聖学院の特徴的な取り組み「パラスポーツプロジェクト」

聖学院の特徴的な取り組み「パラスポーツプロジェクト」

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2020年東京で行われる国際的なパラスポーツの祭典を自分たちの手で盛り上げたい。聖学院中学校・高等学校では昨年秋から女子聖学院中学校・高等学校と共同で「パラスポーツプロジェクト」を発足。自らプロジェクト参加を志願した53人の中高生。今回はそのプロジェクトに参加した3人の生徒と担当の児浦良裕先生にお話をうかがいました。

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パラスポーツプロジェクトへの取り組み 児浦先生インタビュー

21教育企画部 部長・入試広報部副部長 児浦 良裕 先生
21教育企画部 部長・入試広報部副部長 児浦 良裕 先生

インターエデュ(以下、エデュ):パラスポーツプロジェクトを始めたきっかけを教えてください。

児浦先生:もともとは女子聖学院中学校・高等学校の加納先生が始めたプロジェクトです。2020年の東京では、生徒は10代後半から20代になっています。若者世代の中心としてパラスポーツを盛り上げてほしいという思いがあり、プロジェクトに参加しました。

エデュ:なぜパラスポーツだったのでしょうか。

児浦先生:ロンドンで行われた国際的なパラスポーツの祭典では、過去最高の観客動員数を記録したそうです。東京ではロンドンのような盛り上がりは実現できるでしょうか。そう考えたとき、まだ日本ではパラスポーツの魅力が十分に伝わっていないのではないかと感じ、また、パラスポーツを盛り上げることで、心のバリアフリーも実現できるのではないかと考えました。

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エデュ:具体的にどのような内容で進めたのでしょうか。

児浦先生:プロジェクトは2段階で進めました。昨年のテーマは「理解する」こと。実際にパラスポーツを体験したり、パラスポーツの選手にインタビューしたりして理解を深めるとともに、各スポーツに分かれて動画を作り発表しました。今年は「応援する」をテーマに、実際に会場に行き生徒たちが考案した応援を実践しました。

児浦 良裕さん

エデュ:プロジェクトを通して生徒たちに変化はありましたか。

児浦先生:今年のプロジェクトの最初は、車いすバスケットボールの国際大会の応援をしたのですが、会場はすでに大きな盛り上がりを見せていたこともあり、生徒たちは選手の応援に集中していたと思いますが、9月に行われたパラバドミントンの国際大会の際には、①応援の中身を考える、②ガイドブックを作る、③広報、と3つの役割に生徒たちがそれぞれ分かれ自身のやるべきことを考え、率先して活動している姿が目立ちました。

エデュ:今後、生徒にどんなことを期待していますか。

児浦先生:プロジェクトを進めるに当たり、時には厳しい言葉を向けるときもありますが、それを乗り越えればもっと強くなるし、達成感が得られると思うからこそです。今後もプロジェクトは続いていくので生徒にはさらに自立して自分の興味・関心のあることを実現してほしいと考えています。

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パラスポーツプロジェクトで実感した自身の成長 生徒インタビュー

左:沼口くん 中:橋本くん 右:安井くん
左:沼口くん 中:橋本くん 右:安井くん 全員高校1年生

エデュ:プロジェクトに参加したきっかけを教えてください。

沼口くん:自分のやったことのない領域にチャレンジしてみたいと思い参加しました。

橋本くん:友人に誘われたのがきっかけです。最初は乗り気ではなかったのですが、プロジェクトが進むにつれて楽しくなり積極的に参加するようになりました。

安井くん:行動したりプロジェクトに参加したりするのが好きなので参加を決めました。

エデュ:プロジェクトに参加する前と後でパラスポーツに対する印象は変わりましたか。

沼口くん:参加するまではパラスポーツに興味はなかったのですが、参加して選手に話を聞き、アスリートの心境などを知って今では自分から積極的に関わるようになりました。

沼口くん

橋本くん:僕も全く興味がありませんでした。でも、今はテレビでパラスポーツの番組を見つけると録画をして見るようになりました。

安井くん:パラスポーツは言葉として知っている程度でしたが、障がい者のバックグラウンドやプレーの躍動感を知って心を打たれました。

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エデュ:プロジェクトを進める中で一番苦労したことは何ですか。

沼口くん:メンバーもたくさんいたので、役割分担してそれぞれの意見をまとめる作業が大変でした。また、決めたことを最後までやり通すことの難しさも分かりました。

橋本くん:男子校なので普段話す機会のない女子との連携が難しかったです。ただ話を進める中でかなり解消することができました。

橋本くん

安井くん:最初は女子となかなか話せなかったのですが、プロジェクトが進むたびに話せるようになりました。

エデュ:女の子の発想や考えに何か男子との違いなどを感じましたか。

沼口くん:男子はすぐに解決策を見つけて突き進むイメージですが、女子は解決策を見つけるためにさまざまなアプローチ法を探ってどれがベストなのかを判別してから行動するという違いはありました。

橋本くん:男子にはなかった考えや意見が聞けてよかったです。

安井くん:男子だけだと意見がぶつかってしまい話し合いが思うように進まないときでも女子が入ることで話し合いが円滑になることもありました。

安井くん

エデュ:プロジェクトを通してどんなことを学びましたか。また成長した点はありますか。

沼口くん:コミュニケーションの大切さですね。パラスポーツの選手から話をうかがう機会があったのですが、相手にどうしたら快く答えてもらえるか、うまく聞き出す方法を考えたことは勉強になりましたし、成長につながったと思います。

橋本くん:これまでの経験を活かしてチラシを作ることができ、技術力もアップしたと思います。

安井くん:問題を見つけ、それを解決するための力が身についたと実感しています。

編集者から見たポイント

プロジェクトを担当している児浦先生は、生徒が将来、社会に出てからも役に立つような力を身につけてほしいですと、民間企業で働いた経験を活かして指導を行っているそうです。生徒たちは、心のバリアフリーだけでなく女の子と協力して意見をまとめていくことの大切さ、実行力などたくさんのことを学んでいるようです。2020年の東京を盛り上げる中心になるのは彼らかもしれません。今後の展開に要注目です。

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イベント名 日時 概要
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