獨協中学・高等学校
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inter-edu’s eye
同じ学園内に医科大学を持ち、医師の子弟が親子2代以上にわたって通う例も見られる完全中高一貫の獨協中学・高等学校(以下、獨協中高)。医学部人気が沸騰する中、獨協中高ではコロナ下で止まっていた中高大連携プログラムがいよいよ本格的にスタートしました。注目を集めるその取り組みについて、プログラムに参加した生徒たちのインタビューを通してご紹介します。
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中学3年
「獨協医科大見学会」から
見出した新たな進路
「医療」という仕事への興味や関心を持ってもらいたい、との思いから、獨協医科大見学会が行われています。
見学会に参加したことで何かしらの気づきを得られましたか。
S.M.くん
父が医師で母が看護師なので、家庭内で聞く仕事の話から医療現場の様子がずっと気になっていましたが、父から「視野が広がるから見学会に参加してみたら」と勧められました。事前学習としてインターネットの公式サイトから気になる点を2つ選んで調べるのですが、僕は教育方針と施設の役割などを調べました。想像以上に設備が整っている大学で、多くの卒業生が通っていることを誇らしく感じられるようになりました。今はまだ医師を目指しているわけではありませんが、将来の可能性として考え始めても良いのではないかと思い始めました。
K.K.くん
卒業生から話を聞いたうえで大学生の授業内容を想像しながら参加しました。現地を訪れた際は大学生の皆さんと堅苦しさ抜きで意見交換や施設の見学をして、キャンパスの雰囲気や医学部で学ぶ講義内容を理解できました。以前は医学そのものに関心がなかったにも関わらず、今回の見学会で初めて体験したことが多かっただけでなく、系列校推薦をはじめとした入試方法を知り、これからの新しい道が開かれたように感じています。
獨協グループに属していることで安心感を得られたのではないですか。
S.M.くん
もしも医学部を目指すようになったら、獨協医科大は必ず受験先として候補に挙がるはずです。進路と同じように大学受験にも関心を持って、これからどんな勉強をしなければいけないのかを考えるきっかけになって良かったです。
K.K.くん
大学に進学した後も獨協出身の先生方がたくさんいるので、世代を越えたつながりを持てるのが嬉しいです。どんな男子校でも中学生と高校生の間には壁があると聞いていますが、獨協に限ってそんなことはありません。普段の学校生活でも先輩と後輩が対等に話し合えるので、退屈しない毎日を過ごしています。
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高校2年生
「獨協医科大サマーセミナー」を
乗り越えて得た自信
本格的な大学受験期に突入する高校2年生が参加した獨協医科大サマーセミナーでは、最前線での診療・手術といった本格的な医療現場を体験します。
どういった点を期待してサマーセミナーに参加しましたか。
K.N.くん
僕自身が柔道で怪我をする機会が多く、医療に携わる方々から何度も助けられたことが医学部を志すようになったきっかけです。サマーセミナーには進学後の通学イメージを持てたら受験勉強も頑張れると思って参加しました。実際に麻酔科の業務を体験したり、3人1グループに分かれて各診療科を訪れ、先生から直接教わったりしたのですが、医療現場の裏側は初めて見ました。しかも、想像以上に穏やかな雰囲気だったことが新しい発見でした。
病院勤務後のイメージまで湧いたことで、普段の勉強にもっと身が入るようになりました。獨協医科大に入学したら今以上に深い新しい人間関係ができるのを期待しています。そして、一日でも早く医師になって人助けをしたいと考えています。
K.K.くん
一般的には医師が「一番偉い」といった考えがまかり通っているようなところがありますが、親が医療従事者なので、医師であっても看護師や助産師などのチームスタッフと対等な立場だということは教えてもらっていました。そうした予備知識があったので、どうやって現場がコミュニケーションを取っているのかに注目していましたが、予想以上に率直な物言いでやり取りしている様子を見ることができました。獨協を卒業した医大生に引率していただきましたが、忙しいはずなのに僕たちのために時間を割いてもらったのが嬉しかったです。
子どもたちの世話をするボランティアに参加したのがきっかけで、小児科医に憧れを持っています。医大生になったら勉強だけでなく、セミナーのボランティアとして後輩たちと関わる時間を持ちたいと思うようになりました。
獨協生になって良かったと思うことを教えてください。
K.N.くん
獨協の良さは周りの目を気にせず全力で楽しむことができるという点で突出しているところです。文化祭だったら他校には負けません!
また、ドイツ研修旅行に参加した際には、ホームステイ先でホストファミリーの温かい人柄に触れた経験から他者に対する視点が大きく変わりました。国や文化が異なっても、同じ人間として積極的に関わる活動が大切だと気づくことができました。
K.K.くん
3つの系列大学や獨協埼玉を含めると学校法人としての規模が大きく、いざという時に心強いです。生徒会長として校内外で活動する機会もあって、昔は考えられなかったほど広い視野を得られました。
獨協には鉄道研究部のように男子校らしい文化部もあれば、インターハイで活躍するアーチェリー部のような運動部もあるのが魅力だと思っています。男子校だからといって同じ意見を持った人だけでなく、異なる意見をぶつけ合うことで思考の範囲を広げることのできる学校です。
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卒業生が活躍する姿から
学ぶ人間教育
坂東広明先生から、今回取り上げることになったプロジェクトの背景についてお話しいただきました。
2つのプロジェクトにはどのような目的があるのでしょうか。
坂東先生
中学3年生で行う獨協医科大学の見学会は、15年以上続いている行事で、今では中学1年生から獨協大学訪問会を行うようになっていますが、長く「獨協生が最初に訪問する大学見学会」でした。医大は大学での研究が社会に還元されている様子を間近に見ることができる場所ですから、生徒たちにそうした現場を見てもらい、学問や研究への意欲を沸き立たせることが最大の目的でした。
今までも、この見学会に参加したことをきっかけに医師を目指したOBたちがたくさんいましたが、中高大連携の中で、医大としても、この見学会がより広く医療を目指す生徒が増える契機になってほしい、という思いをこめて、大学を挙げて取り組んでくれています。
一方、サマーセミナーは、高校2年生を対象に、より実践的な医学研修プログラムとして今年初めて開催しました。本校OBの先生方を中心にプログラムを組み立てていただき、研修終了時には、学長立会いの下、医学部長から直々に「修了証」が手渡されるというサプライズ演出も用意され、参加した生徒たちは大いに意欲をかき立てられる研修になりました。
これからの展望について教えてください。
坂東先生
年2回は獨協医科大・獨協中高・獨協埼玉の3校間で連携についての協議があり、連携プログラムの一層の充実を図ってまいります。獨協学園が一体となり、生徒・学生を導き育てていくプロジェクトが本格稼働したことで実現できるハイレベルな教育の今後にご期待ください。
編集後記
獨協医科大が求める医療人の理想形は、優れた医学的知識・看護学的知識・技術だけにとどまらず、豊かな人間性とおもいやりの心を持つ人材となることだそうです。多様な学び方や文武両道の環境を体験し、早期から進路について深く考えることができる獨協中高。その歴史の長さは決して見せかけで終わるものではない本物の価値を感じさせます。
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2024年11月10日(日)
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