2023年度入試の傾向と対策!受験の疑問を先生が解決
inter-edu’s eye
2022年度に「中高一貫2-1-3システム」を導入してから初めての入試を迎えた、日本大学高等学校・中学校(以下、日大中高)。広報部主任の藤原くみ子先生にお話をうかがい、2023年度の傾向や次年度の対策ポイントとともに、保護者から寄せられた入試関連の質問にもお答えいただきました。
幅広い学力の受験生が挑戦!国語の出題傾向に注目
2023年度入試の受験者数や出題傾向などについて、例年との違いを藤原先生に分析していただきました。
2023年度入試を振り返り、全体的なご感想をお聞かせください。
藤原先生受験生の層がさらに広がりました。成績上位層の受験生の数が増え、全体的なレベルが上がった印象です。特にA-1日程の上位層の受験者数は想定以上の多さで、入学手続き率も高く、とてもうれしい結果となりました。
2023年度 2月1日(A-1、A-2日程)入試結果
A-1日程 | A-2日程 <国語選択> |
A-2日程 <英語選択> |
適性検査型 | |
---|---|---|---|---|
志願者数 | 254名 (男151名、女103名) |
427名 (男255名、女172名) |
23名 (男13名、女10名) |
199名 (男102名、女97名) |
受験者数 | 196名 (男120名、女76名) |
387名 (男233名、女154名) |
22名 (男12名、女10名) |
198名 (男102名、女96名) |
合格者数 | 66名 (男40名、女26名) |
173名 (男101名、女72名) |
7名 (男6名、女1名) |
100名 (男51名、女49名) |
実質倍率 | 3.0倍 | 2.2倍 | 3.1倍 | 2.0倍 |
「中高一貫2-1-3システム」を導入したことで、コース別の入試結果に変化はありましたか。
藤原先生コースごとの特徴がより明確になったため、グローバルな視点での学びや、英語を少人数制授業でスキルアップしたい受験生はグローバルリーダーズコース(以下、GLコース)、広い視点で幅広い分野を学びたい受験生はアカデミックフロンティアコース(以下、AFコース)をしっかり選んでくれたと思います。GLコースはAFコースよりも平均点が高く「難易度が高いのでは」と思う受験生も多いようですが、入試問題は同一で、さらにスライド合格もありますので、敬遠せずに挑戦していただきたいです。
2023年度入試で、受験生が特に苦戦していた科目はありましたか。
藤原先生記述問題が増えた国語に苦戦した受験生が多かったようです。事前にアナウンスをしたうえで例年よりも文章量を若干増やし、記述問題も増えました。社会が要請する力を本校入試でも重視し、思考力・読解力・記述力を求める出題形式へと徐々にシフトしていますので、ほかの科目でも思考力を問う問題を取り入れています。
2018年度より開始した適性検査型入試について、今回の手応えをお聞かせください。
藤原先生適性検査型入試は志願者数、入学者数ともに昨年度よりも増加しました。レベルが高い解答を書く生徒が多かったため、2023年度も合格者を多く出しました。入学後には学年を引っ張ってくれる生徒が多く、適性検査型入試を導入した効果を強く実感しています。
受験前に知っておきたい入試の疑問に先生が回答
学校説明会や個別相談会で多く寄せられた保護者からの質問について、藤原先生にお答えいただきました。
保護者
出願時にはコースを選択する必要がありますが、AFコースとGLコースは何が異なるのでしょうか。
藤原先生AFコースでは幅広い分野を学び、探究活動を広い視点で行います。一方、GLコースは英語教育にも注力したコースで、グローバルな視点で授業や海外研修に取り組み、英語の授業では少人数制でレベル別に授業を行うため、英語を初めて学習する生徒もしっかり英語力を伸ばせるカリキュラムとなっています。本校では「スライド合格」があるため、どちらの方が受かりやすい、ということはありません。
保護者
募集要項にある「スライド合格」や「チャレンジ受験」とは、どのような制度でしょうか。
藤原先生実は、この数年は「スライド合格」がなく、「チャレンジ受験」も起こりませんでした。どちらも、2コースの合格点に差がある場合のみ発生します。「スライド合格」とは、一方のコースに受からなかった場合でも、もう一方のコースの合格点に達していればそのコースで合格が出るシステムです。そして、スライド合格で出た合格を保持したまま、別日程で第1希望のコースの試験を再度受ける「チャレンジ受験」も可能です。受験回数に制限はなく、受かるまで何度でも挑戦することができます。本校は2コースともに同一の入試問題での出題のため、出願コースによる有利不利や、どちらの方が受かりやすいということはありません。この数年の入試においては、両コースの合格点が同じでしたので「スライド合格」はなく、どちらに出願しても希望のコースに合格できた形になります。出願時には2年間過ごしたいコースを選んでほしいです(出願後のコース変更はできません)。
保護者
入試日程はどのように選ぶのがよいでしょうか。
藤原先生募集人数が少ない後半の日程ほど倍率は高くなりますので、前半の日程で受けていただいた方が合格の可能性は高まるかと思います。また、日程によって4科(国語・算数・社会・理科)、2科(「国語・算数」、「英語・算数」)、適性検査型から選べますので、得意・不得意科目を考慮して選ぶこともできます。
保護者
複数回受験をするメリットはありますか。
藤原先生複数日程で3回以上の同時出願をした場合、受験料は2回分の一律5万円で入試を受けることが可能です(ただし、帰国生入試と適性検査型入試を除く)。
保護者
入学後、大学進学に向けてはどのようなサポートがありますか。
藤原先生日本大学への進学と他大学への進学、どちらも目指せるハイブリッド校でありたいと思っています。そのために導入したのが「中高一貫2-1-3システム」です。自分のやりたいことと勉強を両立しながら日大を中心に目指す総合進学プレコースと、海外大学や国際系大学を目指すスーパーグローバルプレコース、国公立および最難関私大の受験に挑戦する特別進学プレコースに中3から分かれ、生徒たちのニーズや個々の適性に合わせて成長できるよう体制を整えています。
保護者
日大中高の校風を教えてください。
藤原先生素直で朗らかな生徒ばかりで先生との距離も近いので、いつも温かな雰囲気が流れています。運動部が強い印象がありますが、文化部の数も多く、それぞれの生徒に居場所があります。また、生徒たちは中学の段階から勉強に意欲的で、友達と点数を競ったり課題について声をかけあったりと、生徒同士で日々切磋琢磨しているのが印象的です。
基礎学習と過去問活用が合格を掴み取る一番の近道
日大中高を目指す受験生に向けて、藤原先生からアドバイスとメッセージをいただきました。
受験対策のポイントを教えてください。
藤原先生繰り返し過去問を解き、傾向を掴みましょう。国語に関しては、2023年度の傾向を参考に対策をしてください。社会は時事問題を取り上げることが多いので、日頃からニュースを意識しておくとよいですね。全体を通して奇問は出題しませんので、基礎力をしっかり身に付けておくことが何よりも大切です。
入学した暁には、どのような学校生活が待っていますか。
藤原先生学校生活のなかでさまざまな経験を積める仕かけをたくさん用意していますので、先生や在校生たちと一緒に楽しんでくれる受験生に来ていただきたいですね。「中高一貫2-1-3システム」をうまく活用し、中1中2の早い段階から将来を見据えて、自分のやりたいことを実現するために動き出してほしいと思っています。
次年度の受験生へのメッセージをお願いします。
藤原先生入学生を見ていて感じるのは、受験のために必死で勉強してきた時間はしっかりと皆さんの力になっているということ。ここぞというときに頑張れる力がありますし、びっくりするほど豊富な知識を得ているはずです。それらを武器に、入学してからも目標を見つけ挑戦し、その先の将来で活かせる力を本校で身に付けてください。そんな学校生活を楽しみにしながら中学受験に挑んでほしいです。
日大中高で送る学校生活の様子 ≫編集後記
早くから将来を意識した学習ができる「中高一貫2-1-3システム」を導入し、ますます学び舎としての魅力を増す日大中高。今回の入試結果からは、今まで以上に幅広い学力の生徒たちから人気を集めていることが分かります。受験勉強にあたっては、藤原先生からうかがった2023年度の傾向や対策のポイントをぜひ意識してみてください。
学校公式サイト ≫イベント日程
イベント名 | 日時 |
---|---|
学校見学会 | 2023年4月1日(土)9:00~9:45 ※要予約 |
連載コンテンツ
生徒が語る!林間学校での学びを深める探究活動
中1の林間学校と事後学習としての探究活動について、中1生6名と引率の大橋康平先生にインタビュー。体験に重きをおいた探究活動の魅力に迫ります。記事を読む≫
ついに始動!「中高一貫2-1-3システム」で高まる学習効果
2022年度より新体制「中高一貫2-1-3システム」がスタート! その導入を主導された齋藤善徳先生にお話をうかがい、その真価に迫ります。記事を読む≫
スペシャル動画
掲載の記事・写真・イラスト・独自調査データなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます。
Copyright © inter-edu.com Co.,Ltd.