多様性をより豊かに 駒込中学校の特色入試
inter-edu’s eye
昨年度、駒込中学校では特色入試として「STEM(※)入試」「自己表現入試」を導入し、適性検査型入試の実施回数を増やしました。そこで、今年度連載第1回は、特色入試の概要をまとめた昨年度の連載に続き、実際の出題内容をご紹介するほか、特色・適性検査型の入試で合格した生徒の声をお届けします。さらに、2020年4月から変わる新制服をお披露目します。
(※)STEM :Science, Technology, Engineering, Mathematicsの略
特色入試の全容
2019年度の入試では、適性検査型は過去1回だった入試を3回に増やしました。この変化は、単なる知識型ではなく、思考力や判断力、そして発想して伝える力を持った生徒をさらに受け入れたいという学校の思いの現れでしょう。
そして、新たに特色入試「STEM入試」「自己表現入試」が導入されました。一体どんな内容だったのでしょうか。
STEM入試
【概要】
「Scratch」を利用したプログラミング試験で、受験生には1人一台のPCが割り当てられる。STEMⅠとSTEMⅡで構成。
【内容】
・STEMⅠ(50分):縮尺や速さに関する筆記問題。小学校の算数の範囲で出題。
・STEMⅡ(最大100分):出題は2問。①ネコが三角形の周りを3周するプログラムを完成させるため、修正箇所を見つけ、改良する。②最寄り駅から目的地への道案内動画を作る。
STEM2開始30分後、「自分が作ったプログラムの説明」「工夫した点や気づいたこと」をグループで討論。その後、討論の内容を活かして自身のプログラムを改良していく。
【試験現場のようす】
STEMⅡでは、プログラムを提出できれば途中退室が可能となるが、全受験生が最後まで自身のプログラムの完成度を高めていたという。終了後には「面白かった」と感想を述べる受験生も。
自己表現入試
【概要】
調べ学習をし、まとめた内容を発表する。「クリエイティブ型」「ディベート型」からどちらか一方を選択。
【内容】
クリエイティブ型:「株式会社バンダイナムコホールディングス」の社員になったと仮定して、企業の方針に合った新たな仕事を提案。
ディベート型:「正月の三が日休業に関する働き方改革の問題」について、賛成意見・反対意見それぞれの記事を読み、自分はどちらの意見か、またその理由を述べる。
【回答方法】
試験会場は図書室で、解答用紙は5mm方眼用紙。蔵書やPCを利用して調べ学習をし、自由な表現方法で自分の考えをまとめた資料を作る。
受験生・入学者数が増加した2019年度入試
2019年度入試では、全体で受験生が前年比126%、入学者数は116%で、学則定員を上回る125名が入学しました。さまざまな入試を導入するわけは、生徒の多様性をより豊かにするため。同じ理由から、2020年度からは一科入試(国・算)も加わります。
中1生・入試体験記
特色入試や適性検査型入試で入学した生徒がアンケートに答えてくれました。
STEM
Iさん バドミントン部・生徒会に所属
受験理由:都立中の併願。プログラムを習っていた。学校生活が楽しそうだった。
小学校で好きだった教科:英語
入試の感想:問題量が少し多く、簡単な部分はいくつかあったが、習ったことのない発展問題もあった。
Oくん 卓球部所属
受験理由:塾の先生の推薦
小学校で好きだった教科:理科
入試の感想:プログラムは簡単だったが、ペーパー試験は少し悩む問題もあった。
自己表現(クリエイティブ型)
Sさん 女子バスケットボール部所属
受験理由:姉が通っていて、学校の雰囲気がとても明るくて楽しそうだったから。
小学生のとき打ち込んだこと:トライアスロン、駅伝大会
入試の感想:自分の思い通りに書けばいいのでとても簡単だった。
自己表現(ディベート型)・適性検査型
Yくん ラグビー部・美術部に所属
受験理由:自由な校風と、やりたい学びと部活動があったため。
小学生のとき打ち込んだこと:フラッグフットボール、空手、和太鼓、絵画
入試の感想:自己表現入試は、論理的に書くことや現代社会の知識が必要でした。
適性検査型
Uくん 野球部所属
受験理由:兄が通っていて、同じ学校に行きたいと思ったから。
小学生のとき打ち込んだこと:野球と空手。小1のときから続けている。
試験について:ブンブンゴマの回転数の計測方法を考える問題で、使う道具や方法を自分で考えて説明するところがすこし難しかった。
Iさん バドミントン部所属
受験理由:都立中の併願。
小学生のとき打ち込んだこと:水泳
入試の感想:応用問題でとても頭を使いました。
コーディネートが楽しめる新制服
2020年度から中学校の制服が新しくなります。ベストとセーターはホワイト・グレー・ネイビーの3色があるので、毎日のコーディネートを楽しめます。
編集者から見たポイント
2019年度の特色入試では、受験生のほとんどが事前に行われる特色入試体験会に参加していました。この体験会はプログラミングに親しんだり、調べ学習を経験したりして、特色入試を疑似体験できるところが特長です。これから必要とされる学びに触れられる機会でもあるため、特色入試に興味のある方はもちろん、STEM教育に関心のある方にもおすすめ。今年は9月と12月に開催されます。
学校公式サイトへ ≫イベント日程
イベント名 | 日時 |
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【毎年大好評!】 給食試食会と高1内進生の体験談 | 2019年6月29日(土) 10:00~12:30 |
【夏休み体験会】(午前・午後共に同じ内容) おもしろ理科実験教室 / 楽しいクッキング教室 | 2019年7月28(日) 9:30~12:00 13:30~16:00 |
【からだを動かして英語を楽しもう!】 わくわく英語アクティビティ & やさしい坐禅体験 | 2019年8月25日(日) 10:00~12:00 |
【人気のクラブが大集合】 クラブ体験会 午後:STEM入試 / 自己表現入試 体験会実施 | 2019年9月16日(月・祝) 10:00~12:00 13:30~15:30 |
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