成立学園の新校長が語る 面倒見の良すぎる学校から可能性を広げる学校へ

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「見える学力」と「見えない学力」を育て、生涯学び続ける力を養うための教育を展開する成立学園中学・高等学校（以下、成立学園）。今まで副校長として活躍されていた福田英二先生がこの春から校長に就任しました。今回は、これからの抱負や成立学園が目指したい学園像をうかがいます。

可能性を生徒自ら掴み取れる環境に

インターエデュ（以下、エデュ）：これまで副校長として生徒を指導してきたかと思いますが、校長に就任されていかがですか。

福田校長：これまで教頭、副校長を9年務めてきましたが、この春、校長に就任し「校長」としての責任の重さを痛感しています。

エデュ：校長としてどのような成立学園を目指していきたいと考えていますか。

福田校長：礼節や勤倹などといった校訓や「見える学力・見えない学力」を大切にしながらも、時代に即した教育を進めていかなければいけないと考えています。長い人生の中で「生き抜く力」を身につけることが大切であり、生きるためのスキルを日ごろの授業や行事で学べる学園を目指します。

エデュ：次の成立学園を創っていくにあたり、変えていきたことはありますか。

福田校長：新しいものを始めるというよりこれまでやってきたことを進化そして深化させることが大事だと考えています。これは本校の良い点でもあるのですが、熱心な先生が多く、気づけば手取り足取りといいますか…面倒見が良すぎたと私は感じています。時には、突き放すことも大切です。これからは多くの可能性の中から生徒自身が考え決断できるような環境を作ることが必要だと思います。

独自の取り組みをより深く 新しい取り組みを積極的に

具体的な取り組みとして成立学園が掲げているのは、中学立ち上げ時から導入している月刊誌「ナショナル ジオグラフィック 日本版」（ナショジオ）を使った「ナショジオ学習」というプログラムです。ナショジオでは、地理学や歴史、文化など世界中のさまざまなテーマの写真や記事が毎月取り上げられています。成立学園では、ナショジオを「生きていくうえでの教科書」と位置づけ、写真から考えられることを議論したり、発表したりすることで、生徒の広い知的好奇心や創造力を養い、議論するうえで必要な論理的思考力やコミュニケーション力を育てています。今後はこの取り組みをより深化させ、生徒の気づきがさらなる好奇心へつながる教育を目指します。

また、英語好きだけでなく留学などを視野に入れた英語教育も進化。新たに「成立グローバルセンター（SGC）」を設置し、ネイティブの先生が常駐するセンターで、生徒は「英語を英語で考える」トレーニングができます。

進学についても生徒自らが将来を選択できるよう促し、志望校合格に向かって頑張る生徒をサポート。あらゆる面で“地域ナンバー1”の学校を目指すのが福田校長の掲げる当面の目標です。

信頼できる大人とともに育っていく

エデュ：校長が生徒と接するときに心がけていることはありますか。

福田校長：生徒に愛情を注ぎ、コミュニケーションを密に取ることでしょうか。生徒に心を開いてもらうためには、挨拶はもちろんのこと、たくさん声をかけるようにしています。そういったコミュニケーションから、生徒に信頼される大人であることを心がけています。知識を詰め込むだけの先生ではなく、信頼しあってともに育っていくような学びの輪が理想です。

エデュ：素敵ですね。生徒にはどのように育ってほしいと考えていますか。

福田校長：やはり生き抜くための力や知識を武器として身につけてほしい。本校は完成形になるのではなく、次のステージでさらに自ら伸びる生徒を送り出したいと考えています。成立学園は、好奇心の強い生徒を応援します。何事にも興味を持つことができれば、必ず伸びます。そんな伸びしろのある皆さんが成立学園に来るのを楽しみに待っています。

編集者から見たポイント

自己表現が苦手だった生徒が自身とのコミュニケーションを通して自ら進路を決めたというエピソードを嬉しそうに披露してくれた福田校長。目をかけられていることが安心や自己肯定につながり、進路の決断に至ったのではないでしょうか。信頼できる大人がいることが、面倒見の良い学校といわれる所以なのかもしれません。

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