実験が好きの発見に STEM教育光るMEISEIアカデミック・ラボ
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体験を重視する明星中学校・高等学校(以下、明星)では、STEM教育で生徒の理数に対する探究心を育んでいます。今回はその一環として月に1度行われている「MEISEIアカデミック・ラボ」に潜入、実験や生徒たちのようすをご紹介します。
学校公式サイト≫明星のSTEM教育
STEMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の総称で、現在社会で重要視される4つの知識です。明星では、これらの専門知識に早い段階から触れられるよう、さまざまな取り組みを行っています。小・中・高の合同で星空観賞会を開催したり、つくばにあるJAXAや理化学研究所などを巡る1泊2日のサイエンスツアーを行うなど、生徒が楽しく体験できる機会を多く設け、系列大学以外との連携も盛んです。その中でも、生徒の理科への興味を引き出すきっかけづくりとして、MEISEIアカデミック・ラボが開催されています。
MEISEIアカデミック・ラボとは
今年で11年目を迎えるアカデミック・ラボでは、5つの実験室や本格的な天体ドームを活用し、各分野の実験や観察を行っています。少人数で行われるため、実験用の器具も1人に1つずつ準備され、2時間たっぷりと自分のペースで実験ができます。
乗附先生:生徒が将来を考える上で、このアカデミック・ラボが何かのきっかけになればと考えています。実験が好きな生徒がもっと高度な実験を求めて、理系進学を目指すようになったり、実験の際に用いる公式から数学に楽しさ見出す生徒が出てきています。どんなことに生徒たちが興味を持つのかを常に考えて取り組んでいます。
明星の理数教育について≫7月の実験テーマは『保冷剤の中身を科学する』
保冷剤の中身って何?
保冷剤の中身…あのジェル状のものは何でしょうか。身近なことでも知らない、それを科学するのがラボの醍醐味です。
今回は、保冷剤の中身は何かについて考える実験がスタート。まずは、保冷剤とは全く関係なさそうに思える「紙おむつ」と「脱脂綿」が用意され、それぞれ0.5gに対しての吸水性をチェックしました。
「何をしているのだろう?」と不思議に思いながらも実験を続ける生徒たちですが、実験の手引き以上のことをしたらどうなるのだろうと、黙々と水を足して経過を見ている生徒や実験過程に間違えがないようにと細かくメモを取る生徒など、生徒が一人ずつ実験を行うからこそ、自由な発想が行動にも表れていました。
実験の結果、見た目は似ていても紙おむつの中身は脱脂綿の約200倍の水を吸収することが判明。次に、先ほどの「水を吸収した紙おむつの中身」に食塩を加え、水を取り出す実験に挑戦。食塩を加えると吸水した紙おむつから徐々に水が出てきました。
保冷材の中身を考察
続いて、本題の保冷剤を調べるため、中身をビーカーへ移します。
保冷剤の中身の状態は、紙おむつの中身に水を吸わせた状態と似ています。保冷剤の中身にも食塩を加えると紙おむつと同様に水が出てきました。このことから、紙おむつと保冷剤の中身は同じものであると推察できました。
保冷剤と、紙おむつの中身の感触を確かめたり、ビーカーに耳を近づけて音を気にしたりなど、生徒によって関心はさまざまです。実験を自分のペースで行えることで「なぜだろう?」とじっくり考える時間があり、生徒が夢中になって理科を楽しむことができるのがアカデミック・ラボの魅力です。
最後に楽しみを 保冷剤の中身「高吸水性ポリマー」で芳香剤をつくる
保冷剤の中身の正体は、水を吸って逃がさない「高吸水性ポリマー」という物質で、砂漠の緑化や観葉植物の土の代わりなどに活用されているそうです。今回はこれを使って、「芳香剤」をつくりました。水に着色料とアロマオイル数滴を入れ、色・香りのついた水を保冷剤の中身に吸収させるだけで完成。実験の最後は自分だけのアイテムの創作に変わり、楽しんで行っているようすでした。
7月MEISEIアカデミック・ラボ詳細はこちら≫生徒たちを理科好きにするアカデミック・ラボ
参加をした生徒たちにお話をうかがいました。
エデュ: アカデミック・ラボの魅力は何ですか
岸田さん:教科書をただ読むのとは違って、実際に自分で物質をつぶしたり、混ぜたりしながらの実験を通して勉強できるのが魅力です。部活動と同じくらい放課後の楽しみな時間です。
エデュ:どうしてアカデミック・ラボに参加しようと思ったのですか
原田くん:もともと理系教科が苦手で、親に進められたのがきっかけです。明星小学校3年生の頃からずっと通っています。すぐに質問ができたり、授業の予習復習にもなるので自信につながります。
エデュ:普段の授業との違いはありますか
大藏くん:普段の授業では数人の班で実験を行いますが、アカデミック・ラボではすべて一人で実験ができます。もっと自分で応用してみたいと思うような内容で楽しいです。
エデュ:アカデミック・ラボに通い続けているのはなぜですか
阿部くん:授業では知ることができない未知のことをたくさん学べるからです。将来は生物学者になるのが夢なので、アカデミック・ラボでさまざまな実験と発見ができるのはうれしいです。
実験のようすはこちら!
編集部から見たポイント
初めから答えが分かっている実験ではなく、「なぜだろう」と考察させる実験スタイルは、生徒が自ら考えて行動する力につながると強く感じました。実験終了後も、今回の実験を夏休みの自由研究に応用できないかと質問する生徒の姿もあり、先生との距離が近いことも魅力だと思いました。
学校公式サイト≫イベント日程
イベント名 | 日時 |
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第6回 中学校説明会 | 10月6日(土) [説明会]14:00~15:00 [個別相談]15:00~ |
第3回 高等学校説明会 | 9月8日(土) 14:00~15:30 |
明星祭 | 9月22日(土)・23日(日) |
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