inter-edu’s eye
少人数できめ細やかな女子教育が特長の「白梅学園清修中学校・中高一貫部」。2020年の大学入試改革に迅速に対応すべく、従来の知識の習得に加え「表現力」「思考力」を合わせた「言語能力」を育むプログラムをスタートしています。白梅清修が目指す教育とはどういった内容なのでしょうか。これからの教育にスポットを当てました。
新しい大学入試に対応するために必要な能力とは?
社会の変化に伴い、求められる人材や学力が変わってきている今、2020年に向けて大学入試改革が進められています。新しい大学入試では、マーク問題による知識の確認のみではなく、記述問題等によって知識を活用する力や表現力も問われる見込みです。時代の変化、大学入試改革に伴い、小中高の教育内容や指導方法も変えていかなければならない時代に来ています。こうした変化に対応すべく、白梅清修では従来の知識に加え、「言語能力」を身につけることが必要であると考えています。
白梅清修が重要視している「言語能力」とは、①文章を適切に書く力=表現力(伝える力)②結論にたどり着くための考え方の過程=思考力・判断力(考える力)の2つの力をまとめたものです。この「言語能力」を身につけるためには、国語科が段階的に指導していく必要があるとのこと。たとえば、通常の授業のほかに、答えが一つに定まらない課題を教員が設定したり、単元で学習した知識を応用させたりする機会を設けます。そして、課題を解決するためのグループやペアでの話し合い活動も積極的に行い、さらに意見を集約して記述していく授業も進めていきます。文章を推敲して、最後に発表することで発信力の育成にもつながります。最終的には4年次に論文を作成し、これまでの成果をまとめる。この流れで、生徒一人ひとりに「言語能力」を根付かせていくのだそうです。
これからの社会を生き抜くには
AI(人工知能)の進化、グローバル化、そしてさらに加速する情報化。これからの社会を生き抜くために必要な力とはどのようなものでしょうか。白梅清修では、意欲的に学ぼうとする「自己学習力」、相手を理解して話し合い、共に活動する「他者と協働する力」、そして「思考力」「表現力」の4つを必要な力と考え、この4つの力を身につけるために言語活動を取り入れた、生徒主役の授業を展開していきます。たとえば、授業の中でグループを作り、あるテーマについて話し合い、意見をまとめます。そして、その意見を相手に伝えるためにどうすればよいかを文章に表します。最後に発表した後、生徒同士で評価し合います。その間、先生はサポート役に徹し、生徒主導で授業が進む。このような授業を全教科で行っているのだそうです。
言語活動のベースともいえる「知識の習得」に関して、どのような取り組みを行っているのかを伺ったところ、「先生による説明中心の授業」、「朝学習」、「基礎力コンテスト」を挙げていただきました。「朝学習」は毎朝、授業が始まる前の25分間の学習時間です。漢字を覚えたり、英作文を作ったり、数学の復習をしたりすることで、基礎力の定着を図ります。そして、「基礎力コンテスト」で満点を目指します。
基礎力コンテストとは?
1~5年生を対象に英語は単語、国語は語彙、数学は計算の問題を出題し、上位を目指すコンテスト。今年度は、言語能力の養成を主眼に置いた、「主体的で対話的で深い学び」を各科目で実践しています。効果を高めるためには、基礎力を身につけることが不可欠であり、コンテストを通じてその養成をめざすことを目的としています。
編集者から見たポイント
2020年の大学入試改革を見据えた白梅清修の教育ですが、そこで身につく力は生徒が将来、社会に出たときに即戦力で活躍できる力でもあるといえます。中学の早い段階から6年間のスパンで身につけることができる「言語能力」を身につけたことによって、生徒がどのように成長するのでしょうか。今後も白梅清修の教育に注目です。