”櫻イノベーション”で叶う次世代型教育! その効果とは?
inter-edu’s eye
日本大学櫻丘高等学校(以下、日大櫻丘)では、櫻イノベーションとして「グローバル教育」、「体験型高大連携教育」、「アクティブラーニング×ICT教育」、「クリティカルシンキング」の4つの柱を掲げています。今回はこの中から後者の2つに注目し、ICTを活用した生物の授業のようすを見学した後、担当の先生にお話をうかがいました。
ICTをフル活用! 櫻イノベーションの現場に潜入
1人1台のタブレット端末を使いこなす
日大櫻丘では、これからの時代を生き抜くために必要不可欠な思考力・判断力・表現力、そして主体的に学ぶ能力を生徒に身につけさせるため、ICTを積極的に活用しています。
現在の1・2年生には1人1台のタブレット端末が支給され、生徒は授業にアクティブに参加できるようになりました。また、各教室には電子黒板が設置されており、生徒がタブレットに入力した解答を投影しながら、先生と生徒による双方向の授業が行われています。他にも、学習動画が閲覧できるスタディサプリの導入により、生徒は自学自習を効率的に進めることができます。
調べ学習も意見発表もスムーズに
実際の授業でどのようにICTが活用されているのかを確かめるため、取材陣は生物の授業にお邪魔しました。
この日の授業は肝臓の働きがテーマ。先生から出される問いに対して、生徒は手元の端末をフルに活用して自らの考えをまとめ、理解を深めていました。
よりアクティブに! 最先端の進化を遂げる授業
今回見学をした生物の授業担当の石原裕介先生に、ICTのねらいから櫻イノベーションについてまで、お話をうかがいました。
インターエデュ(以下、エデュ): ICTの授業への活用方法を具体的に教えてください。
石原先生:メインの活用方法としては、授業に付随する調べ学習や、一人ひとりの意見を電子黒板に投影させて全体の意見を共有して考えることなどにあります。
エデュ:ICT導入によるメリットや変化はどのようなものでしょうか?
石原先生:やはり手軽に調べられることと、宿題の提出もタブレットで完結することが大きなメリットですね。さらに、自分のノートを撮影して電車の中で勉強している生徒や、スタディサプリを上手に活用している生徒を見ると、学習に向かうハードルが下がったという印象があります。
エデュ:導入前に予期していなかった効果はありましたか?
石原先生:生徒は普段からスマートフォンに親しんでいるのですぐに使いこなすことは想像していましたが、生徒間のシェアが当たり前のことに驚いています。たとえば生物の実験結果などを撮影して、すぐに他の班と共有して比較するなど積極的な姿勢はうれしく思います。
エデュ:櫻イノベーションの「アクティブラーニング」について、ICTがどのように役立っているでしょうか?
石原先生:カラーの資料や動画など、視覚的・聴覚的に訴えることができるようになり、教科書の平面的な学びから一歩踏み込んだ学びができるようになりました。生徒に、より興味を抱かせて、さらにもっと調べようと思わせるアクティブな学びが展開できると考えています。
エデュ:同じく「クリティカルシンキング」についてはいかがでしょうか?
石原先生:現在は主に国語で導入しており、筆者の考えにあえて批判や疑問を持たせ、そこから考察を深める授業を展開しています。将来的には全教科に取り入れていくつもりですが、生物であればタブレットで論文を読ませて、論文の結論以外にも可能性は考えられなかったかなど、いい意味での「疑いの目」を培っていきたいですね。
エデュ:論文などは紙で配ることもできますが、そこにICTを導入することにどのような意味があるでしょうか?
石原先生:確かに紙で配ることもできますが、紙だと事前に用意した資料しか机の上になく、情報が限られてしまいます。一方、タブレット端末ならロイロノートなどの授業支援ツールを用いて過去の資料を参照できたり、必要な情報をすぐに検索できたりするので、より学びを深めらると考えています。
エデュ:ICTを導入しつつも、学びにおいて変えたくない部分はありますか?
石原先生:授業のスタイルは時代に合わせてどんどん変えていく一方、学ぶことの面白さや、「なぜそうなるのか?」と疑問に思う探究心を持たせることは変わらず念頭に置いていきます。
教育理念「自主創造」と教育目標 ≫編集者から見たポイント
先生と生徒がタブレットを使いこなして展開する授業は、まさにイノベーションの現場でした。「授業の進化についていく先生も大変ですよね」と石原先生にお聞きすると、「生徒の10年、20年先を考えなければいけないので、最新の学びを用意するのは教育現場として当然のことです」と頼もしいお言葉が。今後も櫻イノベーションで進化を続ける日大櫻丘に注目です。
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