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芸術の秋、文化の秋。秀明大学学校教師学部附属 秀明八千代中学校・高等学校(以下、秀明八千代)では、文化発表会「光風祭」が開かれました。今回は、たくさんのコンテンツの中から中学生の体験型学習「PGTプログラム」の学習発表に注目。発表本番に向けて準備を進めている生徒たちの姿を追いました。
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日本を知るには「和食文化」から

授業のようす1
クラスのみんなに発表することで、プレゼンテーションに大事なノウハウを学んでいきます。

中学1年では、体験型学習の一環で、日本の伝統文化である和食を研究しました。味噌づくりを経験した後、生徒たちは「だしの取り方」や「だしと健康」などテーマを決めてグループで研究を進めました。その成果を発表するのが光風祭です。
中学に入学してから初めてのグループ発表を経験する生徒たち。クラスでは、研究成果をポスターにまとめたり、プレゼンテーション用の資料を作ったりして発表の準備を進めていました。

本番を想定した練習で、生徒たちは、緊張しながらも伝わりやすいように大きな声でゆっくりと発表。発表練習が終わると、生徒同士で「大きな声で良かった」「たまに顔を上げると良い」など、より良い発表にするための感想やアドバイスが飛びました。

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イギリス英語研修で知った世界の多様性

授業のようす2
ユーモアを交えた発表を通して、イギリス現地で体験した感動や驚きが来校者に伝わるように練習をしています。

中学2年になると、日本の文化の知識を頭に入れたうえでイギリス英語研修に向かいます。前半の1週間は、寮で生活しながら日常的に話される英語や現地の風習を学習し、後半はホームステイを行い、より実践的な英語を学びつつ日本文化との違いを肌で感じながら、グローバルな感覚を身につけます。クラス発表では、代表生徒がイギリスでの生活や現地でのエピソードを披露してくれました。

授業のようす3
秀明八千代では、中学2年次に全生徒が渡英! 本場の生きた英語を学びます。

発表者の中には、積極的に英語を使おうと、ファストフード店でチャレンジしてオーダーと違ったものが届いたというエピソードも。「次に言い方を変えたら伝わった」と振り返り、「英語で会話したり聞き取る力が身についた」といった成功体験も話にあがりました。クラス発表の最後には、聞く人の興味を引き付けるために動きも取り入れるなどの工夫が見られるまでに上達していました。

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職場体験で実感…親への感謝の気持ち

授業のようす4
ショッピングセンターでの体験をポスターに書き込んでいます。集中力がすごいんです!

「職業研究プロジェクト」として職場体験を行った中学3年。各グループに分かれて、商業施設や消防署など4か所を訪問し、2日間にわたり実習を行いました。その実習での経験と事後学習で調査した内容をポスターにまとめます。ポスター作りでは、職場で体験して学んだことや印象に残ったことを次々と書き込んでいきます。
高齢者介護施設に行った2人は、食事の介助やベッドのシーツ交換などの仕事について紹介。商業施設でのサービス努力を知ったグループは、意外な苦労を感想として書き記していました。

クラス担任の山内先生からは、「ポスターにまとめることで、職場体験を改めて振り返ることができる。職場体験で感じた働くことの厳しさから、ご両親への感謝の気持ちを表現してほしい」と、生徒に対する思いを話していただきました。

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秀明八千代独自の「PGTプログラム」とは

秀明八千代が独自に行っている体験型学習「PGTプログラム」。社会貢献への志を育み、未来を拓く力をはぐくむことが目的で、育てたい3つのスキルを「PGT」と表現しています。「P」は、実践力(プラクティカルスキル)、「G」は、国際力(グローバルスキル)、そして「T」が伝統力(トラディショナルスキル)です。このスキルを身につけるためのプログラムの一部が今回、光風祭で発表・展示された体験学習です。

授業のようす5
世界のだしをテーマにしたグループでは、実際に調理をして味を確かめたとのことです!

中学1年を担当する鈴木先生からは、「中1生の場合はまだまだPGTプログラムの初期段階であり、プレゼンテーションを含め、社会と関わりながら実力を発揮するスキルの基礎を作っている状況です」と現状を踏まえたうえで、「自分たちが研究したことを、学校の外の人たちに知ってもらいたいという明確な目的意識を持って人前で発表することで、自らの考えを伝える力を学んでほしい」と期待を込めたコメントをお話しいただきました。

授業のようす6
親元を離れ、異なる文化の中で過ごした2週間の思い出は、一生ものの宝になります。

「PGTプログラム」のうち、「G」スキルの活動を経験した中2生に対しては、担任の小池先生が「中学2年という多感な時期にイギリスを肌で感じたことは、生徒にとって大きい影響がある」と話します。「イギリス研修に行く前に、生徒には『親善大使としての役割も担っている』と話します。そうすると、現地で国際感覚をはじめ、さまざまなことを学んで帰ってきます」と急成長を実感したそうです。

多くの生徒は、「もっと英語が話せるようになりたい」と話し、中には国際的な仕事に興味を持つ生徒も。「英語学習の動機付けになる絶妙なタイミング」だとお話しいただきました。イギリス英語研修だけでなく、「PGTプログラム」の多くは校外で活動します。こうした機会が生徒の成長につながっているようです。

授業のようす7
元気の塊のような中1生たちも、秀明八千代でたくさんの事を学びながら大人に近づいていきます。

小池先生に、普段の学校の様子をお聞きすると、「人数が多すぎないので家族のような温かい雰囲気。教員の面倒見も良いですし、生徒に何か変化があれば、家庭と連絡を密に取るようにしています」と、秀明八千代の魅力を教えてくれました。また、「しっかりとサポートしていきますが、最終的には自立して、多くの人から信頼される人になってほしい」と、生徒に熱いエールを送ってもらいました。

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編集者から見たポイント

光風祭に向けて発表練習や展示の準備をしている生徒たちを取材しましたが、驚いたのは中1生から中3生になるにつれて、要点のまとめ方やプレゼンテーション能力が大きく成長している点でした。特にプレゼンテーションに関しては、発表に一生懸命な中1生に対して、中2生は、聞き手が分かりやすいように演出を工夫するゆとりがあり、思わず引き込まれるような発表でした。
また、チームでポスターを作るには、手際良く問題を解決したり、メンバー間での意見を柔軟に調整するといった、自分で考えて行動することが必要となります。秀明八千代の体験型学習では、実社会から学ぶ実践力「P」スキルを意識した教育が展開されているのです。

次回は、いよいよ本番の光風祭で、生徒が作成した成果物やおもてなしの数々、そして中学3年を担当する山内先生からのコメントをご紹介します。お楽しみに!

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