入試問題は学校の顔! 大宮開成が試験に込めた想い

入試問題は学校の顔! 大宮開成が試験に込めた想い

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埼玉県内の代表的な進学校として知られる大宮開成中学・高等学校(以下、大宮開成)。先生方から入試対策についてお聞きしたところ、「入試問題は学校の顔」とのこと。そして得点力だけでなく、「本校に合った知的好奇心」を測れる問題という気になるお言葉が……。今回は、出題内容をご紹介しつつ、「入試に込められたメッセージ」を解き明かします。

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「基本問題でかなりの点数が狙える」

校訓「愛・知・和」の精神のもと教育活動を展開している大宮開成。入試でも、高い志を持った受験生を選抜します。お二人の先生に詳しく解説していただきました。

有田浩之先生(社会科)、教務部長の越阪部晋先生(国語科)
(左から)有田浩之先生(社会科)、教務部長の越阪部晋先生(国語科)。有田先生は大宮開成の卒業生です

インターエデュ(以下、エデュ):最初に、全教科に共通する出題意図や作問のコンセプトを教えてください。

越阪部先生:大宮開成の教育の土台には、生徒たちが大人になったとき、豊かな教養をもとに社会を見つめ直し、より良いものを創造する人になってほしい、という想いがあります。そのため、入試でも幅広く学ぼうとしているか、知識を活かして自分の意見を言えるかなどを測る場面があります。中高6年間で発展的な学習内容や濃密な人間教育を行いますので、そこにチャレンジできるかどうかを一つの指標にしています。

エデュ:大宮開成に挑戦するにあたって、どのようなことを心がけるべきでしょうか。

越阪部先生:とにかく苦手教科をおろそかにしないことです。各教科とも基本問題だけでかなりの点数が取れるように出題内容を組み立てていますので、あきらめないでください。そして、得意教科については記述式問題でも高得点を狙ってください。そのために、毎日の学習の中で、「どうしてこうなるんだろう」「この知識を何かに応用できないかな」という発想を大切にしてください。

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愛・知・和の想いが込められた国語の出題

続いて各教科について解説していただき、出題に込められた受験生へのメッセージを探ります。

図書館
たくさんの蔵書がある大宮開成の図書館。書架はなんと4万冊まで収蔵可能です。「知への欲求」が大きく育つ学校環境を物語ります

エデュ:国語の出題の特徴を教えてください。

越阪部先生:論説文と小説の読解・知識問題を出題します。実は、受験生に読んでもらう文章は、大宮開成からのメッセージが伝わるように選んでいます。

エデュ:そのメッセージとは何ですか。

越阪部先生:大宮開成の校訓でもある「愛・知・和」です。文章から愛を感じるもの、人間関係の大切さを説くものなどをいつも選んでいます。過去問をご覧になれば、友情に関する物語などが比較的多いことがお分かりになるでしょう。入試当日は、受験生にとって大きな成長を遂げる日です。糧になる言葉と出会ってほしいと願っています。

エデュ:国語の入試対策を教えてください。

越阪部先生:毎回記述式問題が出題されますが、本文中の傍線部の近くに必ずヒントがあります。部分点も加点しますので「記述が苦手」という受験生も投げ出さないでください。毎回穴埋め問題なども、やはり傍線部の近くに解答や、解答のヒントがあります。

越阪部先生
越阪部先生は国語の作問を担当されています。受験生には「学習を『点取りゲーム』にしないで興味・関心を持ってほしい」とお考えです
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「解ききる力」重視。算数の合否の分かれ目は

有田先生
有田先生は入試広報ご担当。皆さんも学校説明会などでお会いするかもしれません

エデュ:算数の出題の特徴を教えてください。

有田先生:つるかめ算や旅人算などの特殊算、割合、図形など幅広い出題となります。大宮開成の入試は3日ありますが、3日分で算数のほぼすべての範囲が網羅できるほどです。基礎問題をしっかり取れれば5割には届きますので、「受験生の努力をしっかり認める」出題内容となっています。

エデュ:算数で測りたい力を教えてください。

有田先生:何よりも「自分ひとりで最後まで解ききる力」を測りたいです。大宮開成の算数は途中式を採点することはありません。他教科で記述式問題が多いため、算数では正解に辿り着くまで突き詰めることができたかを最重要ポイントにしました。問題集を繰り返し解いて、中学受験の典型的な問題に慣れれば、かなりの得点が期待できますよ。

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「未知に挑む力」はありますか?理科は要注意の問題アリ

化学実験の様子
大宮開成は中学3年生で毎週2時間の化学実験を行います。理科好きのお子さまは要チェックです

エデュ:理科の出題の特徴を教えてください。

越阪部先生:パッと見ただけでは難しそうだけど、ちゃんと理解すれば簡単に解けるという問題が混ぜてあります。小学校の学習範囲を超えた科学的知識を題材にしたものも出題されたことがありますが、実は問題文やグラフをしっかり読み解けば答えは出せるように作問されています。

エデュ:そうした問題を出すのはなぜですか。

越阪部先生:大宮開成に入学すると、多彩な学習内容に触れて、教養を深めていくことが求められます。ですので、「知らないことにも興味を持って考えてみる」という姿勢の受験生を高く評価します。そういう意味で、大宮開成の特色が出題内容に色濃く反映されているのが理科かもしれません。理科の問題が面白いと感じられたら、大宮開成で大活躍できるでしょう!

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社会「受験生自身の意見を問う記述問題」とは

プレゼンテーションの様子
大宮開成の生徒はプレゼンテーション教育を通して現実社会と向き合います。写真は代表者が大会場で発表する開成文化週間の様子

エデュ:社会の出題の特徴を教えてください。

有田先生:地理・歴史・公民の各分野からまんべんなく出題します。受験生自身の意見を問う記述式問題もありますので、「その場で考えて答える力」を発揮してもらいたいです。そのためにも、社会問題を自分事として捉えてみたり、歴史的事実の背景を考えてみたりする訓練をしてください。

エデュ:「受験生自身の意見を問う記述式問題」とはどのようなものですか。

有田先生:50字程度の字数で、日本が抱える自然災害や人口の問題について解決策を考えてもらうなどしてきました。大宮開成ではプレゼンテーション教育という教育活動の中で、社会の現状を捉え、自分なりの解決策を提案することに取り組んでもらっています。そうした入学後の教育と関連付けた作問をするよう心がけています。過去問題を解くとき、また試験当日、楽しみながら社会のことを考えられるよう、日ごろから新聞やニュースに興味を持ってほしいと思います。

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「学びは幸せなこと」受験生への応援メッセージ

最後に先生方から受験生へのメッセージをお届けします。

越阪部先生:皆さんに勉強を楽しんでもらいたいと心から願っています。そのためにも、学習内容に興味・関心を持ってもらいたいと思います。そうすれば、きっと中学受験で大きな成長を遂げることができますよ。

有田先生:中高6年間を有意義に過ごしてから大学に進むと学問の本質に辿り着けます。今は受験勉強が大変で分かってもらえないかもしれませんが、学びは本当に幸せなことです。まだ見えない幸せがあると信じて、努力を惜しまずに頑張ってください。

編集者から見たポイント

大宮開成は入学後の教育活動を踏まえて、入試の作問をしています。もし、受験当日にプレッシャーを感じながらも、ワクワクする気持ちがあれば、きっと大宮開成で充実した中高6年間を送れるでしょう。

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