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受け継がれた伝統と革新、世界の未来を変える実践女子

inter-edu’s eye

実践女子学園中学校高等学校(以下、実践女子)では、さまざまな探究プログラムを通して国際的に活躍できる女性を育てることを目指しています。今回は、探究教育の一環である「模擬国連」と「クエストエデュケーション」を紹介。生徒の声とともに、全人教育を実施する実践女子の思いに迫ります。

世界と対面するプログラム「模擬国連」

国連会議をはじめとする国際会議のシミュレーションを行う「模擬国連」。実践女子では高校の同好会であるグローバル研究会が中心となり、毎年参加。この活動を通して豊かな国際感覚と社会性を身につけ、国際社会に貢献できる女性の育成を目指しています。模擬国連では、英語力はもちろんのこと、プレゼン力、交渉力、課題解決力、リーダーシップなど、総合的な人間力が問われます。知の総合格闘技と言われる所以です。
今回は、今年3月に中国・北京で開かれたハーバード大学主催の模擬国連に参加した高2生二名にお話を聞きました。

S.Mさん、Y.Yさん

インターエデュ(以下、エデュ):模擬国連の活動に参加しようと決めたのはなぜですか?

S.Mさん
S.Mさん

昨年、ニュージーランドに短期留学して英語に興味を持ったことがきっかけの一つです。それに、中学で運動会の実行委員長や部活動での役員などを経験して、さらに自分の力を試したいと思って、高1の冬からグローバル研究会に参加しました。

Y.Yさん
Y.Yさん

中3の夏にボランティアを体験した際に知り合った男の子が模擬国連の活動をしていたんですが、彼の自身に満ちた言動を見て刺激され、自分もチャレンジしてみようと決めました。

エデュ:模擬国連の活動内容を教えてください。

Y.Yさん
Y.Yさん

二人一組で一国の「大使」になって、地球規模の国際問題について議論を交わします。毎年変わるテーマには食糧問題や環境問題などがあり、普段は他校の生徒たちと議論を深めています。

S.Mさん
S.Mさん

今年の3月は、北京で開催されたハーバード大学主催の模擬国連に、「中央アフリカ共和国代表」として参加してきました。世界中の高校生が集まる模擬国連に出席するのは、とっても刺激になります。

模擬国連のようす

エデュ:模擬国連に参加して成長したと感じる点はありますか。

Y.Yさん
Y.Yさん

模擬国連というと、国際問題に詳しくなったり、英語力が向上したりするイメージがありますが、それだけではありませんでした。実際に参加してみると、他の国と向き合う前に「自分の弱みや強み」を理解していないと、交渉や提言をすることはできないと分かりました。私にとっての模擬国連は、自分自身への挑戦だと捉えています。

S.Mさん
S.Mさん

世界中の高校生と語り合うといった、机上では学べない経験ができて、世界を舞台に活躍できる真のリーダーになるためには、どのように考え、何を勉強するべきかを学ぶ良い機会になりました。模擬国連に参加することで人間的に成長できたと思います。

正解のない学びに挑む
「クエストエデュケーション」

実在の企業から与えられたミッションに対して、商品開発やサービスの提案にチームで挑む「クエストエデュケーション」。アンケート調査やフィールドワーク、議論を積み重ね、最終的にチームごとのプレゼンテーションを行います。実践女子では高1生が全員参加で取り組んでおり、「クエストカップ」と呼ばれる全国大会への出場を目指します。プログラム参加の目的や生徒の成長について、数学科・情報科・技術科教諭の佐川大先生にお話を聞きました。

佐川大先生

エデュ:クエストエデュケーションに参加する目的を教えてください。

佐川先生
佐川先生

これからの時代に取り組まなければいけない課題の一つとして「正解のない学び」が挙げられると思います。多様な価値観や考え方に触れながら、自らの可能性を“探究”するためには、社会問題とつながっている「生きた題材」で学ぶのが一番だと考えています。

エデュ:どのような流れで活動するのでしょうか。

佐川先生
佐川先生

約1か月でテーマ自体の下調べをしてから、アンケート調査や考察で半期(6か月)を費やします。そして、わずか2か月で発表資料を作成するというハードスケジュールですが、「総合」の授業で学んだプレゼン技術を活かすことで、より発展した学習になります。

クエストエデュケーションのようす

エデュ:実際にプログラムを体験して、生徒はどのような成長を見せるのでしょうか。

佐川先生
佐川先生

まずは、常にアンテナを張って情報収集する習慣が身につくようになりました。また、実在する人物や企業が題材なので、それに関わる社会人と交流することで、生き方、働き方を考えるきっかけとなっていると感じています。

実践女子がめざす“汎用性のある人間力”育成

「模擬国連」や「クエストエデュケーション」のような探究プログラムを体験することの意義や、理想の生徒像はどのようなものなのでしょうか。英語科教諭で広報部顧問の松下寿久先生にお話を聞きました。

松下寿久先生

わが校では1世紀以上にわたり、女子教育の伝統を築いてきました。その中で大切にしているのは、「全人教育」です。学業だけでなく、学校行事、クラブ活動、委員会活動、今回紹介した探究プログラムのすべてを土台とし、バランスの取れた人格形成を目指しているということです。例えば、運動会のような学校行事も重要な全人教育の一環です。半年も前から生徒たちが実行委員会を組織し、企画から運営まですべてを生徒たちの手で行います。本番では、苦労が報われた感動で涙する生徒の姿をたくさん見かけます。このように他と協働する体験を積み重ねることが、豊かな人間性を養う上で非常に重要だと考えています。

英語の授業のようす1

ますます多様化するグローバル社会にあって、本校の探究教育は時代の要請に応えるものです。英語の授業では、ペアワーク、グループワーク、プレゼンテーション等を多用した能動的学習が基本です。海外研修も、英語学習中心の語学研修から、女性の社会参加やさまざまな異文化をテーマにした探究プログラムへと刷新しました。他にも、「理科ゼミ」や「サイエンス探究プロジェクト」、キャリアプラン「25年後の世界と私」の作成など、さまざまな探究プログラムに取り組んでいますが、いずれも生徒たちが自ら課題を見つけ、その解決のために多様な考え方と交流することで、新たな世界や価値を生み出しています。本校がめざすのは、どんな時代でもしなやかに対応できる汎用性を備えた人間力の育成なのです。

英語の授業のようす2

その中で、これまで実践女子のグローバル教育をリードしてきたGSC(グローバルスタディーズクラス=国際学級)の募集を、2018年度に停止することを決断しました。グローバル教育を停止するのではありません。逆です。GSCで培ってきたノウハウを、全クラスに応用していこうという発展的解消です。英語教育は、レベル別少人数多展開の授業になります。ネイティブ教員の授業時間数も増やし、日本人教員とのティームティーチングもさらに充実させます。この改革と連動して、入試方法も大きく再編しました。入試回数の増設、2科4科の選択制、1科入試導入、午後入試導入、総合探求型入試導入など、多様な受験生が受験しやすい入試形態になりました。ぜひ多くの受験生に志願してほしいと思います。

実践女子に入学すれば、将来を期待できる6年間になるでしょう。親として社会人として活躍する40歳になった時にこそ真価を発揮する、生徒の25年後の生き方に責任を持つ教育を提供したいと考えています
校名そのものである「実践」を大切にするわが校の教育内容を、もっと広く知ってもらいたいと願っています。

編集者から見たポイント

今回紹介した「模擬国連」と「クエストエデュケーション」は、実践女子が行っている全人教育のほんの一部にすぎません。ほかにも生徒の未来を拓くプログラムが多数ありますが、伝統の女子教育と革新の取り組みが見事に融合しています。今年度は、そうした革新する伝統校の魅力が再注目され、学校説明会参加者は大幅に増加しています。「思考・表現入試」の体験会では、申し込み開始からわずか3日間で満席になるほどでした。大切なわが子が安心して通えて、かつバランスの取れた全人教育を推し進める実践女子のキャンパスへ、親子一緒に足を運んでみてはいかがでしょうか。

2017年度 学校説明会日程

日時 詳細
12月16日(土) 13:00~15:30 第6回学校説明会(小学校4年生~小学校6年生)
1.中学生による制服紹介
2.中学生による学校紹介
3.実践女子学園の理念
4.バージョンアップした実践女子学園の入試
5.2018年度入試の問題解説
1月13日(土) 10:30~12:30 第7回学校説明会(小学校4年生~小学校6年生)
入試問題解説の抜粋

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:実践女子学園 中学校高等学校