留学制度も充実! ジブンのドラマをデザインする“革新的女子教育”
inter-edu’s eye
1890年創立の神田女学園中学校高等学校(以下、神田女学園)は伝統を大切にしながらも革新的女子教育を実践し、年々注目度が高まっている学校です。今回はよりブラッシュアップした教育プログラムの内容やコロナ禍の学校生活について、校長の宗像諭先生にじっくりお話をうかがいました。
唯一無二の留学制度「ダブルディプロマプログラム」がより進化
インターエデュ(以下、エデュ):昨年度の教育に関する取り組みについて、詳しく教えてください。
宗像校長:これまでは本校の伝統的な学びである「トリリンガル教育」を実践してきましたが、第2外国語を話せる生徒が増えたことや生徒たちの知的好奇心の高まりから「トリリンガル」の枠で収まることなく「多言語教育」を掲げて授業を展開するようになりました。具体的には、マルチイマージョン授業の実践です。例えばグローバル課題の一つである「海洋プラスチックごみ」などの社会問題について、母語で基礎知識を学んだ後、英語の文献を読み、諸外国の取り組みや考え方を学びます。一般的にはここまでですが、本校ではさらに中国語などの文献も読んで、3つの言語でひとつのテーマに関する知見を深めていきます。多言語で学ぶことで各国の歴史や文化的背景、解決策などを多角的に学べます。「多言語教育」は次世代につながる学びであり、キャリア形成にも役立つと考えています。
ほかにも、美術や社会(グローバルイシュー)でイマージョン授業を実施したり、中学1年生からオールイングリッシュの授業を10コマ以上行うなどの取り組みも開始しました。
エデュ:かなり語学力を高める環境が整っていますね。そこで多言語で学ぶことを実践でき、海外の学校に在籍して学ぶことで現地校と貴校両方のディプロマ(卒業資格)が取得できるプログラム「ダブルディプロマプログラム」(以下DDP)についてはいかがですか。
宗像校長:DDPへの認知度が上がり、ニーズも高まっているため、プログラムをより進化させるために尽力しました。DDPの本質は「学びの環境を提供すること」なので、学び方や目的、環境の選択肢が多い方が良いと考え、留学先をアイルランドとニュージーランドの2か国から、アメリカ、カナダ、イギリスを加えた5か国に広げました。5つのエリアにはそれぞれ他に代えがたい特徴があります。
「DDP@アイルランド」は共学でリベラルアーツ教育が受けられる環境です。「DDP@ニュージーランド」は本校の姉妹校で安心して過ごしながら実践的な英語力を磨くことができます。また、「DDP@カナダ」は理系やスポーツ、アート、テクノロジーなど、興味のある分野を学ぶことができるようにオンタリオ州27校から選ぶこともできますし、「DDP@USA」は現地で2年間学ぶか、現地+本校オンラインで2年間学ぶか、オンラインで2年間学ぶかを選択することが可能なブレンディドDDP(WEBでも現地でも可)です。そして「DDP@UK・ジャージー」は英語とフランス語が必修の全寮制の女子校で、教養やマナーを身につけながら学べる環境となっています。
現在、本校の中学1年生の8割がDDPに強い関心があると答えていますので、生徒たちがDDPを目標にしっかり準備して、自信を持って海外に学びに行けるようにサポートしています。今年度はアイルランド、カナダ、イギリス、アメリカに10名以上もDDP留学する生徒がいます。
エデュ:「次なる革新」として昨年からスタートした「K-SAMT」について教えてください。
宗像校長:「K-SAMTシステム」は勉強時間や苦手分野など、生徒一人ひとりの学習状況を把握し、メンターが学習アドバイスを行うシステムです。生徒によって学力向上に学ぶ分野や方法、スタイル、かける時間が異なりますので、自学自習か、チューターに教えてもらうか、講座に参加するかなど、勉強法のアドバイスも行い、圧倒的基礎学力の養成をサポートする本校独自のシステムです。この中にネイティブとのレッスンが受けられる「K-SALCプログラム」も含まれていますので、基礎学力~応用力、英語のアウトプットまでできます。
コロナ禍で見られた生徒の成長に感動
エデュ:昨年はコロナウイルスの影響を受け、イレギュラーなことも多かったと思いますが、どのように対応した1年でしたか。
宗像校長:もともと本校ではChrome book(ノートパソコン)を学習ツールとして使用していましたが、自宅学習期間になって教員のオンライン授業のスキルが飛躍的に向上しただけでなく、生徒も積極的に参加するなどオンラインで授業を受けることへの可能性を感じました。
また、オンライン授業を実施したことで逆に「ガッコウではガッコウでしかできないことをやろう」と決意を新たにしました。多様な価値観に触れたり、意見交換を行ったりするなど、face to faceのコミュニケーションで人の心に触れることは「ガッコウ」でしかできないことなので、大切にしていきたいと感じています。
エデュ:学校生活や行事についてはどのように対応したのでしょうか。
宗像校長:社会不安を受けて行事を中止する学校が多くありましたが、本校は生徒に「学校生活の大切な思い出になる貴重な機会を失わせたくない」という強い思いから、すべての学校行事を中止せず、感染状況を見ながら工夫して実施しました。昨年10月には中3の国内フィールドワーク(修学旅行)や今年4月にも十分な感染対策を行ったうえで、中学1〜3年生のオリエンテーション合宿を行っています。
エデュ:学内の行事について印象に残っていることはありますか。
宗像校長:文化祭を開催する際、生徒会や文化祭実行委員の生徒たちから「入場は保護者と受験生にしてほしい」という意見が出たことが印象に残っています。本当だったら他校の友達を誘いたいと思うのですが、「コロナで学校選びに悩んでいる受験生の役に立ちたい」「私が神田女学園を志望するきっかけが文化祭で先輩に優しくしてもらったからだったので、恩返しがしたい」などといった意見が多くあがり、「ダレカ」のために行動する生徒たちの熱い思いに心を動かされました。
生徒数が300人から500人に増加! 来年の入試はどうなる?
エデュ:生徒数が急激に増え、高い支持が出ていますが、2022年度の入試で変更することはありますか。
宗像校長:おかげさまで本校の教育への取り組みに賛同いただける方が多くなりましたが、日程や制度は大きく変わりません。しかし、ここ数年で本校の偏差値帯が上がったため、少し競争率が高くなるかもしれません。問題の難易度やレベル、分量などは変わりませんので、まずは基本をしっかりと身に付けていただき、得点力を上げた上で複数回出願していただくことをおすすめします。
エデュ:受験生へ向けて、メッセージをお願いします。
宗像校長:私が本校に着任した4年前と比べると生徒数が約300人から500人以上に増えました。生徒数だけでなく、高校入試では受験生の87.5%、中学入試では70%が本校を第一志望にしてくださり、生徒は自信と誇りを持って学校に通ってくれていて、校内は活気であふれています。本校はカリキュラムや環境が非常にユニークで、唯一無二だと思います。「おもしろそうだ」「期待できそうだ」と感じたら、説明会またはWEBで参加していただきたいです。帰国生や遠隔地にお住まいの方にはWEB入試も可能にしています。これからも「たゆまぬ革新」を重ねて、よりよい学校環境にして参ります。ぜひ、本校に足を運んでいただき、「革新的女子教育」を感じ取ってください。
編集者から見たポイント
「これからも『神田女学園の生徒です』と誇りを持って語れる学校であるために、学校価値を高めていきます」と、熱を込めて語られた宗像校長。生徒のことを第一に考えながら、今後も教育プログラムを磨き上げていこうとする強い覚悟が感じられました。次回はDDPへの参加を目指す「DDPクラス」の生徒にインタビューを行い、授業内容やDDPに対する「オモイ」などについて詳しくうかがいます。
今後のイベントスケジュール
イベント名 | 日時 |
---|---|
教育内容説明会 | 7月10日(土) 10:00~ |
授業体験会 | 7月31日(土) 10:00~ |
授業体験会 | 8月21日(土) 10:00~ |
教育内容説明会 | 8月28日(土) 14:00~ |
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