をよく聞く力や物事を深く考える力、失敗を恐れず発言する力なども基礎学力に含まれると考え、これらの力が身につく学習環境を整えています。そのために授業での知識の定着はもちろんですが、講習や補習などていねいにサポートをしています。
教科の枠を超えた“リベラルアーツ教育”を実践
グローバル社会において役立つ“ロジカルかつクリティカルな思考力”を身につけるために展開しているのが、本校独自の「リベラルアーツ教育」です。日本の学校では教科ごとに授業を行いますが、社会で課題を解決する際には、学んだ知識を組み合わせて考える力が求められます。この力を養うには、教科の枠を超えた学びが必要不可欠です。そこで、本校では複数の科目がコラボレーションする授業を毎学期実施しています。昨年の3学期には社会と家庭科がコラボレーションし、食糧問題について複合的に考える授業を行いました。生徒たちは積極的に授業に取り組み、自分たちに何ができるのかを深く探究していました。保護者の方々からも「授業について楽しそうに話す時間が増えた」と好評を頂きました。
知識と教養を養い、品格ある女性へと成長
グローバルな視野を広げるべく、「トリリンガル教育」を行っているのも本校の特徴です。母語と英語に加えて、第三言語教育としてフランス語・中国語・韓国語の中から1つを選択して中学3年生から学びます。
本校には言語教育をベースにして深い知識と広い教養を身につけ、社会の最適解を考えることができ、高いコミュニケーション能力も有する“品格ある個人”を育成する環境が整っています。私はこれから、学校のネームバリューや偏差値よりも、「どのような学生時代を過ごしたか」が重視される時代が訪れると考えています。そのような時代において、革新的な教育プログラムを受けて成長した本校の生徒は高い評価を得ると思っています。
生徒が“シアワセ”になれる学校を目指す
本校を受験するお子さまの保護者の方々は「どうしたら子どもが幸せになれるか」に重きを置いて本校を選んだという方が多く、私自身も生徒の“シアワセ”な状態を目指して教育を行いたいと思っています。私が目指す“シアワセ”な状態とは、「自分らしくいられる」「自分の価値観で物事を選択できる」状態です。人生において、女性は男性よりも選択が必要な機会が多いと思います。本校でしっかり自分の価値観を築き、その先の人生で選択する場面が訪れたときに、自信を持って自分らしい道を選べる女性に成長してほしいです。
そのためにも、ぜひ生徒には海外の大学にも進学してほしいです。日本社会では同質化を求められる場面が多いように感じますが、海外には自分の価値観を信じて、自分らしい生き方をしている女性がたくさんいます。そういう姿を目の当たりにすることで、自分の理想の生き方が見えてくると思うからです。
また、社会に出たときに自分らしくコミュニケーションがとれる能力も身につけてほしいです。例えば希望した職業に就けても、職場の人間関係が円滑にいかなかったら、悲しいですよね。相手のことを理解し、自分の考えをきちんと伝えられる力、集団の中で誰からも好かれ認められる品格を養ってほしいと思います。
唯一無二の教育を行い、卒業生が誇りを持てる学校に
受験校を選ぶ際、保護者の方々は学校の「過去」、「現在」、「未来」の3点に注目されると思います。「過去」はこれまでの大学合格実績、「現在」は学校の校風がお子さまに合い、入学して楽しく過ごせるかどうか、「未来」は教育に関する理念や価値観が一致するかどうかです。本校は、「現在」と「未来」に重きを置く方々に選んでいただけることを願っています。私は、学校はそれぞれの社会的使命を果たすために存在すると考えています。難関大学合格者をより多く輩出することはもちろん素晴らしい社会的使命ですが、本校の社会的使命は「次世代の女子教育を担うこと」です。神田女学園の教育プログラムは唯一無二だと外部の方から評価していただける“オンリーワンの学校”を目指しています。まだ「トリリンガル教育」や「リベラルアーツ教育」などは一般的ではないと思いますが、次世代に求められる教育だと考えています。
でも、本校の未来について考えたとき、一番に思うのは在校生のことです。彼女たちが卒業した後、「私は神田女学園の卒業生です」と誇りを持って語れる学校であり続けたいと思っています。
編集者が見たポイント
今回の取材前日、生徒集会で生徒たちが喜ぶサプライズがありました。今をときめく男性アイドルがCM披露イベントで来校したのです。「いろいろな意見はあると思いますが、生徒の喜ぶ顔が見たい気持ちが強く、実施を決めました」と語る宗像先生の優しい表情からは、学習面以外でも女子校ならではの生徒の“シアワセ”を追求しようとする強い想いが感じられました。
次回は“シアワセ”の選択の幅が広がる、神田女学園の新たな、そして日本初の取り組みについてご紹介します。
今後のイベントスケジュール
イベント名 | 日時 |
---|---|
教育内容説明会 | 6月1日(土) 10:00~ |
教育内容説明会 / 言語体験会 | 6月22日(土) 10:00~ |
授業体験会 | 7月27日(土) 14:00~ |
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