文教大学付属中学校・高等学校

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「答えは自分の中にある」文教が挑む新時代の学び方

inter-edu’s eye

戦前に創立された裁縫女学校をルーツとし、建学の精神を「人間愛」に定める総合大学の付属校として品川区旗の台に校舎を構える文教大学付属中学校・高等学校(以下、文教)。一人ひとりが他者を我が身と思い、その思いを社会奉仕など具体的な行動で示せるようになるための学びが展開されています。

1 文教ユニバーサル
コンピテンシーとは?

国内外を問わず活躍できる生徒を育成している文教では、社会の変化に伴い必要とされる人物像として、建学の精神である「人間愛」の解釈を軸に世界標準の社会貢献ができる人物を育成する取り組みが実践されています。

発見力 思考力 行動力 探究力 表現力

GCP
(グローバルコンピテンスプログラム)

中2からスタートするこの取り組みでは、主体的・創造的な考え方や異文化を尊重する姿勢を持ちながら、グローバル社会を生きていく上で必要となるスキル、知識、生きる姿勢、価値観などを養いつつ、世界に貢献できる人材になることを目指します。授業自体は外国人講師と日本人教員とのティームティーチング形式で行われ、原則英語のみを使用します。

クリエイティブチャレンジ

「総合的な学習/探究の時間」の一環として実施される取り組みで、中1~2では自律心を身につけながら社会性を学び、本格的な探究に向けての準備をします。中3からは自律協働型探究プロジェクトとして自らが設定したテーマに対して主体的な探究活動を展開し、未来の価値創造を目指します。

探究祭

社会貢献をテーマとしたクリエイティブチャレンジの成果を、ポスターセッションやパワーポイントで発表するイベントです。中高の垣根を越えた探究成果の共有を通して、新たな学びにつなげます。

2 時代が求める新しい取り組みで
培う世界基準の素養

近年混迷を深めつつあるグローバル社会において、決してぶれない個の軸を持ちながら他者との協働を模索する学び方のひとつであるGCPについて、高1のお二人からお話を聞かせていただきました。

高1のお二人

GCPの授業では英語を使いこなす必要がありそうですね。

E.T.さん

E.T.さん

中2から授業が始まったばかりの頃は、まだ英語に苦手意識がありました。いろんな課題が出されてきましたが、真剣に向き合うにつれて私自身の思いを正確に伝えたいという気持ちが強くなり、コミュニケーションツールとしての英語に強い関心を持つようになりました。

E.T.さん
E.T.さん

E.T.さん

ネイティブの先生は日本語で話しかけても意図をくみ取ってくれるのですが、間違いを恐れる必要はないと言われたので、積極的に英語で質問したり説明したりするようにしています。以前、会話の内容が難しいと伝えた時には、私たち生徒と同じ目線で具体的な話をしてくれました。言葉にしなくても思いが伝わるような表情やジェスチャーが大切だと教えてもらっています。

K.N.さん

K.N.さん

英語だけを話して進めていく授業なので、未だに内容を理解できるか不安に思うことがあります。それでも、グループワークが多くて一番楽しい時間になりました。各自の経験や立場によって意見が変わってくることを知ったうえで、外国と日本の文化格差について自由に話し合う授業は他にないと思います。

K.N.さん
K.N.さん

K.N.さん

日本人の先生がGCPの授業をサポートしてくれているのですが、はっきりと良し悪しを伝えてくれるので普段の学校生活でも助けられています。ネイティブの先生はとてもフレンドリーで、廊下をすれ違う際にも挨拶を交わしています。こうした気楽な関係性が、授業の楽しさにもつながっているのではないでしょうか。

風景画像挙手
ネイティブ教員が生徒の積極性を上手に引き出します
風景画像日本人教員
日本人教員は生徒個人の精神的なサポートも担っています

知識として身につけたことや、成果を実感している要素はありますか。

E.T.さん

E.T.さん

私たち中高生にとっては、国外で過ごした経験がなければ、世界中の人たちが何を考えているのかといった基本的な文化の違いを知るきっかけがありません。この授業を通して国ごとに異なる文化を知ったことで、もっと広く歴史的背景や宗教観にも関心を持てるようになりました。

夏休みの1か月を使って海外生活をした際には、食べ物に宗教的な制約がある環境で過ごすことになりました。日本にはない習慣でも否定せず、むしろ尊重しながら過ごしたという初めての経験を、英語を使いながらみんなの前で説明できたこと自体が、私にとっての自信になりました。

風景画像プロセス
授業のプロセスが明示されるので納得感のある授業が進行されます
風景画像多様な意見
グループごとの多様な意見が新たな視点に気づかせてくれます
K.N.さん

K.N.さん

たったひとつの課題でも、みんなと話していると全員異なる意見が出てきます。人それぞれの価値観があり、私自身の意見を伝えたり、要求を通したりするのはとても難しいことです。今では視点を変えて物事を理解できるようになってきたので、ニュースの見方まで変わってきました。気に留めることがなかった報道内容が、偏見によって捻じ曲げられているのではないかと気になるようになりました。

風景画像楽しむ
忘れてはいけないのは「学びの楽しさ」という要素です

これまでの学びや経験をどのように活かしてみたいですか。

E.T.さん

E.T.さん

去年の夏休みはオーストラリア短期語学研修に参加して、海外でも「おもてなし」の文化があることを知りました。だからこそ、旅行客として周囲と接するのではなく、こちら側からコミュニティに参加して学ぶ姿勢を身につけることもできました。今年の目標は1年間の長期留学で現地に根付いた学校に通うことです。国だけでなく人それぞれに価値観があり、悩みや不安も含めて人間として付き合う経験をしてみたいと思っています。帰国後は国際関係学を専攻できる大学を目指して頑張ります。

風景画像ジェスチャー
あらゆる表現方法を駆使して意思を伝える工夫が身につきます
K.N.さん

K.N.さん

昔から海外映画を観るのが好きで、日本文化との大きな違いをずっと意識してきました。もっと深く知りたいという気持ちが強く、世界中の幅広い話題に触れることができるグローバル系の授業内容に憧れがありました。近い将来は国内でも英会話が当たり前の社会になると信じているので、私の両親がよく話しているように「海外でも通用する英語」を習得しなければいけません。姉が3か国語を使いこなしている(トリリンガル)ので、私も同じように英語に加えて中国語を学ぶつもりです。今の目標は海外大進学に向けて勉強することです。

風景画像化学反応
異なる思考の化学反応が魅力となり、さらなる学習意欲を掻き立てます

3 文教が掲げる
3つの教育方針

文教ユニバーサルコンピテンシーを活用して目指すべき姿が、独自の教育方針として掲げられています。中高6年間を通して生徒たちが培うその3点が含む意味を交えてご紹介します。

慈愛の心

豊かな感性や広い視野を持ち、人を愛する心を育てる。

人格向上に努め、すべての人を慈しむ心を育てる。

伝統を重んじながら、新しいことにも果敢に取り組む心を育てる。

輝く知性

変化の激しい時代においても、揺らぐことのない個を確立し、自ら課題を見つけ、解決していく能力を育てる。

常に向上心を持ち、自己研鑽に努める学びの姿勢を育てる。

世界に飛翔する力

コミュニケーション能力を高め、英知を集めて切磋琢磨し、世界を拓く創造力を養い、グローバルな視点を培う。

風景画像二人揃って

編集後記

社会を取り巻く問題に対して知的好奇心を持ち、世界的視野と奉仕の心で解決を図るといった理想の教育を垣間見ることができました。困難を突破するための試練を繰り返す生徒たちの姿から、新たなブレイクスルーを起こすチャンスがきっと生まれることを確信しています。

イベント情報

学校説明会

2024年10月12日(土),11月16日(土),11月30日(土)いずれも10時30分〜

ミニ説明会

2024年10月25日(金),12月2日(月),2025年1月28日(火)いずれも10時30分〜

授業公開デー

2024年10月26日(土),2025年1月18日(土)いずれも11時00分〜