教科の枠組みを超えた特別学習
inter-edu’s eye
四季折々にさまざまな顔を見せる自然に囲まれた共立女子第二中学校高等学校(以下、共立女子第二)では、八王子の地に根差した伝統ある私学ならではの特別学習が実践されています。先生・生徒の声を通して、多様なアプローチから取り組む内容の数々についてご紹介します。
共立女子第二オリジナルの特別学習
多くの生徒たちを見守ってきた入試広報部主任の戸口先生と、中3生の安岡さん・阿部さん、高2生の千葉さん・金井さん・樋口さんから、オリジナリティあふれる特別学習への取り組み方をお話しいただきました。
教室を出て体験するフィールドワークについて教えてください。
戸口先生:理科の授業中にキャンパス内で行う野外観察やファーム体験によって、自然科学への興味・関心をひき立てます。理科では成長や変化の過程を観察することが重要ですが、ファームやポタジェガーデンはまさにそのような学習効果が期待できる場所です。ここでは野菜のみならず、ハーブや花の栽培、たい肥の生産も始めています。東京の学校でありながら土に触れられる環境は貴重で、自宅に持ち帰った野菜を使った料理についても紹介することがあり、ご家庭からの反応も上々です。
安岡さん:1年生のときに、校長先生と一緒に学校周辺のいろいろな生物を探して歩いたことが印象に残っています。
阿部さん:自分で収穫したナスなどの野菜を持って帰ったら、家族が喜んでくれました。普段は目にすることもないような虫をたくさん見られて驚きました。
収穫した野菜をおいしくいただく調理実習が好評なようですね。
戸口先生:併設大学に家政学部もある本校は家庭科教育を重視しており、調理実習もかなり多く行います。また、実習内容を家庭で再度実践する課題もあり、自分たちが生産に関わった食材を使用することは、生徒たちにとっても嬉しいもののようです。
千葉さん:野菜を種から育てて収穫するまでの苦労を体験し、「いただきます」の意味を改めて考えさせられました。校長先生が玄関ホールに採れたての野菜を用意してくださると、瞬く間にカゴが空になってしまうほどの人気です。
他校とは異なる特色ある取り組み ≫グローバル教育やキャリア教育も充実
ベルリッツの講師による体験授業の成果を教えてください。
戸口先生:2022年度から始まる「英語コース」で行う授業の一部を再現したデモレッスンを行った際には、開始時と終了間際で明らかに発話と表情に変化が見られました。英語コースは全員必修のターム留学に備えた土台作りを高1の2学期までに行いながら、帰国後も英語力を落とさないようにすることを目的の一つとしています。
安岡さん:ゲーム感覚のアクティビティから英語を勉強することができ、さらに英語が好きになりました。
外国人大学生と協働して進めるEmpowerment Programとはどのような内容ですか。
戸口先生:校内留学の観点から、夏の期間に本校へ英語圏の留学生を招いて、少人数でディスカッションを行うものです。授業で学んでいる英語で海外の方とコミュニケーションがとれることを改めて知り、生徒たちの英語学習への意欲が大きく高まっています。生きた英語を学んできた高校生の中には、すでに英検準1級の取得者が8名いますね。
安岡さん:英語の授業で話すネイティブの先生方から学んだ英会話のおかげで、大学生の皆さんと会話をしながら異なる文化や知識を共有できました。意見交換の繰り返しが自分自身の自信にもつながってきたことを実感しています。
将来を考えるきっかけとなる職場体験や事前学習講演会のエピソードを教えてください。
戸口先生:社会との接点を持ち、新たな気づきの機会を作るキャリア教育の一環として実施しています。職場体験でテレビ局の裏方を体験して大学卒業後にテレビ局へ就職した卒業生などもいます。また、職場訪問の礼儀作法やマナー、電話のかけ方、自己紹介の書き方なども職場体験の機会に学んでいきます。
阿部さん:事前学習講習会では電話やメールでアポイントメントを取る際のマナーを知ることができて、大変ためになりました。いろんな興味から行動につなげることが大切だと気づくことができ、何でも挑戦してみて経験を重ねていくことが今の目標になっています。
朝読書や読書ノートを活用する3-100計画(読書プログラム)について教えてください。
戸口先生:名前のとおり3年間で100冊を読了しようというプログラムで、10年以上前から取り組んでいます。興味を持って取り組んでもらうため、ジャンルやページ数を限定したり課題図書は設けていません。6万冊の蔵書を持つ本校の図書館ですが、最近はICT化の影響もあって電子図書館をオープンしています。
阿部さん:登下校中に本を読む習慣が身につきました。読書によって自分の世界が広がり、語彙も増えて自分の考えを言葉にしたり、今までとは違う視点からさまざまな意見を持てるようになったと思います。
すべての生徒が享受できるグローバル教育 ≫他者の考えから学ぶ貴重な体験の数々
中学生が全員で参加する主張大会の様子を教えてください。
戸口先生:主張大会は中学校開校以来の伝統行事で、中学生全員が自分でテーマを決めた作文をクラスで発表し、選ばれたクラスの代表者が中学全体の前で発表するという流れになります。多くの生徒たちに意見を伝える必要がありますので、論理的思考力や発信力、さらには資料やパネルを用いた表現力を鍛える場になっています。
金井さん:自分の意見だけでは説得力がないので、聞き手を納得させるための理由や意見を考えることが大変でした。大会全体を通して共感できる考え方がたくさんあり、代表として発表した人の伝え方からも学べる要素がありました。
卒業生や外部講師による特別講義にも生徒からの反響があるそうですね。
戸口先生:本校の卒業生で直木賞作家の中島京子さんの講演や、共立女子大学の先生がコーディネートして国際会議(COP21)を再現したパネルディスカッションなどが生徒の印象に残っているようです。普段の授業とは異なる発展的な学習例と言えるでしょう。
千葉さん:国際会議をテーマにした講座に参加したことで気候変動や温暖化の問題について深く考えるきっかけにつながり、すぐ目の前にある環境だけでなく世界中に目を向けることが私たちに必要なことだと学べました。
樋口さん:中島京子さんのお話を聞いて、好きなことを見つける大切さを教えていただきました。ちょうど今後の進路を考えている時期だったので、目標に挑戦する勇気が湧いたのを覚えています。
生徒自身がテーマを決める共立探究とはどのような内容ですか。
戸口先生:高1では新聞スクラップの作成やビブリオバトルを実践したり、外部講師による講演に参加しながら探究活動に向けた姿勢や視点を作っていきます。高2では7つの領域の中からテーマを選んで探究活動を行い、最終的に領域ごとの発表・共有を行います。高3では卒業後の進路を見据えた自分探究に進みます。
樋口さん:お気に入りの本を紹介して参加者全員がディスカッションする「ビブリオバトル」では、どの本が一番読みたくなったかをみんなに伝えるのに苦労しました。クラス内の発表でしたが、質疑応答の中から臨機応変な対応力が身につきました。
学校の最新情報一覧 ≫編集者から見たポイント
教育現場に立つ先生方による長年の指導からノウハウを得た特別学習の数々をご紹介しました。中高6年間を通して貴重な学びを体験してきた生徒たちの成長と今後の活躍にぜひともご注目ください。
イベント名 | 日時 |
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中学校入試説明会 | 2022年1月8日(土) 10:30~12:00 |
中学校説明会(新小6生以下対象) | 2022年3月26日(土) 14:00~15:30 |
連載コンテンツ
お母さま目線から評価する中高一貫の女子校生活
ママ視点から評価する学校生活の魅力や、中学受験を乗り切ってきた際のヒントなどを幅広くご紹介します。記事を読む≫
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英語コースがスタート!
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2022年11月1日
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2021年10月19日
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