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inter-edu’s eye
「企業体験」と聞くと中学生が行うイメージがある方も多いかもしれませんが、エリートを養成する暁星中学・高等学校(以下、暁星)では進路決断の時期が迫った高2生を対象に行います。OBや保護者の協力により実現した医療現場や大手企業など約30の職場で、生徒たちは手術の見学やプレゼンテーションの実施などリアルな仕事を体験し、将来について具体的に考える機会を与えられます。今回はそんな医療・企業体験に注目し、高校2年で行う意図や狙い、そして生徒が何を学び感じたのかを聞いてきました。
※こちらの内容は2018年11月取材時のものです。
金融機関や商社などの大手企業での企業体験。
今回は大手広告会社の株式会社博報堂・株式会社博報堂DYメディアパートナーズを訪問した吉田くんに話を聞きました。
インターエデュ(以下、エデュ):まずは暁星に入学したきっかけを教えてください。
エデュ:今回、博報堂・博報堂DYメディアパートナーズでの企業体験を希望した理由は。
広告会社という言葉は知っていたのですが、具体的にどのような仕事をするのか分からなかったので興味がありました。
エデュ:実際にどのようなことを体験しましたか。
午前中は、会社の紹介を聞き、午後からは3、4人のグループに分かれて「本や雑誌を高校生に売るためにはどうしたらいいか」をテーマに話し合い、最終的にプレゼンテーションを行いました。
エデュ:体験していかがでしたか。
プレゼンの前に博報堂・博報堂DYメディアパートナーズの方から「人の意見は批判しない」というルールを聞いたので、自分自身も臆することなく自由に案を出すことができました。自分では思いつかない案がほかのグループから出ていて勉強になりました。
エデュ:企業体験をしてためになったことや勉強になったことはありますか。
アイディアを出し話し合って、よりよいものを生み出す作業の楽しさを知ったのと同時に、出されたテーマに対して、自分の経験からアイディアを生み出すということの難しさも実感しました。
エデュ:今回の体験が将来の夢に役立ちそうですか。
アイディアを出したり話し合うことで何かを生み出す仕事にとても魅力を感じたので、将来そういう仕事につけたらいいなと思いました。
病院見学だけではなく手術の見学や患者との交流など、より実務的な経験をした医療現場での体験。
高1の頃から医師を目指す小泉くんはいずみ記念病院を訪れました。
エデュ:暁星に入学したきっかけを教えてください。
吉田くんと同じ小学校で、家から近いこともありましたし、行事などでの男子校ならではの盛り上がりを始めいろいろな条件が自分に合っていると思い、暁星に入学しました。
エデュ:今回、医療現場の体験を希望した理由を教えてください。
高1の頃から医学部を目指して勉強していたのですが、イメージが漠然としていたので、実際に現場に行って医師になるイメージをはっきりとさせたいと思い希望しました。
エデュ:実際にどのような体験をしたのですか。
練習用の皮膚にメスを入れて縫合したり、手術室に行って手術前の医師が行う一連の動作を見学したりしました。実際の手術もガラス越しで見ることができました。また、病院内を見学して患者さんと話す機会もありました。
エデュ:体験していかがでしたか。
縫合には手先の器用さが求められるなど、具体的に医者になるためにさまざまなことが必要なのだと感じました。あとは患者さんと話すことは、なかなかできることではないので、とてもよい経験になりました。
エデュ:体験をしてためになったことは勉強になったことはありますか。
命を預かるという責任の重さを医師から感じ取ることができましたし、生半可な気持ちでできる仕事ではないと実感しました。
エデュ:今回の体験が将来の夢の一歩になりましたね。
医師になりたいという気持ちがさらに強くなりました。今はしっかり勉強しようと意欲も高まりました。
OBや保護者の協力を得て初めて本格的に実施した企業体験。
先生方はどのような思いで実施したのでしょうか。
企画広報部の吉永昌弘先生と学年担当の上原裕之先生に話を聞きました。
エデュ:医療・企業体験を行った意図を教えてください。
企業体験は、キャリア教育の一環として実施しました。将来なりたい夢に対して強い動機付けになってほしいという思いと、働く大人たちと触れ合うことで社会性を身につけてほしいという思いから実施しました。
高2は、進路を決める時期でもありますし、より実務的な仕事を体験することができると考え実施を決めました。
エデュ:具体的な内容を教えてください。
金融、商社、官公庁、マスコミなど32の企業や医療機関にご協力をいただき、生徒が希望する体験先を選択し、午前9時から午後3時まで体験学習を行いました。
なかなか体験先が決まらず苦労していたところ、保護者やOBの皆さんが協力してくださり幅広い分野で体験できることが決まりました。保護者やOBの方の協力がなければ今回の貴重な経験は実現できなかったと思います。
エデュ:実際に体験した生徒の反応はいかがでしたか。
生徒たちは「楽しかった」「得るものがあった」と満足しているようすでした。体験先で、多くのOBの方が関わってくださいましたので、OBとのつながりの中で生きているということを実感できたのではないかと思います。
将来につながるよい経験だったと思いますし、将来の夢をかなえるための原動力にもなったと思います。
今回医療・企業体験参加生徒の保護者の方にアンケートを実施し、お子さまの変化と学校の魅力について意見をうかがいました。
Q:医療体験・企業体験を経験したお子さまはどんなようすでしたか?
A:今回医療現場で体験させていただきました。漠然と描いていた将来医師になることへの道が、かなり明確になったようです。人を助けることの素晴らしさを実感して帰ってきたように感じました。
A:医療・企業体験には多くの暁星OBの方々が関わっていますので、将来の仕事を具体的に意識する貴重な体験になったとともに、伝統ある暁星中学・高等学校の生徒の一員であるという誇りを持つことができたようです。
Q:暁星にはどんな魅力がありますか?
A:人生を貫く価値観が築かれる時期に、厳格さとともに精神性を重視しながら自由にのびのびと過ごし、内部・外部生問わずたくさんの友人に恵まれながら、自ら考え自ら動くという内面の成長ができることが大きな魅力です。
A:カトリックに基づく愛情の深さや温かさを、息子の友人たちに感じます。学校の雰囲気や教えの表れなのだと思っています。子どもの自主性を高めるために、関わるべきところはしっかり関わり、見守るべきときは控えて見守る。それが暁星だと思います。
編集者から見たポイント
大学の研究機関や航空会社などここでは紹介しきれないほど数多くの分野の仕事が体験先となった今回の校外学習。医療機関や大手企業が集まったのもエリートを養成している暁星ならでは。OBとの結びつきを実感しながら生徒たちは普段では体験できないリアルな仕事に触れることができ、進路選択が迫られている時期だからこそより真剣に臨み、たくさんの収穫を得られたのではないでしょうか。
入試日程
一般入試 第1回 | 2020年2月2日(日) |
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一般入試 第2回 | 2020年2月3日(月) |
自宅から近いこともありますし、イベントや行事のときに男同士全力で盛り上がる男子校の雰囲気が魅力的だったので暁星を選びました。