学校長からのメッセージ
国際カリキュラムでの「第一期生論文集」の示す明日!
本校が教育特区校としての認可を受け「国際カリキュラム」で立ち上げた国際教養コースの第一期生が今春卒業しました。大学の先生がその論文集に目を見張りました。大学の先生方にも特別講義をお願いしていたからです。「これだけのものは大学生にも難しいです」とおっしゃってくださいました。例えば次のようなテーマで生徒たちは研究論文を発表しています。
・「移民受け入れ先進国ニュージーランドから学ぶ日本の移民政策の展望」
・「川口市の在日クルド人を事例とした多文化共生の現状と展開」
・「現代的なリズムのダンス教育の意義」
・「自己肯定感の学習結果の向上の関係性及び学習意欲の維持」
・「日本の子供の貧困問題」
・「ブレインマシンインターフェースによる福祉の充実化」
・「人工知能による道徳教育の可能性」
・「幼児教育の視点 ― 非認知能力の認識と敏感期 ―」
等々です。
まずそれぞれの研究テーマの視点が素晴らしいです。教員顔負けのテーマばかりです。この「国際教養コース」は第二外国語にフランス語をオールイングリッシュで学んでいます。このクラスの内進生である「サッカー少年S君」は習ったフランス語の習得力を生かし、元・バルサGK/スペイン代表だったビクトールバルデス監督率いるマドリードのチーム、ナショナルリーグの試験に独学のスペイン語でチャレンジして見事栄冠を手にし、この春からスペインに飛び立ちました。彼が発表した論文のテーマは「スポーツをより楽しくするスポーツメンタルトレーニング」でした。彼はそれを電子黒板とiPadを使ってプレゼンテーションし、それに対しクラスメイトもiPadから質問を送るというICTをフル活用した「アクティブラーニング」で発表を行っていました。その際、担当の先生はファシリテーターとしてコーチング指導をしていました。
大学入試が難化する中、大きく伸ばした「大学合格実績」
今春の本校大学合格実績は飛躍的な進化を遂げました。
それは国際的な難関大学の1つである、カナダのブリティッシュコロンビア大学(カナダ・THE世界大学ランキング37位)や、アジアの難関校「延世大学(韓国)」、「国立清華大学(台湾)」に現役合格したのをはじめ、東京外大、神戸大、千葉大2、防衛大、農工大、電通大、茨城大等の国立大学や、早稲田11、慶應6、ICU2、明治32,法政32、中央30、上智9、理科大19、青山9、立教17、学習院11など、これまでを大きく塗り替える実績を出してくれたからです。
その第一要因としては、3年前に立ち上げた国際教養コースの第一期生が卒業を迎え、難関大学の合格実績を大きく伸ばしてくれたことです。その主な合格大学は次の通りです。
東京外語大(国際社会)、千葉大(法政経)、慶應(法)、慶應(法)、慶應(経)、慶應(文)、早稲田(法)、早稲田(政経)、早稲田(国際教養)、早稲田(文化構想)、上智(外国語)、明治(政経)、明治(国際日本)、明治(国際日本)、青山(国際政治経済)、青山(地球社会共生)、青山(地球社会共生)、立教(社会)、立教(社会)、立教(コミュニティ福祉)、立教(異文化コミュニケーション)、立教(文)、中央(法)、中央(法)、中央(国際情報)、中央(文)、法政(法)、法政(国際文化)、法政(文)、法政(文)、法政(キャリアデザイン)、学習院(国際社会科学)
…などですが、カンタベリー大学(NUZ)や延世大学(韓国)にも合格しています。
来春は理系先進コースの第一期生が卒業します。彼らの有志8名は高2でWROという「世界ロボットコンテスト」に出場、農業支援ロボットを制作し地区予選大会にて優勝を勝ち取っています。来春は彼らも受験生です。理科大を始めとした難関理系学部に志望を表明しています。今年の国際教養コースの実績に上乗せした進学実績が期待できます。しかし、本校は単純な受験進学校作りをしてはいません。21世紀後半のIoT時代のリーダーを育成するという課題に挑戦していくからです。本校の理系先進コースはアメリカが国家戦略として立ち上げた「STEM教育」を埼玉大学STEM教育研究センターと提携して導入しています。
大学入試は程なく世界標準のポートフォリオ入試にシフトします。本校はそれを見据えて「大学からオファーの来る生徒」を育成していきます。今年の大学実績はそのスタートラインのものです。中長期的にはAI=人工知能による「シンギュラリティ(技術的特異点)時代」を見据えた教育改革を行っていきます。AIの進化速度は指数関数的です。現在のAIの命令速度は10の10乗ミプス(1ミプスは1秒間に100万回)ですが10年以内には人類の脳の命令回数10の15乗ミプスを超えるといわれます。内閣府においてはこのシンギュラリティ時代到来を見すえた教育改革をスタートさせています。日本がAI時代に生き残れるかどうかは、今、どのような教育を国民教育とするかにかかっています。大河の流れも一滴からです。駒込教育はその一滴でありたいと念願して改革を進めてまいります。ご賛同賜れれば幸いです。