選べる留学!中村の国際コース
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清澄白河の緑豊かな環境で学ぶ中村中学校・高等学校(以下、中村)。高校では2022年度にコースを再編し、普通科3コース制(先進・探究・国際)となりました。今回は国際コースにスポットを当て、特徴や、今年度からの変更点を教頭の江藤健先生に詳しくご紹介いただきます。
地域と期間を選べる留学
高校は普通科と国際科に分かれていましたが、2022年度より普通科に統一され、国際科は普通科国際コースになりました。生徒数は例年10名前後で、今年度の国際コースの1年生は9名です。
国際科から普通科国際コースになり、今年度より変わった点を教えてください。
江藤先生これまでは1年間(10か月間)の留学が必須でしたが、1年間(10か月)留学、6か月研修、3か月研修の3つから選べるようになりました。エリアはアメリカ・カナダ・ニュージーランド・オーストラリア・アイルランドで、1校1名留学が原則です。教育方針は国際科のときと変わりませんが、普通科のコースとなったことで学年の一体感が増しています。
高1生はどこに、どの期間留学する予定ですか。
江藤先生入学前は6か月研修や3か月研修の希望者もいましたが、結果、9名全員が1年間留学を予定しています。内訳は、アメリカとニュージーランドが1名ずつ、オーストラリアが3名、カナダが4名です。
留学経験を活かす英語授業と探究学習
国際コースには英語力や国際力を高める独自の英語プログラムがあり、留学に絡めた探究学習も行われます。英語プログラムには「対話重視のドラマ授業」「TOEFL対策」「Dual Enrollment」「スペイン語の履修」などがあります。
「対話重視のドラマ授業」とはどのようなものでしょうか。
江藤先生ここで言うドラマとは、対話の構造を内包した演劇的手法のことです。ネイティブ教員による指導のもと、リサーチワークを基礎において、ディベート、ディスカッション、ドラマワークなどを実施。そして清澄祭(文化祭)では、国際コースの高1生が英語劇を演じます。
帰国後の高3の授業では、ディベート(A論、B論どちらかに勝敗をつける)や、ディスカッション(A論、B論を擦り合わせてC論を考え出す)を通して、合意形成力を培います。
TOEFL対策はどのように行われていますか。
江藤先生ネイティブ教員による対策授業が高1の1学期は週1コマ、2学期以降は週3コマあります。また、夏期・冬期講習中には、特別授業が必修で設定されます。
9月には他コースの生徒と同様にTOEFL Juniorを受検し、留学前の12月にTOEFL iBTを受検します。そして帰国後に再びTOEFL iBTを受けます。最終的な目標はiBT 80で、これは国公立大の卒業時に目標とされる得点です。全生徒がこの数値に達するわけではありませんが、留学後の得点の伸びは顕著です。
続いて、「Dual Enrollment」についてお聞かせください。
江藤先生Dual Enrollmentは二重登録という意味です。高校に在学しながら大学の単位を取得できるプログラムで、本校では2003年度からテンプル大学ジャパンキャンパスとの提携で実現しています。本校在学中に、ペンシルベニア州テンプル大学に在籍し、単位を修得できます。取得した単位は、アメリカやカナダの大学へ進学する際に単位として認められるとともに、大学での奨学金の選考の際にも有利となります。それゆえ、TOEFLのスコアもiBT79以上など、厳しい出願資格があります。
スペイン語の履修についてはいかがでしょうか。
江藤先生スペイン語専門の講師により、高校1年次には週1コマの授業を受講できます。日本で基礎を学び、留学後も履修する生徒が多いです。留学中にスペイン語の家庭教師をつけて学びを進める生徒もいるほどで、第二外国語の履修は「視野が広がる」と生徒に好評です。
国際コース高1生の高校入学時の英検取得級を教えてください。
江藤先生2級2名、準2級4名、3級2名、4級1名です。
国際コース内で、英語の習熟度別指導はありますか。
江藤先生国際コース内ではありません。高校3年次、他コースの生徒と合同になる英文法・英文読解の選択授業では習熟度別指導を実施しており、国際コース(国際科)のほとんどの生徒が上位クラスに属しています。
帰国後の英語力向上の取り組みはありますか。
江藤先生TOEFL、IELTS、英検への受検指導をします。ほかにも、模試などを通して伸びている分野、あるいは伸び悩んでいる分野を把握し、個々に適した指導をしています。留学前と同様ではありますが、授業のほとんどをネイティブ教員が担当することで、英語力、特にListening力とSpeaking力の低下を防いでいます。
国際コースの課題探究型学習
探究学習について教えてください。
江藤先生本校国際科・国際コースの課題探究型学習は、セーシスプロジェクト(Thesis Project)であり、長年、テンプル大学ジャパンとのパートナーシップのもと、「ジェンダー」を学習課題としてきました。2021年度からは、SDGs「ジェンダー」に加え、「健康と福祉」「住み続けられる町」もテーマに加え、主な指導はネイティブ教員が担当します。留学前に自分の興味と絡めて個人のテーマを決定し、現地でフィールドワークを実施し、帰国後に英語で論文を仕上げます。
国際コース高1生のテーマ
■Gender Equality in Schools 学校における男女平等
■The Gender Salary Gap ジェンダーの給与格差
■Gender and Leadership ジェンダーとリーダーシップ
■The Connection Between Exercise and Mental Health in Children 子どもの運動とメンタルヘルスの関係
■Gender Discrimination: Differences Between Japan and Canada ジェンダー差別:日本とカナダの違い
■Exercise and the link to Good Health エクササイズと健康へのリンク
■Global Warming 地球温暖化
■Mental Health and the Causes of Suicide メンタルヘルスと自殺の原因
海外大・国内大進学に手厚く対応!国際コースの進路指導
留学経験と高い英語力を持つ生徒への進学指導はどのように行いますか。
江藤先生個々の将来の目標に合う進路選択ができるよう、意識して支援しています。現・高3生と卒業生の実例をお話しします。
現・高3生
海外大(マレーシア)、上智大、成蹊大への指導を行っています。海外大の生徒に対しては、進学の流れを説明したり、IELTSのスコアを上げるための学習計画を一緒に考えたりしています。
国内大を希望する生徒には、学校推薦型選抜(公募制)に向けて小論文対策や面接対策を行い、留学経験と英語力をアピールできるように指導しています。
卒業生
海外大、上智大、早稲田大への進学指導を行いました。ただ留学したのではなく、「セーシスプロジェクト」に則り、テーマを立てて留学したことで、現地でのフィールドワークに関連した学部学科を選択し、総合型選抜で合格を勝ち取る生徒も少なくありません。
編集後記
前回記事で国際科の卒業生にインタビューした際、ネイティブ教員の授業を数多く受けていたことで物怖じせずに英語の環境に飛び込んでいけたことや、日常的に英語でエッセイを書いてプレゼンをしていた経験が大学受験での論文作成やポスター発表で役立ったことを聞きました。期間を選べるようになり、留学の自由度が増した新しい国際コースを多くの受験生に知っていただきたいです。
学校公式サイト ≫イベント日程
イベント名 | 日時 |
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【高校】説明会 | 2022年11月12日(土) 14:00~15:30 |
【中学】入試体験&入試説明会(2科、4科) | 2022年11月13日(日) 9:30~11:30 |
【高校】説明会 | 2022年12月3日(土) 14:00~15:30 |
【中学】入試体験&入試説明会(2科、エクスプレス入試) | 2022年12月18日(日) 9:30~11:30 |
【中学】入試体験&入試説明会(2科、適性検査Ⅰ) | 2023年1月15日(日) 9:30~11:30 |
連載コンテンツ
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