今年から始動! 手塩にかける「芝漬ゼミ」とは
inter-edu’s eye
生徒たちにもっと探究的な学びを、という想いで始まった芝中学校・芝高等学校(以下、芝)の「芝漬ゼミ」。通常の授業では埋もれがちな、生徒たちの光る「なぜ?」にフォーカスし、本質を突き詰める講座を展開しています。
今回はエデュが芝漬ゼミに潜入し講座を体験。生徒も先生もワクワクする新しい取り組みをレポートします。
生徒の新たなチカラを引き出す芝漬ゼミ
芝漬ゼミは今年度から始まった新しい取り組み。核図表や中国語など、各先生が独自に設定した多様な講座を展開しています。
立案者である岡田憲治先生に、芝漬ゼミにこめた想いを聞きました。
インターエデュ(以下、エデュ):芝漬ゼミの立ち上げについてお聞かせください。
岡田先生:芝漬ゼミは生徒たちの本質的な問いを大切に、知的好奇心を刺激する機会を増やしたいという思いからの企画です。単なる楽しい経験ではなく、しっかりと学びにつながる講座になるよう、議論を重ねました。
エデュ:芝漬ゼミの実施で手応えは感じましたか。
岡田先生:昨年のプレ講座で東京理科大学の数学体験館へ行った際、数学が難しいと言っていた生徒が積極的に施設の方に質問をぶつけていたんです。通常の授業とは違う一面に、生徒の成長と実施の価値を感じました。
芝ならではの学習プログラム ≫太陽光に黒い炎!? エデュスタッフの潜入リポート
今回潜入したのは「光の科学」という講座。物理、化学、生物、地学の4分野から「光」についてアプローチ。さまざまな視点から光を考え、理解を深めるのがねらいです。
エデュスタッフも地学の授業を体験。知的好奇心を刺激されてきました。
講座が行われたのは夏休みの午後。「光の科学」というテーマに合わせ、「出席確認の返事とともに好きな光関係の言葉を言う」という無茶ぶりからスタート。自己紹介を挟み、午前の夏期講習で疲れた頭をリフレッシュします。
グループで「恒星」について知識を共有して発表。「水素と何かのかたまり」といった断片的であいまいな知識も先生がすくい上げ、知識をおさらいします。
光の色と温度について知識を深める時間。プリントに加えてスライドや映像など、視覚聴覚を総動員した講義で体感しづらい理論も分かりやすく。光のドップラー効果の説明では実際に教室で音を体験。いまいちピンとこない理論もとっつきやすくなり、興味を持って参加できます。
室内で分光器を使って白色電球や蛍光灯、カドミウムランプを観察。光の種類によってさまざまなスペクトル(色の帯)が確認でき、教室内のあちこちからおどろきの声が上がりました。
次は分光器の調整をしつつ5分で太陽光を観察してくるという難しいミッション。苦戦しながらも多くの生徒が観察に成功しました。
授業の最後はナトリウムランプで見る黒い炎。先生のお気に入りだという実験に生徒たちも釘付けです。
他にも、物理の時間では「光の7不思議」、化学では紫外線について、生物ではウミホタルを発光させる実験がそれぞれ展開され、芝の誇る理科教師陣によって生徒たちは光の世界へと誘われていました。
芝生のようすをもっと見る ≫興味関心を共有する。担当者が語る「芝らしさ」
芝漬ゼミを通して生徒に伝えたいことを、現担当者の加藤博之先生にうかがいました。
エデュ:芝漬ゼミと通常の授業の違いを教えてください。
加藤先生:芝漬ゼミは成績評価をしないのが特徴です。むしろ教師側が生徒の興味関心に応えられているかが問われているとも思っています。
エデュ:芝漬ゼミの「芝らしさ」はどんなところにあると思われますか。
加藤先生:今年度に始まった発展途上の取り組みですが、すでにOBにも協力してもらい多様な講座が設置されています。「自分の興味関心を生徒と共有したい」という先生方の思いあっての実現で、この一体感こそが芝らしさだと思います。今後はさらに「多様性とは何か」を生徒に投げかけられる講座を展開できればと思っています。
芝が大切にする教育方針 ≫編集者から見たポイント
ユニークで先進的な芝漬ゼミですが、立案者の岡田先生は「探究的な学びの入り口に過ぎない」と話します。
「教員も生徒もチャレンジできる場として、今後は学校外の方も巻き込んでさらに豊かな場にできたら」。岡田先生のビジョンは、もっと大きくもっと先を見据えています。
進化を続ける芝の新しい取り組み。今後の展開が楽しみです。
今後のイベント日程
イベント名 | 日時 | 場所 |
---|---|---|
学園祭 | 2019年9月14日(土)、15日(日) 9:30~15:00 |
学校 |
学校説明会 | 2019年10月23日(水) 2019年10月24日(木) 2019年11月9日(土) 2019年12月7日(土) それぞれ11:00~12:50 校内見学13:00~ |
学校講堂 |
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