中学時代に思考力・発想力を伸ばす! 狭山ヶ丘の一貫教育
inter-edu’s eye
狭山ヶ丘高等学校付属中学校・高等学校(以下、狭山ヶ丘)は埼玉にある進学校です。中学では、「将来像の具体化」「自己分析」「思考力・発想力の向上」をキーワードに生徒の進路指導をしているといいます。そこで今回は、高1生へのインタビューを通して狭山ヶ丘の一貫教育の魅力を探ります。
刺激を受けた「総合」の時間
高校には、難関国立進学・特別進学・総合進学・スポーツ進学の4コースがあります。インタビューに参加してくれたのは、難関国立進学コースの小林勢奈くんと宮村芽以さんです。
インターエデュ(以下、エデュ):入学を決めた理由を教えてください。
小林くん:両親にすすめられたからです。
宮村さん:勉強に集中できる環境があると感じたからです。入学してみて、男子は落ち着いている子が多く、女子は明るい子が多いなと思いました。
エデュ:中学時代を振り返り、印象的だった学びを教えてください。
小林くん:「総合的学習の時間」で学んだ内容は強く印象に残っています。
宮村さん:1年次や2年次にはMindMapの作成やBrainStorming(※)をして、自分の考えを可視化する方法や発想を広げる方法を実践し、発表しました。小学生の頃に比べて発表の機会が多いので、人前で話すことに慣れましたね。
小林くん:みんなと話し合いながら、アイデアを出す作業は楽しかったです。
(※)MindMap:思考の表現方法の1つ。メインテーマを中央に据えて、そこから派生するものや連想するものを放射線状に文字や形にして表す。
BrainStorming:複数人が自由に意見を出し合い、より多くのアイデアを創出する会議手法。
中3で論文作成に挑む
小林くん:3年次には、1年かけて4,000字の論文作成に挑みます。最初は何も分かりませんでしたが、先生が段階的に論文の書き方を指導してくれました。僕は金融や経済に興味があったので、お金の形をテーマに、キャッシュレス社会が今後どうなるかを論じました。
宮村さん:私は日本語に色を表す言葉が多い理由を探り、考察しました。芸術分野に関心があったことと、日本は世界から見て独特だと言われることが多い理由を突き詰めて考えたかったからです。
エデュ:情報収集はどのように行いましたか。
小林くん:各種サイトからです。お金の情報は総務省が情報をたくさん提供していて、こうした国の情報は信頼度が高く、役立ちました。
宮村さん:私もネットで情報を集めましたが、参考文献として引用した情報源のほとんどは書籍でした。論文作成時に使用した本だけで30冊ぐらいあり、テーマを決める段階でも多くの本を読んでいます。好きなテーマで論文を作成できるため、調べる作業はとても楽しかったのですが、4,000字の論文を作成するには信頼できる情報をたくさん集めなければならず、大変でした。
エデュ:周りのクラスメイトは、どのようなテーマを選んでいましたか。
宮村さん:社会問題や環境問題を取り上げる生徒が多かったです。
小林くん:面白かったのは、娯楽をテーマにした論文です。平安時代から現代までのメインとなる娯楽をピックアップして、特徴を比較したうえで「現代の娯楽に必要なものは創造力や技術だ」と結論を出していました。
エデュ:論文作成で得たものは何でしょうか。
小林くん:論文を書いたことで論理的思考が身につきました。また、仮想通貨について調べたことをきっかけにプログラミングに興味を持ち、趣味の1つとして取り組んでいます。
宮村さん:自分の考えをしっかり形にできるようになりました。あと、本を読んでいて「作者の思考は私の考えに似ているな」などと考えるようになりました。
高校で学習時間が増加
エデュ:高校生になってから、どのくらい自主学習をしていますか。
小林くん:1日1~2時間です。中学時代は定期考査前に集中的に勉強していましたが、難関国立進学コースに進学し、周りのペースに合わせていたら普段から勉強するようになりました。中学の頃と違い、進路ガイダンスなど受験について考える機会が増えたことも関係しているかもしれません。
宮村さん:1日4時間です。中学生のときは、テスト対策や漢検・英検対策がメインで1日2時間くらい勉強していました。今は問題集にも取り組むようになり、勉強時間が増えています。
盛り上がった体育祭
エデュ:1学期の思い出を教えてください。
宮村さん:昨年は中止になった体育祭が実施できて、すごく楽しかったです。狭山ヶ丘の体育祭はオリジナル競技が多いんですよ。
小林くん:僕は“ぐるぐるバッド”をする「ぶっとべ三半規管」と、「風林火山」とリレーに出場しました。
宮村さん:「風林火山」は騎馬戦なのですが、コロナ禍のため内容を変えて移動式玉入れになりました。
在校生が感じる学校の魅力
エデュ:学校の良いところを教えてください。
小林くん:生徒思いの先生が多いところです。生徒の成績を上げようと、先生が工夫して授業をしてくれていることが分かります。
宮村さん:居心地の良い環境があるところです。中学受験時は施設面を重視していませんでしたが、毎日長い時間滞在する校舎が綺麗だと、すごく気持ちが良いことを日々実感しています。また、学校が学習する機会を提供してくれるところも良いですね。中学時代、朝ゼミに参加したことをきっかけに、「ほかの日も朝早く学校に行って勉強しよう」と、新たな勉強時間を作るようになりました。
エデュ:最後に、希望の進路や将来の夢を教えてください。
宮村さん:小学生の頃から医師に憧れていて、今は国公立大医学部への進学を目指しています。
小林くん:定まった夢はまだなく、何でもやりたいと思っています。絵を描くことが好きなのでイラストレーターや3Dモデルのクリエイターになりたいし、プログラマーにもなりたい。あと社長にもなりたいです。
編集者から見たポイント
お二人の話から、総合的学習の時間で「自己分析」「思考力、発想力の向上」を実践している様子がうかがえました。これらを中学時代に時間をかけて取り組むことにより、高校では早期から自身の進路についてじっくり考えることができるのでしょう。一貫生から東大など難関大合格者が出ていることに納得したインタビューでした。
イベント日程
イベント名 | 日時 |
---|---|
第3回学校見学説明会 | 2021年10月9日(土) 14:00~ |
第4回学校見学説明会 | 2021年11月14日(日) 10:00~ |
第5回学校見学説明会 | 2021年12月4日(土) 11:30~ |
連載コンテンツ
狭山ヶ丘で夢を叶える!一生の思い出を作る!文武両道を支える充実の施設
明るい話題が続いた2021年度の部活動トピックスをお届け。また、恵まれた学校施設についてもご紹介します。記事を読む≫
コロナ禍でもGMARCH合格40名増 慶應合格の卒業生に聞く狭山ヶ丘の進路指導
コロナ禍の2021年度大学入試を、慶應法学部に進学した内進3期生と教頭の北谷先生が振り返ります。記事を読む≫